体幹トレーニングとは、胸、背中、腰回りなど、首から上と腕・脚を除いた全ての部位を鍛えるために行われるトレーニングのこと。引き締まったボディラインを目指す方や、ダイエットとして痩せやすい身体作りを目指す方など、様々な目的に効果が期待できるとして注目を集めています。
この記事では、体幹を鍛えるメリットやおすすめのトレーニング方法などについて詳しく紹介します。
体幹とは
「体幹」とは、首から上と腕・脚を除いた、全ての部位のこと。さらに詳しくいうと、胸や背中の大きな筋肉や肩関節・股関節周辺の小さな筋肉まで、胴体の姿勢を保持するために稼働している筋肉が体幹です。
(参考:Tarzan│そもそも体幹って何ですか? 体幹トレと筋トレを同時にやると、想像以上に効率的)
体幹を鍛えるメリット
体幹を鍛えることで得られる最大のメリットは、筋肉のバランスが整うことによって身体の安定性が高まる点です。例を挙げると、体力向上や走る際のフォーム改善、怪我予防、運動競技におけるパフォーマンス向上、筋力増強によるシェイプアップ効果、などが期待できます。
さらに、体幹の筋肉が増すことで、日常生活において疲労を感じにくくなるほか、腰痛予防、姿勢改善などの効果も期待できます。
体幹リセットダイエットって何?
筋肉をゆるやかに刺激する運動によって身体のクセを正していくことで、痩せやすい身体をつくっていくのが体幹リセットダイエットです。
体幹トレーニングによって身体のクセが改善されることで、関節の可動域が広がります。すると、自然に身体の動きが大きくなって日常的に運動量が増えるため、基礎代謝の向上が期待できるのです。さらに、姿勢も正しく改善されるため、身体のラインが整い、見た目の印象にも変化が期待できるでしょう。
(参考:non-no web│【体幹リセットダイエット】1日5分の簡単トレーニング超ていねい解説&実況ルポ★)
体幹を鍛えるためのおすすめトレーニング
体幹トレーニングは動きが少ない種目が多いため、狭いスペースで大きな物音を立てる心配なく取り組むことができます。そのため、自宅トレーニングに最適だと言えるでしょう。さらに、自重を利用して行うものが多く、特別な道具を必要としないのも大きな特徴です。
体幹を鍛えるのに適した頻度とは
臀部や胸部など、回復に時間がかかる大きな筋肉のトレーニングの場合は、数日空けて取り組むことが推奨される場合がほとんどです。一方、体幹を構成している筋肉は比較的小さいものが多く、その分回復が速いため、体幹トレーニングは毎日取り組んでも問題ないでしょう。
ここからは、難易度や状況に応じて手軽に取り組むことが出来るトレーニング方法を紹介していきます。
プランク
お腹周りの筋肉を効率的に鍛えることができるプランクは、もっとも手軽に取り組むことのできる体幹トレーニングのひとつです。
⑴うつ伏せの姿勢で両肘を床につけましょう。このとき、足を腰幅に開き、腰を浮かせます。
⑵その姿勢のまま静止してください。
この動作を20秒間で1セットとし、3セットを目安に行ってみましょう。
プランクをする際は、頭・肩・腰・膝・踵が一直線になるように意識して取り組んでください。
ヨガ
ヨガのポーズは、体幹を引き締める効果が期待できるものが多いのが特徴です。中でも身体全身を引き締めることができる「猫のバランスポーズ」を紹介します。
⑴四つん這いの姿勢になります。このとき、手は肩幅、足は腰幅に広げてください。
⑵姿勢を保ったまま、右腕を肩の高さで前へ伸ばし、左足を後ろへ伸ばし、床と平行になるようにあげましょう。
⑶ゆっくりと息を吐き、5秒間ほど静止します。このとき、身体がぶれないよう前後に引き合うイメージを意識しましょう。
この動作を左右5秒間で1セットとし、3セットを目安に行ってみてください。
サイドブリッジ
腹斜筋を鍛えることができるサイドブリッジは、引き締まったくびれを目指す方におすすめのトレーニングです。
⑴床に右向きに寝転がりましょう。
⑵右肘を床につき、右腕と右足を支点にして体を持ち上げてください。このとき、右肘と右肩が床に垂直になるよう意識しましょう。
