プロテインに正しい飲み方があることをご存知ですか? 最近では、筋トレやダイエットのサポートとして、プロテインを飲んでいる人も多いでしょう。しかし、飲み方が間違っている場合、プロテインの持つ効果を発揮しきれていない可能性があります。
この記事では、正しいプロテインの飲み方や適切な摂取量について解説します。さらに、「プロテインの味が好きじゃなくて飲み続けられない……」という人の悩みも解消できる、おいしいプロテインアレンジレシピもご紹介します。
1回分のプロテイン摂取量
そもそも「プロテイン」とは、英語で「タンパク質」を意味する言葉です。そして、タンパク質は、脂質や炭水化物と並ぶ三大栄養素の一つで、体を構成する筋肉や皮膚、骨、内臓などのもとになります。肉類や魚介類、乳製品などに多く含まれており、たとえば、牛乳100あたりには3.3g、鶏もも肉100gあたりには約22.0gのタンパク質が含まれています(※)。
前述したように、タンパク質は生命活動に必要不可欠な栄養素。そのため、タンパク質が不足すると、免疫力や筋力の低下、肌のたるみなど、さまざまなトラブルの原因になります。一方で、一日に必要なタンパク質を食事のみで摂取することが難しいという場合もあるでしょう。そんなときは、日常の食事のほかにプロテインを摂取することで、不足したタンパク質を補うことができます。
プロテインでタンパク質を補う場合、1回当たりの摂取量はどうなるのでしょうか。
(※)文部科学省「食品成分データベース」参照
女性
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(※)によると、18歳~29歳の女性における1日のタンパク質量摂取目安は、1日あたり50g。運動を習慣づけている人や筋肉をつけたい人の場合、さらに多くのタンパク質をとることが推奨されています。
1日の食事内容と照らし合わせ、プロテインのパッケージに表記されているタンパク質含有量を目安に、摂取量を決めると良いでしょう。
たとえば、3食で30gのタンパク質を摂取している場合、不足分は20g。1食分に約10gのタンパク質が含まれているプロテインであれば、1日に2回摂取するといいでしょう。
男性
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(※)によると18歳~29歳の男性のタンパク質摂取量目安は1日あたり65g。女性と同様に、運動を習慣づけている人や筋肉をつけたい人の場合、さらに多くのタンパク質をとることが推奨されています。
大半は食事で摂取できるため、男性の場合も不足分のタンパク質をプロテインで補えるよう、摂取量を決めるといいでしょう。
たとえば3食で45gのタンパク質を摂取している場合、不足分は20g。1食分に約10gのタンパク質が含まれているプロテインなら、1日に2回摂取するといいでしょう。
女性の場合も男性の場合も、体重や運動頻度や食事量、さらにはプロテインの種類やメーカーによって1日あたりの適切な摂取量が異なります。プロテインを飲み始める前に、パッケージの説明書きをチェックしてみましょう。
また、プロテインは1度に摂取するよりも、数回に分けて摂取する方が体内で有効活用されやすいといわれています。摂取しすぎた分は脂肪になってしまう可能性もあるため、運動後30分以内、食事や間食のタイミングなど、1日数回に分けてそれぞれ必要な分だけ飲むようにするのがおすすめです。
(※)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」P.126「たんぱく質の食事摂取基準」参照
(参考:DNSZOON|プロテインの基礎知識、MORINAGAかんたん、わかる!プロテインの教科書|最適なプロテインの摂取タイミング)
基本的なプロテインの飲み方
粉末タイプのプロテインは、水などに溶かして飲む方法が一般的です。まずはスタンダードな飲み方を確認してみましょう。
プロテインを水で溶かす
水で溶かす方法は、プロテインの飲み方の代表格。水道水などでも手軽に試せますし、水そのものにカロリーはないので、余計な脂質やタンパク質を摂取したくない人にもおすすめです。
適量のプロテインを入れたコップやボトルに水を注ぎ、よく混ぜます。プロテインは混ぜる際にダマになりやすいため、飲みやすく溶かすためにはシェイカーを使用するのがおすすめです。
水の量
必要な水の量はプロテインの種類によって異なりますが、パッケージに付属しているスプーン2~3杯分のプロテインを200mlの水で溶かして飲む場合が多いようです。目安となる水の量はパッケージに記載されているので、事前に確認しておきましょう。
(参考:glico |プロテインの飲み方。タイミングは食前?食後?)
