ダイエット中の方にとって天敵となるのが「食欲」。この食欲を無理なく抑えることがダイエット成功の秘訣と言えます。では、食欲はなぜ起こるのでしょうか?
この記事では、食欲が湧くメカニズムと原因を理解し、食欲を抑える正しい方法を紹介していきます。
食欲が湧くメカニズム
空腹を感じる仕組み
まずは人がどのようにして空腹を感じるのか見てみましょう。空腹感は基本的に、生命活動に必要なエネルギー源である「血糖」と関係しています。
身体活動によって血糖値が低下すると、脳はエネルギーを補給するように身体に命令を出します。これが、私たちが空腹感を感じる理由です。
一方で、食事をして血糖値が上がると、脳の満腹中枢がエネルギーが十分であることを感知し全身に知らせます。この働きによって満腹感を感じるというわけです。
ニセの食欲には注意
前述した空腹を感じる仕組みは、エネルギーの不足からくる本当の食欲なのですが、身体にエネルギーが必要ではない時でも食欲が湧いてしまう「ニセの食欲」というものがあります。
例えば、誰かが美味しいものを食べているのを目にしたり、良い匂いをかいだりしたときや、ランチタイムの時間、食後にデザートを食べるときなど、急に食欲がわいてきた経験はないでしょうか。このように、それまでの空腹の状況に関わらず記憶や嗜好に関係して、無意識に食欲を錯覚してしまうことをニセの食欲と言います。
このニセの食欲が湧いてしまうと、無駄に食べすぎてしまい、太る原因になってしまうため要注意です。これから解説する食欲を抑える方法を実践し、ニセの食欲をうまくコントロールしていきましょう。
食欲が増すのはなぜ?その原因について
睡眠不足
睡眠不足は体内のホルモン分泌に大きな影響を与えるため、食欲と密接に関係していると考えられています。
睡眠時間が8時間の人と、5時間の人を比較したところ、睡眠時間が5時間の人は食欲を高める「グレリン」の分泌が約15%増加し、食欲を抑える「レプチン」の分泌が約15%減少するという調査結果をまとめている研究もあるようです。
(参考:東洋経済オンライン│「寝不足の人」が太りやすくなる3つのワケ)
ストレス
ストレスを感じたときに分泌されるホルモンの一種に、ストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」があります。このコルチゾールには食欲を増進させる働きがあり、過剰に分泌されると、食欲を抑える働きのある「セロトニン」の働きを妨害してしまうのです。
これにより、ストレスを感じると、普段以上に食欲が湧いてしまうことがあります。
早食い
食事をすると血糖値が上昇して満腹中枢が刺激されるため、満腹感を感じて食欲が抑えられます。
ただし、血糖値の上昇から満腹感を感じるまでには約20分程度かかると言われているため、早食いをすると十分に満腹感を感じることができず、食べすぎにつながってしまうのです。
ながら食べをしている
テレビを見ながら、スマートフォンを見ながらご飯を食べる「ながら食べ」。実は、ながら食べも食べすぎと関係していることをご存知でしょうか。
たとえば、テレビを見ながら食事をすると、テレビに集中してしまい、自然と咀嚼回数が減ります。すると、満腹中枢が刺激されにくくなってしまうため、たくさん食べても満腹感を感じることができず、食べすぎにつながってしまうのです。
また、食事に集中できないことで、自分がどれくらいの量を食べているのか把握できなくなるのも、食べすぎてしまう原因の一つと言えるでしょう。
甘いものをたくさん食べる
お菓子など、白砂糖が多く含まれているものを食べると、脳内ではドーパミンやエンドルフィンといった快楽ホルモンが多く分泌されるようになります。これにより、不安感やイライラ感などが一時的に和らぐため、ストレスを感じる度にこの体験をもう一度得たいという欲求が起こり、甘いものをどんどん求めてしまうのです。
この快楽ホルモンへの依存が、止まらない食欲につながると考えられています。
生理
生理前や生理中に食欲が止まらなくて食べすぎてしまうという経験をしている人は多いのではないでしょうか。これには、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンの分泌が関係しているとされています。
プロゲステロンには、インスリンの分泌による血糖値の低下を妨げる働きがあるため、生理前や生理中にプロゲステロンの分泌が盛んになると、同時にインスリンの分泌も過剰に分泌されるようになります。その結果、血糖値が急激に上下するようになり、異常な空腹を感じてしまうのです。
(参考:糖尿病と女性のライフサポートネットワーク│月経と血糖のふか〜い関係って?)
