現在、各種メディアや当局では仮想通貨の規制問題や法整備に関して多くの議論がされている。
また、国内のみならず国外の情報が市場に大きな影響を及ぼす。
今回の執筆にあたって、国内と国外の規制状況について認識して頂き、今後の状況判断の材料になればと思う。また、仮想通貨市場ならではのリスクについて説明しているので、参考にして頂けると幸いである。
最後には、今後注目すべき技術に関して説明している。
2015年より暗号通貨の動向を追い続け、非中央集権からなる未来に心を奪われ没頭。ビットコインの技術動向を追いながらトレーダーとしての生活。その中で海外情報の重要性とその量からなる、情報の多さにコミュニティーを作り共有を始めたのがCoinPicksの始まりであり、約1ヶ月で450人が集まる。そこから今回より内容の濃いコミュニティーを作りたいということで「海外の仮想通貨情報を配信」を柱にオンラインサロンを立ち上げました。
仮想通貨の法整備・詐欺について
世界中で有名になった仮想通貨だが、法整備などの規制状況は未だ未整備と言っても過言ではない。また、仮想通貨市場では詐欺やAML(アンチマネーロンダリング)など、各国で同様の課題があり早急な対応に迫られている。
日本では金融庁や国税庁の迅速な対応によって、市場の法整備や税制面が世界に先駆けて確立されている。
当初私の周りでもICOを利用した詐欺が非常に多く、「投資すれば30倍になる」「必ず儲かる」「有名な〇〇がアドバイザー」などと言い、根拠のないコインを個人に売りつけ、詐欺師は元締からマージンを受け取る。または、不当に高い金額でコインを売りつけ差額を儲けるなど、情報の差を利用した例が非常に多かった。
実際に私もまだ1度も会ったことのない方に「◯◯コインのプレセールで縁故による枠がある」という話をして頂いたことがあり、深く印象に残っている。
このような詐欺は仮想通貨に限った話ではないが、情報の質の差が天地ほどある今、個人としては情報リテラシーを高めることが最大の防御であると感じた。既存の人間関係から生まれるこの手の詐欺に「NO」と言えない方が多いのが現状だろう。
しかし、それは詐欺師の思うつぼであり、仮想通貨市場のチャンスを不当に失うのはもったいない。だからこそ、正確な情報を入手できる場所や、相談できる場所を探すことが1つの解決策だと思う。
現在日本では市場の健全化や発展を目指して、日本仮想通貨事業者協会(JCBA)や日本ブロックチェーン協会(JBA)の2団体が活動中で、さらに金融庁の認可を受けた16社でもう1団体結成されるとのこと。
これらの団体から法整備が進み、仮想通貨市場に興味を持つユーザーが少しでも増えるよう応援していきたいと思う。
各国の仮想通貨へのスタンス
現在の仮想通貨経済圏は「取引」「ICO」「マイニング」と3つのカテゴリーに大別することができる。今回は各国の仮想通貨取引の規制状況に関してまとめたいと思う。
2018年3月2日現在
【 取引禁止国 】
中国・アイスランド・ネパール・インドネシア・ボリビア
【 取引規制国 】
日本・米国・韓国・ロシア・台湾・インド・ベトナム・シンガポール・マレーシア・タイ・コロンビア・オーストラリア・イタリア・イスラエル・フィリピン・アフリカ
【 検討中 】
イギリス・フランス・ドイツ・サウジアラビア
仮想通貨の取引を禁止している国々の状況も様々で、海外への資本流出を抑制している中国。
マイニングで得たビットコインの取引は例外として認めているアイスランド。
首相がころころ変わり自国の憲法すらも整備されていない状況で、仮想通貨への対応が追いついていないネパール。
国の法律が乱れるのを危惧して、取引を自主規制しているインドネシアの各種取引所。
ボリビアでは、ビットコインやアルトコインを「ピラミッドスキーム」とみなし、仮想通貨への投資を勧誘した60名を逮捕した過去がある。
また、規制を実施している国のなかには、日本や米国、ベトナムや台湾のように非常にポジティブな国もあれば、イスラエルやフィリピンのように今後の動向に関しては不透明な国も存在している。
