おなじみの国内製の石鹸から外国産の異国情緒漂う石鹸まで、見回せばとてつもない種類の固形石鹸が出回っています。その中には、ここ数年で売り上げが右肩上がりになっている商品もあり、まさに固形石鹸のリバイバルが来ていると言えそうです。今回は、固形石鹸の人気の理由を明らかにし、これだけは抑えておきたい定番石鹸から敏感肌におすすめの無添加石鹸まで、様々なブランドの固形石鹸をご紹介していきます。
固形石鹸がなぜ人気か
最近、再び固形石鹸への人気が高まっています。この復活の背景には何があるのでしょうか?まずは、固形石鹸の人気の秘密を探っていきましょう。
コストパフォーマンスが良い
固形石鹸の魅力は、なんといってもコスパの高さです。たとえば、人気のある固形石鹸の一つであるカウブランドの青箱(85グラム)の場合、希望小売価格はなんと一個80円(税抜)!大きくてお風呂での体洗いにぴったりなバスサイズ(135グラム)の場合でも、希望小売価格は1個115円(税抜)で、家族で使っても1個で1か月は持つと言われています。
液体石鹸よりも洗浄力が強い
洗浄力を見てみても、固形石鹸は液体石鹸よりも優秀です。石鹸は、界面活性剤として機能する石鹸分(脂肪酸ナトリウムまたは脂肪酸カリウム)の力で汚れを落とします。液体石鹸は全体の3割ほどしか石鹸分が入っておらず、残りのほとんどは水でできているため、ほとんどが石鹸分である固形石鹸に比べて、洗浄力は低下してしまいます。石鹸分を増やすと固まってしまうため、液体石鹸は石鹸分をあまり多くすることができないのです。
(参考:石鹸百科|液体石鹸と固形石鹸とどちらを使えばいいの?)
簡易包装で地球に優しい
さらに、固形石鹸は過剰な梱包の必要がなく、地球に優しいのも魅力。液体石鹸はプラスチックの容器に入れて使う必要があることに加え、詰め替え用でも頑丈なパッケージに入っている場合がほとんどです。一方、固形石鹸の梱包は紙や薄いビニールで包まれているだけなので、固形石鹸の方が使用する資源を削減できそうですね。
石鹸を買う前に準備
固形石鹸を使い始める時には、ちょっとした準備が必要です。石鹸のコスパを最大限にするためにも、ここで紹介する便利グッズを是非用意してくださいね!
石鹸置き
まず必要になるのが、石鹸置きです。石鹸は水に濡れると溶けてどろどろになってしまうので、石鹸置きにしまっておく必要があります。特に、石鹸をお風呂場に置いておく場合には、フタのついた容器に入れるなど、濡れないようにする工夫が大切です。
洗顔に泡立てネットは必須
もう一つ必要なのが、泡立てネットです。もちろんネット無しでも泡立たせることはできますが、泡立てネットを使えば、手早く簡単にモコモコの泡を作ることができます。泡立ちのいいものだと、少ない石鹸でたっぷりの泡を作ることができますので、石鹸の減りが遅くなって、さらにコスパが上がります。
おすすめは無印
石鹸置きや泡立てネットは100円ショップやドラッグストアでも手に入りますが、おすすめは無印良品のものです。
無印良品の石鹸置きは、お皿状の容器の上にスポンジを載せた格好になっています。スポンジは水切れがよく、乾くのも早いので、石鹸が容器にくっついたりネバネバしたりする心配もありません。さらに、旅行に便利なフタ付きのものもあります。
同じく無印の泡立てネットは税込み120円で、100円ショップとほとんど変わらないお値段ながら、きめ細かく弾力のある泡が作れると評判です。お財布にも優しくてクオリティも申し分ない、コスパ最強のアイテムです。
市販で買えるおすすめの固形石鹸
ここからは、用途別におすすめの固形石鹸をご紹介します。みなさん、自分に合った石鹸を見つけてくださいね!
