EXILEのパフォーマーとして活躍し、現在は「DANCEARTH 7PROJECT」を通じてダンスで世界をハッピーにする活動をしているÜSAさん。彼はオンラインサロン「DANCE EARTH KIDZ(ダンスアースキッズ)」を運営し、子供・大人を問わずオンラインを中心にダンスの楽しさを広めています。
まだまだコロナ禍という状況のなか、今だからこそできることがあるというÜSAさんの思いから、オンラインサロンがオープンされました。そこに至るまでの思い、オンラインサロンを通じてどんな「ダンスの楽しさ」を伝えようとしているのかを今回、直接伺いました。
2001年「EXILE」のPerformerとしてデビュー。2006年より「ダンスは世界共通言語」をテーマに、個人プロジェクト「DANCEARTH」の活動を開始。これまでに20カ国以上を旅し、各国の踊りや文化に親しんでいる。「Eダンスアカデミー」(NHK Eテレ)の主任講師、国連WFPサポーター、メキシコ大使館公認テキーラPR大使など、数多くの活動に取り組む。
この時代だからこそ、ダンスでみんなとつながりたい
ーーÜSAさんはなぜ、オンラインサロンを開こうと思ったのですか?
コロナ禍によって多くのことが制限され、我慢を強いられる場面がたくさん増えてしまいました。僕のなかで、「こういう時だからこそ、分断されるのではなくつながりを作ろう」という気持ちが芽生えたんですね。
そしてちょうど同じ頃、なにか新しいことをやりたいとも思っていました。オンラインサロンのよさは、いつでもどこでも人とつながることができることにあります。
ダンスを通じて、日本全国そして海外の子どもたちともつながれる、そんな交流の場を作れたらいいな。そう思い、オンラインサロンをスタートしました。
ーー「DANCE EARTH “KIDZ”」と子どもを中心に置いたのには、なにか理由があるのですか?
前提として、ダンスが好きな子どもたちに会いたいなという思いがありました。特にここ数年、子どもは体を動かす遊び、運動の機会が大きく制限されています。そんな彼らに、おうちにいても「ダンスを楽しめる」という体験を提供したいなと思ったんです。
また、運動できないという点では、大人の方々も一緒ですよね。運動不足に悩んでいる方の声はよく耳にしていました。このオンラインサロンに参加することで、それを少しでも解消できたらいいなとも思いました。
今ではご家族で参加してくれてる方を中心に、単純にダンスが好きという大人の方や、学校の先生やダンススタジオの講師など、教える立場の方。あとはカンボジア、フィリピンの子どもたちなど、さまざまな方に参加いただいています。
ーーすごく多彩!オンラインサロンでダンス教室などを行うにあたって、課題や不安はありませんでしたか?
いろいろと課題はありましたが、特に大きかったのは音響、特に音ズレの問題でした。この1年で少しずつアップデートして機材もそろえていったので、だいぶ踊りやすい環境は整ってきたと思います。
やっていて驚いたのは、「おうちで誰にも見られずにレッスンできるのが嬉しい」という方が、意外にも多かったことです。歌とダンスに興味はあるのだけれど、ダンススタジオに行く勇気がない方が、結構いらっしゃったんですよね。
「人前で踊るのは、ちょっとまだ恥ずかしいな…」という方にとって、オンラインサロンはダンスを始めるいいきっかけだと感じました。
ダンスを通じて、日本や世界に触れる楽しさを知ってほしい
ーーたしかに、ダンスを踊れたらかっこいいと思うけれど、ちょっと恥ずかしいと思う方は多い気がします。オンラインサロンでは、主にどんな活動をしているんですか?
活動はたくさんありますが、主に行っているのが毎週火曜日に配信しているダンスレッスンです。あとは月1回のペースで、みんなとのコミュニケーションを楽しむトークコーナーも開いています。
トークコーナーでは、ゲストを呼ぶこともあるんですよ。ハワイアンミュージシャンの方々や、メキシコ音楽であるマリアッチの方々を呼んで、さまざまな世界のダンスや音楽に触れる機会を作っています。
「DANCEARTH」を通じて出会ってきた仲間たちが、ここには参加してくれています。家にいながら世界を感じられるので、僕もやっていて楽しいですね。
ーーダンスをきっかけに文化を知ることができるなんて、ワクワクしますね。
そうですね。最近では、ディズニー映画『リメンバー・ミー』の題材にもなった、メキシコの「死者の日」をテーマにオンラインイベントを開催しました。
死者の日では、地元の人々は骸骨のメイクをしたり、お面をかぶったりします。イベント参加者さんも同じことをしつつ、メキシコの音楽、お酒をまじえて盛り上がりました。
あと、季節ごとのダンスをテーマに、皆でダンスを覚えたりしています。梅雨の時期には、「雨が降るから虹が出る」といったメッセージ性のある楽曲をやったり、夏場になったら、盆踊りのような日本をテーマにした楽曲を覚えたり。
2021年に「やってよかった」と思ったのは、2019年に始めた「オドル野菜プロジェクト」
「オドル枝豆」のイベントでは、いつも画面越しに交流しているメンバーと会うことができ、すごく嬉しかったです。コロナの影響で収穫祭はできなかったんですが、「せっかくだから」と駐車場に皆で集まって輪を作り、その日のために覚えた踊りを楽しみました。
いずれはサロンメンバーで世界を旅したい
ーーオンラインサロンの活動で、特に嬉しかったことはありますか?