⑶肩から足までが一直線になるようにキープします。
この動作を左右30秒〜1分で1セットとし、3セットを目安に行ってみましょう。
お尻が出たり腰を反ったりすることがないよう注意してください。上側の足を上げた状態で行うことで、さらに負荷を強めることができます。
簡単に鍛える方法
体幹トレーニングには、立ったまま行うものやウォーキングを兼ねて行うものなど、日常の中で手軽に行うことができる種目もあります。ここでは隙間時間で取り組むことができるトレーニング方法を紹介します。
歩きながらできる体幹トレーニング
アップダウンウォーク
アップダウンウォークは、ウォーキングのステップにほんの少し工夫を加えるだけで体幹強化に効果が期待できます。家の中を移動する際に意識して取り入れてみましょう。
⑴歩くときに、膝を高く上げながら片足を大きく踏み出してください。
⑵踏み出したら、着地するときにランジの要領で膝を曲げて腰を大きく落とします。
この動作を繰り返し行いましょう。
(参考:Tarzan│歩く時間をジムにする。会社までの道すがらで「体幹×筋トレ」)
立ってできる体幹トレーニング
閉眼片足立ち
閉眼片足立ちは、その名の通り、片足立ちで行う体幹トレーニングです。足をつかないよう踏ん張って立ち続けることで、体の軸を支える筋肉を鍛えられると同時に、バランス感覚を養うことができます。
⑴目を閉じて直立します。
⑵そのまま片足を90度に上げましょう。このとき、上げた足が反対の足につけないよう注意してください。
⑶片足立ちの姿勢を保ったまま、バランスが崩れるまで静止します。反対の足も同様に行いましょう。
(参考:glico│初心者も今日から始められる!【目的別】体幹トレーニング)
道具や器具を使って鍛える方法
続いて紹介するのは、身近にある道具を使用して体幹を鍛える方法。道具を使うことで、より大きな負荷を求めたい場合やトレーニングのマンネリ防止などに役立ちます。
椅子
椅子を使って行う体幹トレーニングはデスクワークの運動不足解消にぴったりです。いくつかあるトレーニングの中から、仕事や勉強の休憩に気軽に取り組める種目「ヒップフロート」を紹介します。
ヒップフロート
⑴背筋を伸ばした状態で椅子に座り、座面の両端をそれぞれ両手で握ります。
⑵腹筋と腕に力を入れてお尻を座面から浮かしましょう。
⑶その状態のまま3秒間静止してください。
この動作を左右5~10回で1セットとし、2セットを目安に行ってみましょう。体の重心のバランスをとることが難しい場合は、上体を気持ち前に傾けてみてください。
チューブ
腹直筋の引き締めに効果が期待できる「チューブ・クランチ」は、ぽっこりお腹の解消にもおすすめ。チューブを使用することで、簡単に上体を起こすことができるため、腹筋運動が苦手な人や筋力に自身が無い人にも最適です。
チューブ・クランチ
⑴床に座って足の裏にチューブをかけます。
⑵チューブの長さが左右同じになるように掴み、 膝が90°になるように曲げて足を浮かせた状態で、上半身を後ろに倒してください。
⑶上体をゆっくり起こします。
この動作を左右10回で1セットとし、3セットを目安に行ってみましょう。上体を起こす際に、反動を使うと腰を痛める危険があるため注意してください。
(参考:日本パワーリフティング協会│チューブクランチ【種目解説|男女共用】腹直筋のゴムバンド筋トレ)
ボール
手頃な価格で手に入れることができるバランスボールは体幹を鍛えるのに最適なアイテム。不安定なボールの上でバランスを取ることで体幹の筋肉に刺激を与え続けることができます。
ここでは、バランスボールを使って行う「フロントブリッジ」を紹介します。
フロントブリッジ
⑴バランスボールに両肘と前腕をつき、脚をまっすぐ伸ばします。
⑵頭から踵までがまっすぐ一直線なるように腰を持ち上げましょう。この状態のまま静止してください。
この動作を20秒間で1セットとし、3セットを目安に行ってみましょう。姿勢をキープしている際は、背中が丸まったりお尻が上がったりしないよう意識してください。
