「身体を大きくしたい!」「ダイエットで引き締まったスタイルを手に入れたい」など、プロテインを飲む目的は人によってさまざまですが、プロテインには「飲むタイミング」があることをご存じでしょうか。正しいタイミングでプロテインを飲むことで、その効果をさらに高めることができます。
これからプロテインを飲もうと考えている人も、すでにプロテインを飲んでいる人も、この記事をチェックして正しいプロテインの飲み方をマスターしましょう!
最適なプロテインを飲むタイミングとは?
プロテインを飲むには、3つの「最適なタイミング」があると言われています。それが、「筋トレ後」「寝る前」「朝」です。
筋トレ後
筋トレ後は、筋肉が大きなダメージを受けた状態です。ダメージを受けた筋肉を回復させるためには多くのエネルギーが必要になるため、体は一種の飢餓状態になります。そのため、このタイミングでプロテインを飲むことで、タンパク質をより効率よく体内に吸収させることができるのです。
特に、筋トレを行った後の45分間は、筋肉へ届けられるアミノ酸(タンパク質を構成する物質)の量が、通常時の約3倍にまで増えると言われています。
また、筋肉の成長効率をさらに上げるために、同じタイミングで炭水化物も摂取するといいでしょう。
炭水化物(に含まれる糖質)の摂取によって上昇した血糖値を下げるために、体内ではインスリンが分泌されます。実はこのインスリンには、タンパク質の吸収を促進する効果があるのです。
ジムなどで筋トレをするときは、タンパク質+炭水化物の組み合わせを覚えておきましょう。
(参考:DNSZONE|3-3.効果的なプロテインの摂取タイミング)
寝る前
人は寝ている間も、身体の形成や回復を促す「成長ホルモン」を分泌し続けています。そんな成長ホルモンの分泌を促してくれるのが、タンパク質を構成するアミノ酸です。
ダイエット中、あまり寝る前に食事をしたくないという人もいるでしょう。しかし、空腹のまま眠ってしまうと、成長ホルモンの働きがにぶくなってしまいます。
こんな時におすすめなのが、プロテイン。タンパク質(アミノ酸)を低カロリーで摂取できるので、寝る前のタンパク質摂取に最適です。とはいえ、やはり寝る直前の飲食は胃に負担をかけてしまうので、寝る前にプロテインを飲む際は、就寝1時間前にはすませておきましょう。
(参考:MORINAGA かんたん、わかる!プロテインの教科書|プロテイン摂取のタイミングは「寝る前と朝」が効果的な理由)
朝
朝起きてすぐのプロテインは、ダイエットだけでなく、栄養バランスの改善に向いています。
私たちが寝ている間は、いっさい水分も食事もとっていません。寝る2時間前までに食事を済ませている人なら、さらに食事をとっていない時間は長くなるでしょう。
そのため、朝起きてすぐというのは、水分や栄養などが不足している状態になっています。だからこそ、朝食でタンパク質をしっかり摂取した方がいいわけです。
肉や魚を中心に十分にタンパク質を摂取できる朝食が理想ですが、家事や育児、仕事に追われ、十分に朝食を食べる時間がないことも多いでしょう。そこで、簡単な朝ごはんに加えてプロテインを飲むことで、一日の栄養バランスを改善するとができるのです。
(参考:Grong|プロテインを朝食として摂取することの有用性)
ジュニアプロテインを飲むタイミングとは?
成長期の子ども向けの製品として、「ジュニアプロテイン」があります。
成長期の子供にとって、栄養補給の基礎である食事はとても大切。朝・昼・夕の1日3食で、しっかりと5大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)を摂取できる食事が理想です。しかし、不規則な食生活や偏食によって、栄養バランスが崩れてしまうこともあるでしょう。
そこで、間食としてジュニアプロテインを飲むことで、タンパク質やカルシウムなど、成長期に欠かせない栄養を補うことができます。
必要な栄養素が補えていないと感じるときは、1日3食の食事に加えて、間食としてジュニアプロテインを飲んでみましょう。
(参考:MORINAGA かんたん、わかる!プロテインの教科書|ジュニアプロテインと普通のプロテインの違いを解説)
運動前にプロテインを飲むと良い?
