華やかな夜の世界。その中でも銀座といえば、日本随一の繁華街です。大企業の重役や政治家、スポーツ選手など、一流のお客様が訪れることも多く、キャストにも一流の接客術が求められます。
その銀座で28才から高級クラブのママを務め、現在は自身でオープンしたクラブのほか、美容室やエステサロンなども経営しているのが、唯吹明日香さん。
水商売という流動的な世界の中で、いかに人との出会いを大切にして仕事に繋げてきたのか。生き方や仕事に、出会いを生かすヒントをお聞きしました。
学費を稼ぐために夜の世界へ
―水商売をはじめたきっかけはなんだったんでしょうか?
もともとは学費を払うためでした。大学3年生の時に母から「4年生の学費が出せない」と言われて、じゃあ4年生になるまでに1年分の学費を稼がなきゃいけないということで、祇園のラウンジで働きはじめたのが最初でした。
それまでも携帯電話の販売やパン屋さんなど、アルバイトを4つくらいはかけもちしていたんですけど、それだけではお金が足りなかったし、夜の仕事にはもともとあこがれもあったんですよ。
―卒業後も続けようと思ったのはなぜですか?
卒業するまで祇園で働いていたんですけど、もうひとつレベルの高いところで勝負してみたいって思いはじめていたんです。関西だと大阪の北新地が有名なんですけど、そこだと客層も客単価も祇園よりグレードが上なので、「行ってみたい!」と思って、就職はせずに北新地のクラブに入店しました。
―学費はすでに払い終えていたのに、続けたいというモチベーションは何だったんでしょうか?
私もともとすっごく負けず嫌いなんです(笑)。祇園ではアルバイトながらに、ナンバーワンも取って、月100万円くらい稼げるようになっていました。祇園でここまで行けたんだから、北新地という場所で自分が全力投球したら、もっと良い結果が出せるんじゃないかと思って、真剣にこの仕事に向き合ってみようと決心したんです。
―ビジネスプランはその頃からあったんですか?
具体的に何をやりたいかは決まっていなかったんですが、高校生の時から将来は起業したいと思っていました。大学も経営学部の起業家コースだったんです。だから祇園で働いていた時も、この経験を商売に繋げていけたらいいなとは考えていましたね。
北新地に移ってからは、企業の社長さんや取締役など、いろいろな業界のトップの方々と出会うことが増えて行きました。その方々からお話を聞く中で、この人脈は私の財産になるなと思い、コツコツとアドレス帳の連絡先を増やしていきましたね。
どんな時でも60点は必ず出す
―人脈を繋ぎ続けるのは大変だと思うんですが、どういう努力をされてきましたか?
この仕事をはじめてからずっとなんですけど、どんなにコンディションの悪い時でも、毎日60点は出すようやってきました。
たとえば調子のいい時って、朝起きてジムで体を鍛えて、200名のお客様にメールして、贈り物を用意して、手紙を書いて、出勤前までにお中元のリストもつくってとか、100点以上の仕事ができる日もあるんですね。
でもそんな日は毎日続かないから、調子が悪い日でも最低何か3つのことをするとか、「今日は何もしなかった」なんていう日がないようにするんです。
―それを5年10年のスパンで続けるのってすごく大変そうですね…。
そうですね。だから私、20代はプライベートを捨てて働いていました。当時は友達も彼氏もいなかったですし。本当に仕事が好きで、自分はいつか絶対に社長になるんだって思ってやっていました。お客様にも「いつか起業したい」ってずっと言い続けていたし、常に走り続けていましたね。
―その姿を見ている人は絶対に応援したくなりますね。
お客様って、みなさん一流のビジネスマンなので、相手の商才ももちろんですけど、どれだけ本気か、どれだけ持久力を持って頑張れるかってところを見ているんですよね。実際銀座に自分のクラブをオープンした時には、たくさんのお客様に助けていただきました。
だからお店の若い女の子にも、毎日60点は出しなさいって言っているんです。いつか自分が何かやりたいって時に助けてくれる人は、あなたの普段の頑張りを見ているからって。
でもこれってどんな仕事でも同じですよね。頑張っている人にはいつか誰かが手を差し伸べてくれる。そのための準備を怠っていたら、誰も助けてくれないんです。
Instagramフォロワー数5万9千人。憧れの銀座ママ
―唯吹さんのInstagramはフォロワー5万人以上、そのほとんどが女性だそうですが、狙いはあったんですか?
もともとInstagramは、自分のお店をオープンする際に求人用の広告としてはじめたんです。だから最初はお店の様子とか女の子とかを載せていたんですけど、だんだんと私自身のライフスタイルや、ほかの仕事もあげるようになっていきました。そこからフォロワー数が徐々に増えていきましたね。
ちなみに、オンラインサロンでは【Instagramのフォロワーを増やすコツ】など、セルフブランディングについてもお話しさせていただいています。
これからのビジョン、そして人と人を繋げるということ
―オンラインサロンでは、女性限定で起業を目指す人や人脈を広げたい人など、活発な交流をされていますが、今後どういう展開を描いていますか?
サロンの名前の通り、まさに、【人と人との繋がりを育み、あなたの未来を創る】ことが目標です。
今は違いますが、もともと銀座のクラブって、お客様同士の社交場だったんです。ママが全然違う会社の社長さん同士を紹介して、そこから新しいビジネスが生まれたりしていたんですよ。
それをオンラインサロンで再現して、目標を持って頑張っている女の子同士を繋げていきたいと思ってオンラインサロンを始めたんです。 他にも、水商売を辞めた女の子たちの、セカンドキャリアのヒントも与えられたらいいなと思っています。私自身、今取り組んでいるベビー用品の開発も、お客様の紹介からご縁ができた方と一緒にやらせていただいています。
人と人が繋がると、漠然と思い描いていたことが急に動き出して、目標に向けてやるべきことが明確になっていくんです。出会いによって選択肢が増えて、人生が広がっていくのって本当におもしろいですよね。
人との出会いが今の私を創ってくれました。だからこれからは、私も誰かの出会いの後押しをしていきたいですね。
【Foster 人と人との繋がりを育み、あなたの未来を創るサロン】では、唯吹さんがすべてのオンラインサロン会員を把握し、密度の高いやり取りを実現しています。「出会いもタイミングがあります。だから会員様にはできるだけ長い目で見て、じっくり人脈づくりをしていただきたいなと思います」と唯吹さん。
毎週の進捗状況報告共有などのオンライン上でのやりとりに加えて、オフラインでの活動も充実。第2回オフ会ではバーベキューパーティーが行われたそうです。起業したい方、人脈を広げたい方、そして、まだやりたいことが見つかっていない方も、出会いの中にヒントがあります。サロンに参加して、様々な方との出会いを体験してみませんか。