数々の神獣が潜む、キャリアを包括する充実の展覧会
生と死の曖昧な境目、向こう側の世界を想像させる禍々しくも美しい神獣をモチーフに、銅版画やミクストメディアなどの作品を送り出す小松美羽。
その今年度唯一の国内大個展は、小松美羽本人による序文、初期の代表作である銅版画とその原版、この展示会場の守り神であるかのように並ぶ一対の狛犬からスタートし、まるで飛び出して来るかのような迫力を持ったミクストメディア、アクリル画など充実の内容です。
中でも圧巻は豪華絢爛な屏風絵と、本展のメインテーマであるエリア21を表現した円形の展示スペースです。
2005年から2017年にかけてキャリアを包括する、その作品点数以上の満足感を得られる見応えのある個展となっています。
瞬く間に神獣が降臨する、儀式のようなライブペインティング
時に立ち、座り込み、また立ち上がり、裸足と素手で描く。そのライブペインティングにおける所作はまるで儀式のよう。
絵の具のチューブから直接カンバスに線を描いたり、それをまた手でつぶしたり伸ばしたり。
破壊するかのような迫力で巨大なカンバスに命を吹き込む彼女のひとつひとつの動きに、会場にいるお客さん、そして会場外のモニターで見守るお客さんはまさに釘付けでした。
ロールシャッハテストの模様のような状態から、目や鼻らしきものがカンバスに描き込まれると一気に絵に力が宿り、最終的に作品はカンバスをはみ出し、観覧スペースぎりぎりまで延長し完成。
作家の思考に想いを巡らさずにいられない、絵に参加するかのようなライブペインティング体験をすることができました。
劇中画を担当した映画『花戦さ』主演の野村萬斎も駆けつける
ライブペインティング完成後に花束を持って現れたのが、戦国時代を活きた生花の家元と言われる池坊専好を描いた映画『花戦さ』主演の野村萬斎氏。
これは小松美羽が劇中画を描いたことから実現した共演。この貴重なシーンは記念すべき個展のオープニングに添えられた花のようでした。
個展の舞台裏も覗けるオンラインサロン
小松美羽展の会期は6月11日(日)まで。会場は紀尾井町カンファレンス。大迫力の作品群を生で鑑賞できる貴重な機会です。ぜひ足を運んでみてください。
2017.6.3(土) – 6.11(日)
東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井カンファレンス
開館時間: 11:00 〜 20:00
入場無料
そんな個展の制作工程、準備過程などの舞台裏や素顔の小松美羽さんを垣間見える場所がオンラインサロン『小松美羽 地球人見聞録 ~1000年先のMIWAコード~』です。
SNSでは公開しない(出来ない)情報を不定期で掲載するほか、厳選した新作品等々の会員参加企画(例、タイトル募集等々)を実施しています。ぜひご参加ください。