シド・ゆうやが「ドラマーの先生になる」サロン、始まります

著者名サトートモロー
シド・ゆうやが「ドラマーの先生になる」サロン、始まります

大人気ロックバンド「シド」のドラム担当であるゆうやさんは、バンドとしての活動はもちろん、自身のYouTubeチャンネル「ゆチャン」で、ゲストとのトークやおもしろ企画まで、幅広いコンテンツを配信しています。

そんな、趣味全開でコミカル、だけどかっこいいという不思議な魅力をもつゆうやさんが主催するオンラインサロン「シド ゆうやにドラム習ってみませんか?」の開設が決定!その中身を少しだけ教えてもらいました。

ゆうやさんのドラムの根底にある「強固な基礎」

ーーゆうやさんは元々、どんな経緯でドラムを始めたのでしょうか?

僕は高校3年までサッカーをやっていて、高校もスポーツ推薦だったんですよ。「勉強は別にやらなくていい」って周囲にも言われていたのに、テストの結果が悪いと結構怒られて。なんでだよって感覚がすごくあったんですよね。

高校の卒業も近づいてサッカー部も引退して、また推薦で大学進学かな〜なんて、なんとなく考えていました。でも、大学でも4年間勉強やらなにやらで怒られるのは嫌だったし、サッカーも自分で限界を感じていたので、辞めようかなと思っていたんです。

部活がなくなればすぐ帰宅するしかないでしょ?それで、つまらなくて学校内をフラフラしてたら、軽音楽部を見つけたんです。そこでちょっとドラムを叩かせてもらったら、「あれ、ゆうやうまいじゃん!」と褒めてもらって。

 

ーーそれ以前に、ドラムを叩いた経験があったのですか?

ないです(笑)。知識も0で、テレビで観たのを見様見真似した感じですね。それで割とうまくできたので、そこからはもう天狗でしたよ(笑)。そこで進路を決めちゃいました。

 

ーーまさに天賦の才ですね。それ以来、ずっと独学でここまできたんですか?

いや。実は天狗になりつつ、すぐマンツーマンのドラム教室に通ったんです。やっぱり基礎は大事だと思っていたし、ドラム歴も浅いので東京に出てナメられるのは嫌だなと思って。

僕こう見えて、かなりマメでコツコツ継続できるタイプなんですよ(笑)。

ドラム教室でしっかり技術的な基礎とか全部習った後は、上京してバンドを組みました。その選択は、個人的にも賢かったと思いますね。上達するための最短距離を走れたというか。

試行錯誤したから今がある!大事なのは「肩甲骨」?

ーー今回オンラインサロンを開こうと思ったのは、どんなことがきっかけだったんですか?

サロン開設を考え始めたのは、去年の1月くらいです。

2019年12月に「ゆチャン」というYouTubeチャンネルを立ち上げて、週2回で更新を続けているんですよね。動画内ではドラムに関する配信はほとんどやっていなかったんですが、やっぱり「ドラマーゆうや」を観たいというコメントをもらうことが多くなってきて。

そもそも、これまでYouTube内でドラムに触れなかったのには理由があります。実は僕、2019年のツアーで手を痛めて、一度ライブを延期にしてるんですよ。その時は両手の腱鞘炎と、母指CM関節症、だったかな。だから、母体(シド)の活動以外でドラムは叩かないほうがいいかなと思っていました。

でも、最近ではドラマーならではの痛みとの付き合い方も分かってきたので、周りの声に応えられるようにドラマーとしての発信もしていきたいと感じるようになったんです。その上で、専門的な情報を伝えるには、オンラインサロンがうってつけだと思いました。

僕も周りからアドバイスももらいつつドラムの叩き方を変えてみた時期もありましたし、様々な試行錯誤から人体の自然な動きでドラムを叩く方法も身についてきた。こんな風に、スキル以外で「長くドラムを続ける秘訣」は、経験した僕自身が一番上手に伝えられるんじゃないかなって思ってます。

 

ーーいろいろアドバイスを試した中で、一番よかったと思ったものはありますか?

肩甲骨の使い方ですね。

教えてもらった当初はかなり違和感がありました。ライブ中は演奏に集中しているので、肩甲骨まで意識を向けると混乱しちゃって。でも少しずつ肩甲骨への意識を増やしていくと、「これはいいな」という実感があったんです。

肩と腕と手って全てつながっているじゃないですか。ドラムや楽器というと指・手首を使う印象がすごく強いんですけど、肩甲骨の動きと連動して手を動かすと、今まで手先に集中していた負荷が肩先から腕にかけて分散させることができるんですよ。

シドの楽曲でゆうやさんが培った基礎・音楽作りを学ぶ

ーーゆうやさんから伺ったドラムに関する最初のアドバイスが「肩甲骨の使い方」になったのは驚きました(笑)。サロンではシドの楽曲を使って、ドラムに関するアドバイスやレクチャーを行うのでしょうか。

そうです。僕さっき話した通り、超マメなんですよね。まっすぐな性格で、はみ出したことがあんまり好きじゃないタイプ。悪く言うと、ほんと頭カチカチ人間なんですよ(笑)。

だから、ドラムのフレーズ作りとかもすごくきっちり作ります。基礎から外れてたり、フリーすぎたりするのが嫌なんですよね。なので、シドの楽曲をドラムでしっかりと叩けるようになれば、僕が今までやってきた基礎が全部身につくと考えています。

 

