夕方になると足に疲労がたまって靴がきつく感じたり、お酒を飲んだ翌日は顔が腫れぼったくなってしまったりと、日常生活の様々な場面で発生し、私たちを悩ませるむくみの症状。普段の食生活を少し意識するだけで、その悩みを解消できるかもしれません。
この記事では、むくみを引き起こす食べ物や、反対にむくみを解消してくれる食べ物について詳しく紹介します。むくみに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
むくむ原因を知ろう
身体がむくむのは病的なものが原因と思われがちですが、実は体質や生活習慣によるものが多いとされています。
人の身体は体重の約60%が水分でできており、このうち体重の約40%は細胞の中(細胞内液)に、体重の約20%は細胞と細胞の間や血液中(細胞外液)に含まれています。しかし、何らかの要因によってこの水分のバランスが崩れ、細胞と細胞の間に含まれる水分(組織間液)が増加すると、むくみとして症状が現れるのです。
身体の中の水分の割合がコントロールできなくなる主な要因としては「塩分の過剰摂取」や「アルコールの過剰摂取」などが挙げられます。それぞれについて詳しく見てみましょう。
塩分の過剰摂取
人間には、血液中の塩分濃度を常に一定に保つ機能が備わっており、塩分を摂取して体内のナトリウムの量が多くなると、血管内の水分量をいつも以上に増加させて塩分濃度を低下させようとします。これにより、血管にかかる圧力(静水圧)が上昇し、血管内に留められていた水分が毛細血管を通じて血管外に滲み出るため、身体がむくんでしまうのです。
低栄養
生活環境や食環境の乱れによって血液内の栄養が少なくなると、血管内の水分を一定に保つための力(浸透圧)が低下するため、血管外に水分が滲み出て身体がむくんでしまうことがあります。ダイエット中にむくみを経験する人が多いと言われているのはこのためです。
長時間同じ姿勢でいること
長い間立ったままや座ったままの姿勢でいると、全身の血流が悪化します。さらに、重力の影響で下半身に水分が溜まるため、むくみが生じやすくなると考えられています。
血中アルコール濃度の上昇
飲酒をした翌日、顔が腫れぼったいと感じたことがある人は多いでしょう。これは、血中のアルコール濃度が高くなると、血管が拡張して血管から漏れ出した水分の処理が間に合わなくなり、むくみが生じるためです。特に夜間は、横になって寝ている間に顔の下の方に水分が溜まりやすいとされています。
(参考:SUNTORY│多くの人が勘違い!? むくみの本当の原因と効果的な解消法)
むくみ解消に効果のある食べ物・飲み物
むくみを解消するためには、日々の食材選びも重要です。ここからは、積極的に摂取したい食べ物や飲み物、含まれている成分について詳しく紹介します。
むくみを取る食べ物
アボカド
アボカドに多く含まれるカリウムには、過剰に摂取されたナトリウムを汗や尿と一緒に体外へ排出する作用があります。そのため、しっかりカリウムを補給することで体内の水分バランスが一定に保たれ、むくみを防ぐことができるでしょう。カリウムを多く含む食べ物としては、アボカドのほか、きゅうりや海藻、キウイなどが挙げられます。
リンゴ
身体の中に活性酸素が増加しすぎると、血管の老化と同時に血流が悪化するため、むくみを生じやすくなると考えられています。リンゴに多く含まれているポリフェノールには、活性酸素の発生やその作用を抑える働きがあるため、むくみの予防・解消に効果が期待できるでしょう。ポリフェノールはリンゴの皮の部分に多く含まれるため、皮をむかずに食べるのがおすすめです。このほか、ナスや玉ネギ、豆類などにもポリフェノールが多く含まれています。
貝類
アサリやしじみ、ハマグリなどの貝類には利尿作用があり、体内の余分な水分の排出を促してくれます。さらに、コレステロール値の抑制や高血圧の予防、肝機能の向上といった効果も期待できるため、日常的に飲酒の多い方や健康の気になる方にもおすすめです。
柑橘類
果物の中でも柑橘類に多く含まれるクエン酸には、代謝を促進させて内臓の働きを高める作用があります。これにより老廃物の排出が促されるため、老廃物が貯まることによって生じるむくみの解消に効果が期待できます。
むくみを取る飲み物
ルイボスティー
ルイボスティーには、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウムといったミネラルが豊富に含まれています。さらに、毛細血管の働きをサポートする「ルチン」という成分も含まれているため、血液の流れを促進してむくみを改善する効果が期待できるでしょう。
緑茶
緑茶に含まれるポリフェノールの一種である「カテキン」には抗酸化作用があり、血管の老化を防ぐと考えられています。血管を若々しく保つことで血流の悪化を防ぎ、むくみの予防・改善に役立てましょう。
黒豆茶
