朝食や食後のデザートとして手軽に食べることができるヨーグルト。腸の調子を整える乳酸菌が豊富に含まれていることから、健康に良い食品として人気があります。しかし、日常的にヨーグルトを食べる機会があっても、その種類や期待できる効果などについて詳しく知らないという人は多いでしょう。そこでこの記事では、ヨーグルトの主な栄養成分やカロリー、アレンジレシピなどを紹介します。
ヨーグルトの主な栄養素
ヨーグルトは、主に牛乳や脱脂粉乳を原料として乳酸菌で発酵させたもので、牛乳の栄養であるタンパク質やミネラル、ビタミン、鉄分、そしてカルシウムを豊富に含んでいるという特徴があります。
牛乳と異なるのは、カルシウムは乳酸と結びついて乳酸カルシウムに、タンパク質は乳酸発酵によってペプチドに分解されているため、より腸に消化吸収されやすくなっている点です。また、カルシウムの吸収を促す働きがある乳糖の20~40%も分解されていることに加えて、乳酸菌が有する乳糖分解酵素(ラクターゼ)が腸で作用するため、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしやすいという人でも安心して食べることができます。
ヨーグルトに期待できる効果
腸内の環境が悪化すると、免疫力が下がって病気を引き起こしやすくなったり、便秘やアレルギーになりやすくなったりと身体に悪い影響を及ぼす場合があります。
ヨーグルトで摂ることができる乳酸菌には、腸内環境を整えて新陳代謝を活発にする働きがあるため、体質改善やダイエットに役立つと考えられているのです。
種類別ヨーグルトの糖質量まとめ
ヨーグルトと一口に言っても、無糖や加糖、飲むタイプなどその種類は様々です。ここでは、ヨーグルトの種類ごとに100gあたりの糖質量の違いを見ていきましょう。
全脂無(プレーン)ヨーグルト
全脂無(プレーン)ヨーグルトは、乳を乳酸菌で発酵させた最もシンプルなヨーグルトで、砂糖などの副原料が加えられていません。100gあたりに含まれる糖質量は4.9gと低糖質なのが特徴です。
(参考:アカシアの樹│ヨーグルトの糖質量は?糖質制限に合わせたヨーグルトの食べ方)
脱脂加糖(普通のヨーグルト)ヨーグルト
脱脂加糖ヨーグルトは、コンビニやスーパーなどで多く取り扱われているプレーン加糖タイプのヨーグルトで、発酵させた脱脂乳に砂糖などで味付けをし、寒天やゼラチンなどを加えたものです。そのため、100gあたりに含まれる糖質量は11.9gと、全脂無(プレーン)ヨーグルトに比べて高くなっています。
ギリシャヨーグルト
ギリシャヨーグルトは、その名の通りギリシャに伝わる伝統的なヨーグルトの製法を用いて作られるヨーグルトです。
水切りの過程で、余分な水分や乳清(ホエー)が取り除かれているため、普通のヨーグルトよりも濃厚な味わいを楽しむことができます。プレーンのギリシャヨーグルト100gあたりに含まれる糖質量は3.5gと高くはありませんが、中には加糖されて糖質量が高くなっている商品もあるため、購入する際にはパッケージの栄養成分表示を確認すると良いでしょう。
豆乳ヨーグルト
豆乳を乳酸菌で発酵させて作ったヨーグルトが豆乳ヨーグルトです。100gあたりに含まれる糖質量は1.6gとヨーグルトの中ではかなり低め。また、原材料に乳製品を使用していないため、牛乳で作ったヨーグルトではお腹がゴロゴロしやすいという人も食べやすいという特徴があります。
フルーツヨーグルト
フルーツヨーグルトは、プレーンヨーグルトにフルーツの果肉やピュレを加え、砂糖などで味を整えたものです。商品によって大きく差がありますが、100gあたりに含まれる糖質量は10g前後となっています。
