あなたは人工知能について、どんなイメージを持っているでしょうか?「人工知能(AI)」というキーワードは、ここ数年でテレビ、雑誌など様々なメディアにも登場するようになり、広く一般に認知されるようになりました。同時に、巷では「人工知能と人間は全く違う」、「人工知能に仕事を奪われるのではないか」という声を聞くことも多くなりました。
「難しい」というイメージがついて回る人工知能。しかし、人工知能学習サービス「Aidemy」の生みの親である、石川聡彦さんはこう語っています。
「人工知能と人間は、学びという面では根本的には同じである」と。
そこで今回は、石川さんが考える、人工知能と人間の学びの共通点。そして、その可能性を探ります。
石川聡彦(いしかわ あきひこ)
株式会社アイデミー代表取締役CEO。東京大学工学部都市工学科卒業。学生時代に自身の研究で人工知能に触れた経験を活かし、人工知能学習サービス「Aidemy」をリリース。「Aidemy」は人工知能学習を手軽に始められるサービスとして、注目を集めている。
人工知能のハードルを下げた「Aidemy」
―「Aidemy」について簡単に教えてください。
「Aidemy」は「10秒で始めることができる、人工知能に特化したプログラミングの学習サービス」です。今まで人工知能という分野はとてもハードルの高いものでした。高性能のサーバーが必要であったり、数学の知識が必要であったり。
私たちはそのような、初心者が躓きやすいポイントを排して、インターネットに接続すればすぐに人工知能プログラミングを始められる、そんな教育サービスを提供しています。
―「Aidemy」は実際にはどのような使い方をされていますか?
プログラミングの経験があって、今の力にプラスして人工知能の力を利用したい、という方によく使っていただいています。
10コースほど受講していただければ、自分の作ったシステムに人工知能を組み入れることができます。
人工知能×○○。異分野が広げる人工知能の可能性
―「Aidemy」を使うことによって、自分のやりたいことの可能性を広げることができる、というわけですね。石川さんは「Aidemy」を、どんな方に使ってもらいたいと考えていますか?
「Aidemy」を特に使っていただきたいのは、コンピューターサイエンスではない専門がある方です。私はもともと大学で、化学物理系の研究をしていました。そこで人工知能を用いたデータ分析をやったのが、人工知能に触れたきっかけになったんです。
今、人工知能はかなり扱いやすくなっているので、何か専門分野を持った方が人工知能を学ぶと、その視点をベースにデータ解析ができます。
ずっとコンピューターだけを専門にしてきた人は、データ解析が難しいんですよ。たとえば水道についてのデータ解析をしたかったら、まず水道についてのバックグラウンドが必要になるんです。機械学習そのものはどんどんシンプルになっているので、化学とか、コンピューター以外の専門分野を持っている人が人工知能を学んだほうが、”コスパがいい“んじゃないかな、と思います。
誰でも手軽に始められる「Aidemy」は、コンピューター以外の専門分野を持つ人にも人工知能に触れる間口を広げています。
人工知能を通して自分の学びの可能性を広げる。これこそが、石川さんの考える「Aidemy」の利用方法のひとつなのです。
では、ここからは少し趣向を変えて、石川さんの思う「学び」について伺います。
20代のうちは最新技術のプロを目指せ
―石川さんが考える学びに大切なこと、学ぶべきことは何ですか?
20代のうちは最新の技術を学ぶべきだと思っています。たとえば弁護士とかって、出世するのは難しいじゃないですか。50代、60代くらいにならないとプロフェッショナルになれない。
でも、最近生まれた技術、たとえば人工知能のディープラーニングとかは2011年に発見された技術なので、詳しい人でもまだ7年くらいのキャリアしか積んでないんですよ。20代の強みは、学びが早いこと。1年か2年、本気で最新の技術を学んだら、わりと早いスピードでプロフェッショナルになれるんです。だから人工知能やブロックチェーンなどの最近話題の技術を学ぶといいと思っています。
―学びにはスピード感が大事ということでしょうか。
スピード感というよりは、選択が大事だと思うんです。時間って有限じゃないですか。そんな中で自己投資しよう、何かを学ぼう、という意識の高い方であれば、最新の技術を学んだほうがいいと思いますね。
人工知能と人間の学びに違いはあるのか?
