自宅で効率よく腹筋を鍛えることができるトレーニング用品として、腹筋ローラーに注目が集まっています。
そこで、この記事では腹筋ローラーの正しい使用方法や具体的なトレーニング方法、さらに購入する際の選び方などについて紹介します。腹筋トレーニングに力を入れたい人や、引き締まったボディラインを目指したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
腹筋ローラーとは?
腹筋ローラーは、車輪の両側についている持ち手を前方に転がし、腹筋に負荷をかけて鍛えるトレーニング器具です。ほかのトレーニング器具と比較すると、大きさは約30cm〜40cmと場所を取らず、さらに短時間で効率良く筋トレができるため、自宅でトレーニングをしたい人やジムに行く時間がない人に最適と言えます。
(参考:日本パワーリフティング協会│自宅で筋力トレーニングを実施するための器具・用品類)
初心者向けの腹筋トレーニング
手軽にトレーニングに取り入れることができる腹筋ローラーですが、筋力がない人やトレーニング初心者は、限界までローラーを押した後に引き戻すことができない場合があります。
そこで、初心者の方は体幹トレーニングとして知られている「プランク」から取り組んでみてください。プランクはお腹のインナーマッスルを鍛えることができる筋力トレーニングです。プランクに慣れてきたら、徐々に腹筋ローラーを使用したトレーニングに移行していきましょう
【プランク】
⑴うつ伏せの姿勢から腕を肩幅分広げて床につき、肘で支えるようにして上半身を持ち上げましょう。
⑵つま先を立てて、足から首まで一直線になるようにキープします。
⑶顔を上げ、目線を斜め前に向けましょう。
⑷この状態を30秒間保ちます。
この一連の動作を30秒で1セットとし、1日2セットを目安に取り組みましょう。
プランクをする際の重要なポイントは、お尻を下げずまっすぐキープすることです。トレーニング初心者の方は、疲れを感じてくるとお尻がどうしても下がりがちになるため、身体をまっすぐに維持することを意識して行うようにしましょう。
(参考:「コラム記事42」腹筋に効く腕立て伏せ|日本パワーリフティング協会について)
腹筋ローラーで鍛えられる筋肉や効果
腹筋ローラーはその名の通り、主に腹筋を中心に鍛える器具ですが、実は腹筋を含め、体幹全体をまんべんなく鍛えることができます。おもに、腹筋の中央に位置する「腹直筋」と側部に位置する「腹斜筋」、そして「上腕三頭筋」と背筋の一部である「脊柱起立筋」に効果が期待できるでしょう。
また、器具を使わない腹筋トレーニングに比べて、かかる負荷が大きく運動による消費カロリーも増加するため痩せやすい身体作りに適しています。
腹筋ローラーの使い方
腹筋ローラーは手軽に扱うことができ、かつ腹筋へ高い負荷をかけることができるため、まさに理想的な筋トレ器具と言えます。しかし、使い方を間違えると腰などに負荷がかかり、腰痛やケガの原因になってしまうことも。そこで、ここでは腹筋ローラーを使用する際の正しいフォームや注意点について詳しく紹介します。
腹筋ローラーを正しく使ったトレーニングで、引き締まった身体を手に入れましょう。
腹筋ローラーの基本フォーム
膝をついて行うトレーニングの際は、背中が反ったり、お尻を高く上げすぎたりすると、腰を痛める原因となります。そのため、トレーニング中は顎を引いて背中を少し丸め、目線をおへその下あたりに送ることを意識しましょう。
また、ローラーを転がす際に体重を上半身にかけすぎると腕や肩を痛めることがあります。腹筋にしっかり力を入れながら、下半身に重心を置くイメージで取り組んでください。
効果アップのために意識するポイント
