トレーニングやダイエットのお供であるプロテイン。名前はなんとなく知っていても、詳しい種類や効果についてはよくわからない!という方もいるのではないでしょうか。
「プロテインはすべて同じ」と思っていてはもったいない!
この記事では、プロテインの主な種類やメーカー別の特徴、さらにダイエットに効果的なプロテインの選び方などをご紹介します。
プロテインは「動物性タンパク質」「植物性タンパク質」の2種類に分けられる
プロテインにはさまざまな商品がありますが、大きく2種類に分けることができます。まずはプロテインの主な区分を見てみましょう。
動物性タンパク質のプロテイン
牛乳を原料とする動物性タンパク質のプロテインは、加工方法や吸収時間などによって、さらに2つに分けることができます。
・ホエイプロテイン
牛乳からカゼインという固形成分を取り除いた残りの部分を、ホエイ(乳清)と言います。身近なものでは、ヨーグルトの上澄みにできる液体がこのホエイです。
そして、ホエイを主成分とする「ホエイプロテイン」には、人間が体内で生成できない必須アミノ酸が多く含まれています。とくに、筋肉のエネルギー源としても重視されているBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が豊富。
また、体内への吸収されるスピードも速いため、トレーニング直後に素早くタンパク質を補給したいときにおすすめです。
(参考:glico|ホエイ、カゼイン、ソイってなに?プロテインの種類について)
・カゼインプロテイン
生乳に含まれるタンパク質の約80%を占める、「カゼイン」を主成分とするのがカゼインプロテインです。ホエイプロテインとは対照的に不溶性で、体内での吸収スピードは比較的ゆるやか。腹持ちが良く満腹感が持続されるため、ダイエット中の間食や就寝前におすすめです。
さらに、カゼインプロテインには、グルタミンを豊富に含んでいるという特徴があります。グルタミンは、体内に最も多く存在しているアミノ酸で、傷ついた細胞の修復や筋肉の分解抑制、エネルギー源となるグリコーゲンの蓄積促進、免疫力の向上など、様々な生理機能に関わっています。非必須アミノ酸のため、体内でも生成できる一方、激しい運動や体調不良によって体にストレスが溜まっているときにはどんどん消費されてしまうため、グルタミンは比較的体内で不足しやすい栄養素と言えるでしょう。
そのため、運動前後にカゼインプロテインを飲むことで、効率よくグルタミンを補給することができます。
(参考:glico|グルタミンは筋トレの味方!効果や摂取タイミングについて)
植物性タンパク質のプロテイン
・ソイプロテイン
大豆を原料とするのが、ソイプロテインです。食物繊維が豊富で比較的ゆっくり吸収されるため腹持ちがよく、牛乳のタンパク質を原料としているプロテインよりも脂質が低いのが特徴とされています。
また、ソイプロテインは大豆が含むイソフラボンを一緒に摂取できるほか、代謝をサポートする効果も期待されていることから、ダイエットをしている人や、運動で身体を引きしめたい人におすすめです。
(参考:MORINAGAかんたん、わかる!プロテインの教科書|ソイプロテインの活用方法は?ソイプロテインの特徴やメリットについて解説!)