食欲を抑える方法とは
(1)炭酸水を飲む
炭酸水には炭酸ガス(二酸化炭素)が溶けているため、飲むと胃の中で炭酸ガスが充満して胃が膨らみます。胃が張ることでお腹が満たされたという感覚を得られるため、一時的な食欲を抑える効果が期待できるでしょう。
炭酸水を飲む場合は、糖分の入っていないものを選ぶのがおすすめです。
(2)歯磨きをする
歯を磨いてすっきりとした後に再び食べ物を食べると、もう一度歯を磨かなかければならないので面倒だという心理が働きます。そのため、食事の直後に歯磨きをすることを習慣化すれば食べ過ぎを防ぐことができるでしょう。
また、歯肉が炎症を起こすことで産生されるサイトカインの一種は、血糖値を下げるインスリンの働きを阻害し、太りやすくなる原因となります。そのため、食後の歯磨きを習慣付ければ、歯周病を予防でき、同時に太りにくい身体作りを目指すことができるのです。
(3)咀嚼の回数を増やす
咀嚼によって満腹中枢が刺激されるため、食欲を抑える効果が期待できます。また、咀嚼回数を増やすと食事の時間も長くなるため、食べすぎの原因である早食いも防ぐことができるでしょう。
さらに、内臓脂肪の分解を促進する働きもあるため、ダイエットにも効果的と言えます。
(参考:農林水産省│みんなの食育)
(4)高タンパク質低カロリーの摂取
タンパク質が豊富な食べ物は消化に時間がかかるため、満腹感を持続させる効果があります。朝食にはタンパク質が豊富な物をしっかり食べるようにして、1日の食べ過ぎを防ぎましょう。
(参考:食の研究所│高タンパクの朝食を摂ると1日に感じる空腹感が減少する)
(5)運動をする
運動をするとお腹が空くというイメージありますよね。しかし、運動をすると食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌が減少し、食欲を抑えるホルモン「ペプチドYY」の分泌が増加するため、運動をすることは食欲の抑制に繋がると考えられています。
(参考:糖尿病ネットワーキング│ウォーキングで食欲を抑える 運動後に食べ過ぎないための6つの方法)
(6)ガムを噛む
先に紹介した、咀嚼回数が増えると満腹中枢が刺激されるという仕組みを使ったのが、ガムを噛むという方法です。ガムは1粒あたり約2kcalと低カロリーでもあるため、どうしてもおときはガムを噛み、食欲を抑えると良いでしょう。
(7)睡眠をしっかりとる
睡眠不足が続くと、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減少する一方で、食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌が増加し、食欲を抑えることができなくなってしまいます。そのため、心当たりのある方は、しっかりと睡眠時間を確保できるように生活を見直してみましょう。
寝つきが悪い場合は、寝具を変える、好みの香りに包まれて眠るアロマテラピーをする、鎮静効果のあるカモミール等のハーブティーを飲む、眠る5~7時間前のカフェインの摂取を制限するなど、寝つきをよくする工夫をしてみてください。
(参考:京都工場保険会保健指導│睡眠と食欲の関係)
質の高い睡眠をとる方法については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
(8)食物繊維の多いものから食べる
食物繊維には、消化吸収をゆるやかにする、血糖値の急上昇を抑えるという2つの効果があります。食欲は、血糖値の急上昇や急降下によっても起こるとされているため、食事の際には、食物繊維を多く含む野菜などから食べるように意識すれば、食欲の増長を抑えることができるでしょう。
(9)食欲を抑えるツボ(飢点)を押す
耳にある「飢点(きてん)」というツボを押すと満腹中枢が刺激されるため、食べすぎの抑制に効果が期待できるとされています。具体的なツボの押し方を見ていきましょう。
1. 耳の真ん中に位置しているふくらみ部分(軟骨の突起)の付け根を探します。ピアスを開ける位置で言うトラガスから顔よりの部分です。
2. 飢点のツボを見つけたら、人差し指や綿棒など細いもので左右の耳それぞれを10回ほど揉むようにして刺激します。
食事の20分~30分前に行うのがおすすめです。
(10)食欲を抑えるアロマを焚く
ぐつぐつと煮込まれたラーメンのスープ、焼きたてのパン、スパイスの効いたカレーなど、食べ物の香りによって食欲が掻き立てられることがありますよね。それと反対に、香りによって食欲を抑制することもできます。
ここでは、食欲をコントロールする効果が期待できるオススメのアロマオイルをご紹介します。
・金木犀のアロマオイル
金木犀の香りは食欲を抑制する効果があるとされています。食事の前に金木犀のアロマオイルを焚いて香りを楽しみながら食欲を抑えましょう。
(参考:四国新聞社│キンモクセイでダイエット/香りが食欲抑制か)
・ペパーミントのアロマオイル
ペパーミントの強い香りが食欲を忘れさせるため、定期的に嗅ぐことで空腹感が抑えるこができるとされています。
(参考:Woman’s Health│5日間の摂取カロリーが3,485kcalも減少! 嗅ぐだけで食欲がおさまる香りとは)
(11)むしろ食べる回数を増やす
食欲を抑える上でポイントとなるのは、脂肪細胞を正常化することです。
