髪の毛がパサパサになる原因と直す方法。男性も必見!

著者名ハシ ビロコ
髪の毛がパサパサになる原因と直す方法。男性も必見!

ヘアケアをしているのに髪がパサパサ……そんな悩みを抱えていませんか? 髪の状態を改善するためには、パサつく原因を知ることも必要です。よかれと思って実践している方法でも、人によっては逆効果になっているかもしれません。そこで、髪がパサパサしてしまう理由や、今日からできる解消法をご紹介します。女性のあなたも、男性のあなたも、これで脱パサパサ髪!

髪がパサパサの状態とは?

髪に触れるとパサパサすると感じたことはありませんか。このとき髪は、どのような状態になっているのでしょうか。

パサパサした髪は、キューティクルが傷ついた状態になっていると考えられます。キューティクルとは、髪の外側を覆っているうろこ状の表皮のことで、髪に含まれる水分やたんぱく質を保ち、髪にツヤを与えてくれる役割があります。このキューティクルが傷ついてしまうことによって、ツヤのないパサパサした髪になってしまうのです。

(参考:板羽忠徳『20歳若く見える頭髪アンチ・エイジング』講談社(2012板羽忠徳『やってはいけない頭髪ケア 指の腹を使ってシャンプーするのは逆効果!』青春出版社(2014藤村岳『男の身だしなみ100の基本』枻出版社(2015山田佳弘『美髪はよみがえる 毛の11本を元気にする習慣とケア法』光文社(2017資生堂|悩み別ヘアケア(3) パサつき/紫外線ダメージ 

髪の仕組みをご紹介

パサパサした髪を補修する前に、髪の構造についておさらいしましょう。

髪は大きく分けると3層になっており、中心から順にメデュラ、コルテックス、キューティクルと名付けられています。

髪の芯といえるメデュラは、網目のような構造。隙間があることで収縮し、多くの空気を含むことができます。やわらかなたんぱく質で構成されており、ダメージを受けると空洞が増えると考えられています。

髪の約89割にあたるコルテックスは、いくつもの繊維が束になって構成されています。髪色を決めるメラニン色素、しなやかさの決め手となる水分などは、このコルテックスに蓄えられます。たんぱく質の集合体のため、パーマなどに使用される薬剤で溶けやすい部分でもあります。

キューティクルは前述したように、髪にツヤを与え内部を保護する表皮で、半透明のうろこのようなものがいくつも重なり合ってできています。水に濡れるとやわらかくなる性質があるため、濡れた髪をブラッシングしてしまうと、摩擦によってキューティクルがはがれ落ちてしまいます。また、ヘアカラーや紫外線もキューティクルを傷つける原因となり、一度はがれたキューティクルは再生させることができません。

(参考:資生堂|キューティクルってどこ?毛髪の基礎知識花王|ヘアケアサイト 髪の構造 ) 

髪の毛がパサパサになる原因

誤った方法でお手入れを行うと、かえって髪にダメージを与えてしまいます。適切なケアを行うためにも、髪がパサパサしてしまう原因を探ってみましょう。

髪の毛の乾燥による水分不足

キューティクルが傷つくと、髪に蓄えられた水分が蒸発していきます。すると髪が乾燥し、パサパサした状態になってしまうのです。また、この状態は静電気が発生しやすくなるため、キューティクルがさらに傷ついてしまうという悪循環に陥ります。 

パーマやカラーリング

パーマやヘアカラーでは、薬剤を髪に浸透させますが、水分を蓄積するコルテックスはこうした薬剤に弱く、溶けだしてしまうことがあります。さらに、キューティクルを無理に開かせることになるので髪のダメージが大きくなり、パサパサになってしまうのです。 

ヘアアイロン(ストレートアイロン・カールアイロン)

髪に高温を当てると、キューティクルが溶けてしまうことがあります。寝ぐせ直しやスタイリングでヘアアイロンを使うときは、1カ所に長時間留めないよう注意しましょう。

シャンプーに含まれる成分による刺激

シャンプーの中には、髪への刺激が強すぎるものがあります。個人差があるため一概にはいえませんが、合成界面活性剤が含まれたシャンプーを使うと油分や水分を過剰に流してしまうといわれています。 

