2019年を代表するベストセラー『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』を出版した、精神科医の樺沢紫苑先生。その活動フィールドは書籍だけにとどまらず、YouTubeのチャンネル登録者は15万人以上、Facebookのフォロワーも15万人以上など、その確かな情報発信に絶大な支持を集めています。
さらに、ビジネスマンに欠かせない仕事術を学べる大人気オンラインサロン「樺沢塾 精神科医の仕事術」のオーナーでもある樺沢先生。
メルマガ発行、動画配信、執筆活動、オンラインサロン運営と忙しい毎日を送りつつ、さらに月20冊以上の読書、月10本以上の映画鑑賞と、膨大な量のインプットもこなすんだとか。
同じ24時間を生きているとは思えないほど、大量のアウトプットとインプットをこなす1日を送る秘訣とはなんなのか。樺沢先生に直接教えていただきました!
驚異の行動を実現する樺沢先生の1日
ー樺沢先生は著書『アウトプット大全』の冒頭で、ご自身の生活についてこう書いていますよね。
基本、18時以降は働かない
月10本以上の映画鑑賞
月20冊以上の読書
週4〜5回のジム通い
月10回以上の飲み会
年30日以上の海外旅行
これって本当なんでしょうか?
樺沢先生:本当です。ちなみに2019年は、多分110本以上映画を観たかな。中でも『さよならくちびる』という作品が良かったですね。
ーす、すごい…。同じ24時間を生きているとは思えないほどの充実ぶりですね。1日のスケジュールはどのようになっているんでしょうか。
樺沢先生:そうですね。まず、朝は8時から8時30分に起きます。割と遅めでしょう?普段は1時くらいに寝ていますが、最低でも7時間の睡眠を確保したいので、自然とこのくらいの時間になるんです。それと、私の場合は通勤の必要がないですからね。
起きたらシャワー浴びて交感神経を優位にし、身体を仕事モードに入れます。9時からは机で2〜3時間、執筆作業や資料集めなどを行います。ここが一番コアな時間です。夕方以降は集中力が落ちるので、この時間帯でどこまでできるかですね。
13:00になったら、カフェでランチをして気分転換します。そのまま1時間〜2時間くらい、カフェで仕事をすることが多いです。その後は、事務所に戻って夕方まで仕事を続けます。打ち合わせを入れるのも、ほとんどはこの時間帯ですね。
そして、夕方になったら1時間半〜2時間身体を動かします。週1回は加圧トレーニング、週2回は有酸素運動、あと週1回は古武術の居合をしています。運動が終わると、だいたい20時くらいになるかな。そのあとは映画を観たり会食をしたり、家族でご飯を食べたりします。
人と会わない場合は、ほぼ100%映画鑑賞をしていて、夜の映画の場合は21時からの回を観ることが多いです。最近は映画の上映スケジュールが短いので、公開直後を逃すと昼や朝にしかやっていないことも珍しくありません。だから、午後になると新作をチェックして、映画の予約をしてしまいます。そうすると、「この時間には映画が始まるから、〜時までに必ず終わらせる」と、締め切りを意識して仕事ができるわけです。
私みたいな仕事は就業時間がないから、ダラダラしてしまいますが、それでは効率が上がらないですからね。
ちなみに、配信している動画の撮影は合間の時間や、海外旅行に行った時などにまとめて撮ることが多いです。この前も、10日間のヨーロッパに滞在中に100本の動画を撮りました。
ルーティンが「ウェルビーイング」につながる
ー1日のスケジュールを詳しく教えていただき、ありがとうございます。特別な過ごし方をされているのかと思いきや、意外と普通な過ごし方をされていて、少し驚きました。
樺沢先生:そう思うのは、私が最重視しているのが「ルーティン化」だからかもしれません。つまり、曜日は関係なく、いかに1年365日を一定のスケジュールで過ごせるかということです。夕方〜夜までにやるべきことを終わらせて、1日の終わりに自分のやりたいことをやる。このペースは徹底していますね。
それに加えて、1日の疲れもその日のうちに取るようにしているんです。そうすれば、毎朝100%の状態からスタートできますよね。毎日が忙しいビジネスマンの方は、「回復も仕事」と思うくらいでないといけません。
ー回復も仕事ですか。なるほど…。
樺沢先生:今、働き方改革で「生産性」が注目されていますよね。従来は「残業している=頑張っている人」って印象だった。でも、これからはより短い時間で、多くの成果を達成できる人が評価される時代です。そのためには、日々のパフォーマンスをあげないといけません。
パフォーマンスをアップさせることに、大きく寄与するのが「健康」。これまで健康って、「病気ではない状態」みたいな意味合いが強かったと思います。でも、それよりずっと身体が良好な状態になった経験はありませんか?「今日はなんだか元気ハツラツとしていて、気分がいいなあ」とか。
ーゆっくり眠れた日とか、運動で汗をかいた後とか、そう感じることがあります。
樺沢先生:こうした状態を「ウェルビーイング」と言います。もし、心も身体も絶好調な維持できれば、病気にならないし仕事も楽しい。これからの新しい生き方には、このウェルビーイングの考え方が必要不可欠だと思います。
ー樺沢先生は、いつ頃から現在のようなライフスタイルになったのでしょうか?
