「ダイエットやボディメイクで理想の体型をつくりたい」。そんなときの指標になる数字として、よく活用されるのが「体脂肪率」です。体組成計などを使えば、自宅でも手軽に体脂肪率を測れるようになりました。
体脂肪率はダイエットの目安となるだけでなく、肥満かそうでないかのバロメーターとしてもよく用いられます。この記事では、知っているようで意外と知らない体脂肪率について、平均や理想値、具体的な計算方法について詳しく紹介します。
体脂肪率とは、その言葉通り「全体重に占める脂肪の割合」を示したものです。ここでいう脂肪とは、皮膚と筋肉の間に蓄えられる皮下脂肪と、お腹の内臓を中心に蓄積された内臓脂肪の両方を指しています。
体脂肪率が高いと、生活習慣病のリスクが高まったり、体型が崩れてしまったりというデメリットがあることはご存知の方が多いでしょう。しかし、脂肪はホルモン分泌や月経維持、体温保持など、身体に欠かせない大切な機能も担っています。そのため、体脂肪率が低すぎると、かえって元気がなくなったり病気になったりすることもあるのです。
体脂肪率の解説
体脂肪率とは、その言葉通り「全体重に占める脂肪の割合」を示したものです。ここでいう脂肪とは、皮膚と筋肉の間に蓄えられる皮下脂肪と、お腹の内臓を中心に蓄積された内臓脂肪の両方を指しています。
体脂肪率が高いと、生活習慣病のリスクが高まったり、体型が崩れてしまったりというデメリットがあることはご存知の方が多いでしょう。しかし、脂肪はホルモン分泌や月経維持、体温保持など、身体に欠かせない大切な機能も担っています。そのため、体脂肪率が低すぎると、かえって元気がなくなったり病気になったりすることもあるのです。
女性の理想の体脂肪率
女性と男性では、体脂肪率の基準に若干の違いがあります。体組成計などを開発しているメーカーでは、さまざまな研究を元に体脂肪率の理想値(あるいは標準値)を定めています。
その数値は体組成計メーカーによってばらつきがあるものの、女性の場合は21%〜29%の範囲が、標準よりやや下の理想的な数値とされています。そして、30%以上からは標準よりもやや上、または肥満、逆に20%以下になると低めと判定されます。
最近では、女性にも割れた腹筋を目指す方が増えていますが、うっすら縦線のはいった腹筋が見えるのは、体脂肪率が19%〜23%あたりがひとつの目安と言われています。そこからさらに進んで、シックスパックが出来始めるのは15%〜18%あたり。健康とスタイルをバランスよく両立させたい場合は、この数値より体脂肪率を下げないほうがいいでしょう。
シックスパックを目指すには、食事制限をするのではなく、しっかり栄養を摂って運動をすることが必要です。体脂肪率の数字だけを見ていても、理想のスタイルは手に入りません。姿見などを使って、定期的に今のコンディションをチェックしていきましょう。
(参考:ELECOM|Vol.16 男性・女性の体脂肪率の平均は?骨格筋率と併せてチェックしよう)
男性の理想の体脂肪率
男性は、女性と比べて筋肉量も体重も高い傾向にあります。そのため、体脂肪率の理想値も全体的に低め。男性の体脂肪率の標準値(標準やや下の値)は11%〜19%で、20%以上だと標準よりもやや上、10%以下だと低めと判定されます。
男性の場合は、体脂肪率が15%以下になると割れた腹筋が見えてくると言われています。シックスパックがはっきり分かるようになるとされている数値は、体脂肪率10%以下。ただし、前述したように体脂肪率が低すぎると健康に悪影響を及ぼす場合もあるので、10%をひとつの目安に、身体づくりをしてみましょう。
女性と同様に、シックスパックを目指すには食事量を制限するのではなく、「しっかり食べてしっかり動く」ことを意識してください。
年代別 体脂肪率の平均データ を標準値で見てみよう!
体脂肪率は、全国で一律の検査が実施されているわけではありません 。その代わり、各体組成計メーカーが性別・年齢による標準値を出しています。それを参考に、年齢別の体組成率の目安をチェックしてみましょう。
女性
男性
体脂肪率は何%だと肥満になるのか?
