皆さんは、普段どんなことにお金を使っていますか。気づいたら給料を使い果たしているという人も、逆に使いどころがなく貯金だけが増えていくという人も、この機会にあらためて正しいお金の使い方を考えてみませんか。お金の使い道は、投資・消費・浪費の3種類に分類出来ます。このお金の分類を意識するだけで、無駄のないお金の使い方が身に付きます!特に、学生や20代の若い社会人、主婦など、使えるお金が限られて悩んでいる方は参考にしてみてください。
正しいお金の使い方は投資・消費・浪費で考える
お金の使い方を考えるにあたって、まずは自分が普段どんなことにお金を使っているか把握しましょう。やり方はいたってシンプルで、すべての支出を投資・消費・浪費の3つに分類するだけです。そうすれば、どのようにお金の使い方を変えていくべきかが見えてきます。
分類する時の基準も単純明快です。「投資」は、支払った額よりも大きな価値・効果が得られるもの、「消費」は、支払った額と同等の価値・効果が得られるもの、そして「浪費」は、支払った額よりも小さい価値・効果しか得られないものです。
「投資」には、金融商品への投資や預貯金のほか、知識や教養を広げるための自己投資などが含まれます。支払った金額以上の価値があればよいので、人脈を広げるための食事会の代金なども投資に分類できます。
「消費」は、生活に必要な出費にあたります。ここには、家賃や光熱費、交通費、日用品、食費などが含まれます。
「浪費」は、ずばり無駄遣いのことです。代表的なものは、お酒やタバコなど嗜好品、衝動買い、無駄なタクシー代、過度なぜいたく品などですが、たとえば「投資」のつもりで習い事をしていても、それを役立てる機会を作ることができなければ、それも「浪費」に分類されてしまいます。
長期的な投資を最優先する
3つの分類の中で、優先すべきは「投資」です。「投資」は、長期的に見てあなたの人生を豊かにするものです。例えば、お金を出して英会話スクールに行く場合を考えてみましょう。これは通常、投資に分類されますが、将来それを活かすことができなければ、それは浪費になります。常に「これだけのお金を払う価値があるか?」と自分自身に問いかけ、将来役立てることができそうなものに対してのみ投資をすることで、無駄遣いも減っていくでしょう。
将来に繋がる自己投資
それでは、将来につながる自己投資とは、具体的にどういったものでしょうか。ここでは、20代の場合と学生の場合に分けてご紹介します。
20代の場合:時間、本、体験
20代の場合に優先してほしい自己投資は、時間、本、体験の三つです。
時間に投資するというのは妙に聞こえるかもしれませんが、つまりは、お金をかけてでも使える時間を増やすということ。たとえば、家事にかかる時間を削るために食器洗浄機を買う、通勤で時間を無駄にしないように職場の近くに引っ越す、などが考えられます。若い時間は限られていてとても貴重なので、できるだけ無駄な時間を削って、その時間を有効に使うように心がけましょう。
そして、こうして作った時間を活用して、たくさんの本を読んでください。本を読むことで、人の経験や考えを効率よく吸収し、知識を蓄えることができます。そうした知識は、人との会話や仕事だけでなく、これから先に経験する色々なことに生きてくるでしょう。また、20代のうちに読書の習慣を身に着けておくと、その習慣自体がその後の人生をより豊かにしてくれるでしょう。
そして、もう一つ大事にしてほしいのが、体験です。本から学べることは無限ですが、百聞は一見に如かず。自分自身で体験できることは限られており、それゆえに体験には重みがあります。20代のうちに、普通に生活しているだけなら経験しないような体験をしておくと、最低でも一生使える話のネタにはなりますし、うまくいけば人生を変えるような何かを見つけられるかもしれません。趣味のサークルに入るもよし、ボランティア活動に参加するもよし、世界の秘境に行ってみるもよし。体力も自由もある20代のうちに、思い切って広い世界へ飛び出して、かけがえのない体験をしてください。
学生の場合:貯蓄、英語
大学生の場合、一人暮らしを始めたり、成人していろいろな制限がなくなったりすることで、お金の使い道も急激に増えます。だからこそ、バイトして稼いだお金は基本的に貯蓄に回すという意識でいることが大切です。免許を取ったり、社会人になる前に長い旅に出たりと、まとまったお金が必要になる場面もあるでしょう。そうなった時に惜しまず使えるように、普段から貯蓄の習慣をつけておくのです。
