超マニアックなスニーカー情報から、新作の購入レビューなど、多彩なスニーカー情報を配信する、YouTubeチャンネル「スニ垢男子」の、今野さんと原口さん。2人はオンラインサロン「裏垢男子」でも、スニーカー好きが集まる、密度の濃いコミュニティを作っています。
なぜスニーカーにハマったのか。スニーカーの魅力とは?今回は2人にこれまでの歩みを伺いました。後半では今野さんがおすすめするNIKEスニーカーも紹介しているので、こちらも要チェックです!
YouTubeチャンネル「スニ垢男子」のリーダー的存在。チャンネルは2021年10月時点で約4万人のチャンネル登録者数を誇る。兄の影響でスニーカーの魅力にハマり、特にNIKEブランドを好む。
今野さんの相棒的存在。今野さんと職場が一緒で、彼がきっかけでスニーカー収集をスタート。オンラインサロン内でダイエット日記をはじめ、20kgの減量に成功。
きっかけはバスケとファッション誌
ーー今野さんがスニーカー、特にNIKEにハマったきっかけはなんですか?
今野さん:5歳上の兄の影響が強いです。兄は漫画の『スラダン(SLAM DUNK)』が好きで、部活でバスケットボールをしていました。
僕もその影響でバスケットボールを始めたんですが、高学年になって女子を意識するようになるにつれて、「バッシュ(バスケットシューズ)を自分で選びたい!」と思うようになっていきました。そこでまず目を引かれたのが、とにかくデザインがカッコ良かったNIKEのシューズだったんです。
ただ、当時はなぜかどの学校でも「NIKE禁止令」みたいなものがあって(笑)。小学校、中学校とずっと学校指定のメーカーしか履くことを許されていませんでした。
ーーそんな指定が…好きなシューズが思うように履けなかったのですね。
今野さん:それと同時期に、兄が『street JACK(ストリートジャック)』というファッション誌を買い始めまして、僕もよく読んでいました。ただ、バスケで芽生えたシューズへの意識が強くて、雑誌を読んでいても服よりシューズのことがどんどん目についたんですよね。
しかもファッション誌では、よくプレミアのついたアイテムも紹介されているじゃないですか。そういうのをおすすめされたら、どうしても「いいな」「欲しいな」と思ってしまいますよね。
当時はそういったアイテムも手が届きませんでしたが、シューズへの興味は子供心に染み付いていきました。それが転じてスニーカー、特にNIKEの収集が趣味になっていったんだと思います。
原口さん:僕も中学時代からバスケ部で、『スラダン』はよく読んでいました。そのバスケ部の先輩がNIKEのジョーダンシリーズを履きはじめて、それに憧れて自分でも雑誌とかを読み漁る内に、バッシュにハマっていったんですよね。
ーーおふたりとも、きっかけは似たところにあったんですね。2人はどんなきっかけで知り合って、一緒に動画を撮り始めたんですか?
今野さん:もともと僕たちは、職場が一緒だったんです。僕は当時からスニーカー収集が趣味だったんですが、原口が、スニーカーに興味が出てきたと言うんで、ショップに連れて行きました。それ以来、1年くらいずっと毎週買い物していましたよね。
原口さん:「今週のあれは買う?」みたいな話をしてましたもんね。
今野さん:動画はひょんなことから急に撮り始めたんですよ。彼になにも許可とることなく(笑)。
原口さん:もともと、今野は動画撮影自体は「やりたいやりたい」と言っていたんですよ。話題作のシューズが発売されるタイミングの前に撮り始めたんでしたよね?
今野さん:そうそう。超ミーハー作品の発売を前に、これからの活動のために布石を打とうと思って。原口は最初、やりたくなかったんですよね。
原口さん:だって恥ずかしいもの、1本目、2本目はカメラを避けていたんじゃないかな(笑)
ーー動画越しでは『ハイチュウ』ネタでハッチャケている、今の原口さんからは想像できないエピソードですね(笑)。
原口さん:そのおかげで、今ではスニーカーショップの前で動画を見てくれている方や、サロンメンバーさんに会うと、ハイチュウをいただくようになりました(笑)。
今野さん:僕らを見かけたからって、わざわざコンビニで買ってきてくれる人もいるくらいですもんね。あ、なぜハイチュウなのかは僕たちの動画をぜひご覧ください(笑)
ニッチな趣味をシェアできる村を作りたい
ーーおふたりはどうしてオンラインサロンを開設しようと思ったのですか?
