ただの事件解説じゃない。登録者129万人のYouTube「あるごめとりい」がオンラインサロンを始めた理由

著者名サトートモロー
ただの事件解説じゃない。登録者129万人のYouTube「あるごめとりい」がオンラインサロンを始めた理由

チャンネル登録者129万人(20257月時点)を誇る人気YouTubeチャンネル『あるごめとりい』。ダークウェブで購入した箱の開封、未解決事件の考察など、投稿される動画の数々は一度見たら忘れられないインパクトがあります。

同チャンネルを運営する二人、けんちゃんさんと闇病み子さんが開設したオンラインサロン「秘密結社あるごめとりい」。YouTubeでは語れないディープなコンテンツと会員同士の議論、そして二人と11で話せるコンテンツが魅力です。オンラインサロンを開設したのはなぜか、また動画でセンセーショナルな動画を扱う背景にどんな想いがあるのかを、けんちゃんさんに深く語っていただきました。

けんちゃん

あるごめとりいのMC&総合プロデューサー|東京都出身。早稲田大学卒業後、TBSに入社。制作局にて『監獄のお姫さま』『日本レコード大賞』『爆報THEフライデー』を担当。入社2年目にして自身の企画が通り、『借金、チャラにします。』の総合演出を担当。2019年6月にTBSを退社。YouTubeチャンネル『あるごめとりい』を立ち上げる。現在はチャンネル登録者数110万人超。

きっかけはダークウェブ。エンタメと学びを届ける「あるごめとりい」誕生の原点

――YouTubeチャンネル「あるごめとりい」は、扱うテーマが非常にセンセーショナルですよね。なぜこうした事件を扱うようになったのですか?

僕は元々TBSに入社して、そこでさまざまな企画を出していました。通るものもあれば落ちるものもあって、その落ちた企画の中で、個人的にやりたかったものを「あるごめとりい」で取り扱っているんです。

いくつもある企画の一つに、ダークウェブをテーマとした企画がありました。ダークウェブとは、普段僕たちが使うインターネットブラウザではアクセスできず、特定のツールがないと入れない非合法の情報が集まる「闇サイト」の総称です。

ここでは、「犯罪の遺留品とかを箱に詰めて売っている」みたいな都市伝説がまことしやかにささやかれていました。そこで、実際に買ってみようと思ったんです。

実際に購入したら、家に箱が届いたんです。

▼【閲覧注意】ダークウェブのミステリーボックス【都市伝説】【English subbed】

その開封動画がものすごく伸びて。そこからチャンネルのジャンルを、奇妙でゾッとするような事件など、非日常のコンテンツに絞っていきました。

 

――一体、箱には何が入っていたのですか……

遺体の写真が入っていました。あとはダミーだと思いますが、人骨らしい骨が入っていたり、黒魔術に使うような変な物体が入っていたり。それと、「人間の料理法」が書かれたレシピと、その調味料としてニンニクや排泄物が入っていましたね。あとは、ひたすら女の子が薄ら笑いしているような声が収録された謎のCDとか。

正直、よくわからないものがいっぱい詰まっていました(笑)。

――豆腐メンタルの私が直接それをみたら、しばらくトラウマになりそうです。けんちゃんさん自身は、そういったアングラな世界に興味があったのですか?

もともとホラー映画とかスリラー系が大好きで、企画としてやってみたかったんです。チャンネルをスタートして6年経ちますが、やっぱりこのジャンルが面白いから続けられているなと感じます。

 

――どの動画もインパクト抜群で人の目を引きますが、非常にセンシティブなテーマでもありますよね。動画制作やチャンネル運営で、意識していることはありますか?

大きく二つあります。一つは「学び」です。動画ではよく、「めとらKW(キーワード)」と称して、犯罪心理学の専門用語などさまざまな言葉を紹介しているんです。最近だと、「デフェミニぜション」「ナルシスティック・レイジ」といった用語を紹介しました。それぞれどんな意味なのかは、ぜひ動画をご覧ください。

めとらKW「デフェミにゼーション」の動画はこちら

めとらKW「ナルシスティック・レイジ」の動画はこちら

 

こうした言葉を学ぶことで、事件の背景にある問題をより正確に理解して、学びを得られるような動画作りを意識しています。

もう一つは、「あるごめとりい」は「善悪は主観である」ことをテーマにしているので、取り扱う事件をきっかけに議論ができるような構成にしていることです。犯人の生い立ちやなぜ罪を犯そうと思ったのかといった背景を丁寧に描き、人々がその事件を深掘りできるようにしています。

 

――話題性の強い事件を扱う背景には、そんなこだわりがあるのですね。チャンネルにはどのような属性の視聴者が多いのですか?