プロテインがまずい!おいしく飲むアレンジ方法
プロテインの中には、独特な風味のある製品も少なくないため、「水だと飲みづらい……」ということも。そんな時に、プロテインをおいしく飲むためのアレンジ方法をご紹介します。
味のついたプロテインを選ぶ
プロテインには、チョコレートやストロベリーなど、味の付いた製品もあります。なかにはティラミスや抹茶、バナナシェイクなど、一風変わった風味のものも。「プロテインの味が合わない」と感じたら、別の風味を試してみてもいいでしょう。
牛乳で割る
プロテインは牛乳で割ることも一般的。牛乳にはカルシウムやビタミンなども含まれているため、タンパク質以外の栄養素も補うことができます。
また、水に比べると体内への吸収スピードがゆるやかになるため、腹持ちがよくなるといわれています。
豆乳で割る
牛乳のカロリーが気になる人には、豆乳でプロテインを割る飲み方がおすすめです。
豆乳特有のとろみがプロテインの粉っぽさを和らげてくれるので、口当たりがなめらかになります。
コーヒーで割る
甘い風味のプロテインが苦手な場合は、無糖コーヒーで割ると飲みやすくなります。
プレーン味のプロテインはもちろん、コーヒー味やカフェオレ味などのプロテインを選ぶと、味のまとまりがよくなるはずです。
アーモンドミルクで割る
ダイエット食品などでよく目にするアーモンドミルクでも、プロテインを割るのもおすすめ。食物繊維が豊富なこと、そして動物性食品でないことなどから、注目が高まっている飲み方です。
ジュースで割る
手軽に味を変えたい場合は、プロテインをジュースで割るのも良いでしょう。プレーンタイプのプロテインでも、オレンジジュース、リンゴジュースなどで割ると飲みやすい味になります。特に果汁100%のジュースは味がしっかりしているため、かなり飲みやすくなるはずです。
(参考:MORINAGAかんたん、わかる!プロテインの教科書|プロテインは水よりも牛乳で飲むのが良い?水と牛乳を使い分けて摂取する方法)
プロテインがおいしくなくて飲めない…という方は
「味を変えてもプロテインを飲むのが苦手……」という方は、”飲まないプロテイン”を試してみてはいかがでしょうか。
大抵のプロテインは過熱しても成分が変わらないため、料理に使うことも可能です。粉っぽさが苦手で飲み物として摂取するのが難しいという場合は、お菓子や料理にプラスしてみましょう。
プロテインを使ったレシピ
・プロテインホットケーキ
小麦粉やホットケーキミックスの5分の1を目安に、プロテインを加えてみましょう。よりタンパク質を摂取したい人は、粉類をすべてプロテインに置き替え、そこにベーキングパウダーを加える方法もおすすめ。
ホットケーキミックスを使用しない場合はしっかりとメレンゲをたて、牛乳の代わりにヨーグルトを加えることで、ふわふわ食感が楽しめます。また、水や豆乳を使用するとカロリーを抑えることもできます。
・プロテインお好み焼き
お好み焼きなどの粉もの料理にも、相性ぴったりのプロテイン。小麦粉の量を半分にし、代わりに同量のプロテインを加えます。お好み焼きの具材やソースの味を邪魔しないように、プロテインはプレーンタイプの製品を選ぶといいでしょう。
・プロテインスムージー
冷凍フルーツミックスや生の野菜・果物などを使って作る自家製スムージー。ビタミンが豊富で栄養満点かつ、手軽に作れるので朝食などにもおすすめです。ミキサーやジューサーで材料を混ぜるときに、プロテイン1食分を加えてみましょう。
果実感のあるスムージーなら、プロテインの粉っぽさが緩和されて飲みやすくなります。
プロテインバー
プロテインは粉末タイプだけでなく、固形タイプも販売されています。様々な場面で手軽に楽しめるプロテインバーは、保存食として活用されることも。
市販品に比べると日持ちはしませんが、手作りも可能です。
