新しい働き方のひとつとして注目が高まっている副業。将来に備えて収入を増やしたりスキルアップを目指したりと、さまざまな理由で副業を始める人が増えてきました。
しかし、いざ副業を探そうとすると「自分には何が向いているのだろう」、「そもそもどのような仕事があるのだろう」など、次から次へと疑問がわくかもしれません。
そこでこの記事では、副業の種類や特徴、取り組むうえでの注意点などを解説します。
副業は大きく分けて3タイプ!
副業には、もともと持っているスキルを活用できる「成果報酬型」、仕事をした時間によって報酬が決まる「時間労働型」、そして株や不動産などで稼ぐ「資産運用型」の3種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを確認してみましょう。
(参考:マイナビエージェント│副業の種類は3つに分類できる!副業を始める前に知っておくべき注意点を解説)
スキルを生かした成果報酬型
文章力やプログラミング能力など、専門的なスキルが求められる成果報酬型の副業。成果物ひとつにつき何円、と報酬が提示されます。
成果報酬型のメリット・デメリット
成果報酬型の副業では、仕事にかかった時間は重要視されません。そのため効率よく仕事をこなしていけば、アルバイトや本業の時給よりも高い金額を稼ぐことが可能です。
ただし仕事内容に慣れないうちは、想定よりも多くの時間がかかってしまい収入が割に合わないことも。場合によってはクライアントから提示された報酬額が適正価格より低く設定されているかもしれません。
また、単発案件が多く月々の依頼件数が変動しやすいため、安定した収入を得るまでに比較的長い時間がかかる、といったデメリットもあります。
成果報酬型の代表例
・Webライター
・動画編集者
・Webデザイナー
スキマ時間を使った時間労働型
スキマ時間を使って取り組むことができる時間労働型の副業。時給や日給など、働いた時間の長さに応じて報酬が支払われます。
時間労働型のメリット・デメリット
時間労働型の副業をするメリットは、目標にしている金額を安定して稼ぎやすいこと。また、体力や時間に余裕があれば、休日や深夜など時給が高くなる時間帯も狙い目です。
ただし、日雇いや時給制のアルバイトなどを副業として行う場合は、本業以外にまとまった時間を確保しなければなりません。そのため、無理をしすぎて体調を崩してしまう、睡眠時間や趣味の時間が削られる、といったデメリットもあります。
時間労働型の代表例
・コンビニや飲食店などのアルバイト
・イベントスタッフ
・タクシー運転手
株式や不動産などの資産運用
株式や不動産などに投資して稼ぐことができる資産運用型の副業。あらかじめ決まった報酬額はないものの、投資のタイミングや社会情勢によっては大きな収入を得ることが可能です。
資産運用型のメリット・デメリット
資産運用型の副業は、体力や時間がない人でも取り組むことができます。5分など短時間で投資できるものもあるため、本業が忙しい人でも継続しやすいです。
ただし投資の財源となるお金をあらかじめ用意しなければならないため、初心者にはハードルが高い点がデメリット。短期間で利益を出すためには、資産運用に関する知識も求められます。高額な投資はハイリスク、ハイリターンだということも考慮しておきましょう。
資産運用型の代表例
・FX
・株式投資
・仮想通貨投資
副業選びのポイント
自分に合った種類の副業を選ぶためには、いくつかチェックしておきたい点があります。主なポイントを見てみましょう。
自分は何を活用できるか考える
まず大切なのは、自分の現状を知っておくこと。スキルがある人は成果報酬型、時間に余裕があれば時間労働型、元手となるお金があれば資産運用型の副業など、自分が持っているものがわかれば副業の種類を絞ることができます。
文章を書くことが好きならばライティング、体力に自信があればデリバリーのバイトなど、副業に活用できそうな特技や趣味を探してみるのもいいでしょう。副業の内容は自分の意思で選ぶことができるので、向いている仕事に取り組むと無理なく続けられるはずです。
副業する目的を明確に
なんのために副業をしたいのか、目的を明確にしておくことも大切です。目的と仕事内容が食い違っている場合、副業がつらくなってしまう可能性があります。
たとえば「Webデザインのスキルを身につけたい」と思っている人がデリバリーのバイトを始めても、デザインの知識や経験は得られません。スキルアップがしたい、おこづかいを増やしたいなど、副業の先に得たいものをきちんと考えて仕事を選ぶと、モチベーションを維持しやすくなるはずです。
在宅で?それとも外で?
