去る2016年6月23日に改正風営法が施行されました。これによって何が変わるのか、今後ナイトカルチャーを愛する人たちに求められる行動規範とは何か。DMMオンラインサロンで「須永辰緒のインクレディブルDJ’S」を主宰する”レコード番長”こと須永辰緒氏に伺ってみたところ、ご本人の所属する<クラブとクラブカルチャーを守る会>よりコメントを頂く事ができました。今回はそちらを紹介させて頂きます!(Synapse編集部 2018年12月10日加筆・修正)
風営法改正で何が変わる?
私たち「クラブとクラブカルチャーを守る会(通称CCCC)」は、DJ、アーティストで構成される団体で、風営法改正のロビー活動を行ってきました。ロビー活動の成果もあり、昨年6月に風営法が改正され、今年6月から施行されています。
これまでの風営法では、ナイトクラブは風俗営業にあたり、深夜営業を行ってはいけないということになっていましたが、改正風営法では日本でも深夜にナイトクラブの営業を適法に行えることになります。
もちろん、風営法改正の影響はナイトクラブだけにとどまるわけではありません。
日本でこれまで認められてこなかった飲食店における深夜の遊興が認められることになり、新しい形態のナイトカルチャーを担う場所が増えていくと思います。
他の価値観を有する人たちに敬意を払う
一方で、夜の街に人が集まることになれば、騒音や迷惑行為が増えることにもつながる可能性があります。
夜の街を楽しむことも素晴らしいことですが、周辺に住む人たちに迷惑をかけてはいけないと思います。
多様な文化が受け入れられる土台を作るためには、別の価値観を持つ人たちに対して、文化が理解されなくても、その文化の存在自体を許容してもらうようにする必要があります。
そのためには、ナイトカルチャーを愛する人たちは、ただナイトカルチャーを楽しむだけではなく、社会の一員として、他の価値観を有する人たちに敬意を払うことが大切です。
深夜に道路で大声で騒がない、道にゴミを捨てないといった、最低限のマナーを守り、近隣の住民へ敬意を払いながら、クールに遊ぶことが、ナイトカルチャーを守り、文化の多様性を生み出す源泉になると思うのです。
新しい東京を、新しい日本を
そこで、CCCCは、現在、「PLAYCOOL」というナイトカルチャーにおけるマナー向上キャンペーンに取り組んでいます。
今年4月にオランダで開催された「ナイトメイヤー世界サミット」(CCCCの会長でラッパーのZeebraがアジアから唯一のスピーカーとして参加)でも、注目のトピックとして、騒音問題が取り上げられるなどしていて、PLAYCOOLという方向性が間違っていないということを実感しました。
新しい東京を、新しい日本を是非楽しみにしていてください。またこれらの取り組みは社会におけるDJの地位向上にも繋がります。ご期待ください。
Photo by 日浦一郎