1月には厚生労働省が「モデル就業規則」を改定し、副業・兼業促進を行うなど、パラレルキャリア元年とも言われている2018年。
普通のサラリーマンが「副業・副収入を得る」、さらには「好きな事で稼ぐ」ためには何をすればいいのか。’16~’17年YouTube公式アンバサダーであり、家族全員「好きな事のみで稼ぐ」を体現している高稲達弥氏にお話を伺った。
─今、どんな暮らしをされているのですか?
好きな時に好きな事をする、そんな毎日ですね。予定のない日は妻と息子とずっと自宅にいます。朝昼晩三食、殆ど家族と食べますね。収入としては、僕は筋トレ・ストレッチ動画をYouTubeにアップして今はチャンネル登録者数28万人となっているのですが、収入の半分はYouTubeの広告収入、あとの半分は有料コンテンツ販売や企業の顧問など数種類の収入源からです。妻はInstagramなどでのペットのハンドメイド服販売。息子はブログのアフィリエイト収入や、HP制作を行っています。
「仕事をしている」という感覚はないですね。納期や目標数値があるような仕事は受けません。やりたいこと、自分にとってストレスのないことしかやりません(笑)。
また「この健康グッズをYouTubeチャンネルで紹介してください」といったオーダーもよく来るのですが、「この商品イマイチだな」と思った場合はお断りします。いいなと思ったモノや、人とだけ仕事をしたいですね。
─「好きなことで稼ぐ」のは多くの方の夢ですが、できる人は一握り。なぜでしょうか?
一言で言えば、本気度が低い。これに尽きると思います。今の暮らしに最低限満足していて、追いつめられていない。「やりたい」という想いが低いのでしょうね。
だから僕の息子には、1ヶ月東南アジアを旅させました。息子はいま22歳。妻の連れ子で、小学生の頃から一緒に暮らしています。高校卒業後、妻の実家の工場で溶接や、その後転職し自転車の販売員をしていました。
ある日、妻と余剰資金で「投資でもしようか?」と話していたところ、「どうせ投資するなら金融商品ではなく、息子に投資しよう」となり息子に「会社辞めて独立するために何か新しいことをやってみない?」と打診したところ、即答で「YES」という返事が返ってきました。今の仕事に将来がない事に気付いていたからでしょう。それから複数検討した結果、「東南アジアを1ヶ月旅しながら20万円稼ぐ」というチャレンジに決定しました。
ご子息の和馬氏
これまでの日本人しかいない閉ざされた空間から飛び出して視野を広げてこい。そこで改めて自分が何をしたいのか、何ができるのか本気で向き合って、20万は自分の力で産めるようになって帰ってくる。なかなか無茶なお題ですよね(笑)。
でも、追いつめられた状況で息子は無事このお題を達成しました。帰国後2カ月くらいで、1人で20万は稼げるようになりましたね。息子に投資した金額は旅の費用の20万円のみです。もの凄くハイリターンな投資になりました。
─「好きなことで稼ぐ」ためにはどんなステップがあるのですか?
大きくは三段階ですね。
STEP1.本気でやりたいことを見つける
STEP2.まずは1円でも「やりたいこと」で収入を得る
STEP3.その収入を拡大・自動化させる
今、DMMオンラインサロン「SNS家族」では、やりたいことで副業をしたい人に起業指導をしているのですが、まだサロンが立ち上がって数か月なので、STEP1で留まる人が殆どですね。やっぱり本気度がまだまだ低いんです。皆さん本業ではそれなりに好調なので、リスクを追って新しいことになかなかチャレンジできない。これは日本人特有の思考だなと思います。
こういう人は、とにかく「小さくても何か動くこと」が大事ですね。サロンでは「この課題図書を30分間で読んでください」「このシートに自己分析を記入してください」とかお題を出しています。少しずつでも動いてみて、結果を出す。それが自信になり次第に大きな壁に挑戦できるようになる。次第にSTEP2に到達する人も増えてきました。
ある女の子は、「note」で月額課金のコラムを売ったり、「ココナラ」でダイエットのコンサルティングを売ったりしていますがそれなりの副収入になっているようです。
今は「note」「ココナラ」など個人間売買のプラットフォームが育つなど、副業をしやすい時代だなと思います。ブログやアフィリエイトなどは最低限100万PVほどないと稼ぎにならない。地道に努力を重ねる必要がありますが、個人間売買ならそこまで労せず収益化することもできます。
本当は更にSTEP3の「収入の自動化」まで行きたいですよね。僕はYouTubeで筋トレ動画を上げていますが、このコンテンツは普遍性があります。
ニュース性の高いコンテンツの場合、旬が過ぎると誰も見ないものになってしまいますが、筋トレは時代性に左右されない。こういうコンテンツをうまく作り、何もしなくても稼げる土壌を作っていくことが次の課題だと思います。
また、動画制作に何時間もかける人もいますが、うまく制作テンプレートを使えば時間効率が何十倍にも上がる。こんな指導をさせてくれるメンバーが早く誕生してほしいものですね(笑)。
─高稲さん個人の「次のステップ」とは何でしょう?
もっとみんなが「好きなことで生きていく」ような社会を作りたいですね。もともと、僕は健康や体づくりの手法を広めていたのですが、やっている内に「そもそも家族や収入などのベースとなる生活が幸せでないと、心も体も健康にはなれない」と思うようになりました。
ライザップを始めフィットネス業界の多くは中間層~富裕層をターゲットとしていますが、そもそも時間もお金もない、健康どころじゃない人にフィットネスを売っても根本解決にはならない。また、健康や暮らしに価値観や信念がなく、運動を継続できない人に筋トレを説明しても付け焼刃。だからまず生活のベースにメスを入れたいと思います。
多くの方がストレスフリーな生き方をしていく。そんな未来を目指し、どんどんコミュニティを広げて世界規模で活動をしていきたいなと思っています。
「好きなことで食べていける」人を増やしたい。そんな理想を掲げ開設されたオンラインサロン『SNS家族』では、副業を始めたい、副業で更に稼ぎたいという方に対し、高稲氏が直接アドバイスを行っています。「いつか」ではなく、今から一歩自分を変えてみませんか?