(参考:雪印メグミルク│ナチュレ 恵 megumi 7種のフルーツミックス+ベリーミックス)
飲むヨーグルト
飲むヨーグルトは、ヨーグルトを攪拌して液状にしたもので、手軽に摂取できるのが特徴です。砂糖や果汁、香料などで飲みやすく加工してあるものが多く、100gあたりに含まれる糖質量は12.7gと、ほかのヨーグルトと比べるとかなり糖質が高くなっています。
その一方で、カルシウムや鉄分などの栄養成分が強化された商品も多く販売されているため、上手に活用することで、日常生活で不足しがちな栄養素をしっかり補うことができます。
【糖質制限中】ヨーグルトの選び方〜食べ方
糖質制限やダイエット中にはどのようなヨーグルトを食べるのが適しているのでしょうか。ここではヨーグルトの食べ方やおすすめレシピを紹介します。
ヨーグルトの選び方
ダイエット中の場合は、カロリーの低い『無糖・低脂肪(無脂肪)タイプ』のヨーグルトを選ぶのがおすすめです。上記で紹介した通り、飲むタイプのヨーグルトは糖質を多く含むものが多いため、避けておいた方が良いでしょう。
ヨーグルトはタンパク質も豊富に含んでいるため、運動後のタンパク質補給にも最適です。無糖のヨーグルトを日々の食事に上手く取り入れ、健康的なダイエットに取り組んでください。
ヨーグルトの食べ方
無糖・低脂肪ヨーグルトに甘さを足したいという場合は、糖質量に注意しながら砂糖やはちみつで味付けをするのがおすすめ。
はちみつの糖質量は小さじ1杯7gあたり5.6g、砂糖の糖質量は小さじ1杯3gあたり3.0gです。100gの無糖ヨーグルトに小さじ1杯分のはちみつを加えた場合、加糖ヨーグルトと同程度の糖質量になるため、味付けの際にはしっかりと計量して糖質の摂りすぎを予防しましょう。
食べるタイミングや量
乳酸菌はいくら摂取しても人体に悪い影響を及ぼすことはないとされているため、ヨーグルトの摂取量に制限は設けられていません。
しかし、ヨーグルトには脂肪分や糖質が豊富に含まれていることに加えて、カロリーも決して低くはない食品であるため、食べ過ぎてしまうと肥満の原因になることもあります。食べる際は、一日あたり200g程度を目安にすると良いでしょう。
アレンジレシピ
様々な種類があるヨーグルトですが、毎日食べ続けているとマンネリ化してしまうことも。ここでは、ヨーグルトを使ったおすすめアレンジレシピを紹介します。
フルーツヨーグルト
フルーツがたっぷり入った、食べ応え満点のフルーツヨーグルト。優しい甘さがポイントです。
〈材料〉
プレーンヨーグルト (無糖) 100g
レモン汁 大さじ1/2
砂糖 小さじ1
オレンジ 1/2個
リンゴ 1/2個
バナナ 1/2本
パインアップル 100g
〈レシピ〉
1.ボウルにヨーグルト、レモン汁、砂糖を入れて混ぜ合わせます。
2.フルーツ類をそれぞれ一口大に切ります。
3.1のヨーグルトにフルーツを加えて軽く混ぜ、皿に盛り付けて完成です。
きな粉ヨーグルト
食物繊維を豊富に含むきなこと乳酸菌を豊富に含むヨーグルトの組み合わせは、腸内環境の改善に効果を発揮してくれます。
〈材料〉
ヨーグルト 100g
きな粉 大さじ1
はちみつ 小さじ2
〈レシピ〉
1.器にヨーグルトを入れます。
2.きな粉とはちみつをかけて完成です。
ホットヨーグルト
ホットヨーグルトは、寒い日にはもちろん、お腹を冷やしがちな夏にもぴったりです。
〈材料〉
無糖ヨーグルト 200g
はちみつ 大さじ1
水 大さじ1
〈レシピ〉
1.耐熱容器にヨーグルト、はちみつ、水を入れ混ぜます。
2.ラップなどはかけずに500Wの電子レンジで1分30秒加熱してください。
3.よく混ぜ合わせます。
4.器に注いで完成です。