男女比で言うと、チャンネル自体は7割が女性です。オンラインサロンに至っては、ほぼ9割が女性ですね。チャンネルの年齢層は20代、30代の女性が一番多くて、次に40代、10代、50代、60代と続きます。

女性の中でも、主婦の方がとても多いです。お子さんがいる人も多く、子どもにまつわる事件を学びとして観てくださっているのだと思います。またオフラインのイベントなどでは、夜職系の女性も「よく観ています」と声をかけてくださいます。これには僕も驚きました。

ただ、「あるごめとりい」はしっかりと構成を練りナレーションも入れているので、ラジオ的にも楽しめるようにしています。家事やメイクで忙しい女性は、作業をしながら聞くことができるというのも、人気の理由かもしれません。

NNの場」を求めて。オンラインサロン開設の理由

――YouTubeチャンネルだけでなく、オンラインサロンを始めようと思ったきっかけは何ですか?

YouTubeの規制が厳しくなり、表現の幅に限界を感じてきたことが、大きなきっかけでした。YouTubeとは別のプラットフォームで、より真実に近い情報を伝えられる場所を作りたいなと思い始めたんです。

それと、YouTubeはどうしてもクリエイター対視聴者、つまり「1N」の関係性になりがちです。しかし、僕はさまざまな事件に対して、「NN」でコミュニケーションできる場が欲しかったんです。

 

――NNというと?

僕たちが事件というテーマを扱い、みんながそれについて議論する。ときには僕たちを介さずに、議論が深まっていく。そうやって質の高い議論ができる場を作りたいと思い、「秘密結社あるごめとりい」を立ち上げました。

チャンネルのコメント欄でも議論が生まれることはありますが、YouTubeはそもそもそういう目的のプラットフォームではありません。オンラインサロンの方が、議論の場として最適だと感じました。

オンラインサロン内のコンテンツは、事件の背景や犯人の生い立ちなどをより丁寧に解説します。それを聞いて、「犯人の気持ちもわかる」という人もいれば、「だとしても人を殺すのは違う」という人もいて、活発な議論が生まれています。特に熱心にコメントしてくださる方々が中心になって、話題を盛り上げてくれています

 

――話題がセンセーショナルなだけに、議論がヒートアップすることもあるかと思います。運営者として何か気をつけていることはありますか?

事件に対する意見の相違は、サロンがある意味そのものなので全く問題ないのですが、発言者個人に対する人格否定は禁止しています。違反した場合はコメントを削除して注意喚起して、それでも同じ行為を繰り返す場合は強制退会という措置を取ることもあります。

発言の自由は担保しつつも、みんなの心理的安全性は守れるように運営しています。

 

――ルールが徹底されているのは安全ですね。オンラインサロンではどのようなコンテンツを配信していますか?

主に、YouTubeでは話しにくい未解決事件や都市伝説、世界史の裏側をより詳細に開設した限定動画を配信しています。さまざまな事件を取り扱っていますが、やはり日本の事件についての動画は身近に感じられるので、サロン会員さんの反応も多いです。

特に最近、反響が大きかったのは2023年に起きた「すすきのホテル殺人事件」です。YouTubeチャンネルでも扱った事件ですが、そこから新たな情報が出てきたのであらためて動画化しました。

――女性とその父親が男性を殺害し、首を切断したという衝撃的な事件でしたね。断片的ではありますが、今でも記憶に残っています。

この事件は、犯人の父親が精神科医だったという点もあって、「家柄は良いはずなのに、なぜこうなったのか」という視点での議論が多く見られました。

「父親が精神科医だという事実が、むしろこの事件の怖さを助長している」とか、「娘への溺愛が行き過ぎて、言いなりになった結果、殺人にまで至るのか」とか。加害者一家の歪んだ人間関係に、サロン会員さんも注目していたようです。

ちなみに、オンラインサロンの動画では僕と病み子さんでこの時間から得られる教訓や問いを取り上げ、議論する時間を設けています。「攻撃的な娘が両親を実質的に支配していた」という構図だったので、「攻撃的な人との向き合い方」をテーマに議論しました。

この時は、攻撃的な人と出会ってしまったら、まず距離を取るという結論だった気がします。

 

――より事件を深掘りしつつ、二人の見解を聞けるのは面白いですね。サロン会員さんから、「この事件を取り上げてほしい」とリクエストを受けることもありますか?

はい。サロン内にリクエストボックスを設けているので、そこで動画化の希望を募っています。「有名だけどまだ扱っていない事件」のリクエストもあれば、「新情報が出てきたので、以前の事件をもっと深掘りしてほしい」といった声などさまざまで、見ていて楽しいです。

優しい病み子さんと現実的なけんちゃんさん。正反対な対応が魅力の「11の人生相談」

――限定動画以外に、オンラインサロンの人気コンテンツはありますか?

サロン限定のライブ配信を行っています。あとは、僕と病み子さんとで別々に行っている11の人生相談も人気です。イベントだとある程度の人数でお話しすることになりますが、11で話せる機会はなかなかありません。抽選のため枠は限られていますが、かなり好評です。

 

――どういったご相談が多いですか?

