テレビやSNS、コンビニなどでよく見かけようになった「チアシード」。ダイエットに効果が期待できると言われていますが「よくわからなくて食べたことがない」「そもそもどういう食べ物なのかよく知らない」という人もいるかもしれません。また、買ってみたものの調理方法が分からず、持て余しているということもあるでしょう。
この記事では、そんなチアシードに関する疑問や悩みを解消するために、チアシードの効果と食べ方を詳しくご紹介します。
チアシードとは?
チアシードとは、「中央アメリカ原産の1年草」であるチアの種子のこと。チアはシソ科の植物で、古代アステカでも食料として親しまれていたようです。栄養分が非常に豊富に含まれていることから、一般社団法人日本スーパーフード協会が定義するスーパーフードの一つに数えられています。
一粒の大きさはゴマよりも小さく、水分を含むと膨張してジェル状になるのが特徴です。
参考:(一般社団法人日本スーパーフード協会|スーパーフードとは)
チアシードの種類
チアシードは、種子の色によって黒チアシードと白チアシードに分けられます。実はどちらも同じ植物から採取されており、収穫後に色の違いによって選別されています。
両者ともに含まれている栄養素に大差はありませんが、食感などで好みが分かれることも。次は、それぞれの特徴を見てみましょう。
・黒チアシード
一般的にチアシードといえば、テレビやコンビニなどで見かけるような黒い粒を想像する方が多いかもしれません。黒っぽい種子のチアシードは、とくに黒チアシードやブラックチアシードと呼ばれています。
・白チアシード
黒チアシードに比べてやわらかいのが特徴の白チアシード。水を含むと、黒チアシードよりも大きく膨らむため、とくにダイエットには白チアシードが推奨される場合が多いようです。
もともとは黒チアシードの中に少量混じっていた白チアシードですが、一部の栄養素の含有量が黒チアシードよりも高かったために注目度がアップ。選別や改良をくり返し、白チアシードのみが採取できる品種も開発されました。
(参考:SHサンヘルス|ホワイトチアシード)
チアシードの栄養素
チアシードにはタンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、鉄など、多くの栄養素が含まれています。
チアシードに含まれている栄養素のひとつに、「必須アミノ酸」があります。アミノ酸は、タンパク質を構成する成分の一つですが、そのうち体内で生成できない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と呼んでいます。
チアシードには、この必須アミノ酸のうち8種類がバランスよく含まれているといわれており、良質な植物性タンパク質として注目されています。
また、食物繊維の含有率が18~30%と、ほかの食品に比べて高いのもチアシードの特徴。吸水したチアシードの周囲にできるジェル状の物質の正体は、こんにゃくなどにも含まれている“グルコマンナン”と呼ばれる食物繊維です。
脂質の内訳はチアシードの産地によって差があるものの、60%がα–リノレン酸、20%がリノール酸といわれています。とくに、体内でDHAなどに変化するα–リノレン酸は「オメガ3系脂肪酸」という必須脂肪酸にも分類されており、重要な栄養素の一つです。
この「オメガ3系脂肪酸」と呼ばれる栄養素は人間の体内で生成できないため、食品から摂取しなければなりません。えごまや青魚などの食品にも含まれていますが、毎日食べるのは難しい場合も。一方、多くのα–リノレン酸を含むチアシードは、少量でも効率よく栄養素を摂取することができます。
チアシードのカロリー
チアシードは大さじ1杯で約45キロカロリー。吸水すると約10倍から14倍に膨らむため、少量でも満腹感を得ることができます。
妊婦が食べても大丈夫?
スーパーフードとして注目されているチアシードですが、妊婦が摂取しても問題ないのでしょうか。
妊娠中・授乳中に摂取した場合の安全性は、信頼できるデータが見当たらないため避ける出典: 国立健康・栄養研究所 素材情報データベース|チアシード
と記されています。また、「サルビア属の植物にアレルギーのある人や、ゴマやカラシナ種子にアレルギーのある人では、おそらく危険である」というデータもあるようです。
胎児や母体の安全のためにも、妊娠中はチアシードを食べないようにしたほうがよさそうです。
(参考:Joy for Life J‐オイルミルズ|脂肪酸の種類について、愛は食卓にある。Kewpie|「n-3系脂肪酸(オメガ3)」を含む食品について、ORIHIRO|Vol.3『グルコマンナン顆粒のダイエット食品としての利用』)
チアシードがもたらす効果
チアシードには、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。栄養面と、美容面の2点から見てみましょう。
チアシードの栄養効果
前述したように、チアシードには多種多様な栄養素が含まれています。必須アミノ酸や食物繊維、必須脂肪酸のひとつであるα–リノレン酸などを含み、日常で不足しがちな栄養素を摂取するうえで心強い味方になってくれます。
中でも、必須アミノ酸は人間が生きていくうえで欠かせないタンパク質を構成する栄養素。それだけでなく、体調や精神を整えるためにも重要だとされています。
また、α–リノレン酸は体内の悪玉コレステロールを減少させるほか、DHAやEPAの合成に必要な栄養素です。
EPA:血液の状態を正常に保ち、血栓や動脈硬化などを防ぐ
DHA:脳などの神経に多く存在し、脳の機能維持を助ける
