曲によってバンドのカラーががらりと変わるような、幅広い音楽性が魅力のロックバンド「シド」。そんなシドの音楽を長年にわたって支え続けているメンバーの1人、ギタリストのShinjiさんがオンラインサロンを開設することになりました!
Shinjiさんがオンラインサロンのメインコンテンツに選んだのは、ギターの魅力を余すことなく伝えるためのギターレッスン。もちろん、そこで題材となるのは、自分たちが演奏し続けてきた「シドの楽曲」そのものです。
12歳からギターに触れ、今もなおギターと音楽を愛し続けるShinjiさんに、オンラインサロンに込めた思いを伺いました。
シドのShinjiさんが、プロになってからギター教室へ通い始めた理由
ーーオンラインサロンの話題に入る前に、まずはShinjiさんがギターにハマったきっかけを教えてください。
僕が最初にギターに興味を持ったのは、中学校の給食の時間に流れていた、B’zの『ZERO』を聴いたのがきっかけでした。この曲を聴いた時はものすごい衝撃を受けて、すぐギターをやりたいと思ったんですね。
実際にギターを始めたのは12歳の頃で、当時の僕はひたすらほかの人の楽曲をコピーするというのを何年も続けていました。作曲するようになったのは18歳になってからなので、約6年間は完コピばかりしていましたね。
今となっては、もっと早く作曲を覚えれば良かったし、もっと上達する練習方法もあったのになぁという反省もありますが…(笑)。
ーー当時はやはり、ギターを始めるきっかけとなったB’zの楽曲をコピーしていたんでしょうか?
さすがにいきなりB’zというのは無理でした(笑)。あと、同じくらい好きだったX JAPANもかなり難易度が高くて…。
自分がコピーできる楽曲を探しているうちに出会ったのが、BOØWYでした。BOØWYの曲は比較的弾きやすかったですし、『CASE OF BOØWY』というライブ映像を観てすっかりハマっちゃって。
BOØWYは、ギターのテクニックが素晴らしいことはもちろんなんですが、ステージ上でのパフォーマンスが圧巻なんです。その頃から、僕もライブで魅せられるような音楽をやりたいと思うようになりました。
ーー完コピ時代を経て、ライブパフォーマンスを意識した作曲を行うようになったことで、ご自身の音楽に対する姿勢の変化はありましたか。
シドに加入する前は僕がリーダーのバンドを組んでいたんですが、当時は僕ひとりが作曲を担当していました。それこそ何十曲も作曲しましたが、当時は僕自身が聴いている音楽の幅も広くなかったので、「これ、あのアーティストに似ているよね」って曲が多かったんですよ。
それでも、僕は周りにダメ出しもさせなかったし、「この通りに弾いて」という指示しか出さなかった。今思うと独裁者のようなやり方で、メンバーにはかわいそうなことをしたなと思います。
しかし、シドでは僕や明希、ゆうやが持ち込む曲に対して、全員でばんばん口を出します。「自分たちの曲をより完成度の高いものにしたい」と、メンバー全員が思っているからこそなんですが、この瞬間は今でも緊張しますね(笑)。シドのメンバーはみんな負けず嫌いで、たくさんのジャンルの音楽を楽しんで演奏したいと考えていたんです。
僕もそのひとりで、シドに入った以上はたくさんの音楽の引き出しを持たないといけないと強く感じて、勉強のためにこれまで興味がなかった洋楽もたくさん聴くようになりました。ジャンルもロックだけでなく、ジャズやヒップホップまで、とにかくジャケット買いして聴きまくっていましたね。
どのジャンルにも素晴らしいギタリストがいるんですが、なかでもスティーヴィー・レイ・ヴォーンというギタリストは、特に強い印象を覚えました。1970年代から活動をしていた古いアーティストなのに、今聴いても本当にかっこいいんですよ。
ーーシドへの加入がきっかけで、Shinjiさんの音楽の幅がぐっと広がったんですね。
あと、シドに入ってギターそのものの知識も一から勉強し直しました。
僕は独学でギターを覚えたんですが、シドがメジャーな存在になるにつれて、プロの現場で迷惑をかけてしまう機会も増えてきて。それまでは「音楽を勉強したら、音がつまらなくなる」と斜に構えていたんですが、プロとして最低限の知識がないのは恥ずかしいと思うようになったんです。だから、いい歳になってからギター教室に通い始めました(笑)。
「シドの音楽」からギターを学ぶ
ーーオンラインサロンでは、Shinjiさんから直接ギターレッスンを受けられるとのことですが、どのような内容になるのでしょうか?
