日差しの強い季節は、少し外出するだけでも日焼けが気になりますよね。一度紫外線を浴びて日焼けしてしまったら、後からどうにかすることはできないと思っている人も多いのではないでしょうか。実は、日焼けしてしまった後でもすぐに正しい対処をすれば、色素の沈着をある程度防ぐことができるんです。
この記事では、日焼けの種類と日焼けしてしまった時のアフターケアを症状別に紹介します。紫外線が気になるこの時期、是非参考にしてくださいね!
「日焼け」には2種類ある
日焼けには2つの種類があるということをご存知でしょうか?
日焼けは2つのプロセスに分けられており、最初の段階は「サンバーン」、2つ目の段階は「サンタン」と呼んで区別されています。
サンバーン
サンバーンとは、紫外線を浴びて肌が炎症を起こしている状態で、日焼けした箇所が赤くなったり、肌が火照ったりします。ひどい場合には、ヒリヒリと痛みが出たり、水ぶくれになったりすることも。この時、肌は軽いやけど状態にあります。
紫外線を浴びてから数時間後に症状が出始め、そのまま2日ほど続きます。
サンタン
サンバーンの後に、赤かった部分が褐色に変化するのがサンタンです。このプロセスでは、サンバーンから皮膚を守るために体がメラニンという色素細胞を作り、これによって肌が褐色に変化するという現象が起きています。そのため、紫外線を大量に浴びるとメラニンが過剰に生成され、シミの原因になります。
個人差がありますが、紫外線を浴びてからだいたい2日後から7日後に、サンバーンからサンタンの状態に移ります。
日焼けは早めの処置が大切
メラニンが生成され始めるのは、紫外線を浴びてから約72時間経過した後と言われています。シミの原因となるメラニンが生成されて肌に沈着するのを抑えるためにも、この約72時間(3日間)のうちにしっかりとアフターケアをすることが重要です。
日焼けあとは冷やそう
それでは、日焼けした後は具体的にどんなケアをすればいいのでしょうか。日焼けあとのケアの鉄則は、まずはとにかく冷やして様子を見ることです。どのように冷やすのが良いか、その方法をいくつかご紹介します。
シャワーや冷水で冷やす
日焼けした後すぐのケアとして大事なのは、日焼けした部分の肌を冷やすことです。冒頭でもご紹介したように、日焼けは軽いやけどをしているのと同じ状態ですので、まずは紫外線に当たって熱をもっている部分を冷やしましょう。ただし、氷などで急激に冷やすと肌が剥離して水ぶくれができてしまう場合がありますので、冷水シャワーや水風呂などでゆっくりと時間をかけて冷やすのがポイントです。
水分補給で体内を冷やす
日焼けして肌が炎症を起こすと、肌の水分が蒸発してしまいます。そのため、広い範囲に日焼けした場合、脱水症状を起こす危険もあるのです。この失われた水分を補うために、日焼けした時は意識的に水分を取るようにしましょう。さらに、水を飲むことで火照りを取る効果も得られるので、肌の炎症を軽減することにもつながります。
保冷剤や濡れタオルで冷やす
日焼けした箇所が限られている場合や外出中でシャワーなどができない場合は、日焼けした箇所に保冷剤や水に濡らしたタオルを当てておくだけでも、日焼けの炎症を抑える効果が期待できます。ただし、紫外線を長時間浴び続けた肌は、炎症を起こしてとてもデリケートな状態のため、保冷剤を使う場合はタオルなどでくるみ、1か所に長く当て過ぎないように注意しましょう。
痛みが引いてきたら保湿しよう
日焼けをした肌は、受けたダメージによって水分をキープしにくい状態になっているため、そのまま放置すると乾燥してしまいます。そのため、日焼けした箇所を冷やしつつ水分を補給し、火照りがおさまって痛みがひいてきたら、しっかりと保湿をしましょう。
日焼けした肌は乾燥していて刺激にも敏感なので、化粧水やミスト、ジェルなど、刺激が少なく保湿力の高いものをやさしく塗ってください。日焼けした部分が顔の場合は、ローションマスクやパックなどもおすすめです。火照りが残っている場合には、鎮静作用のある成分入りのものを使うと有効です。
皮がむけてきたときのケア
続いて、日焼けが落ち着いて皮がむけてきた時に試したいケアをいくつかご紹介します。日焼けした箇所の皮がむけてきた場合、自分ではがしてしまっていいのか迷いますよね。基本的には無理にはがさず、ターンオーバーに任せるのが望ましいと言われています。