(参考:クラフト株式会社|α-リノレン酸)
また、チアシードに含まれる豊富な食物繊維は、便秘解消などの効果をもたらすとされています。
もちろん、チアシードだけで全ての栄養を補うことはできないので、普段の食事に加えて、不足しがちな栄養素を補う目的で摂取するのが良いでしょう。
(参考:ニッスイ サラサラ生活向上委員会|EPAとDHAの違いは?、日本理化学薬品株式会社|必須アミノ酸)
チアシードの美容効果
チアシードには豊富な栄養素が含まれているため、美容効果も期待されています。
とくにα–リノレン酸などのオメガ3系脂肪酸は健康的な皮膚を保つためにも必要な栄養素で、2015年には栄養機能食品制度でも効果が認められました(※2)。
オメガ3系脂肪酸が不足すると皮膚は乾燥した状態になってしまうため、オメガ3系脂肪酸を補えるチアシードは、美容効果も高いと言えるでしょう。
(※2)消費者庁|第8回 機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会
(参考:マルタのえごま|オメガ3のはたらき)
ダイエットに効果的なチアシードの食べ方
チアシードがダイエットに効果的だと言われている理由のひとつが、少量で満腹感が得られることです。ここでは、チアシードの持つダイエット効果を最大限に活かすための、具体的な食べ方を紹介します。
チアシードの食べ方
チアシードはそのままでは固いため、水に浸してやわらかくします。吸水時間は商品によって異なるので、事前にパッケージの記載を確認してください。
この時、熱を加えるとα–リノレン酸が壊れてしまうので、必ず冷水を使用しましょう。
しっかり水を吸うと、プルプルとしたジェル状に。そのまま、つるっと吸い込みたくなりますが、プチプチとした食感を楽しみながら、しっかり噛んで食べましょう。こうすれば、満腹感を得られるだけでなく、栄養の吸収率もアップさせることができます。
摂取量の目安は?
チアシードは、1日に大さじ1杯(約12g)程度食べるのが適量だといわれています。
大さじ1杯分というと、乾燥時の見た目では少なく見えるものの、吸水すると10倍以上に膨らむので十分な満足感を得られるはずです。
効果的な食べるタイミング
特に決まったタイミングはありませんが、食事やおやつにプラスして食べると習慣づけやすいでしょう。チアシード自体は無味無臭なので、朝のスムージーやヨーグルトに加えるのもおすすめです。いつもの食事にプラスして、無理のないタイミングで摂取してみてください。
食べすぎると副作用はあるの?
チアシードに限らず、どんな食品も過剰摂取は逆効果。とくにチアシードには食物繊維が豊富に含まれているので、食べすぎるとお腹がゆるくなってしまう場合があります。
パッケージなどに書かれた摂取量の目安を守って食べましょう。
チアシードのおすすめレシピ4選
チアシードは、水に浸して膨らませてから食べるほか、ドリンクなどに直接入れることで吸水させる食べ方もあります。ここではおすすめレシピを4つご紹介します。
・チアシードヨーグルト
吸水させたチアシードをお好みのヨーグルトに混ぜ合わせます。チアシードを別途用意するのが面倒なときは、ヨーグルトの中に乾燥したチアシードを入れてひと晩寝かせておきましょう。翌日にはヨーグルトの水分でチアシードがやわらかくなります。
・チアシードスムージー
ヨーグルトと同じように、お好みのスムージーに吸水させたチアシードを混ぜ合わせます。
家でスムージーを手作りしている場合は、食材をミキサーにかけるときに乾燥した状態のチアシードを入れてもOK。こうすれば、素材に含まれる栄養素をまるごと摂取できます。
また、スムージーに限らず、オレンジジュースやミルクなど好きなドリンクと組み合わせるのもおすすめ。タピオカドリンクのようにおしゃれな見た目が楽しめますよ。
・チアシードグラノーラ
グラノーラに吸水させたチアシードを混ぜ合わせます。バナナやイチゴなどの果物やレーズンなどのドライフルーツを入れると、見た目も鮮やかにになります。
・チアシードサラダ
吸水させたチアシードをサラダの上にトッピング。ドレッシングと混ぜ合わせるのもおすすめです。野菜のシャキシャキ感とチアシードのぷるぷる食感をどちらも楽しむことができます。
スーパーやコンビニで買えるチアシードフード・ドリンク
スーパーフードであるチアシードを使った商品は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも販売されています。おすすめのフードやドリンクを見てみましょう。
チアシードフード・ドリンク例
・しぜん食感 CHiAシリーズ
チアシードを生地に練りこんだビスケット。フレーバーはチーズ、ココナッツ、抹茶、チョコチップの4種類があります。
(商品リンク:しぜん食感 CHiAシリーズ)
・ネイチャーズ パース オーガニック ココナッツ チア グラノーラ
ココナッツ味のグラノーラに、チアシードをプラス。手軽に食べられるので、朝食などにおすすめです。
(商品リンク:ネイチャーズ パース オーガニック ココナッツ チア グラノーラ)
・スジャータ Kiwi Chia seed キウイチアシード
キウイと4種類のフルーツをミックスしたスムージー。チアシードもたっぷり入っています。
(商品リンク:スジャータ Kiwi Chia seed キウイチアシード)
少量で満腹感が得られるため、ダイエットにも重宝されているチアシード。さらに、スーパーフードと呼ばれるほど栄養も豊富です。健康効果も美容効果も期待できるチアシードを、普段の食事にプラスしてみてはいかがでしょうか。