誰もが一度は考える「お金持ちになりたい」という願い。しかし、具体的にお金持ちになるための方法を考えたことはあるでしょうか。お金持ちになるためには、転職・起業・資産運用・節約など、さまざまな方法があるものの、確実にお金持ちになる方法はないと言わざるをえません。それでも、お金持ちになるための考え方は、人生の助けになってくれるはずです。そこで今回は、立場に合わせたヒントやおすすめの書籍をご紹介します。
お金持ちとは
「お金持ち」とはどんな人を指すのでしょうか。文字通り「お金がたくさんある人」のことを指すのは言うまでもありませんが、これは少し曖昧なイメージだといえます。まずは、お金持ちになるための具体的な条件を確認してみましょう。
安定した高額の収入
お金持ちは、お金をただ持っているだけではありません。長い目で見て安定した高額の収入を得られるよう、お金を使うことのできる人がお金持ちになれると考えられます。たとえば、アメリカの経営コンサルタントであるスティーブ・シーボルドは「貧乏人は小銭を貯めるが、お金持ちは大金を稼ぐことを考える」と語っています(※)。
彼が言うように、短期的に目の前の小銭を稼ぎ、将来への不安から稼いだお金を貯金に回すばかりでは、高額の収入を得ることはできないでしょう。長期的な目で利益を見すえ、ときにはリスクをとる決断をすることで、初めて大金を手にする可能性が生まれます。また、お金を稼ぐためのアイデアや問題解決の方法を常に考え、実践していくことで安定した高額の収入につながっていくといえるでしょう。
(参考:スティーブ・シーボルド『金持ちになる男、貧乏になる男』サンマーク出版(2012))
資産の保有
資産とは単に貯蓄や現金だけを指すわけではなく、不動産や株なども含まれます。一般的にお金持ちと呼ばれる人々は、実際にどのくらいの資産を保有しているのでしょうか。
野村総合研究所が2018年に公表した調査結果によると、日本には1億円以上の資産を持つ富裕層が127万世帯いるようです(※)。これらの中には、もともと親がお金持ちだったという世帯もあれば、自力でお金持ちになった人もいます。
資産を増やすためには、起業したり投資をしたり、大企業で重要な役職に就いたり、という方法が考えられるでしょう。「すぐ儲かる」という罠にだまされず、将来資産を保有するために地道に動くことが大切です。
※(参考:「野村総合研究所、日本の富裕層は127万世帯、純金融資産総額は299兆円と推計」)
時間の有効活用
お金持ちは、時間を有効に使っています。しかし、仕事の時間を長くしているというわけではありません。
ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏は、「お金持ちが仕事にあてる時間が3だとすると、あとの7は投資にあてている」という内容を語っています。運動をしたり、知識を得るためにインプットをしたり、家族とコミュニケーションをとったりと、時間の使い方はさまざまですが、どれも自分の価値を高めるための時間である、という点では共通しています。
しかし、自分磨きの大切さはわかっていても時間をつくることができない、と悩んでいる人もいるでしょう。そんな人は一度立ち止まり「本当に自分でなければできない仕事か」ということを考えてみてはいかがでしょうか。すべての仕事をひとりで背負おうとせず、ときには周囲を頼ったり効率化できそうな部分を考えたりすることも、お金持ちになるためには必要です。
(参考:Newsweek お金持ちになりたいなら、もっとお金を使おう)
お金持ちになるには
お金持ちになるための道はひとつではありません。自分がやりたいことや今の立場に合わせて、さまざまな選択肢があります。
自己投資して役職を上げる、転職する
自分の能力や価値を磨くために行動を起こすことは、お金持ちになるうえでとても大切です。そして、行動の結果として役職が上がり、収入が増えることもあるでしょう。もし、今の会社での立場に限界を感じたら、より自分が活躍できる会社に転職するという手もあります。
どちらの方法にしても、大切なのは自己投資。すぐれた能力を持つ人が主宰するセミナーに参加したり、知見を広めるために旅行に行ったりすることも有効な自己投資の方法です。
資産運用をする
お金持ちになるためには、お金が入る仕組みをつくり、循環させることが必要だといえます。つまり、稼いだお金を貯めこむのではなく、次の収入に向けて使っていくのです。
その手段のひとつが資産運用です。不動産や株など、自分自身が働いて得るお金以外にも収入源をつくってみましょう。
起業をする
目標を実現するために起業することも、お金持ちになる方法のひとつです。起業といっても、自宅で始められるものから、従業員を雇ってオフィスをかまえるものまで、その規模はさまざまです。まずは副業として小さな規模から始めてみてもいいですし、資金を貯めてからある程度の規模で起業するという方法もあります。
(参考:長岐隆弘『見える化すればお金は増える!』集英社(2016))
将来、お金持ちになるためのヒント
今すぐお金持ちになることは宝くじにでも当たらない限り難しいでしょう。しかし、長い目で見れば、今からできることはゼロではありません。会社員、主婦、学生など、それぞれの立場で、お金持ちになるためのヒントをご紹介します。
会社員
・役職以上の責任感を持つ
