骨盤のゆがみについて意識したことはありますか。実は、日常生活のちょっとしたクセで、骨盤はゆがんでしまいます。そこで今回は、骨盤のゆがみ方を調べる方法や、ズボラさんでも簡単にできる簡単なストレッチをご紹介します!ちょっとした時間に骨盤のゆがみを矯正するだけで、体調は驚くほど良くなるんです。
骨盤がゆがむと起こる、怖い悪影響!
骨盤というのは1つの骨ではなく、腸骨・坐骨・恥骨からなる「寛骨(かんこつ)」と、仙骨、尾骨で構成されています。骨盤は上半身・下半身の中心に位置しており、脊柱と脳を支える、臓器の受け皿となる、二足歩行を支えるなど、人間が生きる上で欠かせない役割を担っています。そんな大切な骨盤がゆがんでしまうと、体にはどんな悪影響が起こるのでしょうか?
骨盤の歪みが起こす悪影響①姿勢の悪化
骨盤が正常の位置よりゆがむ(前傾・後傾する)ことで、起こりやすいのが「猫背」と「反り腰」です。骨盤の上にある背骨(脊柱)は、通常S字カーブを描くことで、体にかかる負荷を軽減しています。しかし、骨盤という土台がゆがんでしまうと、背骨(脊柱)のカーブが弱くなったり、極端になったりするため、姿勢が悪化してしまうのです。
骨盤の歪みが起こす悪影響②様々な体調不良
骨盤がゆがむことで姿勢が悪くなると、股関節や腰回りの血流が悪くなり、多くの体調不良の原因になります。具体的には、肩こり、腰痛、頭痛、ひざ痛、股関節痛、外反母趾、O脚むくみ、冷え性、生理不順、生理痛、便秘、下痢、不妊などです。
もちろん、これらの症状は骨盤のゆがみだけが原因で起こるわけではありません。しかし、体の根幹とも言える骨盤がゆがむと、もともと持っていた悩みが悪化してしまう可能性もあります。
骨盤がゆがむ原因は日常生活のちょっとした「クセ」にあった
女性の場合は、出産によって産道がひらくことで、骨盤が開いたままになることがあります。それ以外にも、コンタクトスポーツ(アメフトなど、接触の多いスポーツ)が原因で骨盤がゆがむこともあるでしょう。しかし、大半の方はもっと日常的な習慣が原因で骨盤がゆがんでいるかもしれません。
骨盤がゆがむ原因①足を組んで座る
足を組んで座れば、骨盤は斜めにねじれます。私たちの体は、日常でよく取る姿勢に合わせて体を安定させようとするので、普段の姿勢でも骨盤がゆがんだままになってしまいます。
(参考:古後晴基,村田潤:利き脚および組み足が立位姿勢の骨盤前傾角に与える影響,理学療法科学29(1),2014,39-43)
骨盤がゆがむ原因②片方のみにバッグを持つ
バックパックと比べて、ショルダーバッグ・トートバッグは片方の肩にのみ重量がかかります。すると、重量のかかる方の肩を持ち上げてバランスを取ろうとするため、体が左右に傾き、骨盤がゆがんでしまうのです。
骨盤がゆがむ原因③うつ伏せの姿勢で寝る
うつ伏せになる時、ほとんどの方が顔を左右に向けますよね。一時的にではなく、長い時間をかけて頚椎(首の骨)が左右にねじれている状態が続くと、背骨を通じて骨盤のゆがみにつながることがあります。
骨盤がゆがむ原因④左右に体重をかけて立つ
立った姿勢のとき、左右の足どちらかに重心を乗せていませんか。この状態では片足に体重がかかるので、当然骨盤のゆがみにつながります。
タイプ別!骨盤の傾き具合をチェックする方法
骨盤のゆがみ方は、人によって様々です。通常よりも前に傾いていたり、後ろに傾いていたり。もっと細かく分類すれば、骨盤の右側・左側でゆがみ方が異なるケースもあります。ここでは、専門的な知識やツールがなくてもできる、簡単な骨盤のゆがみチェック方法をご紹介します。
骨盤の前傾・後傾をチェックする方法
壁に頭・腰・かかとがつくようにまっすぐ立ち、背中に拳が入るくらいのスキマがあれば骨盤が「前傾気味」、背中と壁のスキマが手のひらより狭ければ、骨盤が「後傾気味」です
ここで、「骨盤が前傾していると反り腰になりやすく、後傾していると猫背になりやすい」という話を耳にしたことがある方もいるでしょう。しかし、骨盤が前傾気味になっていると、上半身でバランスを調整しようと、猫背になってしまうこともあります。そのため「猫背だから骨盤が後傾気味」とは、安易に判断しないようにしましょう。
骨盤が開いているかをチェックする方法
足を揃えて、仰向けで横になり、両方のつま先の角度が80度〜90度になれば正常です。この角度が大きくても小さくても、骨盤がゆがんでいると判断できます。また、左右の足のつま先の開き具合が違う場合は、骨盤の左右でゆがみ具合が違うかもしれません。
骨盤のねじれをチェックする方法
①両目を閉じた状態で、その場で片足立ちをする
②片足立ちのまま、20回ケンケンをする
☆最初の位置からずれていたら、骨盤がねじれている可能性があります。
猫背や反り腰、左右の骨盤にねじれが生まれていると、まっすぐにジャンプをしているつもりが前後左右にジャンプがそれてしまいます。また、運動不足などが原因で、体のコントロールがうまくできない人もジャンプした後に位置がずれがちです。
骨盤を矯正すればメリットがたくさん!簡単にできる骨盤の歪みを治すストレッチ
骨盤のゆがみを矯正すれば、普段の歩行や立ち姿勢で体を支えやすくなり、疲れにくい体づくりができます。また、内臓なども正常の位置に戻せるので、内臓本来の機能を損なうことがありません。
さらには、全身の血流が改善されることで代謝が向上し、ダイエットにも良い影響があるなど、そのメリットは数え切れないほど。そこで、骨盤のゆがみを矯正する方法やストレッチをまとめました!
