ダイエット目的で取り組む人も多いランニングですが、やり方を間違えると筋肉量が落ちてしまうこともあります。こうなると、ますますダイエットが難しくなってくるでしょう。
そこで、この記事では、ランニングによってつけることができる筋肉と筋肉が落ちてしまうランニングの特徴、そしてダイエットを意識したランニング+トレーニングのオススメメニューを解説します!
運動初心者がランニングをすると、どこの筋肉がつくのか
皆さんは、定期的に運動する習慣を持っていますか。1週間ほとんど運動に取り組んでいないという方は、体力も筋力もだいぶ落ちているかもしれません。
そんな運動初心者がランニングをするようになれば、当然今まで使っていなかった筋肉を鍛えることができるでしょう。具体的には、次の2種類の筋肉です。
・ ランニングで鍛えられる筋肉①下半身の筋肉
・ ランニングで鍛えられる筋肉②体幹部(腹筋+背筋)
お尻・太もも・ふくらはぎといった下半身の筋肉は、ランニングによって自然と鍛えられます。また、ランニングの際に、体がブレないよう意識すれば、体を支えるために、お腹周りの筋肉(腹筋・背筋)が鍛えられます。
ランニングでは筋肉が肥大しにくい
運動初心者であれば、ランニングを始めて少しすると「ちょっと筋肉がついたかも?」と思うかもしれません。しかし、下半身・体幹部にかかる負荷(重量)は変わらないので、ランニングを続けたとしても筋肉が大きく肥大することはないのです。
ランニングをすると筋肉が落ちる3つの理由
一方で、ランニングを続けると「筋肉が落ちてしまう」というリスクが存在します。では、なぜランニングによって筋肉が落ちてしまうのでしょうか。そこには、大きく3つの理由があります。
ランニングで筋肉が落ちる理由①エネルギー不足
私たちは、生きる上で欠かせないエネルギーを糖質・脂質(脂肪酸)・たんぱく質(アミノ酸)でまかなっています。このうち、真っ先に使われるのが糖質で、ランニングをすると血中の糖質や、筋肉に貯蔵されているグリコーゲン(糖)が消費されていきます。その後、目安としては20分以上ランニングを継続することで、体脂肪がエネルギーとして消費されるようになります。これが、ランニングは脂肪燃焼に効果があると言われる理由ですね。
しかし、さらに長時間のランニングを続けると、体に蓄えたエネルギーが不足し始めます。すると、筋肉を構成するたんぱく質がアミノ酸に分解され、エネルギーとして消費されるようになります。この現象を「糖新生」と呼び、糖新生が過度に進むことで、体内の筋肉量が落ちる原因になってしまうのです。
ランニングで筋肉が落ちる理由②ダイエットによる食事制限
ランニングによってエネルギー不足が起こり、筋肉が落ちる。このメカニズムをさらに悪化させてしまうのが、ダイエットによる食事制限です。ダイエット目的でも行われることの多いランニングですが、ダイエッターの多くはランニングで欠かせない糖質、脂質、たんぱく質の摂取量を抑えた食生活を送っています。
食事によるエネルギーが不足している状態で、ランニングによって大量のエネルギーを消費すれば、前述した糖新生によって筋肉量が落ちるリスクが高まります。そして、筋肉量が落ちると代謝も落ちるため、結果として痩せにくい体になってしまうのです。
ランニングで筋肉が落ちる理由③筋肉への負荷が弱い
私たちの体は、必要ないと思った機能がどんどん衰えていくという特徴があります。冒頭で、ランニングは下半身・体幹を鍛えることができるとご紹介しました。これに加えて、腕をしっかり振るように意識すれば、肩甲骨周りの筋肉も刺激できます。しかし、ランニングの動作は、筋肉に対して強い負荷をかけることはできません。そのため、ランニング以外に何も運動をしないという状況では、筋肉が落ちやすくなります。
「ランニングと筋トレ」をうまく組み合わせよう
有酸素運動であるランニングと無酸素運動である筋トレは、それぞれを補いあえる関係にあります。そのため、皆さんが「どんな体型を手に入れたいか」で、この2つの組み合わせ方を工夫する必要があるでしょう。
例えば、皆さんが「これからダイエットに取り組む」あるいは「ランナーとしてパフォーマンスアップしたい」のどちらかに当てはまるのなら、ランニングと筋トレの両方に取り組むようにしてください。
前述したように、ランニングだけだと、筋肉量を効果的に増やすことができません。しかし、筋トレによって筋肉量を増やすことで代謝がアップし、運動時のエネルギー消費量も増えることで効率的に痩せることができます。
また、筋肉量の増加はランニング時の体力アップにも繋がるので、成績アップを目指すランナーの方にとっても大きなメリットになるでしょう。
ダイエットに効果的な「ランニング+筋トレ」
「ランニング+筋トレの組み合わせで、ダイエットを成功させたい!」そう考えたら、ぜひこれからご紹介するランニング+筋トレメニューに取り組んでみてください!
