私たちが生活していく上で欠かせない光熱費。毎月の負担に頭を悩ませている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は簡単な方法で光熱費を削減できる可能性があるのです。
そこで今回は、手軽に試せる光熱費の節約術をご紹介します。どれも今日から取り入れられる簡単なものばかりですから、毎日行って光熱費の負担を減らしていきましょう。
そもそも光熱費とは何を指している?
一般的に「光熱費」と言うと、電気、ガス、そして上下水道の利用にかかる料金のことを言います。会計の知識のある人なら、「水道光熱費」という勘定科目を聞いたことがあるのではないでしょうか。つまり、会計上は、電気、ガス、水道料金はひとまとめにして扱われるのです。「光熱費」に水道代が含まれるのは、このような習慣から来ているのかもしれませんね。
光熱費の平均相場はいくら?
まずは、平均的な光熱費がいくらくらいなのか、家族構成別に見ていきましょう。ここでは、総務省統計局の家計調査2018年のデータを引用します。
一人暮らしの平均
一人暮らしの場合、一か月の光熱費の平均は、電気代5,852円、ガス代3,104円、水道代2,142円でした。これにカートリッジ式のガスボンベや灯油などを含むその他の光熱費も含めると、一人暮らしの合計光熱費は、月々平均11,847円、1年間だと142,164円です。
二人暮らし(同棲や夫婦)の平均
二人暮らしの場合、一か月の光熱費の平均は、電気代9,559円、ガス代4,364円、水道代4,167円で、その他も含めた光熱費合計は、月々平均19,607円です。1年間だと235,284円で、一人暮らしと比べると、約1.65倍になっています。
家族暮らしの平均
家族暮らしの場合、人数が増えるにしたがって光熱費の平均も徐々に増えていきます。三人暮らしの場合、合計した光熱費の平均は、月々22,833円(年間273,996円)、四人暮らしなら月々23,764円(年間285,168円)、五人なら月々25,751円(年間309,012円)、六人以上は月々32,652円(年間391,824円)という調査結果となりました。
(参考:総務省統計局 家計調査)
電気代の節約方法
光熱費の約半分を占めるのが電気代と言われています。そのため、手早く光熱費を削るには、ここで大きく節約した方が良さそうです。というわけで、まずは電気代の節約方法をご紹介します。
1.電気の契約の見直し:年間18,540円の節約!
2016年の電力自由化を受けて、電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。各社が、キャンペーンやセット割、時間割引といったお得なサービスを提供しているので、電力会社を変更するだけで、簡単に電気代を削減できるでしょう。また、電力会社を変更しない場合でも、従量制の場合はアンペア数を下げるだけでも節約ができます。自分の生活スタイルに合ったプランを選んで、賢く節約しましょう。
国内最大級の電気・ガス代の見直しサービス「エネチェンジ」のウェブサイトでは、電気代やガス代をプラン毎に比較することができます。実際に、四人暮らしの平均電気代を使って、東京都内在住の場合の標準的な電気プランを想定してシミュレーションをしてみたところ、電力会社の切り替えで最大で年間18,540円も電気代が安くなるという結果が出ました。これに加えて、多くの電力会社が切り替え特典としてギフト券の進呈やポイント還元を行っていますので、さらにお得です。
2.古い家電の買い替え:年間62,099円の節約!
家電の性能は年々向上し、同時にエネルギー効率も改善しています。古い家電を最新型のものに買い替えるだけで、日々の電気代を大きく節約することができるでしょう。主な家電の買い替えで削減できる電気代を調べたところ、以下のような驚きの節約効果が明らかになりました!古い家電を使っている人は、是非買い替えを検討しましょう。
・4LDKの家の照明をすべて蛍光灯からLEDに買い替え:年間18,480円の節約
・15年前のエアコンの買い替え:年間23,382円の節約
・10年前の冷蔵庫の買い替え:年間12,955円の節約
・8年前の洗濯機の買い替え:年間7,282円の節約
(参考:エネチェンジ)
3.家電の使い方を工夫:年間約30,000円の節約!