材料はプロテインとグラノーラ、ナッツ、ハチミツ、バター。好みでシナモンなどの調味料を加えるのもおすすめです。分量は作りたい量によって変化しますが、プロテイン30gに対してグラノーラ45g、バター15gを目安にするといいでしょう。
まず、プロテイン、グラノーラ、ナッツを混ぜ合わせます。別の器でハチミツとバターを合わせ、先ほど混ぜ合わせたプロテインに加えます。全体がまとまったら、平たく成型します。成型が終わったら180度のオーブンで焼き色が付くまで焼き、しばらく冷蔵庫で寝かせます。
好みの大きさに切り分けて食べることができるので、小腹を満たしたいときのおやつにもおすすめです。
(参考:MORINAGAかんたん、わかる!プロテインの教科書|プロテインが苦手と思う人に試してほしいプロテイン活用レシピ)
ダイエット中の女性におすすめの正しいプロテインの飲み方
ダイエットのサポートとして、プロテインを摂取している人もいるでしょう。「プロテインは太る」との声もありますが、適切に摂取すれば身体を引き締めたいときの強い味方になってくれます。
そもそもプロテインは、タンパク質を補うための食品です。そのため、適切にプロテインを摂取することで、食事制限などで乱れがちな栄養バランスを整えることができます。
正しいプロテインの飲み方で、ダイエットをサポートしましょう。
摂取タイミング
ダイエット中は、食事前にプロテインを摂取するのがおすすめです。
プロテインには、いくつかの種類がありますが、中でもカゼインプロテインやソイプロテインは、体内への吸収スピードが比較的ゆるやかなのが特徴。そのため、食事前に摂取することで空腹感が紛れ、いつもより少ない量の食事でも満腹感が得られるといわれています。また、食後や間食に甘いものを食べたいとき、お菓子やデザートの代わりにプロテインスイーツを食べるのもおすすめです。
しかし、過度な食事制限をすると健康的な身体を維持できなくなってしまうため、無理のない範囲で試してください。
飲み方
プロテインとを割る飲み物によっても、ダイエット効果に差が出ると考えられています。
たとえば、糖分や脂質を多く含んだジュースで割れば、水で割る場合に比べて摂取するカロリーはかなり多くなります。
低カロリー、高タンパク質が特徴のプロテインでも、割るときの飲み物で過剰なカロリーや脂肪を摂取していては本末転倒です。ダイエット中は、水、低脂肪牛乳、豆乳、アーモンドミルクなどのヘルシーな食材でプロテインを割るようにしましょう。
(参考:fancl park|ダイエットを頑張る女性の味方!? プロテインの選び方と取り入れ方)
プロテインを飲むときにはシェイカーがあると便利!
プロテインはコップで混ぜることもできますが、シェイカーがあると便利です。ダマにならないように粉が溶けやすい設計になっているシェイカーも販売されているので、コップなどで混ぜるよりも、素早く溶かすことができます。
使い方はプロテインと水などを入れ、ふたをしてシェイクするだけ。手軽に飲みやすい状態でプロテインを味わえます。
さらに、メーカーが販売する専用シェイカーには、製品の適切な分量に合わせて目盛りがプリントされている製品もあります。このような製品は、計量スプーンで測る手間が省けるので、効率重視の方にもおすすめです。
(参考:MORINAGAかんたん、わかる!プロテインの教科書|プロテインシェーカーは必要?シェーカーを活用してプロテインをしっかり摂取!)
プロテインは適切な摂取量を守り、正しい飲み方をすることで初めて本来の効果を発揮できます。風味や食感などはひと手間加えるだけで変わるので、ぜひ好みの摂取方法を試してみてください。
ただし、プロテインはあくまでも健康補助食品です。プロテインに過度に頼らず、健康的な食生活と適度な運動、そしてプロテインの正しい飲み方を意識して摂取するように心がけましょう。