脂肪燃焼を目的としたエクササイズには、ランニング、自転車、エアロビクスなどさまざまな種類があります。そのなかでも、男女問わず人気を集めているのが、ボクシングをベースに誕生した「ボクササイズ」です。
この記事では、ダイエットや美容などにおいて多くの効果が期待されているボクササイズの特徴や魅力について詳しく紹介していきます。
ボクササイズとは
ボクササイズとは「ボクシングエクササイズ」の略称で、パンチを中心に全身の筋肉を使うボクシングの動作をエクササイズ風にアレンジしたトレーニングです。
具体的には、ジャブやストレート、フック、アッパーなどの多様なパンチ、パンチを避ける動作であるスウェーやダッキングなど、ボクシング特有の動きを利用したエクササイズをインストラクターの指示通りに行います。ステップを踏みながらしっかり身体をひねったり前後に倒したりするため、全身運動として効果が期待できます。
(参考:GINZA Luxool|スポーツジムのボクササイズが人気!ボクシングの動きで楽しくダイエット)
ボクササイズで得られる効果
ここでは、ボクササイズを行うことで期待できる様々な効果について紹介します。
楽しくストレス発散できる
ウォーキングやランニングといった一般的な有酸素運動とは異なり、パンチやキックをする動きは、なかなか日常生活で行うことはありません。また、動きもシンプルであまり考えずに全身を動かすことができるため、ストレスを発散しながら楽しく運動をするのにぴったりと言えるでしょう。
全身をくまなく使って運動できる
ボクササイズでは、パンチやキック、ステップによって全身を大きくひねったり動かしたりするため、上半身・体幹・下半身の筋肉を効率よく鍛えることができます。同時に、脂肪燃焼効果の高い有酸素運動でもあるため、まさに一石二鳥なエクササイズと言えるでしょう。
基礎代謝アップで痩せやすい体に
基礎代謝とは、私たちが何もせずに安静している状態でも、筋肉や内臓などによって消費されるエネルギーのことです。無酸素運動としての側面を持ち、筋肉の成長も期待できるボクササイズを続けることで、基礎代謝の底上げ効果も期待できるでしょう。
普段から消費するエネルギーが増えることで、その分脂肪燃焼の効果アップも期待できるため、結果として「太りにくくやせやすい」理想の身体を作ることができるのです。
アンチエイジング効果
ボクササイズのように比較的負荷の高い運動を行うと、成長ホルモンの分泌が促進されます。成長ホルモンは脂肪の分解や、筋肉をはじめとした細胞の再生に働くホルモンです。脂肪燃焼によって見た目が変わり、年齢とともに衰えていく筋肉を補強するという2つの効果で、年齢よりも若々しいスタイルを目指すことができるでしょう。
汗をかくことで美肌効果アップ
ボクササイズを行うことで代謝が高まり、大量の汗をかくことができます。汗は体内の老廃物を体外に出してくれるため、美肌効果が期待できるでしょう。また、汗に含まれる乳酸ナトリウムや尿素は、皮膚の角質に浸透して肌を乾燥から守ってくれます。
ボクササイズが人気の理由
数多くあるダイエット向けエクササイズのなかでも、高い人気を誇るボクササイズ。その理由としてよく挙げられるのが、次の2点です。
どこでもできる
ボクササイズは特別な器具を必要とせず、それほど場所を取るエクササイズでもないため、自宅でも行うことが可能です。
もちろん、キックやステップを行ったり、サンドバッグなどのアイテムを使ったりする場合はある程度のスペースが必要になりますが、条件を付ければ狭いスペースでもしっかりと全身を動かすことができます。
まず、身体を半身の姿勢にして、両手を顔の前で構える「ファイティングポーズ」を取ってください。そして、前方にある手をまっすぐ突き出せば「ジャブ」になり、後方の手を真っ直ぐ突き出せば「ストレート」になります。このほかにも、腕を身体の横から回して打つ「フック」や、腕を下から上へ突き出す「アッパー」といったパンチも含めて、1分〜3分間さまざまなバリエーションでパンチを打ってみましょう。上記の動作に加え、膝を軽く曲げて上下に揺らしてリズムを取るようにすれば、下半身の筋肉も活用することができます。
体力向上で疲れにくくなる
ボクササイズは短い時間で高負荷のエクササイズができるため、心肺機能向上=体力向上の効果も期待できます。また、体力の向上によって自然と運動量が増えるため、日常的に多くのエネルギーを消費できるようになるでしょう。
ボクササイズでよくある質問
ここからは、「ボクササイズはいつから効果がでる?」「ボクササイズってどれくらいカロリーを消費するの?」など、ボクササイズに関しての気になる疑問にお答えしていきます。
どのくらいで効果が出てくる?