寝ながらできる骨盤矯正ストレッチ①両足ひねりストレッチ
①あお向けに寝て両ひざを立てる
*足裏は床につけたままにしてください
②両ひざはつけたまま、息を吐きつつ足をゆっくり右に倒す
*肩が床から離れないように注意しましょう
③息を吸いながら、ゆっくり足を戻す
④左側も同じように行う
これを1〜2分かけて、ゆっくり繰り返します
寝ながらできる骨盤矯正ストレッチ②体ゆらしストレッチ
①あお向けに寝て両ひざを曲げて腕で抱え込む
②両ひざを抱えたまま、体を前後にゆっくり揺らす
こちらも、1〜2分など時間をかけてゆっくり行いましょう
2つのストレッチで程よく体を動かせば、睡眠の質を向上する効果も期待できます。
寝ながらできる!産後の骨盤引き締めにもぴったりなストレッチ
①あお向けに寝て、両ひざを立てる
②足は腰幅よりも広げて、足首を手で掴むようにする
③足首を掴んだまま、左右交互にひざを内側に倒す
この動作を、左右交互に30回ずつ繰り返します
骨盤が後傾気味の方や、産後などで骨盤が開いている人にオススメのストレッチです。
グッズをうまく活用して、効果的な骨盤矯正ストレッチを!
日常的に骨盤矯正のストレッチをするのもオススメですが、便利なストレッチ用のグッズを使うことで、より効果的なストレッチが可能です。
骨盤矯正に役立つ便利グッズ①ストレッチポール
ストレッチグッズとして、かなりメジャーな存在となったストレッチポール。円筒のような形状で、全身の様々な部位に対するストレッチや筋膜リリースに利用できます。ストレッチポールを使った骨盤矯正には、次の種目を試してみてください。
ストレッチポールを使った骨盤矯正ストレッチ①骨盤スライド運動
①ストレッチポールを倒し、その上にあお向けになる
②ストレッチポールの上で、腰周りを左右にスライドさせる
左右交互に、10回〜20回ほどスライドさせます
ストレッチポールを使った骨盤矯正ストレッチ②バタ足運動
①ストレッチポールの上で、あお向けになる
②股関節・ひざの角度が90度になるよう足を持ちあげる
③ひざの位置は固定したまま、かかとでお尻を叩くようにバタ足をする
この動作を10秒1セット、3セットほど繰り返します
骨盤矯正に役立つ便利グッズ②骨盤枕
骨盤枕はポール状の形をしていて、腰に当てることでゆっくりと骨盤周りの筋肉を伸ばすことができます。専用のグッズとして販売していますが、バスタオル2枚とひもを使えば、簡単に代用品を作ることが可能です。骨盤枕を作ったら、早速次のストレッチを試してみましょう。
①あお向けに寝て、骨盤枕がおへその真裏にくるように敷く
②足を腰幅に開き、つま先を内側に倒して「八の字」を作る
③両手の小指をつけた状態で、まっすぐ上へ伸ばし、手のひらを床につける
この姿勢を5分キープします。途中で腰に痛みを感じたら、すぐに中断してください。
骨盤矯正に役立つ便利グッズ③骨盤矯正椅子
MTG 骨盤サポートチェア Style Athlete(スタイルアスリート)
骨盤矯正用の椅子やクッションは、とても使い方が簡単なのが特徴です。自宅で使えるタイプから、仕事用の椅子と併用することで、腰や背中の負担を軽減してくれるタイプまで様々です。
バリエーションも豊富で、職場で使っても目立たないものも多くあります。デスクワークが多い人は、ぜひ使ってみてください!
体の基礎とも言える骨盤がゆがむと、日常生活に支障が出るほどの問題が生じます。今回ご紹介したストレッチを上手に生かして、骨盤のゆがみを改善しましょう!