メーカーごとのプロテインの種類を紹介
前述したように、プロテインには、動物性タンパク質である「ホエイプロテイン」と「カゼインプロテイン」、そして、植物性タンパク質である「ソイプロテイン」の3種類があります。
国内で販売されているプロテインもこの3種類のいずれかですが、フレーバーや成分などで違いを出しています。ここでは主なメーカーが販売しているプロテインの種類や、代表的な商品の特徴を確認してみましょう。
ザバス プロテインの種類
ザバスのプロテインは、英国LGC社が運営する国際的なアンチドーピング認証「インフォームドチョイス」を取得しています。そのため、プロのアスリートでも安心して使用できるのが特徴。
さらに、使用目的ごとに「プロ」、「アスリート」、「ボディメイク」、「ボディシェイプ」とシリーズが細分化されており、理想の身体づくりを行うすべての方が自分に合ったプロテインを選べるようになっています。
商品例:
プロのアスリートにも認められている「プロ」シリーズの代表的なプロテインです。WPI(Whey Protein Isolate)という製法で作られた高純度のホエイプロテインを使用しており、タンパク質の含有量は90%以上を誇ります。
(参考:SAVAS)
「アスリート」シリーズは、ホエイプロテインとソイプロテインが使用されており、競技のタイプ別に配合が調整されているプロテインです。
瞬発力を求められる競技、持久力を求められる競技、減量や増量のためなど、自分の目的に合わせて選ぶことができます。
ニチガ プロテインの種類
ニチガのプロテインはクセのない風味が特徴。牛乳からホエイをろ過して凝縮する、WPC(Whey Protein Concentrate)と呼ばれる手法で精製されたホエイプロテインを使用しています。WPC後に、「膜処理」や「イオン交換」によって徹底的に不純物を取り除いたWIP製法に比べるとタンパク質の含有量は低いものの、比較的安価なためコストパフォーマンスを重視する人におすすめです。
商品例:
タンパク質80%以上のプロテインで、トレーニングにもダイエットにもおすすめされています。プロテイン独特の風味が苦手な人でも飲みやすいプレーンタイプで、牛乳に溶かしたり、料理に使ったりとアレンジが楽しめます。
(参考:NICHIGA)
ニトロテック プロテインの種類
ボディビルサプリメントを中心に取り扱うニトロテックのプロテインは、多相ろ過技術を用いて不純物や脂肪、乳糖を徹底的に取り除いています。ニューヨークキャラメル、ホワイトストロベリーなど日本限定味のフレーバーがあるのも、人気の理由です。
商品例:
WPI製法で生成された、高純度のホエイプロテインを使用した商品です。スプーン2杯で25gのタンパク質を摂取することができます。運動の前後のほか、タンパク質摂取をサポートするために食事の間に摂取するのも効果的です。
(参考:MUSCLETECH)
ゴールドスタンダード プロテインの種類
ゴールドスタンダードのプロテインは、前述したザバスと同じく、国際的なアンチドーピング認証「インフォームドチョイス」を取得済み。フレーバーは、日本人の好みに合うよう、甘さ控えめで飽きのこない味わいになっています。
商品例:
WPI製法で作られた、高純度のホエイプロテインを使用。液体に溶けやすいよう工夫されているため、ダマになりにくく、飲みやすいのどごしが特徴です。また、グルテンフリーなので、小麦アレルギーなどがある人でも使うことができます。
(参考:Optimum Nutrition(ON)|製品紹介(ゴールドスタンダードシリーズ))
ゴールドジム プロテインの種類
ゴールドジムは、トレーニングに適した目的別のプロテインを展開しています。
フレーバーは、ミルク、ベリー、チョコレートなどの定番フレーバーのほか、バナナシェイク、シュークリームなどの変わり種も。
粉末タイプ以外にクッキーバーもあり、間食やおやつのタイミングで手軽にプロテイン摂取ができるのも嬉しいポイントです。
商品例:
タンパク質85%以上の配合のホエイプロテインに、身体づくりに欠かせないビタミンB群を加えることで、トレーニング後のサポートに適したプロテインに仕上がっています。
(参考:GOLD’S GYMania|商品一覧)
持ち運びに便利な固形タイプのプロテインです。
粉末のプロテインは液体に溶かす手間がかかりますが、バータイプならいつでもどこでもサッと食べることが可能。また、保存食としても重宝されています。
マイプロテイン プロテインの種類
マイプロテインは、とにかくフレーバーが豊富なのが特徴です。チョコレート、バニラ、ストロベリークリームのほか、抹茶やティラミスなど50種類以上の味が用意されています。
また、生乳を使用せず完全植物由来のタンパク質から作られた、ビーガンプロテインも展開しています。
商品例:
50種類のフレーバーで展開されているホエイプロテイン。気分によって味を変える愛用者もおり、飽きずに楽しめると評判の商品です。