運動後に飲むイメージの強いプロテインですが、運動前に飲むことでメリットはあるのでしょうか。
実のところ、プロテインを運動前に飲むか、運動後に飲むかで、筋肉の合成に有意な差があるという実験結果はないようです。そのため、運動前でも後でも、実際に身体を動かすタイミングから間を空けずにプロテインを摂取するのがいいでしょう。
もしも、「運動前に栄養補給をして、筋トレのパフォーマンスをアップさせたい」と考えている人は、BCAAやEAAを試してみましょう。これらは、タンパク質を構成する必須アミノ酸の一種で、運動中のエネルギー源になるほか、疲労感の抑制にも効果があるといわれています。
よりハードに運動できるため、筋肉の成長だけでなく、脂肪燃焼の効果も高めることができるでしょう。
目的に合わせてプロテインを飲むタイミングを変えよう
プロテインを飲んで、大きくたくましい身体を目指すのか、細く引き締まったスタイルを目指すのか…。自分がどんな目的でプロテインを活用するかによって、飲むタイミングは変化します。
ダイエット中
低カロリー・高タンパク質のプロテインは、ダイエットの心強いパートナーです。ダイエット目的でプロテインを飲むときは、先に紹介した「運動後」「就寝前」「起床後」以外に、「食事前」もおすすめです。
ダイエット中は、炭水化物・脂質を中心に摂取カロリーを減らした食事がメインとなるためタンパク質不足になりがち。この不足したタンパク質を補うのに、プロテインが役立つのです。
また、プロテインにはビタミンなどの栄養素が含まれたタイプもあるので、タンパク質以外も補給できます。さらに、食事前にプロテインを飲むことで、ある程度満腹感を得られるため、食事制限中の食べすぎも防ぐことができるでしょう。
ダイエットの鉄則は、食事と運動と休養のバランスです。食事制限だけでダイエットを進めると、過剰なカロリーダウンによって身体に負担がかかり、肌荒れや抜け毛など、様々なトラブルの原因になります。
栄養バランスの取れた食事に、筋トレや有酸素運動などをプラスして、健康的にダイエットをしましょう。
以下の記事では、おすすめのトレーニングメニューを詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
筋トレ中
筋トレ中に「もっと身体を大きくしたい!」という人は、間食にプロテインを取り入れましょう。
食事と食事の間隔が広がると栄養が不足し、身体は筋肉を分解することでエネルギーを得ようとします。筋肉量を増やしたい人にとって、これは避けたい事態ですよね。そのため、ボディビルディングやフィジークといったボディメイクのプロは、1日に6食摂ることで、食事の間隔を空けないように意識しています。
筋トレ中は、間食やトレーニング後、就寝前、起床後などにプロテインを飲んで、こまめにタンパク質を補給していきましょう。また、筋トレ中のパフォーマンスをさらにアップさせるために、トレーニング前・トレーニング中のBCAA、EAAの摂取もおすすめです。
(参考: glico|プロテインで筋トレ効果アップ!仕組みやおすすめの摂取方法)
各メーカー推奨のプロテインを飲むタイミングを紹介
プロテインは、国内外問わず様々なメーカーから販売されています。ここでは、各メーカー推奨のプロテイン摂取タイミングを見てみましょう。
ザバス プロテイン
国内メーカー製のプロテインとして最も有名な明治のザバスは、運動後30分以内のゴールデンタイムに飲むことを最もおすすめしています。そのほか、朝食時や間食時、トレーニング直後、お休み前に飲むのもおすすめのようです。
目的に合わせて、適切な量を好みのタイミングで飲むようにしましょう。
(参考:SAVAS|プロテインの飲み方)
ゴールドスタンダード ホエイプロテイン
30年の歴史を持つ、オプティマムニュートリション(ON)が長年の研究の末に生み出した、「ゴールドスタンダード ホエイプロテイン(Gold Standard 100% WHEY)」。極めて高いプロテイン配合率と徹底研究されたフレーバーで、ホエイプロテインとして世界シェアNo.1の地位を獲得しました。
残念ながら、この製品はメーカー公式で推奨の摂取タイミングを公表していません。一般的なプロテインと同じように、運動後30分以内のゴールデンタイム、朝食時や間食時などに、適切な量を飲むようにしましょう。
(参考:製品紹介 ゴールドスタンダード 100% ホエイ|【日本公式】)
プロテインを飲む量・回数
プロテインを飲むのなら、タイミング以外にも意識するべき点があります。それは、一日にプロテインを飲む量と回数です。この2つをしっかり押さえておかないと、プロテインの効果が薄れるばかりか、かえって太る原因になってしまうでしょう。
1回で飲む量は?