ボクササイズなどの有酸素運動による脂肪燃焼効果が表れる時期には大きく個人差がありますが、毎日20分程度の有酸素運動を続けた場合、一般的には約1ヶ月で体重の変化を実感しやすいとされています。そのため、体型の変化をハッキリ実感したい場合は、最低でも3ヶ月間は運動を継続してみましょう。
ボクササイズの消費カロリーはどのくらい?
運動によってどれだけのエネルギーを消費するかを表す指標として、METs(メッツ=運動強度)という単位が用いられます。METsは次の計算で求めることが可能です。
体重(kg)×運動時間(h)×運動強度(METs)=消費カロリー(kcal)
何もせず安静にしている状態を1METsとした場合、柔道や空手、ボクシングといった格闘技の運動をほどよく疲労を感じる程度の力で行った際の運動強度は10.3METs。この数値は、有酸素運動として代表的なウォーキング(2~4METs)やジョギング (6METs)と比較すると、かなり高い数値と言えます。
実際に、ボクササイズの消費カロリーを計算してみましょう。ここではひとつの目安として、体重55kgの女性がボクササイズのスタジオレッスンを、1時間受けたと仮定します。
(1)ほどほどのペースで運動した場合
55kg×1h×10.3METs=566.5kcal
(2)ややゆっくりとしたペースで運動した場合
55kg×1h×8METs=440kcal
ご飯1膳分が約170kcalのため、ボクササイズによってご飯約2.5膳〜3.5膳分のエネルギーを消費できるでしょう。
(参考:国立健康・栄養研究所│身体活動のメッツ(METs)表)
男性でもボクササイズ効果はある?
基礎代謝アップやシェイプアップ効果が期待できることから、女性に人気が高いボクササイズですが、筋力アップの面でも効果が期待できるため、男性にとってもおすすめのエクササイズと言えます。
また、パンチやキックの動作はストレス解消にも向いているため、これからトレーニングを始めようと思っている男性も、ぜひボクササイズも検討してみてください。
暗闇ボクササイズとの違いは?
近年では、暗い空間でリズミカルな音楽を聴きながら運動する「暗闇フィットネス」が人気を集めています。
その一種である「暗闇ボクササイズ」は、音楽の流れる暗がりの空間で行うボクササイズ。通常のボクササイズと比べると、音楽に合わせてリズミカルに体を動かすことで運動量も増えやすく、暗闇のため周りを気にせず自分のペースでプログラムに取り組むことができます。非日常的な空間で、めいっぱい身体を動かしたいという人におすすめです。
キックボクササイズとの違いは?
「キックボクササイズ」は、かまえた姿勢でのステップやキックなど、キックボクシングの動きを生かした動作をリズム良く行うエクササイズです。
一方で、ボクササイズとして行うエクササイズのなかには、キック動作も入れたプログラムを行っているジムもあります。そのため、一概にボクササイズ=パンチだけ、キックボクササイズ=キック+パンチと言い切れるわけではありません。
キックボクササイズの動作も取り入れたいという方は、フィットネスクラブなどでボクササイズを始める際に、キックの動きがあるのかどうかを確かめてみるといいでしょう。
ボクササイズは多くのエネルギーを消費することで脂肪を燃焼しつつ、筋肉を鍛えてシェイプアップ効果も期待できる効率的なエクササイズです。これから運動を始めたいという人は、まずボクササイズから始めてみてはいかがでしょうか?