電子レンジや耐熱容器の種類、ヨーグルトの状態によって加熱具合に差が生じるため、必要に応じて加熱する時間を調整してください。
ヨーグルトスムージー
リンゴの甘みとヨーグルトの風味がさわやかなスムージーは、朝ごはんや間食としてもおすすめです。
〈材料〉
リンゴ (100g) 1/2個
無糖ヨーグルト 80g
はちみつ 大さじ2
氷 50g
〈レシピ〉
1.リンゴは2cm角にカットします。
2.ミキサーにカットしたリンゴ、ヨーグルト、はちみつ、氷を入れて撹拌してください。
3.器に盛り付けて完成です。
ヨーグルトアイス
3つの材料で手軽にできるアイスクリームです。無糖ヨーグルトを使用することで糖質を抑えているため、ダイエット中でも罪悪感なく食べることができます。
〈材料〉
プレーンヨーグルト (無糖) 200g
生クリーム 200ml
はちみつ 40g
〈レシピ〉
1.ボウルに生クリームを入れ、泡立てます。
2.ヨーグルトとはちみつを加えて混ぜ合わせてください。
3.容器に流し入れてラップをし、冷凍庫で2時間以上冷やし固めます。 途中、1〜2回取り出してスプーンでかき混ぜてください。
4.冷凍庫から取り出し、皿に盛り付けお好みのトッピングで飾って完成です。
糖質制限中におすすめのヨーグルト
スーパーやコンビニなどで販売されている様々なヨーグルトの中で、糖質制限中の人におすすめのヨーグルトをいくつかピックアップしました。
マルサンアイ 豆乳グルト
砂糖と乳成分を使用していない豆乳グルトは、100gあたりの糖質が1.6gと、ヨーグルトの中ではかなり低糖質。豆腐に似た味で、コクはなくさっぱりとした風味がポイントです。
(商品リンク:marusan 豆乳グルト)
濃密ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン
パルテノは、水切りによって凝縮された豊富な栄養と濃厚な味わいが特徴のヨーグルトです。100gあたりの糖質が4.2gと低糖質でありながら、非常に多くのタンパク質を含んでいます。
(商品リンク:森永乳業 ギリシャヨーグルト パルテノ プレーン砂糖不使用)
ダノンビオ プレーン 砂糖不使用
糖質量が気になるけれど、クリーミーな味わいを楽しみたいという方におすすめなのがダノンビオ。砂糖不使用に加えて、脂肪分を含んでいないものも販売されています。
(商品リンク:DANONE BIO プレーン・砂糖不使用)
ヨーグルトダイエットについて
自分の目標や身体の状態に合ったヨーグルトを効率よく食生活に取り入れることで、健康的で痩せやすい身体作りを目指すことができます。とは言え、ヨーグルトだけを食べ続ければ、ダイエットが成功するというわけではありません。
ダイエットを成功させるためには、規則正しい食生活を送ることや、適度に運動をして消費カロリーを増やすことが必要不可欠です。このことをしっかり理解した上で、あくまでも食事の補助としてヨーグルトを取り入れましょう。
まとめ
ヨーグルトは、身体に嬉しい様々な栄養素を豊富に含んでいるほか、乳酸菌の働きによって便秘対策や整腸作用が期待できる食品です。また、スーパーやコンビニなどでも手軽に購入することができるうえ、アレンジレシピも豊富であるため、つい食べ過ぎてしまうこともあるかもしれません。
しかし、健康効果を求めて取り入れたヨーグルトで肥満を引き起こしてしまっては本末転倒です。1日200g程度を目安にして日々の食事に取り入れ、健康の維持に役立てましょう。
朝食やデザートとしてだけでなく、料理などにも活用できるヨーグルト。この記事で紹介したように、低糖質なものから乳成分不使用なものまで様々な種類のヨーグルトが販売されています。自分の生活スタイルに合わせてヨーグルトを上手に活用しましょう。