厚生労働省の発表した『日本人の食事摂取基準2020』によると、18歳〜64歳の男性のタンパク質摂取基準は、1日あたり65g。18歳〜64歳の女性は1日あたり50gとされています。
プロテインパウダー1杯に含まれるタンパク質量は15g〜30gほどで、仮に1杯20gのタンパク質が含まれているプロテインなら、3杯飲めば60gのタンパク質を摂取できます。しかし、1度に大量のタンパク質を摂取しても過剰栄養となるため、体内に吸収されなかったり、脂肪として蓄えられたりする可能性があります。
そのため、プロテインを飲むときは、パッケージに記載されている1食分の摂取目安量を参考に、1回につき1食分を摂取するようにしましょう。
(画像出典元:厚生労働省|日本人の食事摂取基準2020)
1日に何回飲む?
男性・女性に必要なタンパク質の摂取基準量は、その人の年齢や運動量によって大きく変化します。厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020』によれば、20代女性で身体活動レベルが3(III)の人の場合、1日に75g〜115gのタンパク質摂取が目標量とされます。
ちなみに、身体活動レベルの目安は次のとおりです。
身体活動レベルI(1)
生活の大部分が座位で、静的な活動が中心
身体活動レベルII(2)
座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを行っている
身体活動レベルIII(3)
移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている
(参考:厚生労働省|日本人の食事摂取基準2020)
自分の身体活動レベルや年齢に応じて、摂取するべきおおよそのタンパク質量が分かったら、普段の食事に追加して摂取すべきプロテインの量を計算してみてください。
仮に、さきほど例に挙げた20代で身体活動レベルが3(III)の女性なら、次のようなタイミングでプロテインを飲むのがおすすめです。
・朝:プロテイン1杯(15g)
・昼食と夕飯の間食:プロテイン1杯(15g)
・運動後:プロテイン1杯(15g)
・寝る前:プロテイン1杯(15g)
ただし、プロテインはあくまでも健康補助食品なので、残りの15g〜55gのタンパク質は、しっかり食事で摂るようにしましょう。
(画像出典元:厚生労働省|日本人の食事摂取基準2020)
また、注意しておきたいのは、プロテインの飲み方です。プロテインを飲む回数が増えれば、当然摂取カロリーも増えることになります。そのため、プロテインを割る飲料によっては、摂取カロリーを大きくオーバーし、肥満の原因になってしまうかもしれません。特に、牛乳やジュースで割ったプロテインは、水で割ったプロテインに比べてカロリーが高くなりやすいので気を付けましょう。
プロテインの飲むタイミング・飲む回数を考えるときは、同時にプロテインをどういう方法で摂取するかも考えておくと良いですね。以下の記事では、プロテインの飲み方を詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
プロテインはトレーニングやダイエットの強い味方ですが、とにかくたくさん飲めばいいというわけではありません。飲むタイミングや飲む量を間違えると、かえって太る原因になってしまうこともあります。筋肉や身体が栄養を求めるタイミングを見極めて、効果的にプロテインを飲みましょう!