蕎麦は糖質多め?ほかとの比較やダイエット効果を高める食べ方まとめ!

著者名SJ
蕎麦は糖質多め?ほかとの比較やダイエット効果を高める食べ方まとめ!

日本人にとって一般的な主食の一つである、蕎麦。以前はダイエット向きと言われていましたが、ローカーボ(低糖質)ダイエットの流行と共に、現在では「蕎麦を食べると太る」という噂も耳にするようになりました。

実際のところ、蕎麦はダイエットに適した食材なのでしょうか。この記事では、蕎麦の糖質をほかの主食と比較し、蕎麦は太りやすいのかどうかを検証します。さらに、蕎麦のおすすめの食べ方も紹介していますので、ダイエット中の方や健康が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも糖質とは

初めに、そもそも糖質とは何のことを指しているのか、確認しておきましょう。

糖質とは、たんぱく質と脂質に並ぶ三大栄養素の1つである、炭水化物の一部です。炭水化物は糖質と食物繊維の2種類に分けることができますが、大まかに言うと、体のエネルギー源となる物質が糖質、エネルギー源にならない物質が食物繊維と呼ばれます。このため、食物に含まれる糖質の量は、炭水化物の量から食物繊維の量を引いて計算されるのが一般的です。

ただし、近年は単純な引き算に代えて、でんぷん、ぶどう糖など糖質に分類される個々の成分の量を一つ一つ分析または推計し、それらを足し合わせて「利用可能炭水化物」(available carbohydrate)として表示する方法が世界的な潮流となっています。これは国際連合食糧農業機関(FAO)の推奨を受けた動きであり、日本の文部科学省が発行する「日本食品標準成分表」でも、2015年版からこの計算方法が用いられるようになりました。

なお、FAOの「栄養表示に関するガイドライン」では、この「利用可能炭水化物」が糖質に相当するものと明記されています。

(参考:FAO│栄養表示に関するガイドライン

タイプ別!蕎麦の糖質量

次は、乾麺と生麺のタイプ別に、蕎麦に含まれる糖質量を見てみましょう。

ここでは、FAOのガイドラインにならい、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」で表示されている「利用可能炭水化物(単糖当量)」の数値を糖質量として紹介します。

(参考:日本食品標準成分表2020年版(八訂)第2章(データ)

乾麺タイプ

乾麺タイプの蕎麦100gあたりに含まれる糖質量は、ゆでる前の状態で72.4g、ゆでた後の状態で23.6gと推計されています。

ゆでる前後で糖質量が大きく変化するのは、ゆでることで体積が増えるためです。ちなみに、乾麺タイプの蕎麦は、ゆでると3倍ほどの重さになると言われています。

麺類の1食分の目安は、ゆでた状態で250g程度であるため、1食分の糖質量は23.6×250÷100で、およそ59gとなります。

生そばタイプ

生そばタイプの蕎麦100gに含まれる糖質量は、ゆでる前の状態で56.4g、ゆでた後の状態で27.0グラムとされています。1食分(ゆでた状態で250g)に含まれる糖質は67.5gであるため、乾麺タイプよりも糖質量が多いと言えるでしょう。

麺類別!糖質比べ

蕎麦に含まれる糖質量は多いのか少ないのか、ほかの麺類と比べてみましょう。先ほどと同じ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のデータを参照し、うどん、ラーメン、パスタの糖質量を調べました。

うどん

うどんも蕎麦と同様、タイプによって糖質量が異なります。

乾麺タイプのうどん100gに含まれる糖質量は、ゆでる前の状態で76.8g、ゆでた後の状態で26.7g。生麺タイプの場合は、ゆでる前の状態で55g、ゆでた後の状態で21.4gと推計されています。

1食分(ゆでた状態で250g)に換算すると、乾麺タイプの場合で66.75g、生麺タイプの場合で53.5gと、蕎麦に比べて大きな差はありません。一方、両タイプの蕎麦とうどんの中で最も糖質量が少ないのは、生麺タイプのうどんという結果になりました。

ラーメン

ラーメン(中華めん)も、乾麺タイプと生麺タイプで糖質量に差があります。

乾麺タイプのラーメン100gに含まれる糖質量は、ゆでる前の状態で71.4g、ゆでた後で28.0g。生麺タイプの場合は、ゆでる前の状態で52.2g、ゆでた後の状態で27.7gと推計されています。

1食分を250gとすると、ラーメン1食には乾麺タイプで70g、生麺タイプで69.25gの糖質が含まれていることになるため、麺の状態にかかわらず、蕎麦やうどんよりも糖質が高いと言えるでしょう。

パスタ

スパゲッティやマカロニなどのパスタ類100gに含まれる糖質量は、ゆでる前の状態で73.4g、ゆでた後の状態で31.3gと推計されています。そのため、1食分(ゆでた状態で250g)に含まれる糖質量は78.25gという結果に。したがって、麺の状態を問わず蕎麦、うどん、ラーメンのいずれよりも、糖質を多く含む麺類はパスタと言えるでしょう。

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炭水化物と比較(ご飯・食パン)

