ダイエットで大切なことは、摂取カロリーを消費カロリーが上回ること。では、具体的にどんな運動をすると、どれくらいのカロリーを消費できるのでしょうか?そんな疑問にお答えするため、今回は身近な運動やスポーツ別の消費カロリーを徹底調査!さらに、それぞれの運動から消費カロリーのランキングも掲載しています。
ダイエットのために具体的にどんな運動をすればいいかわからない方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
消費カロリーとは何かをおさらい
そもそもカロリーというのは、1リットルの水の温度を1度上げるために必要なエネルギーの単位[cal]です。私達は食べ物を摂取することで、生命維持に欠かせないエネルギーを得ていますが、この時に得られるエネルギーを「摂取カロリー」と呼びます。それに対して、日々の生活や運動で消費するカロリーは「消費カロリー」と呼びます。
消費カロリーはさらに2種類に分類され、何もせず安静な状態でも使い続けているエネルギーを「基礎代謝」、運動などで消費するカロリーを「活動代謝」と呼びます。今回紹介する消費カロリーは、このうちの活動代謝を示す数字です。
「基礎代謝」についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
運動で消費するカロリーの計算方法
運動や日常動作での消費カロリーは、METs(メッツ)という単位を用いて計算することができます。
METs(メッツ)について
メッツとは、運動の強度を表す単位で、安静時を1とした場合、運動によってその何倍のエネルギーを消費するかを示しています。例えば、掃除をかけたり歩いたりする場合は3〜3.5METs、ゆっくりとしたジョギングは6METsです。
実際に消費するカロリーは、次の計算式で求めることができます。
METs×時間×体重(kg)=消費カロリー(kcal)
(参考記事:e-ヘルスネット|メッツ/METs)
消費カロリー一覧【運動編】
ここからは、実際にそれぞれの運動によって何kcalを消費するのか見ていきましょう!なお、特別な断りがない場合、運動時間は全て1時間で計算しています。また、消費カロリーの計算には体重が必要となりますが、今回は20歳以上の平均体重である、男性66.8kg、女性53.2kgをもとに計算しています。
(参考記事:平成28年 国民健康・栄養調査報告)
ウォーキング
ここでのウォーキングは、ゆっくりしたペースで歩く運動のことです。
6000歩の消費カロリー(約1時間)
・METs=3.5
・消費カロリー(男性)=約233.8kcal
・消費カロリー(女性)=約186.2kcal
7000歩の消費カロリー(約1時間10分)
・METs=3.5
・消費カロリー(男性)=約272.8kcal
・消費カロリー(女性)=約217.2kcal
8000歩の消費カロリー(約1時間20分)
・METs=3.5
・消費カロリー(男性)=約311.7kcal
・消費カロリー(女性)=約248.3kcal
(参考:厚生労働省│身体活動・運動)
ランニング
(1)時速6.4kmの、スロージョギングのペースの場合
・METs=6.0
・消費カロリー(男性)=約400.8kcal
・消費カロリー(女性)=約319.2kcal
(2)時速8kmの、ジョギングとランニングの間くらいのペースの場合
・METs=8.3
・消費カロリー(男性)=約554.4kcal
・消費カロリー(女性)=約441.6kcal
ランニングの消費カロリーについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみましょう。
自転車
(1)時速16.1kmの、通勤程度のペースの場合
・METs=4.0
・消費カロリー(男性)=約267.2kcal
・消費カロリー(女性)=約212.8kcal
(2)時速19.3〜22.4kmの、レジャー目的で少し速いペースの場合
・METs=8.0
・消費カロリー(男性)=約534.4kcal
・消費カロリー(女性)=約425.6kcal
水泳
(1)平泳ぎでゆっくり泳いだ場合
・METs=5.3
・消費カロリー(男性)=約354.0kcal
・消費カロリー(女性)=約282.0kcal
(2)クロールでゆっくり泳いだ場合
・METs=5.8
・消費カロリー(男性)=約387.4kcal
・消費カロリー(女性)=約308.6kcal
縄跳び
(1)毎分100ステップ未満のゆっくりとしたペースで、両足跳びした場合
・METs=8.8
・消費カロリー(男性)=約587.8kcal
・消費カロリー(女性)=約468.2kcal
(2)毎分120=160ステップのかなり速いペースで跳んだ場合
・METs=12.3
・消費カロリー(男性)=約821.6kcal
・消費カロリー(女性)=約654.4kcal
筋トレ
バーベル、ダンベルや筋トレ用のマシンを使用したトレーニングの場合
・METs=6.0
・消費カロリー(男性)=約400.8kcal
・消費カロリー(女性)=約319.2kcal
登山
荷物を持たない、あるいは4.1kgまでの荷物を持って登山した場合