意識して日々の家電の使い方を少し変えるだけでも、積もり積もって大きな節約につながります。主な家電ごとに、節約方法と節約額を調べてみました。
・洗濯機:タイマー機能を使って電気代の安い時間に洗濯することで、年間8,500円の節約
・エアコン:扇風機やサーキュレーターの併用、フィルターのこまめな掃除、そして冬は20度、夏は28度に設定することで、年間5,985円節約
・冷蔵庫:適切な位置への設置、設定温度の季節ごとの調整、物を詰め込みすぎない、開閉回数と開けている時間を減らす、といった対策で、年間4,329円の節約
この他にも、テレビの明るさを調整する、温水便座のふたを閉める、ポットのお湯は必要な時だけ沸かす等、家電の使い方を工夫することで、あわせて年間約3万円の節約が可能と言われています。
(参考:エネチェンジ)
ガス代の節約方法
続いて、ガス代の節約方法を見ていきましょう。
1.お風呂の入り方:年間5,986円の節約!
ガス代を節約するには、お風呂の入り方を変えるのが一番効果的です。以下のように少し工夫するだけで、まとまった額の節約につながります。
・お風呂にお湯を張っている時は、ふたをこまめに閉める:年間2,418円の節約
・追い炊き回数を毎日1回減らす:年間1,813円の節約
(お湯を暖かく保つために、保温シートを使う、家族が続けて入る等の対策をしましょう。)
・シャワーを使う時間を1日1分短縮:年間1,755円の節約
(参考:エネチェンジ)
2.キッチンでの工夫:年間5,352円の節約!
キッチンでの一工夫でも、かなりのガス代を浮かせることができます。
・落し蓋や鍋蓋の利用:年間3,434円の節約
・一つの鍋で同時調理する(麺と野菜を同時に茹でるなど):年間1,373円の節約
他にも、炎は中火にする、煮物には大きめの鍋を使う、鍋底の水を拭き取ってから火にかける、等のキッチンでの工夫で、合計5,352円の節約が期待できます。
(参考:エネチェンジ)
3.契約の見直し:年間1,987円の節約!
電気と同じように、ガスも会社やプランを自分で選択することができます。先ほどと同じように、四人暮らしの平均ガス代金を「エネチェンジ」でシミュレーションしてみたところ、一番安い契約への切り替えで年間1,987円削減という結果になりました。
水道代の節約方法
1.節水シャワーヘッドに取り換える:年間24,440円の節約!
家庭で使われる水のうち、実に4割はお風呂で使われています。そのため、水道代の節約には、お風呂での節水を心がけるのが良さそうですね。
お風呂で使う水の量を簡単に抑えるには、シャワーヘッドを交換するのがおすすめです。市場には、様々な節水シャワーヘッドが出回っていますが、中には最大で6~7割の節水効果を発揮するものもあります。人気のある商品の中に「RAINY」というシャワーヘッドがありますが、この商品は「年間24,440円の節約効果がある」とメーカーが宣伝しています。ちなみに、節水シャワーヘッドを使えば、同時にガス代の節約を節約することもできるので、一石二鳥です。
2.トイレの節水グッズを利用:年間20,000円の節約!
節水シャワーヘッドと同じように、トイレ用の節水グッズも色々と発売されていますが、ここでは、「ロスカット」という製品を例に挙げてご紹介します。
トイレの水を流した時、通常であれば徐々に水の勢いがなくなっていき、その後もちょろちょろと水が流れ続けます。この製品は、後の方に流れる勢いのない水をタンク内に溜めるようにするもので、メーカー発表では排水量を3割以上も削減できるとか。1日30回トイレを使う場合で、年間2万円の節約になると謳われています。
3.残り湯でまとめて洗濯:年間6,219円の節約!