私が今後の仮想通貨市場で非常に注目しているのは新興国だ。ご存知の通り、先進国に比べて生活インフラが低水準であり、技術革新の影響を受けやすく既得権や抵抗も少ない。
事実アフリカでは「eToro」と呼ばれるビットコインを扱うサービスのユーザー数が2016年からの1年間で671%増加したとのこと。特に南アフリカでの利用者が非常に多い。新興国の国々も規制状況は様々だが、これらの市場が今後の鍵となることに確信を得ている。
そして、別の意味で注目しているのが欧州の規制状況である。ドイツやフランスを筆頭に未だ明確な規制案は出ておらず、迷いを感じる。
故に今年の3月にアルゼンチンで開催される、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での議題として「国際的な共同規制案」を求めている。具体的にどのような規制案を築いていくのかに注目が集まっており、ドイツ・フランス同国は共同規制無しに仮想通貨の流通を止めることができないことを認めている。この認知は規制の果てに地下取引が活発化した中国や韓国の教訓からきている可能性が考えられる。
各国で様々な規制状況が存在し手探り状態であることから、G20の会合で仮想通貨が議題に上がることは疑う余地もなく、その際に国際的な規制案の枠組みが決定する可能性がある。その際に市場がどう反応しどのような方向に進むかは想像でき兼ねるが、今年は仮想通貨にとって非常に重要な1年になるのではと考えている。
仮想通貨のリスク管理
仮想通貨を始める上でのリスクは何なのか?
多くの方がこのような疑問を持っている。その答えとしては「投資したお金がなくなる」「損失が発生して資産が減る」などの答えが一般的だろう。しかし、このようなリスクは「投資」と考えるなら当然の話である。
私は仮想通貨に対するリスクの考え方は違うと考えている。
一般的なリスクとは別に、仮想通貨市場では「自己管理」というリスクが存在する。少し説明したいと思う。
日本銀行券などの法定通貨であれば、顧客は銀行などの信用できる第三者機関に預け、無くなるリスクは考慮していない。万一銀行強盗やサイバー攻撃などで預けてある資産が失われた場合、それは第三者機関の責任であり顧客の資産は返ってくると考えている。それが「あたりまえ」になっている。
仮想通貨はこの「あたりまえ」が通用しない。
仮想通貨の所有権は「秘密鍵」によって証明されており、その鍵の管理は顧客に任されている。この鍵を他人に知られることは、資産を他人に渡してしまったことと同義である。そして、Coincheckのような取引所に資産を預けている状況は、秘密鍵の管理も同社に任せているということを指す。
先日起きたCoincheck事件のような悲劇を繰り返さないためにも、秘密鍵の管理の重要性に気付いてもらいたい。管理方法についてはWeb上にいくらでも説明があるが、初心者には難易度が高いのが現状である。
実際に自身で使用方法の確認や仕組みの把握ができれば良いのだが、不安や心配がある人は実際に秘密鍵をハードウォレットなどで管理している方、又は信用できる人やコミュニティーで聞くことが必要。
自身で秘密鍵を管理することは、取引所などのハッキング被害で受けるリスクが極めて低くなる一方で、秘密鍵の管理方法に資産の命運がかかってくる。煩雑な管理方法や小さな見落としが資産の紛失に繋がるので注意が必要だ。しっかりと知識をつけてから「自己管理」のリスクをメリットに変えてほしいと思う。
そして、今注目されているのが分散型取引所(DEX)の存在だ。
ある程度仮想通貨のリスク管理ができている人であれば、ハードウォレットでの管理は当たり前になっている。しかし、1度ハードウォレットに入れてしまうと、安全と引き換えに取引所でのトレードには手間がかかってしまう。この手間を軽減しセキュリティー面も考慮されているのが分散型取引所(DEX)である。
分散型取引所(DEX)とは何?
