自分の体型をチェックする際、いまひとつ基準がよく分からないという方も多いはず。そんな時に役立つのが、肥満度や体格を判定できる「BMI」という体格指数です。
そこでこの記事では、ダイエットやボディメイクにも役立つBMIについて、計算方法や性別・年齢別の平均値を詳しく紹介します!自分の体型が同世代の平均と比較してどのくらいの状態と判断できるのか、ひとつの目安としてチェックしてみてください。
BMIとは
BMIとは「Body Mass Index(ボディ・マス・インデックス)」の略で、体重と身長を基に算出した「肥満度」を表すための指標です。WHO(世界保健機構)では、BMIが30以上の人を肥満(英語でObese)と定めています。
(参考:BMI|e-ヘルスネット)
BMIの計算方法
BMIは、次の数式で求めることができます。
体重(kg)÷身長(m)の2乗
例1)身長150cm、体重50kgの人の場合 50kg÷1.5mの2乗=22.2
例2)身長170cm、体重80kgの人の場合 80kg÷1.7mの2乗=27.7
簡単な計算ですぐ求めることができるため、気になった方は自分の身長、体重でそれぞれ計算してみましょう。
BMI基準値
BMIによる肥満度の判定基準は、国によって異なります。日本では日本肥満学会がその基準を定めていますが、WHOと日本肥満学会の数字を比べてみましょう。
(1)WHOの基準
(2)日本肥満学会の基準
このように、WHOではBMI30以上が「肥満」と認識されるのに対し、日本ではBMI25を超えると「肥満」の状態とされ、脂質異常症、糖尿病、高血圧の生活習慣病のリスクが通常の2倍以上になると言われています。そのため、健康を表す指標の1つとして、「BMIが25未満である」というのはとても大事な基準なのです。
適正体重・美容体重・シンデレラ体重のBMI
実際にボディメイクの指標ともなる、適正体重・美容体重・シンデレラ体重の3つ理想体重のB M Iを見てみましょう。
適正体重は、普通体重のなかでも「もっとも健康的」とされている理想体重で、BMIは22です。美容体重は「見た目がスリム」とされている理想体重でBMIが20、シンデレラ体重はいわゆる「モデル体型」とされている理想体重で、BMIが18となっています。
3つの理想体重は、それぞれのBMIから次の計算で求められます。
・適正体重=身長(m)の2乗×22
・美容体重=身長(m)の2乗×20
・シンデレラ体重=身長(m)の2乗×18
例)身長160cmの人の場合
・適正体重=1.6mの2乗×22=56.3kg
・美容体重=1.6mの2乗×20=51.2kg
・シンデレラ体重=1.6mの2乗×18=46.1kg
自分がなりたい理想の体型の目安として、この3つの体重を指標にしてみるといいかもしれません。
芸能人のBMIを紹介
スラリとした体型の芸能人やモデルを見ると、憧れたりダイエットやトレーニングのモチベーションになったりするという方は多いはず。では実際、公に身長・体重が公開されている女性芸能人の方のBMIは、どのような数値なのでしょうか?実際に調べてみました!
(1)新垣結衣さん
身長:165cm
体重:48kg
BMI:17
(2)長澤まさみさん
身長:168cm
体重:48kg
BMI:15.2
(3)綾瀬はるかさん
身長:165cm
体重:49kg
BMI:18
(4)石原さとみさん
身長:157cm
体重:45kg
BMI:18.3
(5)ローラさん
身長:165cm
体重:48kg
BMI:17.6
女優・モデルの人たちは、BMI18かそれ未満の方ばかりなのが特徴的です。BMI18をシンデレラ体重と呼ぶ理由が、こうした数字からもよく分かりますね。
【女性】年齢別 BMI平均表
ここからは、性別・年齢別でBMIの平均がどうなっているのかを見てみましょう。女性は年齢別で比較すると、10代〜20代を通して美容体重であるBMI20前後で推移しており、年齢を重ねても標準体重である22に近い数字であることが分かります。
10代 女性
BMIの平均値は19.9です。
20代 女性
BMIの平均値は20.8です。
30代 女性
BMIの平均値は21.3です。
40代 女性
BMIの平均値は21.9です。
50代 女性
BMIの平均値は22.6です。
70代 女性
BMIの平均値は22.9です。
【男性】年齢別 BMI平均表
次に男性を見てみましょう。男性の場合、30代あたりをきっかけにBMIが(日本肥満学会における)肥満の基準値である25にどんどん近づいていくのが分かります。責任のあるポストを任されるようになったり、夜遅くまで仕事をしたりなど、生活の変化がBMIにも表れているのかもしれません。
歳を重ねるにつれて、体重管理にはより気をつける必要がありそうですね。
10代 男性
BMIの平均値は20.7です。
20代 男性
BMIの平均値は22.3です。
30代 男性
BMIの平均値は23.6です。
40代 男性
BMIの平均値は24.1です。
50代 男性
BMIの平均値は23.9です。
70代 男性
BMIの平均値は23.3です。
日本人の平均BMI推移
ここからは、1990年から2015年にかけて日本人のBMIにどのような変化が起きたのか、その推移を見ていきましょう。厚生労働省が2年に1度、国民の食生活や体格、健康などを基に発表している「国民健康・栄養調査」に掲載された身長・体重から、男女それぞれのBMIの平均の推移も出してみました。
(1)女性
(2)男性
女性は現代に近付くに伴って、徐々にBMIが減少傾向にあります。一方、男性の場合、BMIは増加傾向となっており、男性と女性でまったく反対の推移を見せていることが分かります。
(参考:平成28年 国民健康・栄養調査報告│P172〜175の身長・体重より算出(男女ともに20歳以上から抜き出し))
BMIと体脂肪率で肥満度がわかる!