・METs=6.5
・消費カロリー(男性)=約434.2kcal
・消費カロリー(女性)=約345.8kcal
ゴルフ
・METs=4.8
・消費カロリー(男性)=約320.6kcal
・消費カロリー(女性)=約255.4kcal
サッカー
(1)自由な形式で練習をした場合
・METs=7.0
・消費カロリー(男性)=約467.6kcal
・消費カロリー(女性)=約372.4kcal
(2)試合をした場合
・METs=10.0
・消費カロリー(男性)=約668.0kcal
・消費カロリー(女性)=約532.0kcal
バドミントン
シングルス、ダブルスなどで自由に練習をした場合
・METs=5.5
・消費カロリー(男性)=約367.4kcal
・消費カロリー(女性)=約292.6kcal
テニス
(1)試合以外でボールを打つなどの練習をした場合
・METs=5.0
・消費カロリー(男性)=約334.0kcal
・消費カロリー(女性)=約266.0kcal
(2)シングルスの試合をした場合
・METs=8.0
・消費カロリー(男性)=約534.4kcal
・消費カロリー(女性)=約425.6kcal
トランポリン
・METs=3.5
・消費カロリー(男性)=約233.8kcal
・消費カロリー(女性)=約186.2kcal
ヨガ
・METs=2.5
・消費カロリー(男性)=約167.0kcal
・消費カロリー(女性)=約133.0kcal
エアロビクス
・METs=6.8
・消費カロリー(男性)=約454.2kcal
・消費カロリー(女性)=約361.8kcal
ラジオ体操
・METs=4.0
・消費カロリー(男性)=約267.2kcal
・消費カロリー(女性)=約212.8kcal
(参考:DREAM GUIDE│ラジオ体操)
消費カロリー一覧【日常生活編】
睡眠(7時間)
・METs=1.0
・消費カロリー(男性)=約467.6kcal
・消費カロリー(女性)=約372.4kcal
階段を上る
・METs=4.0
・消費カロリー(男性)=約267.2kcal
・消費カロリー(女性)=約212.8kcal
立ち仕事
・METs=1.8
・消費カロリー(男性)=約120.2kcal
・消費カロリー(女性)=約95.8kcal
デスクワーク
・METs=1.3
・消費カロリー(男性)=約86.8kcal
・消費カロリー(女性)=約69.2kcal
カラオケ
・METs=1.8
・消費カロリー(男性)=約120.2kcal
・消費カロリー(女性)=約95.8kcal
(参考:糖尿病サイト│歌と運動)
家事
・METs=2.8
・消費カロリー(男性)=約187.0kcal
・消費カロリー(女性)=約149.0kcal
入浴
・METs=1.5
・消費カロリー(男性)=約100.2kcal
・消費カロリー(女性)=約79.8kcal
消費カロリーの多い運動ランキング
ここまでに紹介した運動の中から、消費カロリーが多い種目のTOP5を紹介します!
5位:自転車(やや速いペースで8.0METs、ゆっくりペースで4.0METs)
自転車は、ペダルをこぐペースによって大きく運動強度が変わります。通勤程度の速さでも軽いジョギングに近い運動強度が得られるため、膝が痛い、腰が心配などの理由でランニングが苦手な人にもおすすめです。
4位:テニス(シングルスの試合で8.0METs、練習で5.0METs)
テニスはボールを追って絶え間なく体を動かす必要があるため運動量が多く、運動強度もかなり高めです。頻繁に試合をすることは難しいかもしれませんが、公園などの広いスペースで壁当てをするだけでも多くのカロリーを消費することができます。
3位:ランニング(比較的速いペースで8.0METs、スローペースで6.4METs)
有酸素運動の代表例ともいえるランニングは、運動強度がかなり高め。しかし、消費カロリーを増やす上では、運動強度だけでなく、どれだけ継続して運動できるかも重要になります。ランニングでは速度を重視するのではなく、長時間継続できるペースで走ように意識してみましょう。
2位:サッカー(試合で10.0METs、練習で7.0METs)
広いグラウンドを走り回るサッカーは、練習だけでもかなりの運動強度があります。テニスと同様に頻繁に試合はできませんが、普段の練習だけでもかなりのカロリーを消費できるでしょう。試合となると、運動強度は10.0METsに上昇するため、友人や仕事仲間を誘って試合を行えば、楽しく運動しつつ多くのカロリーを消費することができます。
1位:縄跳び(速いペースで12.3METs、ゆっくりペースで8.8METs)
ボクサーのトレーニングとして思い浮かべる方も多い縄跳びは、持久力アップにはもってこいの運動です。また、早いペースで飛び続ければ、ほかの運動と比較してもかなり高い運動強度を誇ります。
騒音に気を付ければ、室内でも気軽にできるため、自宅内で気軽に脂肪燃焼したい方に最適だと言えるでしょう。縄がなく静音性に優れたもの、飛んだ回数をカウントできるものなど、様々なタイプの縄跳びが販売されていますので、ご自身にあったものを選んで、楽しくカロリーを消費しましょう!