もう一つ、学生におすすめしたい自己投資は、英語学習です。大学生なら、大学の国際交流サークルなどで手軽に取り組めますし、夏休みを利用した短期留学、また協定校への交換留学などの長期留学も可能です。英語ができると就職の選択肢も広がりますし、今はどんな業界でも英語が必要な場面は何かしらあるものです。また、英語を使って外国人とコミュニケーションが取れるようになれば、その分人脈も視野も広がります。英語はいろいろな方法で役立てることができる有効なツールですので、時間のある学生のうちに是非身に着けておくのがおすすめです。
長期・分散・積立の資産保有
金融商品に投資をする場合には、長期・分散・積立が基本です。
長期投資とは、長期間にわたって金融商品を保有し、運用することです。長期で運用すると、運用で得られた利益をさらに運用することで、どんどん利益を増やしていくことができるため、リターンが投資額を下回ることを避けられます。一般に、10年間保有すると安定的なリターンが得られると言われています。
分散投資は、複数の金融商品に投資することです。金融商品によって値動きが異なるため、それぞれに分散して投資することによって、トータルでの損失リスクを軽減できます。債券や株式など、資産の種類で分散させることもできますし、国内株式、先進国株式、新興国株式のように、投資先の地域で分散させることもできます。
積立投資というのは、毎月一定額を投資するなど、継続的に投資額を増やしていくことです。投資は、投資タイミングによって損をしたり得をしたりするので、投資タイミングを分けることで、大きく損をしてしまうをリスクを軽減することができます。
身の丈にあった消費を見直す
投資にお金を回したいと思っても、消費で手一杯で、手元にほとんどお金が残らないという人もいるのではないでしょうか。そんな時は、まず消費を見直してみましょう。削ることのできる支出が見つかるかもしれません。
家賃は給料の3割が目標
昔から、家賃は給料の3割程度が目安と言われています。ただし、ここでいう給料とは額面ではなく、手取り収入のことです。たとえば、月収(額面)が20万円、税金等を控除した手取りが16万円の場合なら、家賃は約5万円が目安になります。地域によって家賃の差が大きいため、首都圏の一人暮らしではなかなか難しいかもしれませんが、目安として覚えておくとよいでしょう。
携帯、車など毎月の消費価格の検討
毎月必ずかかる費用は、一度見直してみる価値があります。たとえば、携帯電話の料金について考えてみましょう。あまり電話をかけないのにかけ放題のプランをつけていたり、別でインターネット回線の契約をしているのに大容量データ通信のプランになっていたりする場合には、契約内容を変更することで毎月の支出を抑えることができます。
また、車を持っている場合は、ガソリン代や駐車場代など、毎月かなりの金額が車のために消費されています。駐車場は、家から少し離れたところまで探して今より安い駐車場を利用し、ガソリンは、単価の安いセルフスタンドで入れるようにすれば、出費を抑えることができるでしょう。
節税対策を活用(ふるさと納税)
そのほか、必ず払わなければいけないものの一つに、税金があります。会社勤めであれば、自分がいくら税金を納めているかはあまり意識したことがないかもしれませんが、「ふるさと納税」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。「ふるさと納税」とは、居住地の自治体に納めるべき税金の一部を、寄付金として全国の好きな自治体に支払うことで、寄付した金額とほぼ同額を居住地の自治体に納めるべき税金から差し引いてもらうことができる制度です。さらに、寄付額に応じて返礼品を受け取ることができるので、お米などの生活必需品を返礼品にしている自治体を寄付先に選べば、その分消費にかかるお金を節約することができます。
ふるさと納税については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
上手なお金の使い方で浪費する
浪費は、必ず無くさなければいけないものではありませんが、消費と浪費をあわせて手取りの3/4までにおさめるのが理想だと言われています。そのため、できるだけ上手にお金を使って無駄を最小限にしましょう。
新しい経験にお金を使う