原口さん:さっきのハイチュウのお話もそうですが、新作スニーカーの発売日にショップ前にいると、僕たちの動画を見てくれている方と話す機会が結構多いんです。Instagramでもたくさんダイレクトメッセージをいただくし、ファンの方々から熱量や愛を感じることがすごく多くて。
そんなファンの方々と密接になれるツールとしても、オンラインサロンっていいなと。
今野さん:スニーカー収集って、共通の趣味を持つ友人同士の繋がりが薄いんですよ。僕たちみたいに誰かと一緒に買いに行くという方も少ないし、発売日にはショップ前におじさんばかり並んでいて、新しくスニーカー好きになった学生さんもちょっと参入しにくい。
そういった方たちが安らげる、村みたいなコミュニティを作れたらって思ったんですよね。
原口さん:僕たちは動画で「オンラインチャレンジ」って企画をやっているんですよ。せっかく数量限定のアイテムを手に入れたのに、報告できる場所がないって寂しいでしょ?オンラインサロンでは直接、スニーカーを手に入れた喜びをみんなでシェア出来るようにしています。
そうすると、意外と近しいところで、スニーカー仲間を見つけられることもあるんですよね。
ーー自分のコレクションを自慢もできるし、共通の趣味を持つ友達が見つけられるのはうれしいですね。
今野さん:僕たちは新作発売日になると、たいてい原宿・渋谷のスニーカーショップに行くんですが、そこでほぼ100%サロンメンバーさんに遭遇するんですよ。
原口さん:「ぼく、サロンメンバーの〇〇です」と名前を教えてくれてね。
今野さん:もともと記憶力には自信があるので、名前を教えてくれると「あー!あの〇〇さん!?」となるんですよね。
ある企画で北海道のスニーカーショップの1日店長をやったんですが、そのときは10人くらいサロンメンバーの方たちが来てくれました。
ーーオンラインだけでなく、オフラインのつながりも結構あるのですね。
今野さん:出張先では、現地のファンの方たちとご飯に行くこともあります。以前、博多に出向いたときは、事前に告知したら3〜40人くらい集まりそうになっちゃいましたね。コロナ禍だとなかなか難しいですが、オフラインでのつながりも大事にしていきたいですね。
オンラインでも密な交流
ーーサロン内では、オンラインチャレンジの報告以外にどんなことを発信していますか?
今野さん:ライブ配信を使って、みなさんからの質問に答えたりしてコミュニケーションを取っています。それ以外だと、サロンメンバー限定のInstagramを持っていて、そこで会話したり投稿をシェアしたりしますね。
原口を隠し撮りしている写真とか、そこにアップしているんですよ(笑)。
原口さん:たまにショートムービー撮っているなと思ったら…(笑)。サロン内で情報交換もよく行われていますよね。
今野さん:次はどんなスニーカーが発売されるのか?あの話題作のスニーカーはいつ頃発売なのか?とか。この業界って噂話が結構好きなんですよ。
それと、NIKEは「Nike By You」という、自分で色味やデザインをカスタマイズできるシューズがあります。その新しいシルエットが発売されるときは、サロンのみんなからカラーリング案を送ってもらい、動画にするという企画をやっています。
原口さん:オンラインチャレンジの動画では「スニーカーの購入確率」を出しているんですが、これはサロンメンバーさんの買えた・買えなかったの情報をもとにしているんですよ。
今野さん:買えた人は積極的に報告してくれるので、結果としてかなり正確な確率が出ていると思います。
原口さん:あと僕は、オンラインサロンを始めてからほぼ毎日「ダイエット日記」を書いてアップしているんです。もう450日くらい続いてて、おかげで20kg痩せました。サロンメンバーさんも、結構「僕もダイエットはじめました」って報告してくれるんですよ。こういったリアクションをいただけるのもコミュニティの良さですよね。
ーー20kg!サロンメンバーさんも、原口さんに触発されてダイエットをスタートさせているのがすごいです。
今野さん:いやいや、なんか反応がすごく多いみたいな言い方ですけど、実際ダイエットをはじめたメンバーさんは超少ないですよ(笑)。
原口さん:結構いるの!ダイレクトメッセージでも「原口さんに負けないようにはじめました!」ってくるもの(笑)。
ジャンル別!スニ垢男子・今野さんのおすすめスニーカー3選
せっかくスニ垢男子が来てくれたのだから、スニーカーのことをもっと聞きたい!