「どこにいてもみんなとつながれる」というのを、改めて強く感じた点でしょうか。実際に、日本全国のみならず世界中の子たちがサロンに集まっていますからね。
実は、オンラインサロンを開くまで「オンラインで踊る」ということに対して、僕はあまりピンと来ていない部分もあったんです。ですが、やってみるとすごく楽しいんですよ。この空間にいるのは僕だけなのに、画面を通じて「みんなで踊っている」という感覚を味わえました。
毎週火曜日の短い時間ですが、みんなと踊ることで僕自身の心も、すごく元気になるのを感じます。参加している方々にとっても、リフレッシュになっていると思いますね。そのなかで、みんながどんどん上手になっていくのを画面越しに見られるのも、すごくうれしい瞬間です。
ーーÜSAさんの「この時代だからこそつながりを作ろう」というのが、サロンで実現されているんですね。今後、サロンでやろうと思っていることがあればお聞きしたいです。
いろいろあります。例えばさきほどの死者の日のイベントですが、死者の日は日本の盆踊りと同じ意味合いがあります。今回はオンラインで行いましたが、コロナが落ち着いたら盆踊りと死者の日をかけ合わせたような、新しいお祭りをやってみたいんですよね。
極彩色にあふれた盆踊りとか、骸骨のメイクに浴衣の格好で踊るとか(笑)。
ーーふたつの文化の融合、ぜひ見てみたいですね。
それ以外にも、日本全国いろいろなところにある秘境でダンスパーティーをしたり、大人向けの飲み会とかを増やしたり。季節ごとのイベントも増やしたいですね。ゆくゆくは、僕が企画した国へ旅をして、みんなで現地の音楽と踊りを楽しむツアーができれば嬉しいです。
ÜSAさん「実は僕も、ダンスが苦手なタイプだったんです」
ーーÜSAさんは個人プロジェクト「DANCEARTH」を通じて、15年以上かけて世界を旅していますよね。いつからそういう活動に興味を持ったんですか?
シンプルに「ダンス」が好きなんです。世界中にあふれるリズムやビートを、もっと乗りこなしたい、全部踊ってみたいという夢がありました。
その思いで一歩踏み出してみたら、いたるところで「踊りによって心の距離が一気に縮まる」という体験をしました。ダンスさえあれば、世界中の人ともっともっとつながることができる。それを証明する旅を、今でも続けている感じです。
とはいえ…。実は僕も、元々ダンスとかが苦手なタイプだったんですよ(笑)。
ーーそうだったんですか!?
音楽とかリズムとか、集団で踊る、動きを合わせるとかが苦手でした。ダンスに苦手意識がある方は、「合わせなきゃ」という気持ちが強すぎるんだと思います。
もともと、ダンスは音楽に乗って自由に動くことが一番楽しいことなんですよ。足踏みする、手を叩く、ジャンプする…。そういうシンプルな動きで、「リズムが合う」瞬間を感じられれば、勝手に心も体も反応しちゃうものなんです。
オンラインサロンでも、それを体感してもらうことを大事にしています。
特に、ジャンプなんて最高ですよ。音に合わせてジャンプしているだけで、勝手に体も心もほぐれる。心と身体はつながっているので、だんだん恥ずかしさがほぐれ、心が開いて表情も変わっていきますから。
ーーなんだか、「踊ること」がすごく身近なものに感じられます。今後、オンラインサロンにはどんな人に来てほしいですか?
少しでも「踊ってみたい」という気持ちがあれば、ぜひサロンに飛び込んできてほしいです。このオンラインサロンが、ダンスの楽しみを知るきっかけになれば嬉しいですね。
このサロンから、ダンスが好きな仲間の輪が全国に広がって、みんなでいろんなイベントができるようになったらいいなと思っています。
ダンサーはかっこいい。けれど自分で踊るのは難しそう…。そんな不安を抱える方々に、ÜSAさんはオンラインサロンを通じて「ダンスを楽しむ方法」を教えてくれます。そして、ÜSAさんはダンスと深く結びつくその国の文化に触れる機会も提供することで、より踊ることの楽しさを深めてくれます。
これからダンスにチャレンジしたい人、最近運動不足で体力をつけたい人、ÜSAさんが魅せてくれる世界の文化に興味がある人。「DANCE EARTH KIDZ」を、そうした興味を満たすきっかけにしませんか?