場所を選ばず、手軽に取り組むことができる体幹トレーニングとして人気が高い「プランク」。ダイエットやボディメイクとして、取り入れている人も多いのではないでしょうか。
しかし、プランクは正しい姿勢で行わなければ、十分な効果が得ることができません。この記事では、プランクの正しいやり方や種類、気をつけたいポイントを徹底解説します。
プランクとは?
プランクは、頭からかかとまでが真っ直ぐになるように保ちながら、前腕とつま先で体重を支える体幹トレーニングです。シットアップやクランチのように上半身を起こす運動と比べると、腹筋や腰にかかる負荷が少ないため、筋力に自信がない人やトレーニング初心者でも取り組みやすいという特徴があります。
さらに、プランクには仰向けや横向きの姿勢で行うバリエーションもあり、腹斜筋や腹直筋、腹横筋などの幅広い筋肉を鍛えることができるのです。
プランクで期待できる効果
プランクを行うことで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、プランクによって鍛えられる部位とその効果を詳しく見ていきます。
インナーマッスルが鍛えられる
プランクは、身体の奥深くにあるインナーマッスルを刺激するのに最適な種目です。特に、代表的なインナーマッスルの一つである腹横筋が鍛えられることで、ぽっこりお腹の解消や姿勢改善の効果が期待できます。
(参考:Alpine Group Magazine│プランクの効果とは? 姿勢や種類を知って体幹を鍛えよう!)
姿勢改善
プランクでは、後頭部から骨盤にかけて位置する「脊柱起立筋」を鍛えることができます。
脊柱起立筋は、人間の直立や身体の伸縮に深く関わる重要な筋肉であるため、この筋肉をしっかり鍛えることで姿勢改善や肩こり・腰痛の防止といった効果が期待できるでしょう。
(参考:Hot&Shape CALDO)
バランス感覚が良くなる
プランクは、同じ姿勢をキープし続けなければならないため、バランスを保つために全身の筋肉が刺激されます。このため、体幹を鍛えると同時にバランス感覚を養うことができるのです。バランス感覚が身につくと上半身が安定してブレが少なくなるため、様々なスポーツシーンで役立つでしょう。
プランクの種類
アプローチしたい部位や難易度によって様々なバリエーションがあるプランク。ここでは、基礎となる2種類を紹介します。
フロントブリッジ
プランクの中で最もメジャーなプランクであり、うつ伏せになった状態で取り組むのがフロントブリッジです。
フロントブリッジは、1つ目は肘をついて行う基本のフロントブリッジ、2つ目は肘を伸ばし手のひらをついて身体を支えるハイプランクです。ハイプランクは、フロントプランクよりもさらに負荷が小さいため、初心者の方はハイプランクから始めてみましょう。
サイドプランク
サイドプランクは、横向きに寝たポーズから、片方の肘または手のひらと足裏だけを床につけて、身体を支える種目です。腹部の側面にある腹斜筋を鍛えることができるため、くびれを作りたい方に特におすすめの種目と言えます。
正しいプランクのポーズとやり方
プランクの種類や効果について説明しましたが、ここではフロントブリッジの正しいポーズとやり方について見ていきましょう。
1.床にうつ伏せになります。
2.前腕と足先だけを床につけ、身体を浮かします。肘は肩の真下にくるようにしてください。
3.頭から足先までが一直線になるイメージで姿勢をキープしましょう。
この動作を左右それぞれ30秒ずつで1セットとし、2~3セットを目安に行います。お腹が下がってきてしまうと効果が薄れるため、姿勢に注意しながら取り組んでください。
(参考:オリーブオイルをひとまわし│フロントブリッジのやり方や効果を解説!基本~応用編メニューまで)
プランクで気をつけたいポイント
プランクで最大限の効果を得るためには、正しい姿勢で継続的に取り組むことが重要です。以下のポイントを意識して行いましょう。
身体を一直線にキープする
プランクを行う際の最大のポイントは、頭と背中全体、腰、かかとが一直線になった状態をキープすることです。体幹が締まった状態を維持できていないとお尻が下がりがちになるため、注意しましょう。
また、反対にお尻が上がりすぎてしまう場合も十分な効果を得ることができません。お尻と腹筋を引き締め、おへそを背骨に近づけるイメージで体幹を意識すると姿勢を保ちやすくなります。
(参考:Hot&Shape CALDO│プランクポーズ の正しいやり方と効果)
呼吸を続ける
姿勢を保つことにばかり集中していると、無意識に呼吸がおろそかになってしまうことがあります。しかし、身体に十分な酸素を取り込むことができないとトレーニングの効果が低下してしまうこともあるため、力まず普段通りの呼吸を心がけてください。
足や腕だけで支えない
プランクを行う際、腕や足だけで身体を支えようとすると、姿勢が乱れやすくなるため、体幹へ十分な負荷が加わりません。床と接している腕だけでなく、腹筋や背筋、お尻の筋肉をしっかり使うイメージで姿勢を維持しましょう。
プランクに関するよくある質問
最後に、プランクに関するよくある疑問にお答えします。
プランクは毎日やっても大丈夫?
