映像制作のプロたちが大集結!異例のオンラインサロンが誕生。

著者名サトートモロー
映像制作のプロたちが大集結!異例のオンラインサロンが誕生。

『テセウスの船』『翔んで!埼玉』『ルパンの娘』『ROOKIES』『グッド・ドクター』…。映画・ドラマが好きな人もそうでない人も、どれも一度は耳にしたことがあるタイトルではないでしょうか。これら多くの名作を世に送り出してきた、プロデューサーや監督、そして脚本家たちが集い、2020年7月1日に新たなオンラインサロンを立ち上げます!

その名も、「プロ脚本家になるためのシナリオセミナー」。

なぜ今、脚本家にスポットをあてたオンラインサロンを立ち上げたのか。そこには、映像制作の最前線に立つ方々の熱烈な思いが込められていました。

今回は、オンラインサロンのオープンを前に、オンラインサロンの運営者であり、名だたる俳優・女優のマネジメントを担当してきた菜花耕平さんと、講師の一人で『テセウスの船』『そして、生きる』などを手がけたプロデューサー・渡辺良介さんにお話を伺いました。

業界は若く才能ある脚本家を常に探している

ー「プロ脚本家になるためのシナリオセミナー」の専任講師やゲスト講師の方々を見ると、ものすごい顔ぶれですよね。


徳永友一さん:脚本家。講師

『翔んで!埼玉』『グッド・ドクター』『ルパンの娘』などを担当

中前勇児さん:監督。講師

『ROOKIES』『天皇の料理番』『義母と娘のブルース』などを担当

藤野良太さん:プロデューサー。ゲスト講師

『刑事ゆがみ』『グッド・ドクター』などを担当


最前線で活躍する方々がこれほど多く集まり、オンラインサロンを開設するというのはまさに異例とも思えるのですが、開設に至るまでにどのような経緯があったのでしょうか?

 

菜花耕平(以下、菜花):一つは、新型コロナウイルス感染症の影響で、世の中の状況が大きく変わったことが背景にあります。

「今までにない方法で芸能を盛り上げたい」と考え、オンラインサロンをはじめてみたらどうだろうか、渡辺さんに声をかけました。オンラインなら時間と場所を限定せず、たくさんの人と交流できますから。

 

渡辺良介(以下、渡辺):もう一つは、「優秀な脚本家を目指す人」と「優秀な脚本家を求める人」が出会う場所を作りたかった、ということが背景にあります。

プロデューサーや監督、俳優、そしてスタッフに至るまで、テレビ制作や映画制作に携わる人間には、「脚本がよくないと、作品は面白くならない」という共通認識があります。それくらい、僕たちにとって信頼できる脚本家の存在はとても重要なものでした。

面白いシナリオがあってこそ、はじめてそこにスタッフや俳優が集まる。ですから、僕をはじめ、世のプロデューサーや業界人は、いつの時代も腕の良い脚本家を探し続けてきたんです。

ー脚本家は、とても大切な存在なのですね。これまでは、どのように優秀な脚本家を探してきたのでしょうか?

これまでは、人のつてをたどったり、面白そうな番組を見つけてその脚本家に直接連絡したりと、わりとアナログな手段がメインでした。

中でも、才能がある若い脚本家には滅多に出会えないんですよ。特に最近では、新人脚本家が実際に番組を担当して、結果を出せる機会も少なくなってきています。

しかし、逆を言えば、新人の脚本家やシナリオライターも、僕たちのような業界人と知り合う機会がないということ。このギャップを埋めるのにも、オンラインサロンが適していると考えたんです。

会員さんが書いた脚本を、第一線で活躍する講師陣の目に触れる場所をつくってあげる。そうすれば、僕たちのノウハウを共有できるし、業界の方の目に留まった方は、実際の仕事につながるかもしれませんよね。そういう双方向の環境を、オンラインサロンで作っていきたいなと。

プロ脚本家の育つ環境は、年々少なくなっている

ー新人脚本家が結果を出す機会が減ったとありましたが、それは具体的にどういうことですか?