秘密鍵を取引所に預けることなく、自身で管理しながら通貨の取引を可能にしている取引所のことを指す。つまり、分散型取引所(DEX)では取引を管理する「運営主体」が存在せず、個人対個人(P2P)での取引が行われている。
今は認知度も低く流動性が低いがゆえに、需要と供給が見合わず、流動性の低さと分散型取引所(DEX)ならではの手数料の高さが目立っている。しかし、ビットコインから始まった仮想通貨界隈には「非中央集権」を求める声も多く、自身で秘密鍵を管理しつつ通過の取引もスムーズに行えるというメリットを考えると、今後はさらに注目されていくと考えている。
情報収集の方法
「Web検索」が情報収集の第一手段ではなくなったのは私だけではないだろう。
仮想通貨に限った話ではなく、昔から情報を握っているのは人である。重要な情報を持つ人はGoogleのクローラーに見つからないように、自身のコミュニティーや閉鎖的な空間で情報発信をしている。だから重要な情報は決して検索では出てこない。出てくるのは鮮度の低い古い情報や誰もが知る周知の事実が並んでいるだけである。
鮮度の高い情報が唯一漏れるのが、SNSなど本人がブランディングのために活用している場所であり、SNSでは様々な業界の様々な人が、自身の経験と知識を文字にして、ファンを集め「信用経済」としての基盤を作っている。そこに流れる情報には発信者の意図が存在するために真偽の判断が難しい。
この真偽の判断こそ経験で養うものだが、手っ取り早く質の高い情報を手に入れたければ、TwitterなどのSNSで著名な人物を調べ、その人がフォローしている方を貴方もフォローすることで簡単に重要そうな情報が手に入る。
しかし、140文字に要約された情報から本質や意図を理解することは難儀である。これは私の実体験からきている。
そんな中、まったく知識のない時にオンラインサロンの「ビットコイン研究所」に入り、全てのレポートを読み漁った。その際の基礎知識が今の私の基礎を築いてくれている。
私がサロンで学んだ情報は、Googleの検索では決して知ることができない。情報が氾濫しているからこそ、自身を成長させてくれる情報には価値があり対価を払う意味がある。情報は「無料」と言われる時代はとっくに終わっているのである。
CoinPicksについて
最後に私が運営しているオンラインサロンCoinPicksについて紹介する。
CoinPicksとは一体どんなサロンなのか?
特に注力しているのは、海外の仮想通貨情報を和訳してどこよりも早く会員様にお知らせすることである。ただ和訳するのではなく、今までの経験や成り行きから独自の考察とコメントを付け加えてレポートにまとめている。
最新情報を配信しただけでは、仮想通貨の専門用語や事の繋がりが理解できず、疑問点が増えていくばかりである。そこで当サロンではレポート内に専門用語の解説を随時収録し、わざわざ調べる手間を省くことでスムーズに情報をインプット出来る。
結果、点と点が重なり線として知識を蓄えられる。さらにオンラインサロンの強みを活かして、会員同士で疑問点などの討論ができるよう環境づくりをしている。
何より喜ばれるのが、CoinPicksのサポート機能となる。仮想通貨を始めると取引所の選択、各コインの特性、ICOの誘惑、ハードウォレットでの管理方法など、多くの障壁と疑問が生まれる。特に30代の主婦の方には喜んでいただき、周りに相談できる人も少ないとのことで個別にご相談を頂くことが多い。
また、当サロンでは和訳ニュースとは別に、仮想通貨界隈の「Value(価値)」に注目している。この価値とは価格のことではなく、それ以外のものを示している。例えば、先ほどお話した分散型取引所(DEX)もその例だ。
CoinPicksでは、仮想通貨やその市場が持つ本来の価値を、著名なゲストの方のレポートや独自の考察を加えて会員様にお伝えすることで、より深く仮想通貨の魅力にハマっていけたらと考えている。
このようにオンラインサロンならではのコミュニティー力と質の高い情報配信を目指しているので、ご興味のある方はCoinPicksオンラインサロンにてお待ちしております。