腹筋ローラーを使用したトレーニングにおいてより高い効果を得るためには、引き寄せた腹筋ローラーを元の位置に戻す際、腕の力ではなく腹筋の力を使って戻す事が重要です。
息を吐きながらゆっくりと腹筋ローラーを押し、息を吸いながらゆっくりと元の位置に戻すことで、腹筋への負荷を高める意識を保ちやすくなります。
注意点・気をつけるポイント
腹筋ローラーを安全に使うためにも、初心者の方は壁に向かって膝をつき、ゆっくりと腹筋ローラーを動かしましょう。こうすることで、壁がストッパーの役割を果たし、背中が反って腰を痛めてしまうことを防いでくれます。
体の動かし方に慣れてきたら徐々に壁から距離をおき、体を大きく伸ばすようにしていきましょう。
【難易度別】腹筋ローラーのトレーニング法
ここからは、腹筋ローラーを使った具体的なトレーニング方法を難易度別に紹介していきます。正しい筋トレ方法で割れた腹筋や引き締まったウエストを目指しましょう。
※記事内で紹介しているトレーニングの回数やセット数はあくまでも目安です。ご自身の体調に合わせ、無理のない範囲で行なってください。
膝コロン
筋トレを始めたばかりの初心者の方は、まずは腹筋の基礎筋力を強化することを目的とした種目に取り組んでみましょう。なかでも、もっともおすすめのトレーニング方法は「膝コロン」です。
⑴腹筋ローラーを床に置いた状態で、床に膝をつきましょう。この時、足は肩幅よりも少し狭めに軽く広げておきます。
⑵膝をついたまま、腹筋ローラーをゆっくりと前に転がし、身体を伸ばしてください。限界まで伸ばしきったら、そのまま身体をゆっくりと前方に倒しましょう。
⑶倒れた身体を起こし、ローラーを手前に引いて⑴のポジションまで戻します。
この動作を10回で1セットとし、1日2セットを目安に行ってみましょう。
膝コロ
腹筋ローラーを使用したトレーニング方法の中でも、中級者レベルと言えるのが膝コロです。膝コロンよりもハードになりますが、腹直筋や腹斜筋といった腹筋の筋肉に加えて、上腕三頭筋や広背筋、脊柱起立筋などを鍛えるトレーニングとして効果が期待できます。
⑴腹筋ローラーを床に置いた状態で膝を床につけましょう。この時、足は肩幅よりも少し狭めに軽く広げておきます。
⑵膝をついたまま、腹筋ローラーをゆっくりと前に転がし、身体を伸ばしてください。転がしきったら(1)のポジションまでゆっくり戻しましょう
この動作を10回で1セットとし、インターバルを挟みながら1日3セット行ってみましょう。膝コロは、ある程度腹筋が発達していないと、体を前方に伸ばしてから元の体勢に戻ることが難しくなります。初心者の場合は無理のないセット数から挑戦してみてください。
立ちコロ
立った状態からローラーを倒す「立ちコロ」は下腹部や腹筋に大きな負荷がかかるため、引き締まったボディライン作りに一層高い効果が期待できる種目です。その一方で、難易度が高く上級者向けのトレーニングであるため、相当の筋力が必要になるでしょう。「膝コロ」が難なくできるようになってから、挑戦してみるのがおすすめです。
⑴立った状態で足を開き、膝と腰を曲げるようにして腹筋ローラーを掴みます。このとき、肘と手首はまっすぐに伸ばしてください。
⑵腹筋ローラーをゆっくりと前に転がし、身体を伸ばしていきます。このとき、膝が床につかないよう注意しましょう。
⑶限界まで転がしたらローラーを手前に引き、⑵のポジションまで戻します。
この動作を10回で1セットとし、1日2セット行ってみましょう。
腰を痛める原因となるため、背中は反らさず、顎を引きながら背中を少し丸めるようにして行ってください。
腹筋ローラーのよくある質問
ここでは、腹筋ローラーを使用したトレーニングに関しての疑問にお答えします。
腹筋ローラーで痩せる?