樺沢先生:私はアメリカに留学して、帰国後に精神科医となったんですが、アメリカ留学時代は、周囲の人が本当に「自分らしく生きているな」と感じていました。そして、私も42歳になってやりたいことをやろうと思い、情報発信を始めたんですね。その後、作家専業になってからは、今まで以上に自己管理が重要だと感じるようになったんです。
その後、約3年の間、どう1日を過ごせばパフォーマンスが上がるかと試行錯誤を続け、2010年頃に今のスタイルが定着しました。
20代〜30代のうちは、体力があるので徹夜などの無理もききます。しかし、表面に現れなくても疲労はちゃんと蓄積されていて、40代を過ぎるといきなり体調を崩すことが増えるんですよ。だから、若くても身体のコンディショニングはきちんとしておかないといけません。
私も40代前半より、運動習慣が身についた今の方がずっと調子いいくらいです。
ー会社で働くビジネスマンは、どのようにルーティンを作るといいのでしょうか?
樺沢先生:これは私の知り合いの話ですが、彼は決まった時間に会議室を借りて、缶詰状態になるそうです。ビジネスマンは急に上司に声をかけられたりして、集中が途切れてしまうことも多いんですが、意図的に外的な情報をシャットアウトするわけですね。
そして、そうやって作った1〜2時間をただ漫然を過ごすのではなく、一番集中力を使う仕事は時間を区切って一気に片付け、集中力の切れやすい午後や夕方からは、比較的負担の軽い仕事をするんです。
彼のような方法以外にも、たとえば9時始業ならあえて1時間前に出社して、誰にも邪魔されない時間に集中して作業をするという方法もあります。でも、多くの会社員は始業時間前におしゃべりをしていますよね。せっかく一番集中力が発揮できる時間なのに、とてももったいないと思いませんか?
ほんの30分集中して作業をおこなうだけで、いつもより1時間早く帰れるくらいのポテンシャルを秘めているのが朝なんです。
無駄な時間を過ごすな
ースケジュールを一定にして、その日の疲れをその日に取る。そうやってウェルビーイングを意識することで、仕事の生産性をあげられるわけですね。
樺沢先生:そうです。それに加えて、「仕事後の時間の過ごし方」も重要だと私は思います。残業が禁止になったからと言って、じゃあ家に帰って何もせずにぼーっとしているだけじゃ、意味がありません。健康のために運動をしたり、自己研鑽のために本を読んでインプットをしたり。こうしたリフレッシュも適度に入れることで、はじめて仕事や人生のパフォーマンスが上がります。
今すぐできることで一番おすすめしたいのは、やっぱり「アウトプット」かな。身近な方法だと、本を読んで感想を書くというもの。書くのが苦手な人なら、家族や同僚、後輩に感想を話すところから始めてみましょう。
次は、その感想をSNSで公開する。Twitterなら一度の投稿が140文字までだし、10分もかからないと思います。この小さなアウトプットをやるかやらないかで、記憶の定着の仕方が全然違うんです。本だとわかりやすいけれど、映画や音楽など、自分が好きなものなら何でも構いません。
慣れてきたら徐々にブログなどの長い文章にもチャレンジしてみてください。
ーあくまでも、アウトプットすることが大切なんですね。
樺沢先生:現代は情報過多で、意識しないとほとんどの人がインプット中心の時代です。でも、できればこれをアウトプット中心の生活に切り替えて欲しい。
技術の発達でAIもどんどん進化しているので、インプットだけでは人類は100%勝てません。だから、良質なアウトプットができない人は、自動化の波でAIにどんどん仕事を奪われてしまうでしょう。
AIがまだ人間に勝てない領域は、ユニークな発想やクリエイティブな分野です。だから、これからの社会で求められるのは、自分で課題を見つけ出し、提案し、与えられた仕事にも自分なりのアレンジができる人材。こういうアウトプット型の人だけが、令和時代を生き抜くことができるんです。
言われたことをそのままできる人は、昭和時代なら重宝されていました。でも、今の時代、そんな人材はAI以前に、外国からの人材からも仕事を取られてしまうかもしれません。つまり、引っ込み思案で遠慮をしていたら、何も評価されない。令和時代はビジネスのやり方においても、アウトプット力やグローバリゼーションが求められていると思いますね。
ー今のうちから、アウトプットが習慣のライフスタイルを作ることが大切なんですね。
そうです。私のオンラインサロンでは、「アウトプットチャレンジ」というイベントをやっていて、1日1つ、30日間かけて何かしらのアウトプットを行う宿題を出します。いずれも『アウトプット大全』にも書いた内容ではありますが、大抵の人は読んで終わりになることが多い。それをグループで強制的に実行してもらうわけです。30日継続するのはなかなか大変なんですが、参加者さんからは好評を得ました。
宿題は8割以上で合格にして、合格者には私が作ったオリジナルの付箋を差し上げています。これも結構人気なんですよ。
ー本当だ。キャラクターもかわいい。
こうしたアウトプットの体験や実践会は定期的に開催していて、グループチャットにも毎日報告用のコメントを入れます。100人〜200人規模でやれば、1人でやるよりもアウトプットを継続しやすいですよね。
他にも、メンバーさんと一緒に美術館へ行ったり、撮影会をしたりというイベントも積極的に行なっています。さらに、イベント後は居酒屋などで交流会をしてもらって、意図的にアウトプットができる環境を整えているんですよ。
参加したい人はほぼ必ず参加できるように工夫していますので、ぜひ参加してください!
メルマガ、SNS、YouTube、出版、セミナーなどで、長年にわたって情報発信を続ける樺沢先生。毎日大量の仕事をこなせる理由は、インプット+アウトプットを一定してこなせる強固なルーティンにありました。
より確実に、仕事も人生も豊かにしたいと思うみなさんは、ぜひ樺沢先生のオンラインサロンをチェックしてみてください!