ランニングは「早歩き〜スロージョギング」を目安にしよう
あまりにも長距離かつハイペースでランニングをすると、体のエネルギー不足を起こしやすくなります。糖新生によって筋肉量を落とさないためにも、ダイエット時は「早歩き〜スロージョギング」くらいのペースでランニングしましょう。目安としては、軽く息が弾み、会話もできるくらいの状態です。
ランニングの頻度は週3がオススメ!
ランニングの頻度ですが、初心者の方であれば1回20分〜30分を週3回で取り組むのがオススメです。これは、体の疲労を取りつつ、かつストレスにもなりにくい、ちょうどいい頻度です。そして、肝心なランニングのタイミングですが、朝に行うと「日中活発に活動できるようになる」などの効果が期待でき、夜に行うと「ストレス解消」「睡眠の質を高める」などの効果が期待できます。それぞれのメリットを比べて、自分のライフスタイルに合った方を選択しましょう。
ランニングと一緒に取り組みたい筋トレメニュー3選!
ランニングと筋トレを組み合わせることで、走るのが楽になったり、ダイエット効果を高めたりすることができます。特に次の4種目は、ランニングを行わない日にも積極的に取り組んでみましょう!(※記載の回数、セット数などはあくまでも参考値です。無理をせず、ご自身の体にあった適切な運動強度で行ってください)
ランニングと一緒にオススメの筋トレ①スクワット
スクワットは下半身・体幹を鍛えられる、まさに王道トレーニングです。
①足は肩幅の1.5倍程度に開き、つま先をやや外に向ける
②膝の角度が45度〜90度になるまで、ゆっくり腰を落とす
*すねと背筋が平行になるようにする
*顔は上体を倒すのに連動して、ななめ下を向くようにする
③ゆっくり元の姿勢に戻る
1セット15回〜20回を目安に、3セット行いましょう
ランニングと一緒にオススメの筋トレ②ニー・トゥ・エルボー
ニー・トゥ・エルボーは上半身と下半身の連動性を高めつつ、体幹を効率的に鍛えることとができます。
①足は肩幅ほどに開く
②その場で左膝と右ヒジがくっつくように、体をひねる
*猫背にならないように気をつける
*反動はつけて行わないようにする
③左右反対でも同じ動作を行い、左右交互に繰り返す
左右交互を1回として、1セット20回3セット行いましょう
ランニングと一緒にオススメの筋トレ③アームレッグ・クロスレイズ
お尻や背中、腹筋など体幹を効率的に鍛えられるのが、「アームレッグ・クロスレイズ」です。
①四つん這いの姿勢になる
②背中はまっすぐ伸ばしたまま、右手と左足をまっすぐにする
③右手と左足が地面と平行になるまで上げたら、一旦静止する
④ゆっくり元の姿勢に戻り、反対側も同様に行う
左右交互を1回として、1セット10回3セット行いましょう
ランニングで筋肉痛になったら、どう対処する?
軽めのジョギングではなく、4〜5kmなど比較的長い距離のランニングをすると、筋肉痛になってしまうことがあります。筋肉痛というのは、筋肉が炎症を起こしているというサインです。もしも、ランニングによって筋肉痛が起こった場合、軽い症状であれば、いつもよりペースを下げて走ったり、ストレッチを入念に行ったりすることで治りが早くなります。しかし、3日以上筋肉痛が取れない場合は、無理をせず運動を休むようにしましょう。ひどい筋肉痛の時は、氷や水風呂などで、患部を冷やすといった方法が有効です。
筋肉痛を予防する方法としてオススメなのが、ランニング前のウォームアップです。筋肉をしっかり暖めてから運動することで、筋肉の断裂や炎症が起こりにくくなります。
ランニング+筋トレの効果を高める食事のコツ
ダイエット目的でランニングや筋トレを行う時、大事なことは「鍛えた筋肉が分解されないようにする」こと。そこで、意識すべきなのが食事です。
ダイエットを始めると、過度な糖質制限やカロリー制限で、食べる量そのものを減らすケースがほとんどです。しかし、ランニングと筋トレによるダイエット効果を最大にするためにも、タンパク質と糖質をしっかり食べるようにしましょう。
また、「しっかり食べてしっかり痩せる」という理想的な状態を実現するには、何を食べるかも大事です。例えば、糖質を摂取するのなら、白米よりも栄養が豊富な玄米を食べてください。
うどんやラーメンを食べるよりも、そば粉だけで練られている十割蕎麦を食べるのがおすすめです。その他、タンパク質を摂取するなら、牛肉・豚肉・鶏肉といった食肉をに加えて、良質な脂を摂取できる魚介類を食べたほうがいいでしょう。
単純に食べる量を調整するよりも、食べるものを変えることでリバウンドのしないダイエットができます。
運動初心者の方は、ランニングに取り組み始めると下半身・体幹の筋肉を鍛えることができます。しかし、ダイエット目的でランニングをするなら、筋トレでさらに負荷をプラスすることが重要です。今回ご紹介したメニューを参考に、ランニングを楽しんでください!