紫外線

皮膚と同じように、髪も紫外線によるダメージを受けてしまいます。強力な紫外線によりメラニンが酸化分解されると、髪が日焼けして赤茶けてしまったり、キューティクルがめくれ上がったりするおそれがあります。 

セルフカラー

ヘアカラーがパサつきの原因になることは前述しましたが、とくにセルフカラーを行う場合は要注意です。美容院でヘアカラーをするときは、頭皮や髪の状態に合わせた薬剤を使用して、髪に与えるダメージを最小限に抑えています。

しかし、市販のヘアカラー薬剤は刺激の強いものが多く、適切に扱わなければ髪が大きなダメージを受けてしまうのです。

セルフカット

ちょっとしたカットなら自分でやってしまうという人もいるでしょう。しかし、文房具のハサミで髪を切ると、断面がいびつになってしまうため注意が必要です。美容院では、髪にダメージを与えないように、断髪用のハサミとシルエットを整える鋤きバサミを併用しています。

ヘアスプレー

ヘアスプレーで濡れた髪を早く乾かす目的で、アルコールの優れた揮発性を利用しているヘアスプレーもあります。このアルコールの働きによって、頭皮や髪の水分まで乾燥させてしまう可能性があるのです。

そのためノンアルコールの製品を選ぶとパサパサ感を軽減できるといわれています。

加齢

加齢とともに髪の主成分であるたんぱく質などの量が減り、髪がパサパサしやすくなります。

産後のホルモンバランス変化

女性の場合、出産後に髪質が変わったと感じることがあるでしょう。これには女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌量が関係しています。 

エストロゲンには女性の皮膚や髪を美しく保つはたらきがありますが、出産後は減少していく傾向があります。すると髪のツヤが損なわれ「パサパサになった」と感じてしまうことがあります。 

誤ったドライヤーのかけ方

ヘアアイロンと同様に、ドライヤーも髪に熱を与える道具です。そのため、使い方を誤ると髪にダメージを与えてしまいます。早く乾かしたいからといって、近距離から長時間当てないようにしましょう。

自然乾燥

実は、自然乾燥はドライヤーよりも髪にダメージを与えてしまうと言われています。濡れた状態の髪はキューティクルが開いており、どんどん水分が出ていってしまうことに加え、自然乾燥は髪が完全に乾くまでに長い時間がかかります。こうして、髪からより多くの水分が失われ、パサパサ感が増してしまうのです。

タオルや枕との摩擦

髪に摩擦を与えると、キューティクルに傷がつき、髪から水分が蒸発しやすい状態になります。そのため、お風呂上がりにタオルで髪をゴシゴシさすったり、就寝時に枕を使ったり、という当たり前の習慣もパサパサ髪の原因です。

温泉・サウナ

温泉やサウナが原因で髪がパサパサになることもあります。

温泉の水質にはアルカリ性・中性・酸性の3パターンがあり、中でもアルカリ性のお湯はたんぱく質を溶かす働きを持っています。この働きは、古い角質をはがして肌をすべすべにしてくれるのと同時に、髪のキューティクルが開いてしまう原因もなります。そのため、髪を温泉に浸さないように注意するといいでしょう。

また、サウナは高温で湿度が低く、髪にとっては過酷な環境です。そのため濡れタオルやトリートメントなどで保護しなければ、本来髪に必要な水分まで失われてしまいます。

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髪の毛のパサパサを直す方法

パサパサした髪の毛を改善するためには、普段の積み重ねが大切です。ちょっとした工夫を長く続けることで、ツヤのある髪に近づけるかもしれません。

髪にやさしい洗い方をする

髪を洗うときは力任せにこすらず、やさしい洗い方を心がけましょう。まずは、髪をくしでとかし、チリやほこりを落とします。髪のからまりも、これだけである程度は改善されるはずです。

次は、シャンプーを付ける前に髪をよく濡らし、予洗いをします。キューティクルは根元から毛先に向かって重なっているので、その流れに逆行しないように指を通しましょう。

その後、シャンプーやリンスで髪を洗います。このときも根元から毛先に向けて指を動かしましょう。さらに頭皮をマッサージしておくと、毛穴に詰まった汚れを落とすことができます。

最後は洗剤が残らないよう、丁寧にすすぎましょう。

シャンプー・トリートメントの選び方

合成界面活性剤が含まれた製品は髪へのダメージが大きいので要注意です。逆に、低刺激なのは弱酸性シャンプー、アミノ酸系シャンプーなどです。おすすめの製品については後述します。 

自然乾燥は厳禁!正しくドライヤーを使いこなそう

キューティクルは熱を与えると閉じる性質があるので、お風呂上りはドライヤーですばやく乾燥させましょう。濡れた状態が長時間続く自然乾燥は禁物です!