無理やりはがすのはNG
日焼けあとをできるだけ早く綺麗に治したいなら、皮がむけてきても無理にはがしてはいけません。皮がむけかけている状態は、怪我をしてかさぶたができている時と同じで、ダメージを受けた肌が再生するためにターンオーバーをしかけている状態です。そのため、皮を無理にはがしてしまうと、ダメージを受けた部分がむき出しになって外気や紫外線にさらされてしまい、ひどい場合は痛みを生じます。
完全にむけるまでには2週間ほどかかると言われていますので、その間は乳液やクリームを塗ってしっかりと保湿をすることを心がけましょう。肌がしっとりしていると、着替えの時などのちょっとした刺激で皮が大きくむけてしまうのを防ぐことができます。また、肌に水分を保つことで治癒力が向上するので、新しい皮膚を作るプロセスを助けることにもつながります。前述したように、ダメージを受けた皮膚も新しい皮膚も、刺激には敏感です。保湿に使う乳液などは、できるだけ刺激が少ないものを選ぶようにするのがいいでしょう。
入浴は低温のシャワーのみ
日焼け後は熱がこもっている状態のため、患部を温めるのはよくありません。日焼けした箇所の赤みが落ち着くまでは、湯船にはつからないようにしましょう。シャワーも低めの温度に設定し、なるべく日焼けあとに気を遣いながら入浴しましょう。
ビタミンを摂取しよう
肌のターンオーバーを促すため、ビタミンを摂取するのも有効です。特に肌にいいと言われているのがビタミンCで、柑橘類やいちご、キウイ、スイカ、トマト、パプリカなどに多く含まれています。市販のサプリなどを利用すれば、手軽に十分な量を摂取できるでしょう。また、フルーツジュースやスムージーでも、おいしくビタミンを摂取できますよ。
かゆみが出てきたときのケア
最後にご紹介するのは、日焼けあとがかゆくなった時のケア方法です。
前述したように、日焼けをすると皮膚の細胞がダメージを受けるため、肌が水分を保ちにくい状態になってしまいます。本来、肌にとっての水分は外の刺激から肌を守るバリア機能を担う大切なもの。そのため、水分が保てなくなっている時は、ほこりや雑菌などちょっとした刺激にも敏感になるので、かゆみを感じやすくなります。
爪でかきむしるのはNG
日焼けあとがかゆくても、爪でかいてはいけません。かきむしると肌が傷ついて、日焼けによって低下しているバリア機能がさらに弱まってしまいます。さらに、かきむしると肌の内部にヒスタミンというかゆみ物質が作られると考えられていますので、かゆみの悪循環に陥ってしまう可能性もあります。
薬用クリームを塗る
日焼けあとがかゆい時は、薬用のクリームを塗るのがおすすめです。クリームを塗ると肌の表面に油分の膜ができるため、肌の水分を保ちやすくなり、バリア機能が回復しやすくなります。
ただし、肌の炎症がおさまっていない状態でクリームを塗ってしまうと、炎症を肌の内側に閉じ込めることになり、炎症が悪化することにつながってしまう恐れがあるため、クリームなどは炎症がおさまるまでは使わないようにしましょう。それまでは、とにかく患部を冷やすことでかゆみをおさえることをおすすめします。
(参考:医肌研究所|日焼けして肌がかゆい!かゆみがでたときの対処法)
ゆったりした服に着替える
かゆみの原因の一つに、服の摩擦があります。服が日焼けあとに触れることで弱った肌が刺激され、かゆみを感じてしまうのです。
痛みやかゆみなどの症状は、紫外線を浴びた6時間後から48時間後が最もひどいと言われています。かゆみが落ち着くまでは、日焼けした箇所に当たらないようなゆったりした服を着て過ごすのがいいでしょう。
日焼けがひどい場合は皮膚科へ
紫外線を浴びた日の翌日以降にも強い痛みやかゆみが続いている時は、皮膚科を受診することをおすすめします。また、市販の薬では対処できずにかえって症状を悪化させてしまう場合もありますので、ひどい症状があるときには自己流で対応せず、必ず医療機関を受診するようにしてください。
夏場はどんなに対策をしても、どうしても日焼けしてしまうもの。日焼け止めを使っても日焼けしてしまった場合には、アフターケアをしっかり行うことが大切です。日焼けあとを綺麗に治して美肌を保てるように、この記事で紹介した症状別のケア方法を是非試してみてくださいね。