副業には在宅でできる仕事と、外で働く仕事の2種類があります。「休日や本業後に家でコツコツ取り組みたい」、「子どもの面倒を見ながら働きたい」と思う人には在宅ワークがおすすめ。「外で身体を動かしたい」、「退勤後に会社の近くで働きたい」と思うのであれば外で働ける副業を選ぶといいでしょう。
(参考:freee│副業の基礎知識)
副業を始める前に確認すべきこと
副業を始めるチャンスは誰にでもありますが、所属している会社や職業によっては副業が禁じられている場合もあります。また、知らないうちに法律に背いていたり、危ない橋をわたっていたりするおそれもありますので、副業を始める前は、以下の点を確認しておきましょう。
本業で副業が認められているか
まず確認すべき点が会社の就業規則。副業を推奨する企業は増えてきたものの、業界や会社によっては禁止している場合があります。
もし副業が認められている場合でも、「本業に支障が出ない範囲で」、「競合企業以外で」など条件が定められているかもしれません。副業を始める前に就業規則を必ず読み返し、念のため上司に相談しておくといいでしょう。
また、公務員は原則副業ができませんが、なかには副業を認める自治体も見られます。家業の手伝いや株式投資など例外的に認められている副業もあるので、上司に確認してみましょう。
(参考:厚生労働省│副業・兼業)
年間20万円を超えたら確定申告が必要
副業で得た所得が年間20万円を超えた場合は、確定申告をしなければなりません。所得とは、支払われた金額から必要経費を差し引いた額です。
もし副業による所得が年間20万円を超えても確定申告をしなかった場合は、ペナルティーを化せられるおそれがあります。
ただし、住民税については「副業の所得が年間20万円以下」の場合でも申告しなければなりません。自分で所得税の確定申告をする場合は住民税の申告も同時に済ませることができますが、そうでない場合は居住地のある役所で別途申告しておきましょう。
(参考:JCB│会社員の副業はいくらから確定申告すべき?「20万円ルール」とは?)
甘い副業の誘いに注意
副業を騙った詐欺も見られます。2019年には「7日で20万円稼げる人続出中!」などの誇大広告でスマートフォンを使った副業に興味のある人を誘い、高額なシステム使用料を支払わせる詐欺が発生しました。ほかにも「副業で儲かるためのノウハウが書かれているから」と悪質な情報商材を売りつけた事例も見られます。
甘い誘いに乗らないことが一番ですが、もし騙されてしまった場合は警察や消費生活センターに相談しましょう。
(参考:独立行政法人 国民生活センター│簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!-インターネット等で取引される情報商材のトラブルが急増-)
人気の副業20選
ここからは、人気の高い副業を20種類紹介します。気になるものや向いていそうなものがあれば、挑戦してみてはいかがでしょうか。
フリマ・せどり
フリマアプリを使った副業。家にある不要なものを売って収入にすることができます。ブランド品や保存状態のいいグッズなどは高値で売れる場合も。商品の内容や出品するタイミングなどに大きく影響を受けるため、収入は数百円から数万円と幅があります。
転売ビジネスである「せどり」も人気。中古ショップなどで安い商品を仕入れ、価格を上げてから売ります。差額が利益となるため、価格設定が重要です。
フリマ副業と同じく、商品内容や市場の需要などに影響を受けるため収入は数百円から数十万円と幅があります。
せどりについては以下の記事でも詳しく紹介していますので、チェックしてみてください。
ハンドメイド作品販売
オリジナルのハンドメイド作品を販売する副業もあります。イベントに出店して販売するほか、ネットショップを開設して通販をする人もいるようです。
作品のクオリティーやジャンルによって販売価格はさまざま。1つ数百円から数万円まで幅があり、売れた分だけ収入を得ることができます。
データ入力・文字起こし
データ入力や音源の文字起こしは、在宅でできる副業です。時間労働型の場合もあれば、「1件何円」といった成果報酬型のケースもあります。
