営業時間にみる、愛される店になる為のルール

著者名山路 力也
営業時間にみる、愛される店になる為のルール

フードジャーナリストの山路力也です。

「作り手の顔が見える料理」を愛し「その料理が美味しい理由」を考えながら、テレビや雑誌、ウェブなどで美味しくて楽しい飲食店をご紹介したり、お店の立ち上げやメニュー開発、コンサルティングなどを幅広く手掛けています。

これまで取材やプライベートで、およそ1万軒以上の飲食店に足を運んで来ましたが、その中でわかったこととしては「お客様に愛される店には共通点がある」ということ。店に入ったその瞬間に、あぁこの店にまた来たいと思う理由。メニューを見た瞬間に思わず注文したくなる技術。そして、料理を食べる前から美味しさを感じてしまう秘密。お客様に愛されている店には、愛されるべき理由が必ずあるのです。

お客様を第一にする、営業時間の考え方

出典:山路力也の飲食店戦略ゼミ〜愛される店になる為のルール〜

お客様に愛されているお店の取り組みを一つ一つ挙げているとキリがありませんが、敢えて一括りで言うならば、「店の都合ではない“カスタマーファースト”がどこまで貫けているか」に尽きるように思います。ファンが多い、リピーターが多いお店の施策には必ず「お客様目線」が取り込まれています。

ひとつ例として「営業時間についての考え方」を挙げてみましょう。

営業時間はお客様との最初の約束です。「この時間に貴方を待っています」というお店からの約束です。

ですから、お客様に愛されているお店は営業時間に正確です。お店の都合でオープン時間が遅くなることも、閉店時間が早まることも絶対にありません。場合によってはオープン時間よりも早く開けたり、閉店時間後も開けていたりします。

お店の始業時間より少し早く来て、お店の外で待たれているお客様がいる事があります。そういう時に早めにお店を開けてお客様を迎え入れているのが「お客様に愛されるお店」です。お客様は当然始業時間を知っています。ですから、オンタイムで開けても問題はありませんし、その時間までは待つ覚悟でお待ちなのです。

しかし、それよりも早くお店を開ければ、お客様の予想を超えたところに感動が生まれ、ファンが増えるのです。

当然そのためには、その時点でお客様を迎え入れる準備が出来ていないといけません。始業時間目指して開店準備をしていては当然間に合いません。少なくとも10分前には一通りの準備を終えて、いつでもお客様をお迎え出来る状態にしておくべきなのです。オープン時間を守れないのは論外で、オープン時間に開けるのは当たり前の事です。しかし、当たり前ではダメなのです。 

出典:山路力也の飲食店戦略ゼミ〜愛される店になる為のルール〜

同じように、楽しくて時間を忘れて終業時間までいるお客様もいらっしゃいます。そのお客さまを追い出すように帰しているお店がありますが、こういうお店はやはりお客様に愛されることはありません。例えば23時閉店で22:30LOの場合。22:20過ぎくらいからオーダーを取り始めてはいませんか。

もちろんテーブルはたくさんあるので、その時間から始めなければならないという論理なのでしょうが、最初に聞かれたお客様にとっては前倒しです。あるいは、お店の都合だけを押し付け、先にお会計だけ済ませてくれなどと言っていませんか。それは「早く帰って下さい」という無言の圧力になってしまいます。

お客様はなぜお店に来てくれるのかを考える

出典:山路力也の飲食店戦略ゼミ〜愛される店になる為のルール〜

お客様は楽しいからいつまでもいて下さっているのです。

もちろん、いつまでもいさせる必要はありませんが、せめて約束した終業時間までは楽しんで頂くわけにはいかないものでしょうか。先にやれるところだけ片付けておくことも一つの方法です。もし、スタッフの終電などの問題があるのなら終業時間を早めてその余裕を確保してみたらどうでしょうか。

23時閉店の店で、22:50くらいにお店から帰れと言われるのと、23時過ぎにお客様側から気付いてお会計をお願いするのと、どちらがお店に対していい気持ちがするかは考えれば分かることです。また、ラーメン店などでスープ切れや材料切れと称して、営業時間よりも前に閉めてしまう店も多く見られますが、こういうお店も長い目で見るとお客様から愛想を尽かされてしまうことでしょう。

仮に営業時間を20時までと掲げているのならば、お客様の数が読めるようになるまでは24時まででもお店を開けられる状態で準備をし、最悪一部のメニューしか出せなかったとしてもお店を開けておくべきです。もしどうしても完売してしまったら、20時まではお店でお待ちしていて、来て下さった方に直接お詫びをして無料券なりサービス券なりをお渡しすべきです。それが無理ならば、営業時間を掲げずに「100食売切れまで」と書くか、もっと早い時間を閉店時間に設定すべきです。

18時までというお店が19時にやっていても誰も文句を言いませんが、20時までというお店が19時に閉まったら文句は出ます。お客様との約束とはそういうものなのです。

お店の論理や都合をお客さまに押し付けない。この考え方はすべてにおいて言えることですが、営業時間に関してもとても大事な考え方だと私は思うのです。

オンラインサロンで、お客様に愛されるお店を目指す

私がDMMオンラインサロンで開設している、飲食店経営者向けのサロン「山路力也の飲食店戦略ゼミ〜愛される店になるためのルール〜」では、私がこれまでの取材や数々の店舗プロデュース、コンサルティングで得たノウハウや経験をメンバーの方々に定期的にご提供するほか、メンバーの方たちのお店についても個別のご相談も随時お受けしています。

また、定期的に食事会などで交流を深めることで、同じ飲食店経営者同士の横の繋がりも生まれています。ぜひ一緒にお客様に愛される店を目指していきましょう。

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