僕よりギターが上手な人はごまんといますし、皆さんは本当に命がけで自分ならではの表現を模索しています。じゃあ僕はミュージシャンとしてどんな表現ができるだろうと考えた時、単純に楽曲のコードをなぞるんじゃなく、僕自身がどう考えて演奏していて、曲全体の雰囲気がどんな風に成立しているのかという解説をしていきたいと思いました。
そして、解説には実際にシドの楽曲を使いたいと考えています。おそらくシドの楽曲を演奏させたら、僕が一番うまいんじゃないかな(笑)。幸い、シドは幅広いジャンルの音楽を扱っているので、皆さんの練習にもぴったりですし。
解説はライブ配信でやる予定なので、配信中はメンバーさんひとりひとりと会話ができる雰囲気が作れたらと思います。質問の過程で、どんどん話が脱線していくのも楽しそうかなって。
そうやって脱線しつつ、誰かに「このフレーズを演奏してみてよ」って無茶ぶりしてみたり(笑)。威圧感のない形で、こういう和気あいあいとした会話ができる場所にしたいです。
あとは、メンバーが増えてきたら、少人数でもいいのでセッションができるようになれば最高ですね。
たくさんの人がギターを「楽しい」と思える居場所を作りたい
ーーShinjiさんご本人からいろいろなアドバイスやコメントをいただけるのは、ものすごく貴重な体験になると思います。オンラインサロンはギター初心者の方でも楽しめるのでしょうか。
ギターの奥深さや面白さを知る入り口のような場所をサロンメンバーの方々と一緒に作り上げていきたいと思っているので、初心者の方も大歓迎です。
実は僕、親戚のお子さんにギターをプレゼントして、誕生日に弾き方を教えたことがあるんですよ。そうしたら、ものの1時間くらいで飽きちゃって、スマホをいじりだしちゃって(笑)。すごく残念だったんですが、ギターって楽しいんだと人に思わせるのが、自分の役目なんだと思いました。
あとは、僕自身もプロになってからギター教室に通い始めたという経験があるので、細かいテクニックにこだわらず、ギターそのものの楽しさをもっと多くの人に感じてもらえたらなと。そのために、基礎的な部分はもちろん、ギターがもっと楽しくなるようなマニアックな部分にも触れてもらえたらと考えています。
Twitterで発信してもいいんですが、いきなりマニアックな話をしてもフォロワーの方は「?」となってしまうでしょう。でも、オンラインサロンだったら思う存分マニアックかつ音楽が楽しくなるような話ができるんじゃないかな。
ーーここでしか聞けないようなマニアックな話が聞けたら、ギターがますます楽しくなりそうですよね。ほかにオンラインサロンでチャレンジしてみたいことはありますか。
僕のサロンメンバーの中からメジャーデビューする人が出てきて、いつかステージ上から声をかけてもらえる日が来たら嬉しいですね。
シドとして活動をはじめて、15年以上。TwitterやSNSでも、「いつか絶対、シドさんに追いついてみせます」と熱いメッセージをくださるミュージシャンの方もいらっしゃいます。こうした声をいただいた時は、長い間音楽活動を続けてきて本当によかったなと感じますね。
そして、皆さんが持っている夢をいつか本当に叶えるために、僕や僕のオンラインサロンも力になれたらなと。
ギターの基礎を学ぶのもあり、マニアックにギターテクニックで盛り上がるのもあり、みんなでセッションするのもあり。シドの音楽を通じて、とにかくたくさんの人にギターを楽しんでもらえる場所を作りたいと語ってくれたShinjiさん。
これからオープンするShinjiさんの新しいオンラインサロンは、音楽が好きな全ての人にとって最高の居場所になることは間違いありません。