パソコンさえあれば誰でもできる単純作業なので初心者でも取り組みやすい副業。しかしその分単価は低めで、ひと月の収入は数百円から数千円程度が多いようです。
翻訳
外国語力に自信があれば、翻訳の副業も選択肢のひとつ。メールの翻訳や動画字幕の作成など依頼内容は多岐にわたります。クラウドソーシングでも依頼が多い分野ですが、単価は1件あたり数百円程度と低め。より高収入を得るためには外国語スキルの向上や経験の蓄積が欠かせません。
アンケート・ポイントサイト
インターネットなどでアンケートに回答して報酬を得る副業。アンケート1件あたり1円から数十円と報酬は低いですが、数をこなせば収入が上がります。スキマ時間を使っておこづかいを稼ぎたい人に人気があります。
また、商品モニターやアプリのインストールなどでポイントを貯める「ポイントサイト」への登録も手段のひとつ。貯めたポイントは現金やギフト券などに交換できます。
ポイントサイトも簡単な作業が多いため単価は低め。ひと月の収入は数百円から数千円程度だといわれています。
ブログ・アフィリエイト
自分のブログやサイトにインターネット広告を掲載して稼ぐアフィリエイトを副業にする人もいます。始めるためには自分のウェブメディアを作ったうえで、広告提供プロバイダ(ASP)と契約しなければなりません。
報酬が発生する条件は広告によってさまざま。サイト訪問者がクリックするだけでいい場合もあれば、商品が売れることで初めて広告料がもらえるケースもあります。広告料は1件数円から数百円と幅があり、広告料発生の条件が厳しくなるほど報酬も高くなる傾向です。
サイトをじっくり育てて工夫を積み重ね、ひと月で数百万円の収入を得る人気ブロガーもいます。
Webライター
ブログ記事や企業のWebメディアに掲載する記事を書くWebライター。パソコンと、ある程度の文章力さえあればすぐに始めることができます。
クラウドソーシングなどで受注できますが、単価は1文字あたり1円以下と低め。記事をたくさん書けば書くほど収入が増えていく成果報酬型の副業です。
専門性の高い記事や企業から直接受注する案件は単価が高く、1記事あたり数千円から数万円になることもあります。
Webデザイナー
企業や個人のホームページ、バナーなどを作成するWebデザイナーは専門スキルを活用できる副業のひとつです。Webデザインやプログラミングの知識があれば、実践を通したスキルアップも期待できます。
ホームページ作成は仕事内容が複雑なため、1案件あたりの報酬は数万円からと高め。バナーなどの素材作成は1案件あたり数千円からが多いようです。スキマ時間を使って効率よく作業を進めることができれば、月数万円から数十万円の報酬を得ることができます。
プログラミング
専門スキルが求められるプログラミングの副業。ホームページのコーディングやアプリ開発など仕事内容が難しいため単価が高く、1案件あたりの報酬額が数十万円になることもあります。スキマ時間を使って在宅でコツコツ進めたい人や、スキルアップがしたい人に人気です。
写真販売
自分で撮った写真を素材として販売して収入を得る副業です。スマートフォンで撮影した写真を登録できる素材サイトもあります。
誰でも始めることができるため、単価は1枚数十円からと安め。作品が売れるたびに使用料がもらえるため、継続的に収入を得ることも可能です。クオリティーの高い写真を販売してカメラマンとしての実績作りをするなど、スキルアップにつなげている人もいます。
動画編集
YouTubeや企業のホームページなどにアップする動画を編集する副業。余計なシーンをカットしたり字幕や効果音を入れたりして、動画を完成させます。
パソコンと動画編集ソフトなどへの初期投資が必要ですが、需要は多い分野。YouTube動画の場合、報酬は1案件あたり数千円程度です。企業から直接オファーを受けた案件やウエディングムービーは報酬が高めで、1案件当たり数万円から数十万円がもらえる場合もあります。
YouTuber・ライバー
前述した動画編集の副業は編集作業のみでしたが、YouTuberやライバーは自分自身で企画・撮影・編集を行います。