ということで、今回は今野さんの膨大なスニーカーコレクションの中から、「定番アイテム」「最新のラインナップ」「今野さんの特別な一足」という3カテゴリーで、おすすめアイテムをご紹介いただきました。
①玄人をうならせる定番『Blazer』
今野さん:NIKEの定番と聞くと、ほぼ100%の方が「AIR FORCE 1(エアフォースワン)」、特にホワイトカラーを紹介すると思います。そこからもう一歩、スニーカー好きに近づけたいならこの『Blazer(ブレーザー)』です。
これはNIKEブランドで最初のバッシュとされていて、1972年頃に発売されたモデルから、ほとんどデザインを変えずに今も販売されているんです。
NIKEの靴はリデザインされることが多かったり、いつの間にか不人気からか販売されなくなってしまったりすることが、かなり多いんですが、その中でもこの『Blazer』はクラシックなラインで生き残っている伝統ある一足なんです。
ーーものすごくクラシックな靴なんですね。
今野さん:こういう歴史を知ると、このスニーカーをさらに魅力的に感じられます。
原口さん:僕も『Blazer』は普段履きとして2足持っています。服の系統にこだわらず履けるデザインなんですよね。他の靴より価格帯がかなり安いのもポイントです。
今野さん:決して他のスニーカーより人気があるわけじゃありません。ですが、スニーカー好きなら「おっ」と目に留まるのがこの『Blazer』です。
②今だからこそ語れるスニーカー『Abstract Art』
今野さん:先ほど触れた『NIKE dunk』で、今年発売されたデザインです。『NIKE SB』自体は僕がスニーカーを好きになるきっかけとなった靴なんですが、これはオランダ人アーティストの Piet Parra(パイエット・パラ)がデザインを手がけました。
Parraは、東京オリンピックではじめて正式種目になったスケードボードで、日本、アメリカ、ブラジル、フランス代表のユニフォームデザインも提供しているんです。
ーーそうなんですね。スケードボードは堀米 雄斗選手や西矢 椛選手、四十住 さくら選手が金メダルを獲るなど、日本人選手のメダルラッシュで、ものすごく話題になりましたね。
今野さん:そうなんです。ParraとNIKEは過去にもコラボレーションアイテムを販売してきました。
それがこの2021年、「東京オリンピックで初めてスケートボードが正式種目になり、日本人選手がメダルを獲得し、そのユニフォームをParraがデザインした」という、ものすごいタイミングでこのシューズが発売されたんです。
5、6年後に同じ話をしても、この興奮はなかなか伝わらないと思います。まさに「今このタイミングで持つこと」に意味があるスニーカーなんです。
③人生最高のサプライズだった一足『OFF-WHITE × NIKE DUNK LOW “THE 50” COLLECTION』
今野さん:これは名前のとおり、世界で全50種類のカラーバリエーションがあります。しかし、「この国ではこの種類」という限定で製作されていて、世界中を回らないと全種類は買えないんです。
これはNo.49で、日本でも発売がありましたが…
原口さん:これは『Nike SNKRS』というアプリで、抽選で選ばれた人しか購入できないモデルでした。そもそも抽選開始のタイミングも分からず、僕なんて2、3週間ずっとアプリに張り付いていたんですよ!
まあ、結局買えなかったんですけどね(笑)。
ーーものすごく珍しいアイテムなんですね。
今野さん:僕がこれを「特別な一足」に選んだのは、理由があります。実はこれ、NIKEさんから直接いただいたものなんです、PRのご依頼で。
ーーそれってかなりすごいことじゃないですか!?
今野さん:おそらく、個人で情報発信したり、YouTubeで動画を上げていたりする人間のなかでは、初めて公式とコラボしたんじゃないかと思います。
『OFF-WHITE × NIKE DUNK LOW “THE 50” COLLECTION』の発売に合わせて、『Nike SNKRS』では、日本・中国・韓国・アメリカそれぞれで、代表的なコンシューマーにスポットを当てるという企画がありました。その日本代表として、僕が出ています。
僕が日本代表のコンシューマーに選ばれたということは、つまり本国のオフィスにも、僕たちのスニーカーに対する熱い気持ちが届いたということだと思います。これはもう、本当に光栄なことでしたね。オンラインサロンでも、いままでにないくらいにメンバーさんが興奮して盛り上がってくれました。
ーースニーカーやNIKEの魅力を発信し続けてきた今野さんの活動が、オフィシャルに認められた瞬間ですね。
今野さん:実は2015年頃から、スニーカーは一時的なブームが起こりました。
そのきっかけは「転売」です。利益が増えるという、うまみに飛びついて、スニーカー購入人口が増え、それに伴いスニーカーの販売数も増えました。さらにリリースの間隔も短くなっていきましたね。
その勢いが、近年急激に落ちていると思います。
原口さん:ここ1、2年はアプリの抽選でも当選しないことが当たり前ってレベルでした。しかし最近は在庫があって、発売日以降でも買えることが増えてきましたね。それでも、人気アイテムは手に入らないことも多いですが。
今野さん:こういう状態にこそ、僕らがいる意味があるんじゃないかなと思うんです。だから僕たちは、今後も発売日当日のヒリヒリした興奮や、手に入れたお気に入りのスニーカーを共有できる楽しさを、動画やオンラインサロンで提供し続けていきたいですね 。
好きなものを収集するという趣味は、孤独な瞬間が多いです。なかでもスニーカーというジャンルは、同じ趣味を持つ人が身近になかなかいないと今野さんは言います。幸運にも同じ趣味で意気投合した2人の男たち、今野さんと原口さんが立てた「裏垢男子」は、好きなものを仲間たちと共有し合う楽しさを教えてくれるコミュニティです。
自分のコレクションを共有したり、最高の一足を探したり。このオンラインサロンで、今まで満たせなかったスニーカーへの思いを爆発させてみませんか?