YouTubeやSNSで、自分の愛する「酒場」について発信し続けるインフルエンサー、なおたかさん。彼がオーナーを務めるオンラインサロン「酔愛倶楽部(すいあいくらぶ)」は、SNSの規制強化という逆境をきっかけに開設されました。
実はなおたかさんは、DMMでオンラインサロンの立ち上げ支援を担当していた元社員でもあります。彼がオンラインサロンを開設・運営するにあたり、プラットフォームとしてDMMを選んだ理由はどこにあったのか。そして、「酒好きによる酒場メディア」をテーマに、性別・年齢を問わず多くの「酒場好き」が集まるこのサロン運営のコツはどこにあるのか。
なおたかさんが現在オーナーを務める「PERFECT BEER KITCHEN 西荻窪店」にお邪魔して、お話を伺いました。

酒飲み。フォローすると腹が減ってお酒を飲みたくなってしまうSNSやYouTubeをやってます。PERFECT BEER KITCHEN 西荻窪 オーナー。
YouTube:https://www.youtube.com/@iam_naotaka
note:https://note.com/iam_naotaka
Instagram:https://www.instagram.com/iam_naotaka/
きっかけはSNS規制。発信者としての新たな場所を求めた
——こちらのお店(PERFECT BEER KITCHEN 西荻窪店)はいつオープンしたのですか?
2023年8月です。「PERFECT BEER KITCHEN」は都内を中心にいくつも店舗があって、「街で1番“美味しく楽しく”ビールが飲めるお店」をコンセプトにしています。樽の鮮度やサーバーの衛生、ガス圧の調整、グラスの洗浄の管理を徹底して、最高の1杯をお出しする。この考えがとても素敵なのと、前々から自分のお店を持ちたいと思っていたタイミングで、「一緒にやらないか?」と声がかかりまして。
それで、現在はここ西荻窪店のオーナーを任されています。

——それとは別に、SNSやYouTubeを通じてお酒がおいしそうなお店を紹介していると。
昔から酒場というか、人と乾杯する場が好きなんです。いろいろな場所で人と飲むにつれて、お酒自体のおいしさにも目覚めていきました。それがひいてはSNSでの発信活動につながっていったんですよね。
ある時、「神田屋」さん、「マロリーポークステーキ」さんという2店舗とコラボをさせていただいたんです。すると、どちらの店舗でも数百万円の売上につながりました。自分の大好きな酒場に少しでも貢献できて、本当に嬉しかったですね。
【赤羽】最強晩酌セット再び!1500円で堪能できる量じゃないコスパ最強メニュー作った【神田屋】
https://www.youtube.com/watch?v=m_Ca-NEmXQc
最大7杯&ステーキ&3品が税込1500円!? 大手町のコスパ最強せんべろ店とさらに価格崩壊してる最高なセットを作りました
https://www.youtube.com/watch?v=KnfsUxbgaVA
——すごい!非常に順風満帆に見えますが、なぜオンラインサロン「酔愛倶楽部」を開設しようと思ったのですか?
「いつかやりたいな」という構想自体は1年ほど前からありました。ただ、なかなか踏み出せずにいました。
僕はYouTubeなどでさまざまなお店を紹介していますが、動画を1本制作するのに撮影や編集にすごく時間がかかります。そのため、伝えられる情報量には物理的な限界があるんです。
たまにお店や街中で視聴者さんに会うと「いつも参考にしてます!」と言っていただきます。それは本当にありがたいことなんですが、僕の中では「いや、実は紹介できていない良いお店が、まだまだたくさんあるのにな」というもどかしさもありました。
いつかサロンのようなクローズドな場所で、本当にコアなファンの方に向けて、僕がまだ出せていない情報をすべてお見せしたい。そうすることで、皆さんの飲みライフがもっと豊かになったらいいな。そんなことを考えていました。一方で、「PERFECT BEER KITCHEN 西荻窪店」のオープン・運営で非常に忙しく、なかなかサロン開設に踏み切れなかったんです。
そんな中、一番の決定打になったのは、ここ半年くらいで急激に強まったSNSのお酒に関する規制でした。
——SNSの規制ですか。
僕自身、お店のTikTokアカウントでビールを注いでいるだけの動画が永久BANされたり、周りの発信者仲間も動画を消されたりすることが増えてきて。TikTokに限らず、YouTubeやInstagramでも同様の傾向が見られています。この状況を見て、いよいよ「自分のメディアを別に持っておかないとまずい」と考えるようになったんです。

