理想の体型を手に入れたい人の多くが抱えている「太ももを細くしたい」という悩み。せっかく筋トレやダイエットに励んでいるのに、脚やせがなかなかうまくいかないのはなぜなのでしょうか?
今回は、太ももが太くなってしまう原因と、それぞれのタイプ別に「太ももを細くする方法」を解説します!
太ももの太り方には個人差がある!4つの原因をチェック
体重が増えてしまう原因には、食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足など、さまざまなものがあります。それと同じように、太ももが太くなってしまう原因にもさまざまなものがあるのです。その中でも、代表的な4つの原因をチェックしておきましょう。
筋肉太り
学生時代に運動部に所属していた方は、トレーニングの一環としてスクワットに取り組んでいた方も多いのではないでしょうか。また、現在でもダイエットを目的にスクワットに取り組んでいる方もいるかもしれません。
スクワットは下半身全体を鍛える種目ですが、一般的な方法では太ももの前にある大腿四頭筋が鍛えられやすいとされています。そのため、アンバランスに筋肉が鍛えられた結果、太ももが太くなってしまうのです。
また、筋肉のつき方に偏りが起きてしまうのは、スクワットなどの運動を日常的に行っている場合だけではありません。猫背・前傾姿勢になりがちな人は、歩く動作・階段を登る動作などの日常動作で、無意識に太ももの前の筋肉ばかりを使っています。その一方で、大臀筋やハムストリングスのように、太もも背面の筋肉はほとんど使っていないため、ヒップやもも裏のラインが崩れ、横から見ても脚が太くなってしまいます。
これらの筋肉太りに該当する方は、運動をした後や1日の終わりに、太ももの前が張っていて、裏ももやお尻は疲れていないことがよくあります。セルフチェックで簡単にわかるので、確かめてみてください。
脂肪太り
脂肪は、太ももを細くする上で大変にやっかいな存在です。
デスクワークが多く1日の大半を座って過ごす人は、内ももの内転筋群がほとんど動かずに固まっている状態になるため、ももに脂肪が溜まりやすくなります。その結果、脚が太くなってしまうのです。特に、女性の場合は、女性ホルモンであるエストロゲンの影響で、主に胸・お腹・お尻・太ももに脂肪がつきやすい体質を持っているため、脚が太くなりやすいと言えます。
起きている時間の大半を座って過ごす人や、太ももをぎゅっと絞った時にセルライトが目立つ人は脂肪太りの可能性が高いでしょう。
水太り(むくみによる脚のライン崩れ)
立ち仕事やデスクワークなどで同じ姿勢が長時間続くと、筋肉のポンプ作用が働きにくくなるため、血行が悪化します。さらに、脚は心臓から遠い位置にあるため、重力の影響によって、血管から血液中の水分が浸み出しやすくなります。この悪循環が脚のむくみを引き起こし、太ももが太くなってしまうのです。
(参考:武田コンシューマーヘルスケア株式会社 タケダ健康サイト)
また、塩分の多い食事もむくみと関係しています。食事で塩分を摂りすぎると、体は水分を余計に保持することで、体内の塩分濃度を調整しようとします。その結果、むくみが生じて脚のラインが崩れてしまうのです。
脚がむくんでいる場合は、水太りの可能性が高いでしょう。それ以外にも、濃い味の料理が好きな人や利尿作用の強いコーヒーをよく飲む人、冷え性に悩まされている人も水太りかもしれません。
骨盤のゆがみ
私たちは無数の骨で構成されていますが、その土台とも言える場所が「骨盤」です。この骨盤がゆがんでしまうと、それを支える筋肉にも負担がかかり、筋肉がこわばることで太ももが太くなってしまいます。
また、骨盤のゆがみは猫背や反り腰の原因にもつながるので、見た目の印象で太ももが太く感じることも多いでしょう。
次に紹介するチェック項目のうち、当てはまる項目が多ければ多いほど、皆さんの骨盤は大きくゆがんでいるかもしれません。
・日常的に腰痛・肩こりを感じている
・イスに座る時は足を組んでいることが多い
・鏡を見たとき、左右の肩の位置が違う
・電車内などでは、ドアに寄りかかっていることが多い
・ガニ股やO脚が気になる
・靴底の特定の場所(外側、内側など)が極端にすり減っている
・猫背、反り腰気味だ
・まっすぐ歩いているつもりが、左右どちらかに寄ってしまう
骨盤の歪みについては、以下の記事でも詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
筋肉太りの太ももを細くする方法
筋肉太りの人が太ももを細くするには、大腿四頭筋をほぐしてあげることが重要です。ここで紹介するストレッチを試して、
ストレッチをして大腿四頭筋をほぐす①立った姿勢でできるストレッチ
1.直立して、右手は壁に置く
2.左手で左足の甲を持ち、ひざを曲げて持ち上げる
3.大腿四頭筋のストレッチを感じながら10秒〜20秒キープする
*この時、太ももを後ろに引くとより伸び感を得られます
4.右足も同様に行う
あおむけ姿勢で行う大腿四頭筋のストレッチもありますが、ひざが痛いと感じる方もいるようです。そんな方には、特にこのストレッチがおすすめです。
ストレッチをして大腿四頭筋をほぐす②股関節も一緒に伸ばすストレッチ
1.床にマットなどを敷き、ひざ立ちになる
2.右足を一歩前に出し、片ひざ立ちの姿勢になる
3.左手は左足の甲を持ち、かかとがお尻につくイメージで足を持ち上げる
*体重は前にかけておき、背筋はできるだけ伸ばしましょう
*姿勢が崩れてしまう時は、右手を壁に置いて支えてあげましょう
4.10秒〜20秒キープして、ゆっくり元の姿勢に戻る
5.右足も同様に行う
このストレッチでは、大腿四頭筋と一緒に腸骨筋もほぐすことができます。歩く動作、足を上げる動作がスムーズになるので、筋肉太りの防止にも有効です。
脂肪太りの太ももを細くする方法
脂肪太りの人が太ももを細くするなら、痩せること=ダイエットが欠かせません。食事の見直しとトレーニングの2つで、脂肪にアプローチしていきましょう!