食欲と密接な関わりがある脂肪細胞からはレプチンという物質が分泌され、これが血流にのって脳に達し、満腹中枢を刺激することで満腹感を感じるようになっています。しかし、食べ過ぎが続くと、脂肪細胞は次第に肥大化して、レプチンの分泌量が低下。その結果、食べても食べても、満腹中枢が刺激されず、さらに食べすぎてしまう悪いサイクルに陥ってしまうのです。
この悪いサイクルを防ぐためには、脂肪細胞を肥大化させず、元気な状態を保ち続けることが重要になります。1回の食事量を減らして食べたものをキチンと消化させるように意識してみましょう。
ただし、この方法に向いている人は仕事による時間の拘束が少ない方、消化器官の働きが活発な比較的若い方達です。
食欲を抑えるオススメの食べ物
食材の中には、食べることで食欲を抑える効果が期待できるものがあります。ここでは、食べ過ぎを防いで、食欲も満たしてくれる、そんな一石二鳥の食べ物を紹介していきます。
アボカド
アボカドは世界一栄養価の高い果物としてギネスに認定されているほどの、豊富な栄養素と食物繊維が含まれた果物です。食物繊維が豊富なため、食事による血糖値の急上昇を抑えることがき、さらに脂質も多く含むため消化に時間がかかり腹持ちが良くなります。
亜麻仁油
亜麻仁油は、多価不飽和脂肪酸、食物繊維を多く含む食材です。多価不飽和脂肪酸が多く含まれる食べ物を摂取すると、空腹感をもたらすホルモンが減少し、満腹感をもたらすホルモンが増加することから、満腹感が継続して得られるという可能性が示唆されています。
また、前述したように食物繊維には血糖値の上昇を抑える働きがあることから、亜麻仁油には高い食欲抑制効果が期待できるでしょう。
(参考:@Press│「多価不飽和脂肪酸」が食欲関連ホルモンに影響)
サラダ
サラダには、食物繊維が多く含まれるため、血糖値の急上昇と急降下により発生する空腹を軽減させる効果が期待できます。また、必然的によく噛んで食べるようになるため、満腹感も感じやすくなるでしょう。
赤唐辛子
赤唐辛子には食欲を抑える働きがあるほか、辛味成分のカプサイシンにはエネルギーの代謝をアップさせる働きがあるため、ダイエットにも効果的です。
アーモンド
アーモンドには食欲抑え、血糖値の上昇を抑える働きがあるとされています。さらに、間食としてアーモンドを食べたときに、アーモンドの持つ健康効果が最も高くなると考えられているため、小腹がすいたときにはお菓子ではなくアーモンドを食べるのが賢い選択と言えるでしょう。
(参考:COLOR+DA│おやつにアーモンドを食べれば、太らない! 糖尿病予防にも効果あり)
グレープフルーツ
グレープフルーツなど、ミカン科植物の果実に多く含まれる「ナリンギン(ナリンジン)」という苦味成分には、食欲を抑える効果が期待できるとされています。
(参考:わかさの秘密powered byわかさ生活│ナリンギン | 成分情報 )
食欲を抑える飲み物
ハーブティー
ハーブティーの中には、食欲抑制に効果期待できるものもあります。
まず紹介するのは「フェンネル」です。ファンネルは、カレーなど様々な料理に使用されているハーブで、スパイシーで甘みのある香りと味が特徴的。この香りには食欲を抑える働きがあるとされているほか、利尿作用と発汗作用によってデトックス効果も期待できることから、ダイエットにもぴったりのハーブと言えます。
続いて紹介するのは「ガルシニア」です。ガルシニアの果皮に含まれるヒドロキシクエンは、食欲を抑えると同時に満腹中枢を刺激してくれるため、空腹を感じにくくする効果が期待できるでしょう。そのほか、肥満予防やコレステロール値を下げる効果もあることから、フェンネルと同様にダイエットにも重宝されています。
スムージー
バナナを使ったスムージーは食欲の抑制に最適です。バナナには様々な種類の糖が含まれていますが、それぞれの糖は体内での吸収速度が異なるため、血糖値の上昇を緩やかにするこ効果が期待できます。また、バナナに含まれる食物繊維は糖の消化吸収の速度を緩やかにする働きがあるため、血糖値の急上昇を防ぐことができることに加え、腹持ちが良い点も、バナナを使ったスムージーのメリットと言えるでしょう。ちなみに、スムージーを作る前にバナナを凍らせておくと、粘着性が増してさらに満腹感が高めることができます。
もうひとつのおすすめスムージーは、ほうれん草のスムージーです。ほうれん草に含まれる成分には空腹を紛らわせる効果が期待できるほか、鉄やビタミンB群、ビタミンCなど豊富な栄養成分を含んでいるため、健康面においても高い効果が期待できるでしょう。
さて、食欲を抑える方法をいろいろご紹介してきましたが、ただただ空腹を我慢して乗り切ろうとするのは辛いですし、きっと長続きもしないでしょう。そこで必要以上の食べすぎを防ぐために、「食べたい気持ちを抑える」という視点を「お腹の満足感を長続きさせる」のように切り替えてみましょう。こうすれば、食事はしっかり摂りつつも必要以上の食べすぎを防ぐことができるので、結果として食欲を抑えることにつながります。
ストレスを溜めてしまうとかえって食欲が高まってしまうこともあるため、自分が無理なく取り組める方法を見つけて実践してみてください。
【健康な心は健康な体から。健康な体は健康な心から。】
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