大人と子どもがサメに熱狂する1日。サメサメ倶楽部オフ会レポート

著者名サトートモロー
大人と子どもがサメに熱狂する1日。サメサメ倶楽部オフ会レポート

2025年12月14日、オンラインサロン『シャークジャーナリスト沼口麻子の「サメサメ倶楽部」』のオフ会が開催されました。シャークジャーナリスト沼口麻子さんが主宰するこのサロンは、2016年の開設からまもなく10年目を迎えます。オフ会には小さな子どもたちから大人まで、老若男女を問わず「サメが好き」という気持ちでつどったメンバーが集合。アットホームな雰囲気につつまれながら、こだわりのサメグッズを持ち寄りつつ、アカデミック要素満載の発表会やさまざまな催しが開かれました。

宮城に新設する博物館を「サメ界のトキワ荘」に

サメが好き。その一心で東海大学・大学院で海洋学を学んだ沼口さん。現在は国内外を飛び回りサメの研究を深めつつ、そこで得た知見を発信する「サメの魅力を伝える伝道師」として活躍しています。彼女が運営する「サメサメ倶楽部」は、未就学児からおとなまで安心してサメのことを学び、サメ好きと交流できるオンラインサロンです。

そんなサメサメ倶楽部のオフ会の会場へ足を運ぶと、マグネットやシャーペン、模型、標本などさまざまなサメグッズがずらりと並んでいました。どれもサロンメンバーさんが作っているとのことですが、ひとつひとつのクオリティの高さに驚かされます。

ちなみに、サメは全身の骨格が軟骨で構成されているため、硬い骨を持つ生き物とは異なる方法で標本化する必要があります。サメサメ倶楽部では、ワークショップでそんな標本化の方法も学べるとか。サロンメンバーがつどってサメについて研究した内容を発表する「サメサメ会議シンポジウム」を開くなど、アカデミックにサメへの理解を深めようという姿勢を随所に感じられます。

そんなオフ会の冒頭、沼口さんによる活動報告がありました。そこで触れられたのは、宮城県大崎市にある廃病院を改装し、自身の集大成とも言える「サメサメ・サメ博物館」をオープンするという計画です。

博物館の予定地は、沼口さんの祖父が経営していた「野村医院」。6年ほど使われていなかったこの建物を使って、沼口さんは「見るだけでなく体験を通して学べるサメ施設」を作ろうとしています。

以前のレントゲン室は、遮光性を活かしたサメの展示室にする予定です。入院病棟は、ホオジロザメの剥製と一緒に一夜を過ごせる宿泊施設を併設するなど、施設内にさまざまな工夫が凝らされています。

サメサメ・サメ博物館の展示の目玉は「体験学習」です。サメの肌を顕微鏡で見たり、漁師から直接話を聞いたり、本物のサメを解剖して体のつくりを学んだり。施設で実施するプログラムを通じて、人びとがサメへの理解を深められるような取り組みを行います。

また、サメサメ・サメ博物館は「生命の循環」にも目を向けています。沼口さんは11月まで、静岡県にてサメ解剖実習専用のシェアハウス「清水サメラボ」及びサメ芋畑を運営していました。サメ芋畑では、解剖後のサメの残渣を肥料にして、毎年「サメ芋」という名のサツマイモを作っていました。このサメ芋畑を、宮城の新たな施設でも復活させます。

沼口さんが掲げるビジョンは、この博物館を「サメ界のトキワ荘」にすること。かつて手塚治虫ら多くの漫画家の巨匠を生み出したアパート「トキワ荘」のように、ここを拠点に世界で活躍するサメ研究者、水族館スタッフ、標本士、サメ系YouTuberなど、若き才能たちが切磋琢磨できる環境を作りたいと語りました。

オープン予定日は、2026年8月8日。建設費用の一部を募るクラウドファンディングも始めるということで、これからの展開がとても楽しみです。(※クラウドファンディングの期間は1月16日10時〜3月9日23時まで)

「学べる・泊まれる”サメ学習拠点”」-未来のサメ博士を育てる- - クラウドファンディング READYFOR
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サメ博士たちによる学びと笑いのプレゼンテーション

続いて、サメサメ倶楽部のサロンメンバーによるプレゼンテーションが行われました。参加したのは、未就学児や小学生、高校生、大人といったさまざまな年齢の「サメ博士」のみなさんです。

トップバッターの小さな博士が発表してくれたテーマは、「サメのいない海」。博士はYouTubeで見た「フィニング(フカヒレだけを取って体を捨てる漁法)」の動画に衝撃を受け、「サメが減っているのはこのせいではないか?」という仮説を立てました。

サメ社会学者や漁師にインタビューを行い、さらにはサメの水揚げ日本一を誇る気仙沼へ現地取材に向かった博士。地元の人びとの言葉に触れて、博士は「混獲されてしまったサメを、無駄なく大切に利用してもらうことこそが大事」だと考えました。

女の子博士は、ヨシキリザメ、シュモクザメ、ホシザメ、フトツノザメの4種類のサメの歯の違いについて発表しました。歯の形の比較として使用した写真は、ネットからの引用ではなく自分で標本を作り、マクロレンズを使って撮影したとのことで、一次情報への強いこだわりを感じます。