腹筋ローラーは、ほかのトレーニングに比べて体重を減少させる効果が大きいわけではありません。脂肪を減らすためには、適切な食生活と継続的なトレーニングが大切。腹筋ローラーは、あくまでその一部分を手助けするためのトレーニング器具であるということを覚えておきましょう。
トレーニング頻度や回数は?
トレーニングを行う頻度としては、週3日程度が推奨されており、これには筋肉が成長するメカニズムが関係しています。
トレーニングによって強い負荷がかかって破壊された筋繊維が回復するまでに必要な時間は、一般的にトレーニングを行ってから24時間後〜72時間後とされているため、それに伴ってトレーニングの頻度も調整していきましょう。
(参考:腹筋ローラー【器具解説】目的別に適切な種類と使い方|日本パワーリフティング協会について)
腹筋ローラーの選び方
腹筋ローラーは、ローラー数・太さが商品によって異なり、静音性に優れているものやアシスト付きのものなど、特徴も多岐にわたります。
そこで、最後に腹筋ローラーを買う際に重視すべき特徴や選び方について紹介します。自分の用途に合ったものを選びましょう。
車輪の数
車輪の数は多ければ多いほどは安定性が高く、比較的容易に取り組めるため、初心者の場合は二輪タイプや三輪タイプがおすすめです。より難易度の高いトレーニングを行いたい筋トレ上級者は、車輪が一つの一輪タイプのものを選ぶと良いでしょう。
一輪タイプは安定しづらく、腹筋ローラーが左右に傾くのを抑えながら動作しなければならないため、腹斜筋にも負荷を与えやすいという特徴があります。
ホイールの安定性
ホイールは、自身の筋力や求める負荷に合わせて大きさを選ぶのがおすすめです。ローラーの直径は小さければ小さいほど負荷がかかるため、慣れないうちは直径の大きいものから始めてください。
腹筋ローラーに慣れてきたら、小さな直径のものに買い替えるなどして、徐々に負荷を大きくしていきましょう。
グリップの握りやすさ・滑りにくさ
グリップは握りやすく、汗をかいた際に滑りにくいものを選ぶようにしましょう。
商品を購入する際に注目すべきは、ラバー素材のグリップを選ぶ場合は突起や溝の形状。安定性を重視したい場合は、発泡素材を使うことで汗を吸収させ滑りにくさに特化した器具がおすすめです。一方、衛生面を重視したい場合は、防臭加工に注目してみるのも良いでしょう。
静音性
集合住宅に住んでいて周りに音が響いたら困るという人や、早朝や夜遅くにトレーニングする機会が多く、家族になるべく聞こえないようにしたいという人には、「ベアリング」内蔵のローラーがおすすめです。
ベアリングがあることで車輪の回転がとても滑らかになり、ほかの腹筋ローラーと比較して、動作音を小さくすることができます。さらに静音性を追求したい場合は、腹筋ローラーの下にマットを敷くのもいいでしょう。
初心者向きのアシスト機能
トレーニング初心者の方や最初から強い負荷をかけることに不安があるという人は、ローラーにバネやチューブが内蔵されている腹筋ローラーを選ぶのも良いでしょう。これらの製品は、身体を起こす動作をアシストしてくれるため、腹筋にかかる負荷が小さくなります。
ブレーキ機能がついているものは身体が床に打ち付けられて怪我をするリスクを防ぐため、とにかく安全にトレーニングを行いたい人におすすめです。
また、まずは器具を使用せずに腹筋を鍛えたいという人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
手頃な値段で購入することができ、なおかつ場所を選ばずトレーニングに活用できる腹筋ローラーは、自宅で手軽に筋トレを続けたい人にぴったり。また、腹筋だけでなく体幹や腕の筋肉などを幅広く鍛えられる点も魅力のひとつと言えます。
腹筋ローラーを正しく使用して、憧れのボディを手に入れましょう。