蕎麦をほかの麺類と比較すると、糖質は高くも低くもなく、うどんと同程度と言える結果となりました。それでは、麺類以外の主食と比較した場合はどうでしょうか。

まずは、日本人に馴染みの深い炭水化物である、ご飯と比べてみましょう。一般的な白米(精米済みの水稲うるち米)100gに含まれる糖質量は、炊いた状態で38.1gです。1食分のご飯の量は成人男性で200g程度とされているため、1食に含まれる糖質量は76.2gとなります。これは、麺類の中で最も糖質が多いパスタに続く糖質量です。

次に、食パンの糖質量を見てみましょう。耳付きの角型食パン100gに含まれる糖質量は48.2グラム。食パン100gというのは、およそ4枚切りの食パン1枚に相当する量です。6枚切りの場合は重さが70g弱程度であるため、糖質量は30gほどになります。

1食で6枚切りを2枚食べるとすると糖質量は60g程度。食パンは、麺類で最も糖質の低い生麺タイプのうどんや乾麺タイプのそばに次いで低糖質であると言えます。

蕎麦は低GI食品

蕎麦はラーメンやパスタ、ご飯と比べると低糖質という結果になりましたが、うどんや食パンとは同程度であり、糖質量という観点からは、特別ダイエットに適した食材とは言えません。それにもかかわらず蕎麦がダイエット向きと言われる理由は、蕎麦が「低GI食品」であるためです。

そもそもGI値とは

GI食品とは何かを理解するために、まずはGI値とは何かを押さえておきましょう。

GIGlycemic Index)とは、炭水化物が体内で分解されて糖に変わるまでの速さを指標化した数値であり、食後の血糖値の上がりやすさを示す基準として使われています。

食事を摂って血糖値が上昇すると、インスリンという物質が分泌されます。インスリンには大きく分けて二つの役割があり、一つがブドウ糖の吸収促進、もう一つが脂肪の合成促進と脂肪分解の抑制です。

血糖値が急激に上昇すればそれに合わせて多くのインスリンが分泌されますが、インスリンが過剰分泌されると、多くのぶどう糖が脂肪として体内に貯め込まれることになります。つまり、血糖値が上がりやすい食材=GI値の高い食材は、脂肪を蓄える作用を誘発しやすいため、太りやすい食材と言えるのです。反対に、GI値の低い「低GI食品」は、食後に急激に血糖値が上昇するのを抑える効果があるため、ダイエットに向いていると考えられています。

蕎麦がダイエット向きな理由

蕎麦がダイエット向きと言われているのは、代表的な低GI食品の1つであるためです。

この記事で紹介した主食のGI値をまとめると、次のようになります。

(参考:COLOR+DA 低GI食品っていったい何者? 太りにくい炭水化物の選び方

低GI食品と呼ばれるのはGI値が60以下の食品とされているため、この中で低GI食品にあたるのは、蕎麦だけであることが分かります。 

糖質量が蕎麦と同程度であったうどんや食パンはどちらもGI値が80を超えているため、GI値も勘案すると、蕎麦が最もダイエットに適した主食と言えるでしょう。

なお、一口に蕎麦と言っても、そば粉のみでできている「十割そば」と、そば粉のほかに小麦粉が含まれているものでは違いが生じます。小麦粉の割合によって「二八そば」(そば粉8割、小麦粉2割)、「五分そば」(そば粉と小麦粉が半々)などがありますが、小麦粉の量が増えるに従って糖質が高くなるため、ダイエットの主食に蕎麦を選ぶ場合は十割そばがおすすめです。

おすすめの組み合わせ具材

ダイエットを意識して蕎麦を主食にする場合は、トッピングする具材にも気を配りましょう。

そばのトッピングとして、天ぷらが真っ先に思い浮かぶ人も多いはず。天ぷらそのものの糖質はさほど高くありませんが、油を吸いやすいなすや、糖質の高いかぼちゃの天ぷらは要注意です。また、素材のつなぎに小麦粉を多く使用しているかき揚げは糖質が高いため、できるだけ避けましょう。

そばに載せるおすすめの具材としては、まず山菜が挙げられます。山菜は低GIなだけでなく、食物繊維を多く含むため、糖の吸収をゆるやかにする効果が期待できます。

そのほか、わかめや油揚げなどもおすすめです。わかめは低GI食品であると同時にミネラルを多く含むため、栄養バランスを整えるという観点でもおすすめの選択肢と言えます。また、代表的な低GI食品である大豆から作られる油揚げは、ヘルシーでボリュームもあるため、山菜やわかめでは物足りない時にはきつね蕎麦にして食べても良いでしょう。

 

蕎麦は、糖質量の観点だけを見るとダイエット向きとは言えないものの、血糖値の上がりにくさを示すGI値まで考慮すると、うどんやラーメン、パスタ、そして白米や食パンなど、主な主食と比べて最も太りにくい食材と言えることがわかりました。

近年は糖質を制限するローカーボダイエットが広まっていますが、GI値など糖質以外の要素にも目を向ければ、蕎麦を主食にすることでより効果的にダイエットに取り組むことができるでしょう。食材別の糖質量やGI値を参考にしながら、オリジナルのダイエットメニューを考えてみるのも楽しいかもしれませんね。

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