洗顔に使える固形石鹸
まずは洗顔用の石鹸。肌の悩みは人それぞれなので、洗顔に何を使えばいいのか迷ってしまうことも多いと思います。そんな時は、巷で好評の鉄板チョイスを試してみてはいかがでしょうか。
カウブランド 赤箱
定番中の定番は、「牛乳石鹸」の名前でもお馴染みの、カウブランドの赤箱(「牛乳石鹸」は商品名でなく会社名)です。「赤箱女子」と呼ばれる若い女性ファンを多数取り込み、ここ5年ほどは毎年10%ほど売り上げを伸ばしているという大人気商品。保湿成分が配合されており、しっとりとした洗い上がりが特徴です。さらに、余分な成分が少なく肌に優しいことから、多くの皮膚科医からも推奨されています。
LUSH ブラックビューティー
真っ黒な花のようで、見た目もおしゃれなブラックビューティー。炭の成分で皮脂や汚れをしっかり落としてくれる優秀アイテムです。その効果は抜群で、この石鹸で顔を洗うだけで毛穴の黒ずみがなくなったという声もあるほど。さっぱりしながらもつっぱらない洗い上がりが特徴で、数多くあるLUSHの石鹸の中でも、洗顔石鹸として人気を集めている商品の一つです。
【無添加】洗顔に使える固形石鹸
洗顔に使うものは、成分が気になる人も多いのではないでしょうか。つづいては、洗顔におすすめの無添加石鹸をご紹介します。ここで紹介する無添加石鹸はどれも、洗顔だけでなく全身、さらに髪を洗うのにも使えるオールインワン石鹸です。
マルセイユ石鹸
「石鹸の王様」と呼ばれるマルセイユ石鹸は、フランスの昔ながらの製法で作られた100%天然成分の無添加石鹸で、その歴史は1000年以上に及びます。17世紀には、フランス国王ルイ14世が課した厳しい基準に合格したものだけが「マルセイユ石鹸」を名乗ることを許されるなど、高級石鹸としての地位が確立されていきました。
基準自体は多少緩められたものの、現在でもそのこだわりは健在で、植物性油脂が成分の72%以上であること、昔ながらの製造方法をとっていることなどが、マルセイユ石鹸の条件とされています。オリーブオイルを使ったものは保湿力に定評があり、パーム油を使ったものはさっぱりした使用感です。
アレッポの石鹸
アレッポはトルコ国境に近いシリア北部の都市で、石鹸発祥の地であるとされています。実は、このアレッポの石鹸こそが、先に紹介したマルセイユ石鹸の製法の原点だとも言われているのです。そんな歴史あるアレッポの石鹸は、オリーブオイルや希少な月桂樹オイルを使用した手作り石鹸。マルセイユ石鹸と同じく、複数の会社が各々の商品名の下でいろいろな種類のアレッポの石鹸を生産しているため、成分や使用感は商品ごとに異なりますが、黄土色の外観で、使っていくと中から美しい緑色が現れる見た目はどれも共通です。
マジックソープバー
マジックソープは、アメリカのカリフォルニアで生まれた、無農薬有機栽培によるオーガニック原材料を使用した天然由来成分100%の石鹸で、固形石鹸以外のラインナップも豊富です。オリーブオイルとココナッツオイルをベースとする固形石鹸は、きめの細かいもっちりとした泡ができると評判で、汚れをしっかり落としながらも、洗い上がりはしっとり。さらに、顔や体、髪はもちろん、食器洗いにも使える万能ぶりも人気の秘訣です。
ローズやシトラスオレンジ、ティートゥリーなど、11種類の香りがあるので、お気に入りの香りを見つけて、至福の洗顔タイムを楽しみましょう。
手や身体に使える固形石鹸
続いては、手や身体を洗うのにおすすめの固形石鹸です。既に全身につかえるオールインワン石鹸もご紹介しましたが、目的別に色々な石鹸を試してみるのも楽しいですよ。
ミューズ
「薬用せっけんミューズ♪」のコマーシャルでお馴染みのミューズ。1953年に誕生した、日本初の薬用固形石鹸です。医薬部外品であり、殺菌成分を配合しているため、毎日の手洗いにぴったりです。さらに、デオドラント効果もあるので、体臭や汗のにおいの予防にもなります。大きなバスサイズなら、家族みんなの体洗いにもたっぷり使えて便利ですね。
カウブランド 青箱