結論から言うと、プランクは毎日行って問題ありません。筋肉の成長には、筋繊維の破壊と修復の過程が欠かせませんが、プランクで鍛えられる筋肉は比較的小さいものが多いため、筋肉の修復に必要とされる休息期間が短いと考えられているのです。
むしろ、プランクは1日にまとめて多く取り組むより、少しずつでも継続することで効果を得やすい種目です。筋肉痛などを感じなければ、無理のない範囲で毎日取り組んでみましょう。
(参考:KONAMI SPORTS CLUB│プランクの効果を最大化! 意識すべき筋肉や実践時のポイントを解説)
プランクの姿勢が難しい場合は?
フロントブリッジやハイプランクが難しいという初心者の方には、膝をつけて行うことで負荷を軽減することができる「膝つきプランク」がおすすめです。
1.うつ伏せの状態になります。
2.床に肘をついて、上体を持ち上げます。このとき、両肘が肩の真下にくるようにしましょう。
3.お腹を持ち上げ、頭から膝までが一直線になるようにします。
4.両膝は床につけた状態のまま、足の裏が天井に向くように足を曲げます。
この動作を30秒ずつで1セットとし、2~3セットを目安に行ってみましょう。
基本のプランクも膝つきプランクも難しいという方の場合は、腕を伸ばし、膝をついた状態で取り組んでみてください。腕を伸ばすことでより負荷を軽減することができます。
男性と女性ではプランク効果は異なる?
女性の身体に多く含まれる「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンには、体脂肪を蓄える働きがあり丸みを帯びたボディラインを作るのに役立っています。反対に、女性の身体には筋肉を成長・発達させる男性ホルモンの量が少ないため、男性よりも筋肥大がしにくく、同じだけトレーニングを行っても筋肉が成長しにくいと考えられています。
これにより、男性と女性では筋発達の速度に大きな違いが生まれるため、プランクを行うことで最終的に得られる効果は同じでも、効果が表れるスピードに差が生じる場合があると言えるでしょう。
(参考:COSPA Health Labo│『引き締まったカラダづくりと筋力アップに大切なこと』)
プランクだけで腹筋を割ることはできる?
プランクは同じ姿勢を保ち続けるトレーニングであるため、インナーマッスルや身体全体のバランス感覚は鍛えることができても、筋肥大効果は得にくいと考えられています。そのため、腹筋を割ることを目的とした場合、プランクのみを行うのは非効率と言えるでしょう。
効率よく筋肉を育てるためには筋肉を収縮させることが必要不可欠であるため、プランクに加えて腹筋ローラーなどの動的な負荷トレーニングを取り入れることで、効率よく腹筋を鍛えることができます。
30日プランクチャレンジって何?
30日プランクチャレンジとは、その名の通り、プランクを30日間継続して行っていくトレーニングメニューです。
このトレーニングの特徴は、毎日同じ秒数、同じセットを繰り返すのではなく、数日おきに少しずつキープ時間を伸ばしていくことにあります。1日目は20秒と比較的短く取り組みやすい時間ですが、15日目は90秒、最終日である30日目には300秒キープしなければなりません。
一方、手軽にできることに加えて、最初のうちは心理的なハードルも低いため、筋トレ初心者にも人気のチャレンジです。
腹筋の鍛え方について、さらに詳しく知りたいという方はこちらの記事も参考にしてみてください。
部位によって様々な種類があるプランクは、トレーニング器具を必要とせず、小さなスペースでも実践できる手軽なトレーニングです。こつこつ継続して取り組むことで効果を実感できるようになるため、ライフスタイルや身体の状態を考えて調整しながら、無理のない範囲で生活に取り入れてみてください。