人間関係も仕事も人生も上手くいっているイメージがある世渡り上手。世渡り上手になって順風満帆で楽しい生活を送ることができたら、誰だって嬉しいですよね。
しかし、世渡り上手とは、具体的にはどんな人のことを指すのでしょうか。この記事では、世渡り上手の意味や、世渡り上手になるために心掛けることをご紹介します。
世渡り上手な人って?
世渡り上手の人とは、どんな人なのでしょうか。まずは世渡り上手の意味から見てみましょう。
世渡り上手の意味
世渡り上手とは、そもそもどのような意味なのでしょうか。
「世渡り」とは文字通り世を渡ること。つまり生活していくことを指します。類義語として、社交、処世などが挙げられます。(参考:weblio類語辞典)
しかし「世渡り上手」とは、単に生活が上手いだけではありません。例えば、辞書では以下のように定義されています。
世間においてうまく立ち回り、有利な人間関係を築いたり、裕福な暮らしを実現したりするさま。うまく世渡りしているさま。出典: 実用日本語表現辞典
つまり世渡り上手とは「人間関係を上手く築いて人生を成功させる」という意味だと考えられます。
世渡り上手な人の5つの特徴
世渡り上手とはどのような人のことを指すのでしょうか。ここでは世渡り上手な人の特徴を5つ挙げて説明していきます。
・人に頼るのが上手い
世渡り上手な人は、自分が困ったときに素直に人に頼ることができます。また、一方的にお願いするのではなく、相手のことを褒めたりしながら、相手に不快な思いをさせずに頼むことができます。甘え上手、とも言い換えられるかもしれません。
・人を思いやることができる
世渡り上手な人は、相手を思いやることが上手です。相手が求めているものは何か、自分が相手のためにできることは何かなどを考えた上で行動することができます。また、目上の人に対する気遣いなど、周囲への気配りも忘れません。
・印象が良い
常に笑顔を絶やさない。一緒にいると楽しい。世渡り上手な人は、そんな印象の良さを備えています。多少嫌なことがあっても、それを露骨に表情に出したりはしないでしょう。人の悪口を人前で言うことも少ないです。
また、マナーが良かったり時間を守ったりと、普段の生活でも相手に良い印象を与えています。
・要領が良い
世渡り上手な人は、適度に力を抜くことができます。物事に優先順位をつけたり、求められる仕事のレベルに適した働きをしたりすることが得意です。必要以上に力を入れすぎないため、疲れすぎたり悩みすぎたりすることが少ないといえるでしょう。
・空気を読める
その場に合わせた話題を選んだり、時には相手の話をじっくり聞いたり。世渡り上手な人は、場の空気を読むことが上手いです。聞き上手であり話し上手でもある、ともいえます。
世渡り下手な人って?
世渡り下手とは、どのような人のことを指すのでしょうか。ここでは世渡り下手の意味と特徴について見ていきます。
世渡り下手の意味
世渡り上手の対義語として、世渡り下手という言葉があります。世渡り上手の反対の意味なので、「人間関係が上手くいかず、立ち回りが下手」という意味ですね。
何をやっても上手くいかない。自分1人で抱え込んで悩んでしまう。そうした不器用な生き方をしている人は、もしかしたら世渡り下手な人かもしれません。
世渡り下手な人の5つの特徴
世渡り下手な人には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは5つの例を挙げて説明していきます。
・頭が固い
世渡り下手な人の特徴として、まず頭の固さが挙げられます。自分のやり方に固執する頑固な人や、応用力がなく言われた通りにしかできない人。頭の固さは時に、トラブルの原因にもなってしまいます。
・ネガティブ
世渡り下手な人は、思考がネガティブです。注意をされたときに自分そのものを否定されたような気持ちになってしまったり、周囲の会話が自分への悪口に聞こえてしまったり。
そんな後ろ向きな考えを持っている人や自己肯定感の薄い人は、世渡り下手かもれません。
・真面目過ぎる
真面目過ぎる、というのも世渡り下手な人の特徴のひとつです。もちろん与えられた仕事に真面目に取り組むことは、悪いことではありません。しかし真面目過ぎる、というのは自分にも相手にも窮屈な気持ちを与えてしまいます。
すべて自分1人でやらなければならないと思って抱え込んだり、完璧にこなさないといけないと自分を追い込んだり。そんな人は周囲からも余裕がなさそうに思われてしまいます。
・空気を読まない
空気を読まない人も、世渡り下手といえるでしょう。場や相手に合わせた振る舞いができない人や、いつも自己中心的で自分のことしか考えていない人。こうした人と一緒にいても、相手は楽しいと感じませんし、もしかしたら面倒な人だと思われているかもしれません。
・同じミスをくり返す
世渡り下手な人は、何度も同じミスをする傾向があります。ミスをすること自体は仕方のないことです。しかしミスを反省せず、何度も同じミスをしていては周囲の人もあきれてしまいます。最終的には、「あの人には任せられない」と思われて信用を失ってしまうかもしれません。
世渡り上手の失敗談と成功談
「世渡り上手になりたい!」と思って起こした行動が裏目に出てしまうこともあります。ここでは世渡り上手の失敗談と成功談をご紹介します。
世渡り上手の失敗談
世渡り上手に見える行動が周囲の反感を買ってしまったケースもあるようです。
【人を頼りすぎて好感度が下がった】