お金持ちになる人は、文句を言う前に改善策を考え、責任感を持って仕事をします。たとえ新入社員でも課長でも部長でも、この仕事に対する心構えは変わりません。また、「何か問題が起きても最終的には自分が責任を取る」という気持ちで、新しいことにどんどんチャレンジしていく傾向にあるようです。そうすることで次第に能力が伸び、結果として収入アップにつながる可能性があります。仕事の中で多くのチャンスをつかむためにも、常に役職以上の責任感を持って働いてみてはいかがでしょうか。
・自分の市場価値を知り、転職を視野に入れる
「いくら頑張っても正当に評価されない」、「昇給の見込みがない」という悩みを抱えている人もいるでしょう。そんなときは思い切って、転職を視野に入れてみましょう。
しかし、ただ会社を変えるだけではお金持ちになることはできません。自分にはどれほどの市場価値があるのか、さらに価値を高めてお金を稼ぐためにはどうしたらよいのか、しっかり分析を行い、それに基づいて行動することが大切です。
主婦
・限られた時間をお金に変えるアイデアを考える
主婦をしていると家事や育児などに追われ、自由に使える時間には限りがあることがほとんどです。しかし、短時間であっても、時間を有効に使えばお金を稼ぐことができるでしょう。たとえば、インターネットを活用して在宅でできる仕事に挑戦してみるのも一つの方法です。実際に、主婦目線で家事の手助けになるアイデアグッズを開発して特許を取り、お金持ちになった事例はいくつもあります。
そのほか、投資をするという方法もあります。将来の生活や目標のためにどれくらいの金額が欲しいのか考え、それに見合った方法でお金を稼いでみてはどうでしょうか。
・将来働くことを想定し資格を取得する
今は専業主婦であっても、将来的には働きたいと考えている場合、資格取得に取り組んでもいいでしょう。ただし、「どんな資格でもいいからとりあえず取っておこう」というのはあまりおすすめできません。なぜなら、資格を取ればすぐに稼げる、というわけではないからです。将来自分がやりたいことや、何をしてお金を稼ぎたいのかを考え、そのために必要な資格を取るようにしましょう。
学生
・就職したい企業、職種を調査する
これから就職する学生で「将来はお金持ちになりたい!」と思っている場合、情報収集はとくに念入りに行うといいでしょう。どんなことをしてお金を稼ぎたいのか、将来のライフプランはどのように考えているのかなどで、目指すべき就職先は変わってきます。たとえば、会社でノウハウを学んでから起業したいという場合は、将来のビジネスの基礎を身に着けられそうな、新人でも裁量の大きい企業を探すといいでしょう。また、起業資金を早く貯めるために給料のいい企業を探す、という手もあります。もし、会社で出世を考えているなら、入社後の教育やキャリアパスが整っているかに注目してみましょう。
・起業にむけた時間の投資
起業を視野に入れている場合は、学業と並行して自己投資にも力を入れてはどうでしょうか。長期間海外に行ってみる、将来必要になりそうな資格の勉強をする、人脈をつくるなど、学生のうちからでもできることはたくさんあります。お金があまり使えない分、時間を投資して自分の価値を高めていきましょう。
(参考:午堂登紀雄『仕事が速いお金持ち 仕事が遅い貧乏人』学研プラス(2016))
お金持ちになりたい人におすすめ書籍
お金持ちになるための考え方は書籍からも学ぶことができます。ここではお金持ちになるためのヒントがつまった3冊をご紹介します。
『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター)
お金持ちとそうではない人の違いはどこにあるでしょうか。そんな疑問に答えてくれる一冊です。著者のひとりであるロバート・キヨサキは幼少期から質の高い教育を受け、ビジネスマンとしても投資家としても成功を収めました。この本では、彼が人生の中で気づいた、お金持ちとそうでない家庭における教育内容の違いが述べられています。「お金のために日々働くのではなく、自分のためにお金を働かせるのだ」という考えに、思わず目から鱗が落ちることでしょう。
『チーズはどこに消えた?』(スペンサー・ジョンソン)
絵本のようなタイトルと表紙ですが、中身は立派なビジネス書。お金持ちになるためのヒントが、2匹のネズミと2人の小人による寓話としてつづられているので楽しみながら読むことができます。
チーズが消えたとき、ネズミはすぐに新しいチーズを探しに行きましたが、小人はおろおろするばかり。小人のうちの1人はやがて新しいチーズを探しに行きますが、もう1人は何もせず待ち続けています。そこから学べることは何か、考えながら読み進めてみてください。
『思考は現実化する』(ナポレオン・ヒル)
1937年の刊行でありながら、現代にも通用するヒントが記された本です。著者のナポレオン・ヒルは新聞記者時代に出会ったカーネギーの助力を受け、500名以上のお金持ちにインタビューをしました。そこから見えてきたポイントを17のステップに分け、成功するための方法を解説しています。頭の中で考えていることをどのようにしたら現実化できるのか、読んでいくうちにピンとくるはずです。
お金持ちになるためには、日々の努力がとても大切です。「お金持ちになりたい」と漠然と憧れを抱くのではなく、お金持ちになったら何をしたいのかを考えてみましょう。その目的によって、お金持ちになるための手段も変わってくるはずです。