食生活を見直す
ダイエットを行う上でまず大切になるのが、食生活の見直しです。農林水産省が定めている「一日に必要なエネルギー量と摂取の目安」によると、運動量の少ない女性(1日のうち、座っていることがほとんどの方)は、一日に1,400kcal〜2,000kcalの摂取が理想とされています。まずはこの範囲内になるよう、食事量を調整していきましょう。
摂取カロリーと一緒に考えていきたいのが、食べるものの見直しです。スイーツやラーメン、ビールなど、糖質を多く含む料理や飲み物が好きな人は、食べる頻度を下げたり、より糖質の少ないものに置き換えたりしましょう。(スイーツをグルテンフリースイーツや果物にする、ビールをハイボールや焼酎にするなど)
筋トレで普段使っていない筋肉を鍛える
脂肪太りの人は、足の筋肉が低下して代謝が落ちています。筋トレでしっかり身体を鍛え、代謝を上げましょう!特に鍛えていきたいのが、裏もも(ハムストリングス)、内もも(内転筋群)、そしてお尻(大臀筋)です。
これから紹介するメニューは大腿四頭筋が過剰に使われるのを防げるので、筋肉太りが気になる人にもおすすめです。ぜひチャレンジしてみてください!
①ワイドスクワット(ハムストリングス、内転筋、大臀筋)
1.足は肩幅の1.5倍〜2倍まで開き、つま先は45度外に向ける
2.手は胸の前で組むか、まっすぐ前に伸ばす
3.背筋を伸ばしたまま、お尻を引くイメージでゆっくりしゃがむ
*しゃがむ時に、息を吐くようにしましょう。
*視線はまっすぐに向けるのではなく、しゃがむ時は斜め下を見るようにしましょう。
4.ももが地面と水平になったら、1秒キープ
5.ゆっくり元の姿勢に戻る
15回〜20回、3セットを目標に取り組んでください
足幅を普通のスクワットよりも広げることで、今回のターゲットであるハムストリングス、内転筋、大臀筋を集中的に鍛えることができます。
②ヒップリフト(大臀筋)
1.あおむけの姿勢で横になり、膝を90度より狭い角度で曲げる
*足はつま先を浮かせ、かかとに体重が乗るようにしましょう
*足は腰幅くらいに広げておきます
2.お尻をキュッと引き締めるイメージで、腰を持ち上げる
*ひざ、お尻、背筋が一直線になるまで持ち上げましょう
3.お尻を持ち上げた姿勢で1秒キープし、ゆっくり元の姿勢に戻る
15回3セットを目安に取り組んでください
さらに負荷をかけたい方は、足の間にゴムボールやペットボトルを挟み、それを落とさないようにぎゅっと内ももを締めながら行えば、内転筋も同時に鍛えることができます。
有酸素運動
ダイエットの定番といえば、有酸素運動です。有酸素運動は、低負荷の運動を20分以上、軽く息が弾む程度のペースで行うことで脂肪燃焼効果を発揮します。ハードな運動をする必要はなく、仕事帰りに一つ前の駅で降りて早歩きのペースで歩く程度でも十分です。また、散歩やジョギングにはリフレッシュ効果もあるので、お休みの日は緑が多い広めの公園で実践するのもおすすめです。
水太りの太ももを細くする方法
水太りが原因で太ももが太くなっている方は、食事を変えるだけで見た目が大きく変わる可能性があります。特に次の2つを意識すれば、太ももが細くなるだけでなく、健康維持にも効果的です。
塩分の摂取を控える
むくみを取りたいなら、まずは塩分の多い食事を控えましょう。自炊する場合は、、コショウなどの香辛料を使う、香味野菜を上手に活用する、出汁をしっかりとって塩分の多い調味料の使用を控えるなど、いつもの料理に一工夫加えることで、塩分を減らすことができます。
また、ハムやベーコン、ちくわ、かまぼこなどの加工品にも非常に多くの塩分が含まれていますので、これらの摂取は極力避けるようにしましょう。
(参考:OMRON 無理なくできる減塩の手引き)
水分の摂取量を増やす