前述したように世渡り上手な人は、人に頼るのが上手です。しかしすべてを人任せにしていてはいけません。
たとえ自分が忙しくないときでも、「面倒だから」という理由で仕事を横流しにしてしまう上司や同僚もいますよね。こうした人に対し、「あの人はいつも怠けている」、「自分だけサボっている」と感じている人も多いようです。
【要領を良くしようと思って手を抜きすぎた】
世渡り上手な人は要領が良いです。しかし仕事のスピードを上げるためにやるべき作業を省略してしまうケースも。こうした人は一時的に仕事のスピードが上がっても、後で手を抜いたことが知られ、注意されてしまいます。
「要領良く仕事をこなす」というのは、「やるべきことをやらない」ということではありません。手を抜いて周囲の信頼を失ってしまっては、世渡り上手とはいえないでしょう。
世渡り上手の成功談
もちろん、世渡り上手の特徴を押さえて状況が好転したケースもあります。
【仕事の質が上がった】
人と協力して仕事をすることで、自分の仕事をより丁寧にできるようになったというケースもあるようです。自分には苦手な仕事でも、他人にとっては得意な仕事という可能性もあります。その場合は、自分でやるよりも相手を頼った方が効率も上がります。
「1人で全部やらないと」と思うのではなく、本当に大変なときには周囲を頼る。世渡り上手になることで、自分の負担を減らし、仕事の質を上げることができるのです。
【ストレスが減った】
人づき合いや仕事を完璧にこなそうとして疲れてしまっていた人。そんな人が少しだけ手を抜くことを覚え、「完璧ではなくても及第点でいい」と思うことでストレスが減ったというケースも。いらない苦労を引き受けない、というのも世渡り上手が得をする理由のひとつでしょう。
世渡り上手になる5つの方法
世渡り上手になるためには、具体的にどのような行動をとれば良いのでしょうか。ここでは世渡り上手になるための方法や、参考になる本をご紹介します。
・1人で抱え込まず、人に頼る
世渡り上手になるために、まず人を頼れるようになりましょう。例えば、目の前に自分1人では処理しきれない量の仕事があったとします。世渡り下手な人の場合、周囲に相談せず、すべての仕事を1人でこなそうとすることでしょう。
しかし、世渡り上手な人は、まず周囲に相談し、他の人にも仕事を手伝ってもらいます。1人でやるよりも効率が良く、仕事の質が上がる可能性もあります。すべてのことを無理して1人でやる必要はないのです。人を頼れるようになれば、世渡り上手に一歩近づくはずです。
・適当になる
「適当になる」というのは、「いい加減にやる」という意味ではありません。状況に合わせて適切な成果を出せるようにする、という意味の「適当」です。
たとえば80%の力でやれば充分な仕事に対して、いつも100%の力を出していたら疲れてしまいます。その仕事は、80%の力でやり、残りの20%は別のことに使いましょう。
常に完璧を目指す必要はないのです。最低限必要なことはやったうえで、適度に力を抜くようにしましょう。
・行動で信頼を得る
口先だけの人は、いつまでたっても人に信頼してもらえません。約束の時間を守る。感謝の気持ちをきちんと伝える。メールの返信を早くする。そんな当たり前に見える行動を積み重ねていくことで、相手の信頼を得ることができるのです。
信頼を得ることができれば、自分が困ったときに相手も喜んで助けてくれるはずです。
・コミュニケーション能力を高める
いつまでも話しかけてもらうことを待つのではなく、自分から会話のきっかけをつくりましょう。たとえば旅行に行ったときは職場にお土産を持ってくる、疲れている人にはお菓子を差し入れする、など。小さな優しさが、会話のきっかけとなるはずです。もちろん会話の中では相手の話をしっかり聞き、相手も楽しいと思える内容を話すようにしましょう。
・ミスに対してPDCAサイクルを回す
仕事やプライベートの中で、うっかりミスをしてしまうこともありますよね。そんな時はミスをそのままにするのではなく、どうしてミスをしてしまったのか原因を考えるようにしましょう。
原因に対して、次はどのようにすればミスを防げるのか、それでもだめだったら次はどうすればいいのか。仕事と同じようにPDCAを実践し、少しでもミスを減らせるようにしましょう。
世渡り上手になりたい人におすすめの本
『「スネ夫」という生きかた』(横山泰行)
国民的アニメである「ドラえもん」に登場するスネ夫。いつもジャイアンと一緒になってのび太をからかう彼ですが、実は世渡り上手に必要な素質を兼ね備えているといいます。この本では、スネ夫の言動から世渡り上手になるためのテクニックを学ぶことができます。
『なぜあの人はいつも助けてもらえるのか 職場で「可愛がられる」法則』(藤巻幸大)
職場で誰にでも可愛がられる人はいませんか?世渡り上手な人は、周囲の人がつい助けたくなるような魅力を持っています。つまり職場で可愛がられる人には、世渡り上手の素質があるのです。この本では、職場で可愛がられる人になるための方法を紹介しています。
ここまで世渡り上手や世渡り下手について意味や特徴を見てきましたが、いかがだったでしょうか。世渡り上手な人は、他者から愛される魅力を持っている人。適度に肩の力を抜き余裕を持って生きていくことができるので、人生もより楽しいものにできるでしょう。
「私って世渡り下手かもしれない」と思っている方も、今回ご紹介した世渡り上手になる方法を実践して、今よりも楽しい生き方をしてみてはいかがでしょうか。