(参考:MYPROTEIN|ホエイプロテイン)
エンドウ豆、ソラマメ由来の植物性タンパク質を使用したプロテインです。動物性食品に頼らずに、ボディメイクをサポートしたい人に重宝されています。
(参考:MYPROTEIN|ビーガン プロテイン)
ウイダー プロテインの種類
ウイダーのプロテインは形態が豊富なのが特徴。定番の粉末タイプのほか、ゼリータイプ、ドリンクタイプ、バータイプなどがあるため、状況や好みに合わせてプロテインを摂取できます。
商品例:
「10秒チャージ」のキャッチコピーで知られる「inゼリー」にも、プロテインに特化した商品があります。「inゼリー プロテイン」は、ホエイペプチド(9000mg)とコラーゲンペプチド(6000mg)が配合されており、15gの高タンパクを手軽に効率よく補給できるのが特徴。トレーニング後だけでなく、食事バランスが気になる時のサポートにもおすすめです。
(参考:森永製菓オンラインショップ|inゼリー)
1本に15gのタンパク質を含んだプロテインバーです。しっかり腹持ちするため、トレーニング後だけでなく、小腹が空いたときのおやつとしても人気。
動物性タンパク質と大豆由来の植物性タンパク質の2種類のタンパク質に加え、タンパク質の働きをサポートするビタミンB群も配合されています。
大豆タンパクを主成分とする、粉末タイプのソイプロテインです。
1回分に含まれるタンパク質は約10gで、カルシウム、ビタミンD、ビタミンB群も含むため、日常的な栄養サポートにも使われています。また、乳製品を使用していないので、乳糖不耐症の方でも安心して飲むことができます。
(参考:森永製菓オンラインショップ|おいしい大豆プロテイン)
プロテインの選び方
プロテインを選ぶときは、どのような点に注目すればいいのでしょうか。
プロテインを継続的に摂取するために、購入前に確認したいポイントをご紹介します。
ポイント1:種類
前述したように、プロテインにはさまざまな種類があるため、目的に合った種類を選びましょう。トレーニング後にタンパク質をしっかり補給して、効率よく筋肉をつけたい方はホエイプロテイン、ダイエットや脂肪燃焼が目的の場合は、カゼインプロテインやソイプロテインがおすすめです。
また、商品パッケージに記載されている栄養表示を確認し、タンパク質の含有量やほかに含まれている成分で比較してもいいでしょう。
ポイント2:価格
プロテインは、継続して摂取することが大切です。そのため、購入しやすい価格かどうかも決め手のひとつになるでしょう。一般的に、ホエイプロテインは、カゼインプロテインやソイプロテインに比べて価格が高い場合がほとんどです。
「いきなり粉末タイプに挑戦するのは不安」という場合は、バータイプやドリンクタイプの手ごろな商品から試してみてもいいでしょう。
ポイント3:味
プロテインは口から摂取するものなので、味も大事な判断材料。口に合わないものを飲み続けるよりは、飲みやすいと感じるプロテインを無理なく飲みたいものですよね。
メーカーごとにさまざまなフレーバーがあるので、お気に入りの味を見つけてみましょう。
このほかにも、アスリートの場合はアンチドーピング認証「インフォームドチョイス」の認定有無を判断材料のひとつにするのもおすすめです。
(参考:glico|初心者向けプロテインの選び方)
ダイエット中におすすめのプロテイン
食事量をコントロールするダイエット方法も見受けられますが、空腹感が原因でリバウンドしてしまうことも。そこで、リバウンド防止策として、プロテインを摂取して満腹感をプラスするのがおすすめです。
また、筋肉量が減ると基礎代謝が悪くなり、引き締まった身体にならないこともあるため、ダイエットでも適度な筋肉は大切。そのため、ダイエットには運動と栄養バランスのとれた食時に加えて、プロテインを飲んで筋肉の成長をサポートしてあげましょう。
体型や筋肉量を変えず、体重のみを落としたい場合には、ソイプロテインがおすすめ。空腹感をまぎらわせたい場合は、ゆっくり吸収されるソイプロテインかカゼインプロテインがおすすめです。
(参考:Slim up Slim|ダイエッター・筋トレ初心者も「プロテイン」をとったほうがいいの?)
商品例:
身体を引きしめたい女性向けの商品です。ソイプロテインが使われており、鉄、カルシウム、マグネシウム、コラーゲンなど、美容にうれしい成分も同時に摂取できます。
ミルクティー風味なので、ドリンク感覚で飲みやすいプロテインです。
(参考:SAVAS|ザバス シェイプ&ビューティ)
カフェラテ風味のソイプロテインで、ホットでもアイスでもおいしく飲めるように作られています。
1回で約11gのタンパク質が摂取できるほか、コラーゲン、食物繊維、ミネラルなども手軽に補えるのが特徴です。
目的別に使い分けることで、より高い効果を発揮するプロテイン。自分の目的や摂取シーン、トレーニング内容に合わせて、プロテインの種類や成分も意識しながら使用してみましょう。