五十嵐達哉です。
私は日本で唯一、Cigar Media Associationから承認を受けた葉巻(シガー)の評論家です。またこれも日本で唯一、そして初めての葉巻のポータルメディア「シガーナビ」を運営しています。
葉巻についてインターネットや書籍に記された内容は伝聞や誤った内容が多く、それが葉巻に対するハードルの一因になっていると考え、このようなメディアをはじめるに至りました。
麻生太郎副総理の「シガーバー」発言から、葉巻に対する関心が非常に高まってきています。
また昨今では喫煙環境への規制と紙巻きタバコ(シガレット)の価格高騰により、「習慣喫煙」から「趣味喫煙」へとシフトが進んでいるようです。シガレット以外にも手巻きタバコ(RYO)、煙管、パイプ、種々の電子タバコなど、さまざまなたばこ嗜好品のバラエティが増え、手軽に買えるようになりました。そういったたばこ嗜好品の中で、やはり王様は葉巻です。
といっても、葉巻には多くのブランドがあるので、迷ってしまいますね。どの葉巻を選ぼうにも何かの手がかりがないとなかなか決まらないものです。
直感でもいいのですが、今回は自分に合った葉巻の選び方や葉巻の吸い方などについてのアドバイスをしたいと思います。
あなたは紅茶派?コーヒー派?
「初めて葉巻を吸うんですが、何がおすすめでしょうか」という質問をよく受けます。
シガー専門店やシガーバーでお店の方にお任せして選んでもらっても良いですが、もし「初めて」だから「手軽な安くて小さいもの」を勧められたら断りましょう。
レストランで初めてワインを頼むとき、お手軽さから勧めるお店はありません。「その人の好みに合うか、食事に合うか」が判断基準のはずだからです。
よって、葉巻もその人の味覚の好みに合わせてチョイスした方がより「ハマり」ます。
質問を受けたときにヒアリングするのが「紅茶派かコーヒー派か」「和菓子と洋菓子どちらが好みか」「よく食べるのは魚と肉どちらか」「お酒は何が好きか」などです。
葉巻には「強さ」でのブランドの分類があります。ボディの軽いものを好む味覚の方(ヒアリング内容のうち前者です)には喫味の軽い葉巻を、逆の方には強い葉巻をおすすめします。
この味覚の好みを考えないと、「あまり味を感じない」「味わいがきつすぎる」というミスマッチに繋がります。お酒は、ハードリカーであれば強い方へ振ります。
キューバンシガーを選ぶこと
上の表が葉巻のブランドごとに分けられた味わいの強さの表です。これはキューバ産の葉巻を生産管轄する「Habanos(ハバノス) S.A.」という会社のオフィシャルのものです。
表の上の方の「Partagas(パルタガス)」「Bolivar(ボリバー)」などは強いテイストです。その下の「Cohiba(コイーバ)」「Montecristo(モンテクリスト)」などは有名なブランドですね。中央の「Romeo y Julieta(ロメオ・イ・フリエタ)」は最も売れているキューバ産葉巻のブランドです。
表では、下に行くほどテイストがライトになり、アロマが立つ香り高いブランドになります。
ひとつ重要な事ですが、葉巻を選ぶ際はまずは「キューバ産」から手を出してください。葉巻にはキューバ産と、ドミニカ・ニカラグア・ホンジュラスなどノンキューバ産の二種類があります。
大航海時代にタバコ葉が初めて発見されたキューバは、葉巻の元祖です。ワインであればフランス産であるように、まずは葉巻のオリジナルであるキューバンシガーを手に取るべきです。
ブランドが決まったあとは、その中のどの葉巻を選ぶかです。ここでは、ある程度の長さと太さの葉巻を選びましょう。
どうしても細め・短めの葉巻に手が伸びがちですが、葉巻は太く長いほどタバコ葉自体がフィルターの役目を果たすことにより味わいがマイルドで、各ブランドが兼ね備える特質も把握しやすいのです。
小さな葉巻は喫煙にも技術がいるので、自分の口のサイズと相談して決めましょう。男性なら「ロブスト」、女性なら「コロナ」というサイズがおすすめです。
購入は、ヒュミドールという温度・湿度をコントロールできる葉巻専用の保管箱でしっかり葉巻を管理している葉巻専門店、もしくはひと部屋全部がヒュミドールの機能を持つウォークイン・ヒュミドールといわれる設備を持つお店が良いでしょう。
いまはインターネットでも海外から気軽に葉巻が購入できますが、「La Casa del Habano(ラ・カーサ・デル・ハバノ)」という表記があるショップを選ぶのをおすすめします。
これはHabanos S.A.のフランチャイズショップのことで、正規の葉巻のみを取り扱う証です。日本には実店舗として東京に三ヶ所あります。
正しい吸い方は、葉巻と自分に合った吸い方
「1〜2分にひと吸い」「灰はできるだけ落とさないように」など葉巻の吸い方を事細かに指南する本やウェブサイトがありますが、先ほど出てきたHabanos S.A.はオフィシャルとしてそんなことは言っていません。
1〜2分にひと吸いでは葉巻のサイズによっては火が消えてしまいますし、その人の肺活量によるので間隔は関係ありません。ようは葉巻のサイズに合わせて、火が消えないように吸えば良いのです。
灰をできるだけ落とさないように吸うと、葉巻が灰の味になります。またカウンターやテーブルにごっそり灰を落とす不始末は避けたいものです。
灰は灰皿に置いたときに自然に落ちるので、それに従えば良いのです。
「これが正しい吸い方」というものは、実は葉巻の世界にはありません。
キューバで生まれた葉巻はヨーロッパに持ち込まれ、イギリスで花開き世界に広がりました。統一されたルールや場所の設定は、実はないのです。
一般的な葉巻というもののイメージ通りに、どっしりしたシガーバーで、シングルモルトとともにシックに楽しむスタイルも良いでしょう。
しかし、明るいカフェのテラスでお茶とともに、また自宅でテレビや映画を見ながら楽しむのも、葉巻の楽しみです。どの楽しみ方をチョイスするかは、吸う人の好みや考え方次第です。
ひとつ間違いないのは、葉巻は時間と場を楽しむものです。であれば、自分に合った吸い方を葉巻に聞きながら楽しんでみてください。
ストレスがなく吸えて、それで葉巻が美味しければそれこそがあなたにとって正しい吸い方なのです。
楽しくも深遠な葉巻の世界
このようなハウツーや、カット、ヒュミドールなど葉巻に関するコンテンツは、オフィシャルの情報やエビデンスを元に、シガーナビで発信しています。
ただ、さらにニッチな葉巻の情報や具体的なお話、質問など、私の運営する「ハバノス・オンラインサロン」や「ハバノス・オンライン・セミナー」で受けています。
葉巻を初歩から知りたい方やさらに深く知りたい方は、ぜひお気軽にご登録ください。
楽しくも深遠な葉巻の世界でお会いしましょう。