恋愛相談、職場の人間関係、家族の人間関係。やはり人間関係の悩みが多いです。

僕と病み子さんだと、相談に対する反応が真逆なんですよね。基本的に、病み子さんはすごく優しくて、僕は現実的。以前、男性たちから15千万円以上をだましとった「頂き女子りりちゃん」の事件を扱った時、いわゆる美人局(つつもたせ)の女性をどう見分けるかという話題になりました。

病み子さんは「相手の発言から、自分への愛が深いかを見極めればいい」みたいなことを言うんです。でも僕は、「そんなの絶対騙されるだろ!甘すぎる」と感じちゃうわけです(笑)。結局、僕は「本当に結婚したいなら、その子の両親に会いに行くのがいい」と話しました。

僕にとっての優しさって、問題を解決することだと思うんです。特に11の人生相談は15分と短いので、キレイごとを言っても意味がない。だから、ごめんねと思いつつ「ヤバいから別れた方がいいよ」とか、本音で伝えます。

――逆に病み子さんは、とても優しく包みこんでくれる雰囲気がありそうだなと想像しました。人生相談は、慰めてほしい時は病み子さん、活を入れてほしい時はけんちゃんさんに相談するのが良さそうです(笑)。

なんかずるいですよね、僕だって病み子さんのポジションで温かい言葉をかける側になりたいのに(笑)。でも、サロン会員さんからは好評です。「気持ちがスッキリしました」「ポジティブになりました」「オブラートなしでスパッと言ってもらえたから、ウジウジ悩んでいたのが吹っ飛んだ」みたいな。

こうした感想をいただくと、このスタンスで良かったなと思います。

 

事件を学ぶことは「思考の訓練」。より幸せに正しく生きたいあなたへ

――改めて、YouTubeやオンラインサロンで凄惨な事件や目を背けたくなるような出来事をあえて学ぶことには、どんな意義があるとけんちゃんさんは考えますか?

もちろんエンタメとして楽しむという見方もあると思いますが、もう一つの軸として、自分や周りの人々を良い意味で「俯瞰できる」ようになると考えてます。

さまざまな事件で犯人や被害者の心情を学ぶことで、ある特定の事象に対して「この人はこういう理由で怒っているんだな」と整理できるようになる。ある意味、僕たちのコンテンツが「思考の訓練」になると思っています。

例えば、「権力のパラドックス」という心理学のキーワードがあります。これは人が権力を持つと、人間関係がおざなりになる現象を指す言葉で、実際に統計上もその傾向が見られるんです。

YouTubeの世界でも、登録者数の増加に応じて収入がアップした人は多いですが、それに伴い偉そうにする人もいます。僕はそういう人がすごく嫌いなので、同じ状態にならないよう気をつけようとずっと思っているんです。

こうした現象を専門用語として理解できれば、「権力のパラドックスに気をつけよう」と思えますよね。このように、犯罪者や自分には理解できない人を学術的に見ることで、それを反面教師として、自分なりに正しく生きようと意識することにつながると思います。

 

――さまざまな事件の背景にある言葉を知ることで、日々の生活にも意識できるようになるわけですね。すでにさまざまな人気コンテンツがある「秘密結社あるごめとりい」ですが、今後の展望はありますか?

まず決まっていることとしては、僕たちが運営している恵比寿のシーシャバーでYouTubeの公開収録を行い、そのままサロンメンバーと交流するイベントを予定しています。

Instagram:chmel_ebisu

今後はもっと大きな会場でイベントをやることもあるでしょうが、小さい規模で身近に交流できる機会も大切にしたい。大小偏らず、両方のイベントを展開したいですね。ゆくゆくは、シーシャバーが僕たちがおらずともサロン会員さんが集まれる、オフラインの拠点になったらいいなと思っています。

 

――とても素敵ですね。最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。

「秘密結社あるごめとりい」では、YouTubeよりも一歩も二歩も踏み込んで深掘りした動画や議論が見られます。今後のイベントについても、先行で応募できるようにする予定です。この世界のより深い部分を一緒に探求したい人や、僕や病み子さんと11で相談したい人、ぜひお待ちしています。


インパクトのある事件の真相を知る面白さ、その背景にある犯人や被害者の心情を学べる奥深さ。YouTubeチャンネルのよさがさらにぎゅっと凝縮されているのが、「秘密結社あるごめとりい」です。けんちゃんさんと病み子さん、そして二人を中心に集まる探求好きなサロン会員の皆さんと一緒に、深い学びを体験してみませんか?


あるごめとりい けんちゃん・闇病み子 - 秘密結社あるごめとりい - DMMオンラインサロン
あるごめとりい けんちゃん・闇病み子 - 秘密結社あるごめとりい - DMMオンラインサロン【DMM 新人賞受賞サロン】 YouTubeでは観られない世界の真実を知り、人生を豊かにする秘密結社コミュニティ ※収益の一部を、犯罪被害者・子ども達の為のチャリティーに寄付させていただきます
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