編集した動画がメインとなるYouTuberに対し、ライバーは生放送を中心とした副業。動画編集技術がなくても始めることができますが、生放送視聴者を増やすための努力が求められます。
動画の再生数や動画内広告のクリック数に応じて報酬が発生するほか、視聴者からプレゼントされる「投げ銭」なども収入につながります。人気ライバーやYouTuberは月に数百万円以上を稼いでいますが、安定した収入を得るまでには時間がかかる副業です。
オンラインサロン
なかにはオンラインサロンを副業にする人も存在します。有料で参加できるコミュニティを作り、参加者に情報や商品などを提供します。
オンラインサロンの会費や商品の売り上げが収入になるため、会員数を増やせるかどうかが重要。ほかのオンラインサロンにはない魅力を発信できれば、月に数万円から数十万円稼ぐことも可能です。
インストラクター
ジムのスポーツインストラクターやアウトドアのインストラクターを副業にしている人もいます。好きなことや得意なことを人に教えてお金を稼ぐことができるため、楽しく続けられる副業です。
アルバイトとして雇われている場合、報酬は時給1,000円から2,000円程度。地域や継続年数によっても時給が変動します。
セミナー講師
セミナー講師は、対面やオンラインで生徒に勉強などを教える副業です。語学、ITスキル、メイクなど、自分が持っているスキルで収入を得ることができます。
報酬は1講義あたりの金額が決まっている場合や、時給制になっている場合などさまざま。受講者数や会費にも左右されますが、軌道に乗れば月に数万円を稼ぐことができます。オンライン講師サービスに登録したり講師を募集している塾に応募したりと、自分に合った方法で始めることができます。
コンサルティング
課題解決の相談に乗るコンサルティング業も副業のひとつ。企業経営やITなど自分の経験と専門知識を活用できます。時間がない人には、1回1時間などの短時間で行える「スポットコンサル」がおすすめです。対面のほか、オンラインで話を聞くこともできます。
報酬額は自身の経験や案件数に左右されるため、月数万円から数百万円と幅が大きいです。
フードデリバリー
体力に自信があれば、フードデリバリーの副業で稼ぐこともできます。デリバリーサービスを提供する会社に登録し、スキマ時間に自転車やバイクなどで配達を行います。
報酬は1案件あたり数百円程度。効率のいいルートでたくさん配達できれば、収入も多くなります。
単発バイト(イベントスタッフ)
日雇いの単発バイトを副業にする人もいます。イベントやライブのスタッフ、選挙の手伝い、警備員などさまざまな職種から選ぶことが可能です。
職種によるものの、報酬は日給8,000円から10,000円程度。まとまった額の報酬を短期間で稼ぐことができますが、1日当たりの拘束時間は長くなります。
株式投資
資産運用型の副業である株式投資。企業などの株を買い、価値が上がったタイミングで売って差額を利益にします。配当金の分配や株主優待などを受けることもできます。
元手となる資金が必要ですが、なかには5万円などの少額で投資できる株も。投資の知識を増やして売り買いのタイミングをうまく見極めることができれば、大きな利益を得られる可能性があります。成功すれば投資額の何倍も利益を得ることが可能です。
(参考:マイナビニュース│不動産経営は副業に向いている?投資するメリットとデメリットを解説)
不動産投資
副業として不動産投資を始める人もいます。物件を購入するためのお金が必要ですが、入居者からの家賃などで継続的に収入を得ることができます。自分で物件を管理することが難しい場合は、管理会社に委託する手も。複数の物件に投資して月に数十万円を稼ぐ人もいます。
(参考:president online│正社員ママでも”不動産”で年200万稼げる)
まとめ
本業以外の時間を使って収入を増やす副業。スキル、時間、資産など今持っているものをうまく利用すれば、楽しく継続することもできます。ただし会社によっては副業を禁じている場合があるので、始める前に就業規則を確認しておきましょう。また、健康管理を徹底するなど本業に支障が出ないような工夫も必要です。自分に合った種類の副業を活用して、スキルや収入の向上につなげてみてはいかがでしょうか。