乾かすときはキューティクルの流れに合わせ、根元から毛先に向かってドライヤーを動かします。最初は、頭皮を重点的に乾かし、最後に毛先を乾かすと効率がいいでしょう。ダメージを最小限に抑えるためにも、髪とドライヤーの距離は20cm以上離すようにしてください。

髪の毛への刺激を最小限に抑える

髪を洗うときやくしでとくときなどは、できるだけ髪に摩擦を与えないようにしましょう。リンスやトリートメントを使うときは、頭皮につけずに毛先のみに塗り、蒸しタオルを巻いて数分置いておくと、より浸透させることができます。

さらにダメージを抑えたい方は、流さないトリートメント(アウトバストリートメント)を使うことも効果的。寝ている間に髪を保護してくれるので、枕との摩擦を減らすことができます。

卵ヘアパック

少し変わった、卵を使ったヘアパックをご紹介しましょう。

パックの作り方はとても簡単。まず卵を割り、料理に使うときと同様にかき混ぜます。卵の量は髪の長さに合わせて調節してください。溶き卵を髪になじませたら20分程度そのままにしておきます。あとはいつものようにシャンプーやリンスで洗い流すだけです。

 卵にはレシチンという成分が含まれており、細胞を修復するはたらきがあります。保湿成分のあるはちみつや、ビタミンEが豊富なオリーブオイルなどを少量加えると、より効果が高めることができると言われています。

オイルクレンジングで頭皮ケア

アルガンオイル、ホホバオイルなどを使ったクレンジングには、頭皮にたまった汚れを取り除く効果を期待できます。

まず、ブラッシングでほこりを落としたら、頭皮全体にオイルをなじませます。このとき、髪にはなるべく付けないように気をつけましょう。次に、指の腹で頭皮をやさしく動かし、マッサージしていきます。ぬるま湯でオイルを流したら、あとはいつものように髪を洗って仕上げます。

リバースケア

トリートメントとシャンプーの順番を逆にするリバースケアも、パサパサの髪には有効です。もともとトリートメントは髪を保護するためのものなので、シャンプーの前に髪に浸透させておくと、シャンプー時の摩擦を軽減する効果が期待できます。トリートメント、シャンプー、トリートメントという順で髪を洗ってみましょう。 

ヘッドスパ

ヘッドスパで頭皮を清潔に保つことは、髪のパサパサ改善につながるだけでなく、頭皮の血流をよくする効果も期待されています。

ヘッドスパは自宅でも行うことができるので、以下の記事を参考に実践してみてください。

ヘッドスパは自宅で簡単にできる!?やり方とアイテムを詳しくご紹介 - CANARY
ヘッドスパは自宅で簡単にできる!?やり方とアイテムを詳しくご紹介 - CANARY
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髪にいい食べ物をとろう

髪に栄養を与えることで、パサつきが改善されることもあります。アミノ酸やミネラル、L-システインなど、髪のもとになる栄養素を含んだ食品を摂りましょう。 

アミノ酸を摂取するには赤身肉、大豆、しらす干しなどがおすすめ。動物系と植物系、どちらも食べるのがベストです。L-システインも髪の主成分であるたんぱく質のもととなる栄養素で、牛肉、鮭、小麦粉などに多く含まれています。また、ヘアパックとしての活用を紹介した卵には、ミネラルの一種である亜鉛が多く含まれています。