洗濯は、少量ずつではなく、まとめ洗いをしましょう。これだけで年間3,819円の節約効果があると言われています。また、洗濯を2日に1回と仮定して、洗いと1回目のすすぎにお風呂の残り湯を利用すれば、さらに年間2,400円の節約が可能です。
(参考:エネチェンジ、CHINTAI情報局)
夏の光熱費を節約するコツ
一般家庭における夏の電力消費のうち、5~6割はエアコンによるものと言われています。つまり、エアコンの使用時間を減らせれば、夏の電気代を大きくカットできるのです。先ほどご紹介した、扇風機などとの併用、エアコンの設定温度を高め(28度くらい)に設定する、フィルターを頻繁に掃除するなどしながら、エアコンの消費電力を抑えましょう。
エアコン代をさらに抑える方法としては、直射日光を遮断することで室内の温度上昇を防ぐのが有効です。具体的には、窓の外にすだれを付けるか、カーテンを遮光や遮熱のものに変えることで、室内の温度が上がりにくくなります。また、エアコンの室外機に直射日光に当たらないよう、日陰を作ったり、冷やしたりするのも有効です。
節約のためには、こまめにエアコンを切った方が良いとお考えの方もいるかもしれませんが、実はエアコンをつけたままの方が安上がりの場合もあります。大手空調機メーカー「ダイキン工業株式会社」が行った実験によると、日中に30分程度の短時間外出を行う場合であれば、一度電源を切ってまたつけるより、つけたままの方がお得という結果になりました。
そのため、短時間外出時はつけたまま、長時間外出時は電源を切るなど、気温や時間帯によって使い分けていきましょう。
また、最近のエアコンは、自動運転にしておけば低電力で室温を保ってくれるので、エアコンは基本的に自動モードにしておくとよいでしょう。
(参考:ダイキン工業株式会社 mission5-1 「つけっぱなしがお得”という説は本当なのかを検証せよ!」)
冬の光熱費を節約するコツ
光熱費が最も高くなるのが冬の季節。日照時間が短いため電気を点けている時間が長くなりますし、部屋を暖かく保ち、暖かいお風呂に浸かり、暖かい料理を食べるので、考えてみれば当然のことです。中でも暖房は一日中使うので、光熱費節約には暖房器具の見直しが一番です。エアコン、各種ヒーター、電気カーペットなど一般的な暖房器具の中で、最もコストパフォーマンスに優れているのはこたつだと言われます。電力消費が少ない上に、家族全員で一緒に暖まれるのがいいですね。
さらに、こたつの下に断熱シートを敷いておけば、節電効果がアップします。断熱シートは優れもので、冷気対策として窓に貼ると部屋の温度が下がりにくくなり、部屋を暖かく保つことができます。また、断熱シートの代わりに、いわゆるプチプチと呼ばれる緩衝材を貼っても、窓の冷気対策ができます。
寝ている間に使えるコスパのいい暖房グッズとしては、電気毛布か湯たんぽがおすすめです。電気毛布はとにかく電気代が安く、毎晩使っても一月たったの35円ほど。また、湯たんぽならポットでお湯を沸かす電気代だけで済む上、中のお湯は朝起きた後に洗い物などに使えるのも便利です。
(参考:エネチェンジ)
節約シミュレーション
さて、この記事で紹介した節約方法、全部あわせて使うと一体いくらの節約になるのでしょうか。
なんと、年間17万円以上の節約になりました!これだけのお金が浮けば、家族で温泉旅行くらいは行けてしまいますね。(※)
(※)水道料金については、基本料金が決まっている場合や、使用料が少ない場合の従量料金が非常に安い場合が多いので、節水効果がそのまま金銭的な節約に結び付かないことも多々あります。ご注意ください。)
今日から試してみたい節約方法は見つかりましたか?毎月必ずかかる光熱費をぐっと抑えられれば、日々の生活にもゆとりが持てそうです。今日からあなたも、自分の生活に合った賢い節約ライフを始めましょう!