黒豆茶とは、黒豆を原料としたお茶のことです。黒豆にはカリウムが多く含まれているほか、黒豆のもつ色素には「アントシアニン」と呼ばれる血行改善に役立つ成分も含まれています。アントシアニンは水に溶けやすく熱にも強いため、黒豆茶を飲むことで効率よく成分を摂取することができるでしょう。
むくみ解消におすすめのレシピ
ここでは、むくみ対策に役立つ食材を使用したおすすめのレシピを紹介します。お好みの食べ方で、日々の食事からむくみを予防しましょう。
キウイとリンゴのスムージー
少ない材料でも作ることができるスムージーは、朝食や軽食として手軽に取り入れられる点が嬉しいポイントです。
【材料】
キウイフルーツ 2個
リンゴ 1/4個
牛乳 300ml
はちみつ 小さじ2
【手順】
1.キウイフルーツは皮を剥いて、ひと口サイズに切ります。リンゴは芯を取って、皮は剥かず薄く切りましょう。
2.全ての材料をミキサーに入れて、攪拌します。
(参考:watashi by shiseido│【むくみ対策レシピ】キウイとりんごのジュース)
アボカドサラダ
アボカドやキュウリは、カリウムを豊富に含む野菜の代表です。材料を和えて作るサラダは、カリウムが損なわれる原因となる加熱の調理過程がないため、無駄なく栄養を摂取することができるでしょう。
【材料】
トマト 1個
きゅうり 1本
アボカド 1個
かつお節 適量
ソース
・醤油 小さじ2
・ごま油 小さじ1
・わさび 少々
【手順】
1.野菜を食べやすい大きさに切ります。
2.ソースの材料を合わせ、野菜にかけて和えてください。
3.皿に盛りつけ、かつお節をかけます。
(参考:watashi by shiseido │【むくみ対策レシピ】アボカド、トマト…カリウムたっぷり!わさび醤油のさっぱりサラダ)
アサリとキャベツのスープ
余分な水分を体外に排出する働きがあるアサリと、消化不良や胃もたれの改善に効果が期待できるキャベツの組み合わせはむくみ対策にも最適。味もさっぱりしているため、食欲がないときでも食べやすいでしょう。
【材料】
アサリ 400g
キャベツ 300g
にんにく 1片
水 600ml
塩、こしょう 適量
白ワイン(または酒) 大さじ2
薄口醤油 小さじ1
【手順】
1.アサリは塩水に入れ、1時間程度砂抜きをします。キャベツはざく切り、にんにくはみじん切りにしてください。
2.鍋にオリーブオイル、にんにくを入れ、香りが出てきたらアサリとキャベツを入れて30秒程度炒めます。
3.酒と水を入れ、蓋をして煮ます。アサリの口が開いたら、塩こしょう・薄口醤油で味を整えましょう。
お手軽!むくみ解消に効くコンビニの食べ物
忙しい日々の中で、自宅で料理をする時間がとれないという人もいるでしょう。そこで、むくみ解消と予防に役立つ食べ物の中でも、コンビニエンスストアなどで手軽に購入できるものをピックアップしました。無理のない範囲で日々の食生活に取り入れてみてください。
サラダ
コンビニでサラダを購入する場合は海藻サラダがおすすめ。海藻サラダは、カリウムが豊富な
わかめなどの海藻類と一緒に様々な野菜を摂ることができるため、むくみ予防の強い味方です。ドレッシングは塩分が少ないものを選ぶよう心がけましょう。
カップみそ汁
塩分の多い味噌汁ですが、具材を意識することでむくみ予防につながります。ほうれん草やしめじ、豚もも肉など、カリウムを豊富に含む具材が入った味噌汁を選びましょう。
納豆巻き
小腹が空いたときにも手軽に食べられる納豆巻き。納豆にはカリウムや食物繊維のほか、タンパク質も豊富に含まれているため、体に必要な栄養をしっかり補うことができます。コンビニで主食を選ぶ際は、ぜひ納豆巻きを取り入れてみてください。
むくみの原因となるダメな食べ物!
最後に、特にむくみを引き起こしやすい食べ物や飲み物を紹介します。日頃の食生活を見直して、むくみを予防しましょう。
塩分の多い食品
記事冒頭でも、塩分の過剰摂取はむくみの要因のひとつと説明しましたが、ラーメンやインスタント食品、スナック菓子、ジャンクフードなどの加工食品には多くの塩分が含まれています。どうしても食べたい時は、食べる量や時間帯に注意しましょう。
糖分が多い食品
糖分には、塩分と同じく体内に水分を溜め込んでしまう作用があるため、ジュース類などの甘いものを過剰に摂取すると、むくみを引き起こしてしまう可能性があります。
小麦や牛乳
小麦粉などに含まれているグルテンやレクチン、牛乳などに含まれている乳糖やカゼインは日本人の身体では消化が難しい成分とされています。人によってはこれらが要因となって腸内環境が乱れ、むくみを引き起こしてしまう場合があるのです。
(参考:Lucina│むくみやすい食べ物とむくみにくい食べ物)
飲酒や塩分の過剰摂取など様々な理由によって発生するむくみの症状。食生活やライフスタイルを見直すことで、むくみは予防・改善することができます。この記事を参考に、むくみ対策に効果のある食材を日々の食事に取り入れてみてください。