毛先のトリミング

髪は根元から毛先に向かって古くなっていくので、たまには毛先をトリミングしてみましょう。とくに毛先がパサパサしていると感じるときにおすすめの対処法です。 

髪のパサパサを防ぐ予防ケアに取り組もう

髪がパサつく前に予防をすることも大切です。紫外線から髪を守るために帽子を着用する、日焼け止めスプレーをする、部屋が乾燥しないように加湿器を使うなど、できることはたくさんあります。また、ヘアケア用品は用法や容量を守って正しく使い、髪への刺激を抑えましょう。

お悩み別・改善方法

前述した方法を実践しても、すべての人が髪質を改善できるとは限りません。なぜなら、髪の状態には個人差があるからです。そこで、お悩み別にパサパサした髪を補修する方法をご紹介します。

男性で髪がパサパサ

パサパサした髪に悩んでいる男性の場合、洗いすぎや乾燥しすぎが原因となっている可能性があります。髪が脂っぽいからといって、シャンプーの回数を増やすのはお勧めできません。脂は取り除きすぎるとかえって分泌量が多くなり、髪のツヤが損なわれることがあるからです。

また、シャンプーのみでヘアケアを終わらせている場合、頭皮や髪が乾燥しすぎることがあります。そのため、トリートメントを使って保湿を心がけましょう。

さらに、男性は女性よりも髪が短い分、頭皮に紫外線が直撃しがちです。髪の日焼け対策も怠らないようにしてください。

くせ毛で髪がパサパサ

髪の栄養バランス、体内のホルモンバランスなどが崩れると、髪がくせ毛になりがちです。このような場合、保湿力の高いアミノ酸系シャンプーを使い、トリートメントでしっかり保護するようにしてください。また、頭皮をオイルクレンジングすることで髪がスムーズに生えやすくなり、根元のくせが緩和されることもあります。

また、自分では治せない頑固なくせ毛に困っている場合は、美容師に相談するのもひとつの手です。髪質に合わせた対処法をプロの目線で提案してくれるでしょう。

髪がパサパサして広がってしまう

髪がパサついて広がってしまう場合は、ヘアワックスやオイルを使ってみましょう。やさしくなじませると、普段より髪をまとめやすくなります。また、ドライヤーのあとにオイルタイプのアウトバストリートメントを塗るのもおすすめです。

40代・50代・60代のためのエイジングヘアケア

年とともに髪質が変化し、パサパサした髪になることがあります。40歳以上の人は、とくに頭皮を健康に保つことを心がけましょう。

バランスのとれた食生活、十分な睡眠時間といった生活習慣はもちろん、頭皮の保湿も大切です。また、シャンプーのときに頭皮をマッサージすると、血行が良くなりヘアケアにも役立ちます。 

髪のパサパサ対策におすすめのアイテム

最後に、髪のパサパサ対策におすすめしたいヘアケアアイテムをご紹介します。 

おすすめシャンプー

エッセンシャル キューティクルケア シャンプー」は、開いてしまったキューティクルをサッと整え、パサつきを抑えてくれると評判の製品です。ドライヤーやアイロンなどの熱で形付けしやすい作りになっているため、スタイリングもしやすくなるでしょう。

パサパサした髪に悩む男性には「スカルプD 薬用スカルプシャンプー」がおすすめ。種類が豊富で自分の肌質に合わせた製品を選ぶことができます。髪だけでなく頭皮もケアしてくれるので、根元からきれいにしたいときにおすすめです。 

おすすめトリートメント

トリートメントはシャンプーとセットで使う前提で作られているものもあるので、基本的には同じメーカーでそろえるといいでしょう。 

トリートメントのみを選ぶのであれば、「パンテーン エクストラダメージケア デイリー補修トリートメント」がおすすめ。価格はそれほど高くないのに、しっかりパサつきを抑えてくれるため、コスパの良さが人気です。

おすすめアウトバストリートメント(流さないトリートメント)・オイル 

ディアボーテ プレミアムトリートメントオイル(モイスト)」はパサパサの髪がしっとりすると評判の高い製品。髪の水分や油分のバランスを整え、まとまりやすいツヤ髪に近づけてくれます。

(参考:藤村岳『男の身だしなみ100の基本』枻出版社(2015

パサパサの髪を改善するには、長い時間がかかります。すぐに成果が出ないからといってあきらめず、気長に続けてみましょう。正しいケアを続けていれば、だんだんと髪に触れたときの感覚が変わってくるはずですよ。

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