(参考:Fungoal│バランスボールって良さそうだけど、イマイチ使い方がイメージできない方必見)
ストレッチポール
様々なエクササイズをサポートしてくれるストレッチポールは、体幹トレーニングにも活用することができます。ポールを使用することで、より正しいフォームで体幹に刺激を与えることができる「ニートゥエルボー」を紹介します。
ニートゥエルボー
⑴四つん這いの姿勢になりましょう。このとき、手が肩の真下に来るように置いてください。
⑵頭からお尻が一直線になるようにキープします。
⑶背中にポールを乗せてください。
⑷左腕と左足を同時に伸ばします。伸ばした手足のそれぞれ肘と膝をへその下でつけましょう。
この動作をそれぞれ左右10回ずつで1セットとし、3セットを目安に行ってみましょう。腰を反らないように注意して取り組んでください。
フラフープ
フラフープを使うと、腹斜筋を中心にお腹周りや腰回りの筋肉を効率的に鍛えることができるほか、腰回りの筋肉が鍛えられることで腰痛の予防に効果も期待できます。また、遊ぶ感覚でトレーニングができるため、楽しみながら手軽に体幹を鍛えたい方にぴったりのアイテムと言えるでしょう。
靴・スリッパ
最近では、多くのメーカーから「体幹を整えるスリッパ」が販売されています。
このアイテムは、足底部の傾斜によって身体の重心を後ろに保つことで、下腹部や下半身に自然と力が入る形状をしているため、日常的に履くことで手軽に体幹を鍛えることができるでしょう。トレーニングを継続する時間が無い方や常に体幹を意識して生活したい方におすすめです。
子どもや高齢者におすすめの体幹トレーニング
ここまでに紹介したとおり、体幹トレーニングとは胴体部分の筋肉を鍛える運動のこと。部分的に鍛える筋力トレーニングとは異なり、関節に大きな影響を与えず効率的に身体の基盤を整えることができるとされています。そのため、正しく取り組めば、子どもの身体的成長を妨げる心配や高齢者が筋を傷めてしまう不安なく行うことができるでしょう。
子どもにおすすめの体幹トレーニング
子どもが体幹トレーニングによって身体全体を使って動けるようになることで、正しい姿勢を身に付けられるだけでなく、運動能力の向上も期待できます。ここでは、もっとも簡単に取り組むことができる「片足T 字バランス」を紹介します。
片足T 字バランス
⑴背筋をしっかりと伸ばし、腕が地面と水平になるように大きく広げて直立します。
⑵片足立ちになりましょう。このとき、曲げた方の足の膝と股関節の角度は90度になるよう意識してください。
この動作をそれぞれ左右20~30秒ずつで1セットとし、2セットを目安に行ってみましょう。
(参考:Fungoal│子供の体幹をバランストレーニングで鍛えよう!姿勢が良くなり、スポーツ・学習に積極的になる!)
高齢者におすすめの体幹トレーニング
医療施設などでリハビリとしても行われているとされている体幹トレーニング「ヒップリフト」を紹介します。「ヒップリフト」は、主に腹部と臀部、下肢の筋肉を刺激することができるほか、低負荷で簡単に取り組むことができるため、トレーニング初心者の方にもおすすめです。
ヒップリフト
⑴仰向けに寝て、両膝を立ててください。このとき、床と腰の間に空間ができないように気を付けてください。
⑵息を吐きながらお腹をへこませ、ゆっくりと5秒間かけてお尻を上に上げます。このとき、肩・腰・膝が一直線になるよう意識しましょう。
⑶ゆっくりと5秒間かけてお尻を下におろしていきます。
お尻を浮かせる際は、腰が反りすぎないよう気を付けて行ってください。
(参考:健康長寿ネット│体幹トレーニング)
体幹を鍛えると、ボディメイクやシェイプアップ効果が期待できるだけでなく、体力向上や怪我予防など様々なメリットがあります。フラフープやバランスボールを効率的に活用すれば、楽しくエクササイズできる点も嬉しいポイントと言えるでしょう。記事で紹介した内容を参考に、日常生活に体幹トレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。