渡辺:昔は深夜ドラマが「若い脚本家の勉強の場」として機能していたんです。また、新人俳優や新人女優も、深夜枠で芝居の勉強をするなんてこともありました。

今、プロの脚本家として活躍しているのは、大半が当時の深夜枠で鍛えられた人材です。

しかし、最近ではテレビ各局の予算が減少してしまい、深夜枠でも数字(視聴率)が求められるようになりました。その結果、若い才能を発揮させる場所も、プロと交わって成長する場所も少なくなってしまったんですね。

下の世代が育っていない、あるいは才能持っている人が発掘されていないのが、今の映像制作業界の実態と言えます。

映像のプロが語る「脚本家という仕事に求められること」

ーオンラインサロンでは、どんなコンテンツを提供していく予定ですか?

渡辺:まずは、講師陣へのインタビューですね。デビューした経緯や日々どうやって知識・技術を磨いているのか、1日の過ごし方など、講師陣にあらゆることを聞いていきます。

実は、ちょうど先日、第1回目の収録が終わったんです。講師は脚本家の徳永さんで、これまで一緒に仕事をしてきた僕でも知らない情報がたくさん出ました。ですから、会員の皆さんもたくさんの気付きを得られると思います。

また、講師陣は脚本家だけではなく、監督やプロデューサーなど、さまざまな立場で映像制作に関わるメンバーが揃っています。そんな講師陣それぞれの立場から、「脚本家に求めるものとは何か」を語ってもらうコンテンツも配信します。

 

菜花:立場によって、脚本への視点はまるで違います。僕はマネジメントの立場で、これまで数百本のシナリオを読んできました。プロデューサーや監督はストーリーのおもしろさを重視しますが、僕は「出演する俳優のキャラクターがちゃんと立っているか」という視点で脚本を見るんです。ですから、監督やプロデューサーと意見が衝突することも結構ありますね。

渡辺さんとは何度も脚本についてやり合いましたよ(笑)。

テレビドラマならではの「アウトラインの作り方」

渡辺:脚本家それぞれが持っている武器は、似ているようでまったく違います。セリフ回しがうまかったり、構成がうまかったり、演者を魅せるのがうまかったり…。こうすれば一流の脚本家になれる!という虎の巻のようなものはないんです。

サロンでは、テキスト化されていない暗黙のルール的なものも紹介しつつ、広く脚本家に求めることや、それぞれの講師が持っている物語づくりのノウハウなど、「シナリオづくりにはこういう発想があるよ」「ドラマに生きる『いいセリフ』は、たとえばこんなものだよ」ということも伝えていく予定です。

ー渡辺さんのシナリオづくりの「流儀」とはなんでしょうか?

渡辺:「冒頭10分のシナリオ作り」が、ドラマの命とも呼べるくらい大切です。物語作りでは、起承転結の流れが大切だとか、脚本のテーマが大切だとかよく言われるじゃないですか。

でも、僕の流儀では、冒頭で視聴者を引き込むことと物語の目線をしっかりと伝えることを優先しなければならないと考えています。

ですから、脚本をつくる上で、冒頭の見せ方はかなり工夫していますね。現場という戦場では、こうした事実を知らないと生き残れません。

5年先、10年先も。第一線で活躍する脚本家を育てたい

ー「プロ脚本家になるためのシナリオセミナー」には、どんな人に集まっていただきたいですか?

渡辺:先ほども言ったように、講師陣も立場がバラバラで、それぞれの目線で映像について語っていただきたいと思っています。

ですから、脚本家を目指す人々はもちろんですが、プロデューサーや監督を目指す人、映像業界に興味がある人など、幅広く参加してほしいと思います。

また、新型コロナウイルスの状況次第ですが、将来的にはオフ会も開催したいですね。実際に僕たちと会うことで、一緒に仕事をする仲間として、お互いに感性を養う機会になればと考えています。

本気で、若い才能がデビューできるチャンスがあるサロンになったらいいなと思っています。

 

菜花:僕と渡辺さんは、一緒に仕事をして約15年の付き合いで、切磋琢磨しながらここまで来ました。このサロンを通じて才能を開花させ、5年後、10年後も第一線で活躍していける脚本家たちが育つことを願っています。

 

プロ脚本家になるためのシナリオセミナー」の講師陣は、私たちが普段目にする映像作品の裏側で活躍している、現役クリエイター達。第一線で活躍する方々の話を聞けるだけではなく、自分のシナリオについてアドバイスをもらう機会もあるのだとか。

映像業界で仕事をしたい人にとって、これだけ恵まれた環境は少ないでしょう。「プロ脚本家になるためのシナリオセミナー」で、プロの舞台に一歩踏み出してみませんか?

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