BMIは身長・体重という2つの数字だけで、肥満度をシンプルに測定できる点が特徴です。しかし、ダイエットやボディメイクをする際に、BMIの数字のみを基準にすることはおすすめできません。なぜなら、BMIには「体脂肪率」が考慮されていないからです。
そのため、ダイエットをする場合は、BMIに加えて体脂肪率にも注目するようにしましょう。
体脂肪率とは
体脂肪率とは、体脂肪(皮下脂肪や内臓脂肪)が体重に占める割合ことです。例えば、体重50kgのうち、体脂肪が10kgであれば体脂肪率は「20%」と計算できます。
体組成計メーカーなどが推奨している理想の体脂肪率は、女性の場合で21%〜29%、男性の場合で11%〜19%とされています。
より詳細に体脂肪率について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
(参考:体脂肪率や内臓脂肪レベルを知っていますか?|OMRON)
BMIと体脂肪率の関係とは?
先述したとおり、BMIはあくまでも体重と身長のみで割り出した数字であり、その人の体重が何で構成されているかは判断できません。
例えば、170cmで70kgの体重の人はBMI24.2となるため、やや肥満に近い体型とされます。しかし、まったく同じBMIでも、「日常的に運動を行っている人」と「運動不足の人」では、主に見た目に大きな差があることに加え、生活習慣病のリスクなども、前者の人の方がはるかに少ないでしょう。
BMIは標準より低いのに、なぜかお腹がぽっこり出た体型になっている。
BMIは標準以上にあるけれど、引き締まった体型をしている。
こうした矛盾を解決してくれるのが、体脂肪率の値です。BMIと体脂肪率の2つの数字を組み合わせて自分の身体を分析することで、より具体的にダイエットやボディメイクの方向性が見えてくるでしょう。
BMI・体脂肪率を使った体型診断
ここでもう一度、BMIの標準値と体脂肪率の標準値をおさらいしましょう。
日本肥満学会による、標準体重のBMI
・BMI=18.50以上〜25.00未満
男女別の理想の体脂肪率
・女性=21%〜29%
・男性=11%〜19%
ダイエット・カラダ作りにおいてBMIを参考にする場合は、この2つの判断基準から、自分の体型を理解していくことをおすすめします。
(1)BMIは標準だけど体脂肪率が高い「かくれ肥満タイプ」
「体重は軽いけど体型に不満がある」という女性に多いのがこのタイプです。運動不足の傾向にあるため、ウォーキングや簡単な筋トレなどを日常に取り入れてみるといいでしょう。
筋肉は脂肪より重いため、運動を始めて筋肉がつき始めると体重が増えてしまうこともあります。しかし、そこを乗り越えれば、よりメリハリがあって健康的なスタイルを手に入れることができるでしょう。
(2)BMIも体脂肪率も低い「やせタイプ」
やせタイプは、ダイエットを目的としている人にとっては、うらやましいタイプと言えるかもしれません。しかし、「頻繁に体調不良になる」という方や「もっとメリハリのあるスタイルを手に入れたい」など目標がある方は、「しっかり食べて運動する」など、日常生活を見直してみましょう。
(3)BMI・体脂肪ともに標準の「理想的なタイプ」
食事・運動のバランスが非常に優れた、もっとも理想的な数値の人です。この状態を目指して、ライフスタイルを見直していきたいですね。
(4)BMIも体脂肪率も高い「肥満タイプ」
肥満タイプに該当する場合は、やせタイプの人と同様に、食事と運動両面で習慣を見直してみるのがおすすめです。特に摂取カロリーの見直し、食事内容の改善、有酸素・筋トレを行うなど、より計画的にダイエットに取り組んでみてください。
(5)BMIは高いが体脂肪率が低い「筋肉質タイプ」
ボディメイクを目的としている人にとって、筋肉質タイプは理想的なスタイルの1つと言えるでしょう。アスリートや運動経験者、ボディメイクの大会出場者に多く、BMIに悩む人ほとんどいません。
健康志向で体重を落としたい方は、摂取カロリーを調整する、トレーニングの内容を低負荷の種目や有酸素運動にしてみるなど、食事と運動の両方を工夫してみましょう。
性別、年齢別、年代別のBMIと比べて、皆さんのBMIはいかがでしたか?標準よりも高すぎていたり、反対に低すぎていたりと気になる点があった方は、健康や美容目的でダイエットや食生活の見直しなど改善を目指しましょう。
また、ダイエットを目的とする方は、BMIだけで体型を判断してしまうのは危険です。BMIと一緒に体脂肪率もチェックしつつ、自分の理想体型に向けた計画を立ててください!