「むくんでいるのに、水分の摂取量を増やすの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。実は、むくみや水太りは、体の水分が足りないことが原因になっているケースも多くあります。むくみで悩んでいる人は、一度体内の水分量を増やしてみましょう。
ただし、水を飲むときは、次のポイントを意識するようにしてください。
1.食後3時間は胃液を薄めないよう、水分はあまり取らない
2.水は一気に飲まず、こまめにゆっくりと飲む
3.寝る前に飲む水の量は、コップ1杯程度にする
4.利尿作用のあるカフェインを多く含むコーヒー、お茶を飲み過ぎない
マッサージ
むくみの解消には、リンパや血流を促すマッサージもおすすめです。特に体温が上がる入浴後に、次のようなマッサージを試してみてください。
1.ふくらはぎを中心に、クリーム・オイルを塗る
2.イタ気持ちいい強さで足裏をもんでいく
3.両手で足首を持って、痛くない程度に圧迫しながら、ゆっくりひざの方まで両手を動かす
4.今度は足首からひざ裏へ両手を動かしながら、ふくらはぎをほぐしていく
骨盤のゆがみを直す方法
骨盤は生活習慣の積み重ねが原因でゆがんでいきます。すぐにゆがみを改善することは難しいので、長期目線で取り組んでいきましょう。もし現時点で、重い腰痛・首のこり・肩こりなどの症状が出ていたら、整体やマッサージなどでほぐしてもらうことも検討してみてください。
ストレッチで骨盤のゆがみをほぐす①仙骨を刺激するストレッチ
1.あおむけで横になり、両ひざを抱える
2.ゴロゴロと左右に転がる1分〜2分程度、左右に転がる動作を繰り返しましょう
仙骨は骨盤の中で、脊椎の下部にある非常に重要な場所です。地味な動きですが仙骨を刺激することで、左右前後のゆがみを整えることができます。
ストレッチで骨盤のゆがみをほぐす②股関節の付け根を伸ばすストレッチ
1.あおむけで横になり、左ひざを抱えるように両手で持つ
2.ひざを体に引き寄せて、右手はひざを押さえたまま、左手で右足の甲を持つ
3.足の付け根のストレッチを感じながら、右足の甲を手前に引き寄せていく
股関節を大きくストレッチすることで、骨盤に付着した脚の筋肉を伸ばしていきます。2つともあおむけでできるので、寝る前の習慣として取り組んでみてください。
カンタンな姿勢チェックで、歩き方を改善
骨盤がゆがみを予防するには、普段から正しい姿勢で歩くことが大切です。とはいえ、正しい姿勢を意識しながら生活することはなかなか大変なもの。そこで、壁を使ったカンタンな方法で、正しい姿勢と歩き方をチェックしましょう。
まずは、立っている時の姿勢の確認です。壁に背をつけて、次のような姿勢をとってみてください。
1.膝をまっすぐ伸ばす
2. 腕は体の真横におく
3. 肩甲骨を寄せて胸をはる
4. あごを引き、視線はまっすぐ前に向ける
正しい姿勢の場合、腰と壁との隙間はこぶし1つ分程度ですが、普段反り腰の人は大きな隙間ができてしまいます。猫背の人は逆に隙間がないので、これを普段の姿勢の目安としましょう。そのほか、「胸を張ると肩周りがはっている感じがする」「あごを引いた時に後頭部が痛い」などの症状があったら、その部位をストレッチでほぐしてあげてください。
正しい姿勢を維持しながら歩けるようになるには、自宅で次のようなトレーニングがおすすめです。
1.フローリングの木目や畳の目を使って、まっすぐ歩けるようにする
2.その場で足踏みをして、左右に体勢が崩れないようにする
3.目を閉じて30秒〜1分足踏みをして、同じ場所にいられるようにする
太ももを細くするには、まず自分の太ももが太い原因を知り、その対策を知ることから始めるのが効果的です。原因は1つとは限らないので、思い当たるものがあれば今回ご紹介した方法を、1つずつ実践してみましょう!できることからコツコツ継続することが、太ももを細くする一番の近道です。