実は、肥満の目安として、体脂肪率はあまり積極的に用いられていません。体脂肪のうち、健康被害に直接つながりやすいのは内臓脂肪ですが、体脂肪率は内臓脂肪・皮下脂肪の両方を計算しているためです。とはいえ、体脂肪率が高いということは、内臓脂肪が多いかもしれないという推測にもつながるでしょう。
性別・年齢別の体脂肪率の標準値を見てみると、女性40%以上、男性は27%以上が肥満の傾向にあるとされます。
肥満と関係が深い病気として有名なものが、糖尿病や高血圧、脂質異常症などです。そして、内臓脂肪型肥満をきっかけとして、これらが組み合わさって起こっている状態を「メタボリックシンドローム」といい、心臓病・脳卒中にかかるリスクが高くなるとされています。
(参考:OmRon|内臓脂肪型肥満に気をつけよう)
体脂肪率の計算方法
具体的には、次のような計算で求められます。
体脂肪率(%)=(体脂肪の重さ(kg)÷体重(kg))×100
(例1)体重60kg、体脂肪の重さが15kgある人の場合
体脂肪率:(15kg÷60kg)×100=25%
(例2)体重70kg、体脂肪の重さが21kgある人の場合
体脂肪率:(21kg÷70kg)×100=30%
体脂肪率を測るには?
自宅用の体組成計では、体重計に乗るだけで自動的に体脂肪率を算出してくれます。このとき、体組成計は体脂肪の「重さ」を計測しているわけではなく、体内に微弱な電気を流して、そこから生まれた電気抵抗から体脂肪の割合を計算しています。
この計算方法は「インピーダンス法」と呼ばれ、電気抵抗が高い脂肪組織の特性を利用することで、体脂肪率を簡単に計測できるのが特徴です。家庭用の体組成計のほとんどで、このインピーダンス法が活用されています。
一方、インピーダンス法には弱点もあります。インピーダンス(電気抵抗)は、脂肪だけではなく、水分量などに大きな影響を受けてしまうため、起床直後で水分が少ないときや食事をして水分を摂取したときなど、時間やコンディションによって体脂肪率が大きくばらついてしまうのです。
そのため、体組成計で体重・体脂肪率の管理をしたいという方は、次の2点を意識することで、より正確な計測を行えるようになるでしょう。
・毎日一定の時間帯で測定して、コンディションによる体脂肪率のばらつきを起こりにくくする
・1回おきの体脂肪率の変動に一喜一憂せず、1週間〜1カ月などまとまった期間での数字から、体脂肪率の増減を確認する
体脂肪率の測り方には、このほかにも「キャリパー法」「水中体重秤量法」「空気置換法」など、さまざまな方法があります。
(参考:TANITA|体組成計の原理)
体脂肪率とBMIの違い
肥満度を表す指標として、体脂肪率と同様に活用されているのがBMIです。BMIは「Body Mass Index」の略で、日本語では体格指数と表記されます。BMIは国際的な指標としても有名で、次の計算式で求めることができます。
BMI=[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]
※身長はcmではなくmで求める点に注意です。
計算方法は世界各国で同じですが、数値による肥満の判定基準は、各国で異なります。日本の場合、BMIの判定基準は次のようになっています。
日本肥満学会においては、男女共にBMI22という数値が最も病気になりにくい平均的な数値とされています。とはいえ、BMIだけで肥満かどうかを完璧に判断できるわけではありません。なぜなら、BMIでは体重の「中身」が考慮されていないからです。たとえば、BMIが25以上ある人でも、筋肉質で内臓脂肪が少ない方は、肥満のリスクは低いといえるでしょう。
日本では、BMI以外に腹囲や中性脂肪・血圧・血糖値なども測定して、メタボリックシンドロームの診断を実施しています。
ダイエットや健康を意識している方は、体脂肪率とBMIの両方の数字から今の健康レベルをチェックしてみるといいかもしれません。
(参考:明治通りクリニック|体脂肪率とBMI)
ダイエットや減量では、ついつい体重ばかり気にしてしまいがち。その体重が何で構成されているのかを知る方法として、体脂肪率はとても有効な数字です。「最近ちょっとお腹が出てきたな…」「体型が心配になってきた…」という方は、今回紹介した「標準やや下」「標準やや上」の範囲内の体脂肪率を目指してみましょう。