ーーシドの楽曲を楽しみながら、ドラムの基礎を学べるのは、まさに一石二鳥ですね。

そうですね。僕は、いわゆる手癖では一切叩いていないので、「このフレーズはこうする」というのを、全て組み立てて曲作りしています。それに僕の場合、フレーズ作りもドラマーの中では珍しい方法を使っているんですよ。

ほとんどのドラマーって、プリプロ(レコーディング前の曲作り)では生ドラムで叩いて作ったフレーズを、音楽と合わせて作っています。でもこれだと、その場の勢いで「それっぽく」なっちゃうんですね。

僕はそれが嫌なので、ドラム音源のソフトウェアを使って、一から作り込むんですよ。それを明希やShinjiが作った楽曲とミックスしてみて、「どう?」と感想を聞く。

このやり方は、俯瞰して曲を見られるのがすごくいいところです。メンバーから「Bメロをこうしてほしい」と言われたら、すぐに編集できるし、「2サビの方が3サビより盛り上がっちゃったな」と思ったら、簡単に入れ替えられる。

だからすごく効率もいいし、曲全体もいい構築ができる気がします。

 

ーー今の制作スタイルには、どのようにしてたどり着いたのでしょうか?

この曲作りを始めたのは、今から7年前くらいです。今年でバンドを結成して18年になるので、10年くらいはほかのドラマーと同じことをしていました。さっきも言ったように、普通に現場で叩き込んで、「これは違う」というのを繰り返すというか。

例えば、シングルの楽曲だとレコーディング後にMV撮影とかなんやかんやあって、割と演奏する機会が多いんですよ。でもアルバムの楽曲だと、最初にレコーディングが終わってからそのあとツアーが始まるまで、長い時は3〜4ヶ月もの間一切演奏しないこともあります。

こうなると、完成版の音源を聴いてもどう叩くのかを思い出せなくて、次に演奏するときにはコピーバンドみたいな感覚になっちゃうんですよ。それでも、お客さんにとってはその音が、最初に耳にする「シド本人の音」じゃないですか。これは超微妙だなとずっと思っていて。

でも、自分の手元に当時叩いた音源のデータが残っていれば、完成版では聞こえなかったフレーズの音を知りたい時に答えが確認できる。ちゃんとおさらいして、完璧な状態でライブ初日を迎えたいと思ったので、ソフトで編集するっていう今のスタイルに行き着きました。

 

ーー完璧さを追求した結果、現在のスタイルに行き着いたんですね。実際にドラムがなくても、ソフトウェアで音作りができるっていうのもすごく面白く感じます。

ドラマー友達とよく話したり飲み会したりすると、この話をよくするんですよ。最近では「高校時代からシドさんを聴いてました」って子も増えてきて。楽曲のフレーズ作りの話を聞かれてやり方やコツを教えると、みんな驚きますね。

「今すぐできるDTM講座」なんて大げさなことは嫌ですが、「ゆうや流のドラムのフレーズの作り方」として、こういうソフトを紹介するのは面白そうだなと思っています。

ドラマーが最短距離で上達するための「先生」になりたい

ーーソフトウェアから、フレーズの基礎、肩甲骨の使い方に至るまで。まさにドラムを上達させたいという人にとって、必見の情報がたくさん詰まったサロンになりそうですね。

僕は、ドラムに興味がある皆さんに上達の近道を教えてあげたいんですよね。当時は自分の方法が時代に合った最短距離だと思っていたけど、今はもっといい道があると感じています。だからこそ、初心者の方はもちろん、上級者の方にとっても、今のやり方を見直すきっかけを与えてあげたいですね。

ちょっと話が脱線するんですが、僕はYouTubeチャンネルで、「さるかに合戦」とか「浦島太郎」みたいな昔話の読み聞かせをやっているんですよ。

ーー普段はサッカーや出演者さんとのトークが多いなか、「なぜいきなり昔話が!?」と驚きました(笑)。

僕、小学校の時の夢はサッカー選手だったんですが、実はもう1つ「学校の先生」になりたいっていうのもあったんですよね。だから、何か子どもが喜ぶようなことをやりたいなと思って、その1つのアイディアとして読み聞かせを配信しました。

 

ーー素敵な理由ですね。

この理由と同じで、僕はドラマーの皆さんの「先生」をやりたいんですよ。僕自身も趣味の延長として楽しみつつ、ドラムのことを分かりやすく解説する。サロンメンバーも一緒に楽しみながら、自然と技術が身につくというサロンにできたらいいなと思っています。

 

ーー最後に読者の方へ、メッセージをお願いします。


初心者で、最短距離でドラムを上達したいなと思う方。

上級者で自分のドラムを見直したい方。

シドの楽曲でドラムを叩きたいと思う方。

シドの楽曲のドラム作りの仕組みを知りたい方。

僕と同じで、腱鞘炎とかに悩まされている方。


こんな人には、ぜひサロンに来てほしいです。

あとはもう純粋に、ライブがなかなかできない時代で僕がドラムを叩いている姿を見たい方。これもすごく素敵な楽しみ方ですよね。なかなか演奏の発表ができる機会がないので、ぜひこのサロンで僕のことを見てもらえれば嬉しいかな。

 

しっかりとした基礎で作られた土台と、長年の音楽活動で身につけた曲作りの理論。そして実体験で得た体の使い方…。ゆうやさんの話には、ドラムを少しでも触ったことのある人なら「これは聞きたい!」と思える内容が詰まっていました。

ドラム上達の最短距離を走る方法をもっと詳しく知りたいと思った皆さん。ゆうや先生の指導で楽しみながら技術を身につけてみませんか?

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