人、データベース、プラットフォーム。DMMを選んだ3つの理由
——オンラインサロンはさまざまな企業からプラットフォームが提供されています。その中で、DMMを選んだのはなぜですか?
実は僕、DMMに在籍したときはオンラインサロン事業部にいたんです。それこそ、この事業の立ち上げ初期から携わっていました。DMMでオンラインサロンに関わるスタッフは、サロンのことを本当に考えている熱量のある人ばかり。そんな「人」に対する信頼が、プラットフォームを選ぶ大きな理由になりました。
それと、DMMが持つ豊富な「データベース」も魅力的でした。DMMはオンラインサロンの事業に対して長い歴歴を持っています。大小さまざまなサロンの成功事例・失敗事例がケーススタディとして大量に蓄積されていて、支援を受ける身として安心感がありました。
それに、DMMは自社でオンラインサロン用のアプリを開発・運営しています。僕がサロンを始めたきっかけはSNSの規制強化でした。外部のプラットフォーム、例えばDiscordやSlackなどを使っていても、今後同様の規制が起こる可能性があります。
この先どうなるかわからないからこそ、こうした規制のリスクが低いDMMの安心感は非常に大きいなと感じました。
「これだけで元が取れる」と絶賛。オーナー厳選の「酒場マップ」
——「酔愛倶楽部」のコンセプトについて教えてください。
僕の発信活動のスタンスは、あくまで「情報のメディア」であることです。なので、サロンも「酒飲みによる酒飲みのための、飲酒ライフが充実する場所」として、SNSよりもさらに濃い情報を届けられる場所にしたいと考えています。
もちろんコミュニティとしての側面も大切ですが、メインはあくまで情報価値。よほど著名な芸能人でもない限り、ただ個人にファンをつくるのは難しいと思っています。僕がVlogをやったところで、そこに大きな価値はないでしょう(笑)。
サロンに入った誰が見ても「価値がある」と思えるものを提供したい。そうなると、重要なのは情報だと考えています。
——あくまでも情報に重きを置いていると。
最近、グルメに関連するインフルエンサーの投稿はPR案件がすごく増えています。PRは決して悪いものではないのですが、コンテンツではものすごく絶賛されているのに、Googleレビューを見るとあまり評価が高くないというものも少なくありません。僕自身、「なぜこのお店がここまで(動画で)称賛されているんだろう?」と首をかしげることもあります。
この状況に違和感があるからこそ、お金を払って応援してくれるサロンメンバーには、絶対にそんな想いをしてほしくない。だからこそ、「酔愛倶楽部」は絶対に裏切らない酒場メディアとしてのポジションを確立したいと考えました。

——「酔愛倶楽部」にはどのような属性の人が多く参加していますか?
SNSのフォロワーさんもそうですが、年齢は20代前半から50代と非常に幅広いです。見るからにお酒が好きそうな人もいれば、「この子も参加してくれているの!?」とこちらが驚く子もいます(笑)。
性別もそこまで大きな偏りはなく、男女比は6:4くらいかなと。オンラインサロンになると、やや女性の割合が増えますね。
——多彩な人とお酒を楽しめるようなサロンになっているのですね。サロンの中で特に人気のコンテンツは何ですか?
ぶっちぎりで人気なのは、サロンメンバーさんだけが見られる「酒場マップ」です。僕が今まで訪れたお店が登録されていて、一つの画面で可視化できるようになっています。現時点で約1300件登録されているんですが、お気に入りのお店をすべて網羅しているわけじゃなく、今も追加しているところです(笑)。
——1300件!すごい数……。
先日、大阪のサロンメンバーさんが東京に来たときに「このマップだけを頼りに飲み歩いたら、ものすごく楽しかった」と言ってくれました。他のメンバーさんからも、「あれだけで(サロン会費の)元が取れる」「安すぎる」という声をたくさんいただきます。
このマップには自信がありましたが、「このコンテンツはお金を払うに値するものなのか?」という不安もありました。だからこそ、たくさんのポジティブな意見をもらえたのは、本当に嬉しかったですね。
——「安すぎる」との声もあるということですが、サロン会費を初回限定で1,100円、それ以降は月額1,650円にしたのはなぜですか?
僕はだいたい、一度の飲みで4,000〜5,000円くらいのお金を使うことが多いです。サロンメンバーさんも同額の金額を使う人が一定数いると考えました。そういう人たちに対して、月額3,000円とか5,000円とかいただくと、その分お酒を飲む機会を奪ってしまうと思ったんです。
そうした金銭的負担を抑えつつ、僕のフィルターを通して外れのないお店の情報を伝える場に払えるお金を考えた結果、この金額になりました。
飲み友が自然に生まれる。双方向の交流を生むための工夫
——「酔愛倶楽部」は情報メディアとしての価値を主軸にしているとのことですが、それ以外に工夫していることはありますか?
会員さんとの距離感は結構意識しています。例えば、投稿の文末を「〜〜です!」みたいに、あえてカジュアルにしています。オーナーの発言が硬いと、みんな身構えてしまいますから。あまりに馴れ馴れしすぎるのはダメですけど、友達くらいの近い距離感のほうが、コメントもしやすいと思っています。
あとは、「プロフィールを作ってくださいね」としつこいくらいアナウンスしています。なぜプロフィールが必要なのかの理由も、「こういう場にしたくて、僕自身もみんなのことを知りたいから」と丁寧に説明しました。匿名性の高いオンラインだからこそ、どうすればお互いの顔が見えるようになるか、というのは常に意識しています。
——オーナー自らが空気作りをされているのですね。
オフ会でも、サロンメンバーさん同士がつながりやすくする工夫をしています。その一つとして、オフ会ではオンラインサロン内のアイコン画像を印刷した名札を用意しているんです。
オンラインだとアイコンで相手を認識しているので、名前だけだと「誰だっけ?」ってなりがちです。せっかく対面で会えたのに、みんな段ボールを頭にかぶっているような状態だったら、誰とも話せないですよね(笑)。この名札があれば顔とアイコンが一致するので、その後の交流もスムーズになります。