―人工知能は人間が教え込むことによる受動的な学び、人間は選択による能動的な学び、というイメージがあります。実際はどうなのでしょうか。
そもそも人工知能のディープラーニングでやっていることって、人間の学びとさほど変わりはないんですよ。たとえば0歳の人間は、どろどろの世界観の中で、何も区別されてない画像を見ているんです。1歳か2歳で画像認識できるようになって、ここに人がいて、机があって、というふうに区別できるようになります。
つまり、0歳の子供は人工知能と同じようにディープラーニングをしているんですよ。画像をひたすら見て、その画像が適切に認識できる頭を作っている。人工知能で猫の画像を認識できた、というGoogleの有名な事例がありました。この事例では、膨大な量の画像を人工知能に読み込ませて、最終的に画像を猫であると認識させることに成功したんです。だから人工知能も人間も、やっていることは本質的には一緒なんですよね。
人工知能も人間も、「学び」の原点は同じ。人工知能を学ばせることと人間を育てることは実はとても似ている、と言えるのではないでしょうか。
では石川さんは、そんな人工知能の未来をどうとらえているのでしょうか。最後に石川さんが考える、人工知能と人間の未来の可能性を伺いました。
テクノロジーと社会のギャップを埋める。人工知能と創る未来とは
―「Aidemy」が目指す未来の姿とはなんでしょうか?
僕たちは「社会とテクノロジーをつなぐ」というミッションを掲げています。「人工知能に職を奪われる」、「人工知能が自我を持って人間を襲う」という話を聞いた人もいるかもしれません。このように、社会とテクノロジーには大きな断絶が生まれているのが現状です。
でも、テクノロジーって基本的には人間の生活を豊かにするために生まれているものなので、もっと「人工知能って便利だよね」と思う人が増えていくようにしたいんです。人工知能のような先端技術を扱う人が増えれば増えるほど、テクノロジーフレンドリーな人って増えていくと思うんですよ。「新しい技術って面白いね」って、みんなが言える世界を広げていきたいですね。
正社員でも、副業でもなく。オンラインサロンは第3の選択肢
―テクノロジーフレンドリーな人づくりの一環として、オンラインサロンがあります。このオンラインサロンを通してどんな人に出会ってみたいですか?
このオンラインサロンは、「Aidemy」を世の中に広めていきたい人に向けて提供しています。
「Aidemy」を広める手段のひとつとして、アイデミーの社員になるという方法もありますが、それだけじゃないと思うんです。
副業的に関わりたい人もいるだろうし、副業禁止の人はボランティア的に関わりたい。そう思ってくれている人に新たな選択肢を提供しているのがオンラインサロンです。私が話している内容に共感してくれた方、特に社会人の方にはぜひこのサロンに入っていただいて、一緒に活動して行きたいですね。
人工知能も人間も学びの根底は同じ。だからこそ人工知能を利用することで、人間は自己の可能性を広げ、その恩恵を享受することができる。石川さんの言葉からは、そんな未来に向けた力強い確信がうかがえました。
AI学習サービス『Aidemy』のエヴァンジェリスト事業部は、人工知能学習サービス「Aidemy」を世の中に広めるために活動を行うオンラインサロンです。私たちの可能性を広げてくれる人工知能を「よくわからないもの」にしておくのは勿体無い気もしますが、石川さんが語ったように、人間とテクノロジーの間に深い溝があるのも事実。
「その溝を埋めたい」、「人工知能を広めていきたい」と思っている方は、オンラインサロンに参加してみてはいかがでしょうか。