浪費する時は、物よりも経験にお金を使うようにしましょう。経験は思い出となり、あなたの中にずっと残り続けますが、物の場合はそうはいきません。テレビやパソコンを買い替えるよりも、友人と小旅行に出かけてみてはいかがでしょうか。思い出は、何度でも繰り返し楽しめます。
贅沢を控えてお金を節約
高価なものに一度にお金を使うよりも、ちょっとした楽しみをたくさん経験する方が、より幸福感を得られるといいます。そこで、贅沢は控えて、たくさんの小さな喜びにお金を使うようにしてみましょう。そうすれば、楽しみつつお金を節約することができます。
付加価値のある決済方法
どのみちお金を使うなら、ポイント還元のあるクレジットカードや電子マネーを使って決済するようにしましょう。わずかではありますが、還元されたポイントの分だけ、次に使えるお金が増えます。
時期で金額が変わりそうなものは待つ
新製品などは、発売から時間が経つと値段が下がっていきます。特に、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電は商品の入れ替わりが激しく、発売から1年経過するだけで、半額以下で購入できるケースもあります。発売日直後に購入する必要がないものは、数ヶ月待ってから購入することも検討してみましょう。
適正な販売価格で購入計画を
高額なものを購入する時は、適正な価格で購入できるように、比較検討の上で購入するようにします。もっとも安く購入できる場所を検討する以外にも、自分の収入に見合っているか、必要性に沿っているか(オーバースペックでないか)ということも、あわせて検討しましょう。
家計簿で月々の浪費を振り返る
毎月自分が何にどれくらい浪費しているのか把握するため、家計簿をつけるようにしましょう。1杯のコーヒーでも、週に3日飲んでいれば、ひと月で見ればかなりの額になります。毎月家計簿を見返して、削れるものがないか確認しましょう。
節約可能なお金を検討する
必要不可欠な消費にかかるお金も、色々な方法で節約することができます。是非、これから挙げる方法を試してみてください。
毎日の食事
外食を避け、できるだけ自炊をするようにすれば、かなりの節約につながります。週末にまとまった量の料理を作っておけば、平日はそれを小分けにしてお弁当にすることもできます。自炊といっても凝った料理をする必要はありません。簡単なレシピを調べて試してみるといいでしょう。
まとめ買い、定期便を活用
小さいパッケージで買うよりも、大容量のパッケージを買う方がお得です。必需品のトイレットペーパーや日持ちのする米や乾麺は、まとめ買いをするようにしましょう。また、通販などでは、同じものを定期的に購入すると割引される「定期便」サービスもありますので、これも一考の価値ありです。
買うことを楽しみにしない
特に女性は、買い物を趣味にしている方も多いですが、楽しいから、暇だからという理由で買い物に出かけると、ついいらないものを買ってしまいがちです。こうした買い物に行く前に、使える予算をあらかじめ決めておくなど、無駄遣いを極力減らす工夫をしましょう。
使用頻度の低い物は買わない
一つの目的にしか使えない製品など、使用頻度の低い物は買わないようにしましょう。例えば、アイスクリームスクープはあると便利ですが、無くてもスプーンで十分代替できます。
買うものは事前に決めておく
買い物に行くときは、事前に買い物リストを作っていきましょう。何を買うかをきちんと決めておけば、衝動買いを避けることができ、無駄な出費を防げます。
お金の使い方がわからない人向けのオススメ書籍
最後に、上手なお金の使い方を学ぶためのオススメの本を紹介します。お金の使い方に自信のない人は、是非書店で手に取って見てみてください。
神さまが教えてくれたお金の話
貯金や投資関連で数々のベストセラーを生み出している「家計再生コンサルタント」の横山光昭さんの書籍。記事冒頭で紹介した支出の三分類に従って、お金の扱い方をわかりやすく教えてくれます。
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投資・消費・浪費のイメージ、つかめましたでしょうか?何ごとも、現状把握が大切。まずは、今現在の自分のお金の使い方を把握するところから始めてみてください。
さっそくレシートを並べて、支出を3つに分類してみましょう。ここで、浪費や消費が多い人は、記事で紹介した方法を参考にしながら、投資に回せるお金を増やせるよう工夫してみてくださいね。皆さんがうまくお金と付き合っていけるよう、応援しています!