縄跳びについては以下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
消費カロリーの多い日常生活の動作ランキング
次に紹介するのは、日常生活における動作の運動強度ランキングです。
3位:家事(2.8METs)
掃除や洗濯、食器洗いなどは、終わった後に意外と疲れを感じますよね。実際に、日常生活の動作でも家事の運動強度は比較的高めです。仕事終わりや休みの日の空いた時間にちょっと本腰を入れて家事をするだけでも、多くのカロリーを消費できるでしょう。
2位:階段(4.0METs)
主に階段を上る動作は、普通に歩くよりも運動強度が高いとされています。ダイエットでは、脂肪燃焼のために「エスカレーターやエレベーターではなく階段を使おう」というアドバイスを耳にすることがありますが、その理由は高い運動強度にあるのかもしれません。
1位:睡眠(1.0METs)
安静状態でゆっくり休んでいる状態の睡眠の運動強度は1.0METs。運動強度の低い睡眠がランキング1位になっているのは意外かもしれませんが、その秘密は「寝ている時間の長さ」にあります。カロリー消費量を決めるのは運動強度と運動を継続する長さです。ある意味で睡眠よりも継続できる「動作」というのは、ほかにはありません。
ダイエット時の運動消費カロリー目安は?
運動によって消費カロリーを増やし、総消費カロリー(基礎代謝+運動代謝)が総摂取カロリーを上回ることで、ダイエットにつながります。では、具体的にどれくらいの消費カロリーを目指すのが理想なのでしょうか?
それを計算するのに重要になるのが、「自分があと何日で何kgやせたいか」という目標をしっかり立てることです。
例えば、「私はあと2ヶ月で4kg体重を落としたい」という目標を立てたとします。この6kgがすべて体脂肪の場合、脂肪1kgを消費するには、約7,200kcalのエネルギーが必要です。つまり、4kgの体脂肪を落とすということは、4kg×7,200kcal=28,800kcalのカロリーを余分に消費しなくてはなりません。
気が遠くなるような数字ですが、これを2ヶ月=60日で割ってみましょう。すると、28,800kcal÷60=480kcalという計算結果に。つまり、2ヶ月後に4kgやせたいなら、1日あたりの消費カロリーが摂取カロリーよりも480kcal多くなるようにすればいいわけです。
先程の運動別消費カロリーを参考にすると、ゆっくりと行う縄跳びを、毎日1時間よりちょっと多めにこなすのが目安となります(合計約468.2kcal)。
しかしながら、縄跳びを毎日1時間以上跳ぶというのはかなりハードですし、平日仕事がある人は継続も大変になるでしょう。そこで大切なのが、「運動で消費カロリーを増やしつつ、摂取カロリーを減らすようにする」ということです。
では、先ほどの例と同じく2ヶ月で4kg痩せることを目標にした場合、摂取カロリーを今からマイナス300kcalして、残り180kcalを運動で消費すると考えたらどうでしょうか。縄跳びの時間は、毎日20〜25分程度まで減らすことができますね。さらに、180kcalであれば縄跳びをせずとも、一駅前で電車を降りて10分〜15分多く歩く、エレベータではなく階段を使うといった小さな行動でも十分目標をクリアできるかもしれません。
改めて、これからダイエットをはじめる場合は、次の3ステップで計画を立て、継続しやすい運動・動作を決めていきましょう。
(1)まずは「何日で何kgやせる」という目標を立てること(目標体重まで1日何kcalの脂肪燃焼が必要かを計算する)
(2)現在の食生活を見直して、よりローカロリーでヘルシーなものに変えること。ただし、過度な食事制限には要注意です!
(3)1日の摂取カロリーを見直したあと、残りの消費カロリーをどんな運動で減らすか決める
(参考:タニタ│カロリーとは)
代表的な運動や日常動作の消費カロリーを、まとめて解説していきました。実際の運動による消費カロリー量は、皆さんの想像と比べてどうだったでしょうか?
それぞれの消費カロリーは、皆さんの体重や運動強度、継続時間によってもかなり変動します。ここで、もっとも大切なことは、短期間で大量に運動することより、少ない時間でもいいから継続して習慣化させることです。記事の最後に紹介したダイエットプランの立て方を参考に、ムリのない範囲で「続けられそうな運動」「好きな運動」を選んでみてください。
運動を楽しみつつ、消費カロリーを増やしてダイエットを成功させましょう!