博士は、「ヨシキリザメは魚やイカを食べるから鋭い三角形でギザギザがある」「ホシザメはエビやカニを食べるから、丸くて厚く、すり潰すのが得意」と、歯の形状と食性の関係を解説。サメの歯がベルトコンベアのように、次々と生え変わる仕組みについても詳しく説明してくれました。

今回のオフ会で初めて発表するという博士は、サメの多様な繁殖方法を学べる「サメの繁殖すごろく」を制作・展示しました。彼女が作ったすごろくは、沼口さんも「博物館にそのまま展示できるクオリティ」と太鼓判を押しました。

次の博士が発表してくれた「マニアックサメクイズ」は、サメ好きばかりのオフ会ならではの超マニアックな難問が飛び交いました。「ニシオンデンザメの寿命測定法は?」「ポリネシアのサメ漁ではおとりに何を使う?」など、大人でも即答できない難問が次々と出題されます。皆さんは、この答えが何かわかりますか?

「世界で一番ネコザメに詳しい小学生になる」と高らかに宣言した博士は、背びれの棘や不思議な口の形といったネコザメの「推しポイント」を熱弁。自作のオリジナルキャラクター「ちびネコーズ」のグッズを紹介するなど、ネコザメへの愛の深さを堂々と発表しました。

他にも、サメにまつわる書籍を出版予定の博士や、自宅でサメを飼っている博士の発表など、十人十色のサメ愛に多くの拍手が送られました。

五感で楽しむ!サメナゲット実食とサメフラダンス

オフ会の会場では、東北で水揚げされたヨシキリザメとアオザメを使った特製ナゲットが振る舞われました。「サメの肉はアンモニア臭がする」とも言われますが、サクッと揚げられたナゲットは、白身魚や鶏のささみを感じるような軽い味わいで大好評でした。ナゲットと一緒に用意された4種類のソースで食べ比べが行われ、オフ会の後半ではどのソースが一番美味しかったかの投票も行われました。

またオフ会では、フラダンスチームによるパフォーマンスも披露されました。ハワイの神話では、サメは神様として崇められており、人間と深く結びついています。披露されたのは、漁に出た人間が嵐の中でサメに守ってもらう様子を描いた曲。みんなで「マイ・サメぬいぐるみ」を抱きかかえ、サメへの感謝と愛を込めて踊るという、サメサメ倶楽部ならではの温かい光景が広がりました。

オフ会後半では、サロンメンバーさんが持ち寄ったグッズの購買会、クリスマスプレゼントの交換会など、大好きなサメを囲んで和気あいあいとした時間をみんなで楽しみました。

サメ好きの人びとの居場所を作りたい:沼口麻子さんインタビュー

——発表会はどれも見応えがあり素晴らしかったです。サロンの雰囲気もすごく温かいですね。

沼口さん:ありがとうございます。かなりバタバタなスケジュールでしたが、最高の会になったと思います。

サメサメ倶楽部は、サメの話がしたいけどできない、同じ考えを持つ友達がいないという困りごとを解決したいと思い開設しました。

活動を始めてすぐは、東京で月1回、3時間の「サメ談話会」をするところから始めました。当初は男性ばかりのコミュニティでしたが、徐々に親子連れのメンバーさんが増えていき、お子さんや女性も参加しやすくなったんです。そうこうしているうちに、もうすぐ活動10年という節目を迎えようとしています。

 

——素晴らしいですね。サメサメ倶楽部を通じて、今後どのような活動や発信をしていきたいですか?

沼口さん:世界ではさまざまな形で、特定の動物の保護運動が活発化しています。以前はその対象がクジラでしたが、近年はサメを保護しようという動きが強まっているんです。

その影響か、サメを食べたり解剖したりすることへの風当たりは、年々強くなっています。しかし、日本には古くから文化としてサメと関わってきた歴史があります。サメと共生してきたという日本のスタンスを、オンラインサロンを通じて世界に発信していきたい。多くの人びとに声を届けるためにも、もっともっとサメ好きの仲間たちを増やしたいです。

 

「サメサメ倶楽部」は、サメをこよなく愛する子どもや大人たちが、自分の興味を存分に深掘りできる場所です。さらに、活動で得た知識をただ共有するのではなく、全員で「サメ」という生き物を通して自然との共生や持続可能性を学ぶ場所でもあります。サメ仲間と一緒にサメ愛を深めたい皆さんは、「サメサメ倶楽部」で多くの仲間と出会いませんか?

沼口麻子(ぬまぐち あさこ) - シャークジャーナリスト沼口麻子の「サメサメ倶楽部」 - DMMオンラインサロン
沼口麻子(ぬまぐち あさこ) - シャークジャーナリスト沼口麻子の「サメサメ倶楽部」 - DMMオンラインサロン本サロンは、サメが好きな人が集まり、シャークジャーナリスト沼口麻子とともにサメについて学び、サメの魅力を世の中に広めて行こうというコミュニティです。
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