オンラインサロンを無理なく続ける秘訣は「日常の延長線」であること
——オンラインサロンの運営には、どのくらいの時間をかけていますか?
オンラインサロンのためだけにゼロから何かを作ることは、なるべくしないようにしています。文章を考えたり投稿したりする時間でいうと、週に3時間くらいでしょうか。酒場巡りの時間を含めると、もっと膨大な時間になりますが(笑)。
SNSの発信もそうですが、無理しすぎると続かないと思っています。オンラインサロンのコンテンツを増やすために酒場を巡るのではなく、日常の延長線上で「これはサロンでどう活かせるかな?」と考えるようにしています。
——日々の活動とサロン運営をうまく紐づけているのですね。
そうですね。例えば、気になるお店を見つけたらサロンの投稿画面の下書きに直接メモしておくとか、そういう小さなことの積み重ねが大切なのかなと。ちなみに、DMMのアプリはスマホとPCで下書きが同期されます。運営者として、この機能はすごくありがたいです。
キラーコンテンツを見極めて、すぐに始めよう
——「酔愛倶楽部」の今後の展望を教えてください。
オフ会は今後、もっと頻度を上げていきたいですね。サロンメンバーさんが自主的にオフ会を開く機会も設けていきたいですが、お酒の席は場のコントロールが難しい側面もあるので、いろいろ調整しつつ動いていきたいなと。それに、今は僕だけが「酒場マップ」を編集しているんですが、サロンメンバーさんと一緒にマップを作っていきたいなと考えています。
ゆくゆくは、メーカーさんと協賛して「酔愛倶楽部」とのコラボも実現したいですね。そのためにも、まずはサロンメンバーさんを500人まで増やしていきたいです。
——これからの「酔愛倶楽部」の動きにこうご期待ですね。最後に、これからオンラインサロンを開設しようと考えている人にアドバイスをお願いします。
多くのサロンオーナーさんは、僕のように「自分のサロンはお金をいただく価値があるのか」という不安を抱いていると思います。そこでおすすめしたいのが、「これなら絶対に満足してもらえる」というキラーコンテンツを一つ用意することです。
僕の場合、それが「酒場マップ」でした。オンラインサロンをやる上であれこれ企画すると思いますが、「数打てば当たる」というものでもありません。ビール専門店なのに、ビールは普通で他のドリンクばかり充実していたら本末転倒ですよね。オンラインサロンも同じで、まず絶対に外せない主軸が一つあるからこそ、他の企画も活きてくるんだと思います。
——なおたかさんはどのように、キラーコンテンツを見つけましたか?
僕の活動はすべて、ペルソナが「自分自身」です。SNSを始めたのも、「自分が見たいと思うような、お店の臨場感が伝わる酒場メディアがなかったから」という理由でした。オンラインサロンも同じで、「自分がお金を払ってでも欲しい情報や体験は何か?」を突き詰めて考えました。
キラーコンテンツを考えるときは、「それを誰に届けるのか」を意識するのがよいと思います。
——ありがとうございます。最後に、もしも最初からオンラインサロンをやり直せるとしたら、変えたいことはありますか?
うーん……悩みます。でも、もっと早くやればよかったな。1年間はさすがにアイディアを温めすぎた気がします(笑)。
人の熱狂には波があって、ライフステージの変化などで、どうしてもコンテンツから離れてしまう人がいます。僕が準備にもたもたしている間、本来届けられたはずの人にコンテンツを届けられなかったんじゃないかという後悔は、今も少しあるんです。
何の準備もなく始めるのは違いますが、先ほどお話ししたキラーコンテンツさえ決まっていれば、あとは走りながらでも軌道修正はできます。もしサロンに興味があって、ある程度の熱量を持ったファンの方がいるのであれば、思い切って始めてみるのをおすすめしたいです。

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