カウブランドの青箱は、赤箱と同じくミルク成分を配合しており、肌のキメを整えてなめらかにしてくれます。赤箱との違いは、さわやかなジャスミンの香りと、さっぱりした洗い上がり。青箱で身体を洗うと肌がさらりとするので、特に梅雨時期や夏の季節には青箱がぴったりです。また、ローズの香りの赤箱と比べて香りが控えめなので、強い匂いの気になる人でも気持ちよく使えるでしょう。
赤ちゃんや敏感肌に使える無添加石鹸
敏感肌の人や、小さいお子さんのいる人は、石鹸選びにも余念がないはず。そんなあなたのお悩みを解消すべく、赤ちゃんのデリケートな肌や敏感肌にも使える無添加石鹸をご紹介します。
キューピー べビーせっけん
カウブランドの牛乳石鹸が販売している赤ちゃん用の石鹸が、キューピーベビーせっけんです。スクワランとシアバターという2つの皮ふ保護成分を配合しており、肌のうるおいを守りながら肌をやさしく洗い上げてくれます。たまひよ赤ちゃんグッズ大賞スキンケア部門ベビーソープ固形で8年連続受賞しているベストセラー商品なので、赤ちゃんに安心して使うことができますね。
シャボン玉石鹸
無添加石けんのパイオニアと呼ばれるのが、このシャボン玉石鹸です。パイオニアと言われる理由は、「無添加」という言葉を食品以外で初めて使ったからだそう。酸化防止剤や合成界面活性剤はもちろん、香料、着色料なども一切使用していません。昔ながらの製法でじっくり丁寧に製造することで、天然の保湿成分グリセリンを残し、しっとりとした洗い上がりを実現しています。
メンズ
固形石鹸は見た目も可愛らしいものが多く、男性は手を出しにくいかもしれません。しかし、自信を持って男性諸君におすすめできる固形石鹸もちゃんとあります!
マジックソープバー
既に紹介したマジックソープバー。実は、11種類ある香りの中に、多くの男性の支持を得ているものがあるんです。その香りとは、アーモンド!実際に使った人によると、甘ったるくない杏仁豆腐の香りだそうです。アーモンドのマジックソープバーが男性に人気な背景には、有名な男性コラムニストが著書で紹介したことが関係しているのかもしれません。他にも、無香料やペパーミントなど色々な種類があるので、しっくりくるものを見つけてくださいね!
衣類や靴に使える洗濯石鹸
固形石鹸の中には、洗濯に特化したものもあります。おすすめ石鹸の締めくくりに、きっと誰もが薬局などで目にしたことのある有名な洗濯石鹸をご紹介します。
ウタマロ
ホームセンターや薬局などで、カタカナで「ウタマロ」と書かれた、緑色の四角い石鹸を目にしたことがあるのではないでしょうか。ウタマロは、メーカー自らが「ガンコな汚れ専用」と称するほど、汚れ落とし力が強い部分洗い用洗濯石鹸です。シャツの襟や袖、泥汚れなど、ガンコな汚れのついた箇所に直接塗ってもみ洗いしてから洗濯すれば、汚れが劇的に落ちると評判です。
固形石鹸の使い方
最後に、固形石鹸の使い方をおさらいしておきましょう。固形石鹸の力を最大限に引き出すため、是非ここで挙げるポイントを意識してみてくださいね。
ぬるま湯でよく泡立てる
固形石鹸の原料である脂肪酸は20度以下の冷水では溶けにくいため、冷たい水では泡立ちが悪くなります。したがって、水ではなくぬるま湯で泡立てるのがポイント。ぬるま湯を垂らした泡立てネットに石鹸をこすりつけ、空気を揉みこむようにして泡立てます。
泡を使って隈無く洗う
十分に泡立てたら、泡を絞り取ってやさしく肌を洗います。洗う時にゴシゴシとこすると肌に負担をかけてしまうので、泡で肌を撫でるイメージでやさしく洗いましょう。
泡が完全に取れるまで洗い流す
隅々まで洗えたら、すすぎ残しのないようにしっかりと洗い流します。
固形石鹸の泡を水で流し清潔に保つ
洗い終わったら、石鹸に残っている泡を洗い流して水を切り、石鹸置きに戻して湿気の少ない場所で保管することで石鹸が長持ちします。
この記事を最後まで読んでくれたあなたは、すぐにでも固形石鹸を使ってみたくなったのではないでしょうか?安いものなら100円未満で買えますので、気軽に試せるのも魅力ですね。ここで紹介したおすすめ石鹸の中で気になるものがあったら、一つと言わず何種類か使い比べてみるのも楽しそうです。ぜひ、固形石鹸の良さを実感してみてください!