テレビや雑誌などで紹介されたりSNSで話題になったりと近年人気を集めている「オートミール」。しかし、オートミールとは実際どんな食べ物なのか、どんな栄養があるのか、よく理解していない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、オートミールの栄養成分やカロリーについて解説します。さらに、オートミールに期待できる効果や、おすすめの食べ方についても紹介しますので、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。
オートミールとは
オートミールとは、オーツ麦を脱穀し、食べやすく加工したもので「oats(オーツ麦)」と「meal(食事)」という英単語を掛け合わせて「オートミール」と呼ばれています。
このオーツ麦は、日本では「燕麦(えんばく)」と呼ばれるもので、小麦や麦、とうもろこしなどと同じ穀物の一種ですが、小麦とは異なり精白されていないため、胚芽などに含まれる栄養をそのまま摂取できる点が特徴です。
(参考:DELISH KITCHEN│オートミールとは?おすすめの食べ方も一挙ご紹介!)
オートミールの栄養と効果
オートミールにはどのような栄養があり、どのような効果が期待できるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
栄養成分
オートミールには、食物繊維やタンパク質、カルシウムやミネラルなどの栄養素が豊富です。
全粒穀物の中でも栄養価が高いとされている玄米と比較して、食物繊維は約3倍、タンパク質は約2倍、カルシウムは約5倍含まれており、オートミールは全粒穀物の中でもトップクラスの栄養価を持っているとされています。
オートミールだけでは足りない栄養素
様々な栄養成分を含んでいるオートミールですが、そればかり食べていては、脂質やビタミンA、ビタミンCなどが不足してしまう場合があります。
オートミールは、おもに炭水化物であるため、主菜と副菜と一緒にバランスよく取り入れましょう。
オートミールの効果
オートミールには様々な栄養素が豊富に含まれていることがわかりましたが、ここではオートミールが身体にもたらす様々な影響について見ていきましょう。
まず、オートミールを摂取することで、ダイエットや食事制限をしていると不足しがちなマグネシウムや鉄といったミネラルの成分を効率よく摂取することができます。
また、オートミールに含まれる食物繊維には腸内環境を整えて便秘を解消させる作用があることに加えて、水溶性食物繊維のβ-グルカンには糖の吸収をゆるやかにする働きがあるため、食後の血糖値の急上昇を抑える効果が期待できるでしょう。
さらに、β-グルカンの働きによって食後の血糖値の上昇が緩やかになると、糖分を脂肪に変換して体に溜め込む作用がある「インスリン」というホルモンの過剰分泌も抑制されるため、余分な脂肪が蓄積しにくくなります。
以上の効果から、オートミールはダイエット向けの食品として注目を集めているのです。
オートミールの種類
オートミールは加工の仕方や段階などによって、種類が異なります。それぞれにどのような違いがあるのか、代表的な5種類をチェックしていきましょう。
ロールドオーツ
脱穀したオートグローツを蒸して伸ばし、乾燥させたものがロールドオーツです。事前に加熱処理が施されているため、そのままで食べても問題なく、調理の際も5分ほど加熱すれば柔らかくなります。
インスタントオーツ
オートミール初心者にもっともおすすめなのがインスタントオーツです。インスタントオーツはロールドオーツを加工し、すぐに食べられるように加工したもので、食感もマイルドで食べやすいという特徴があります。また、味付けされているタイプもあり、そのまま牛乳をかけて食べることもできます。
クイックオーツ
クイックオーツは、ロールドオーツを細かくカットし、更に調理しやすく加工したもの。熱や水分が浸透しやすくなっているため、より短い時間で調理することができます。もっちりとした食感が特徴で、主に汁気の多い料理に活用するのがおすすめです。
スティールカットオーツ
スティールカットオーツは、脱穀したオーツ麦を1粒あたり2~3分割挽き割りにしただけの無加工に近いタイプです。プチプチとした歯応えが特徴ですが、調理する際は30分ほど煮込む必要があります。
オーツブラン
オーツブランはオーツ麦の外皮に当たる部分を集めたもので、食物繊維やミネラルがより豊富に含まれています。一方で、単品での調理には向かないため、ヨーグルトに加えたりパンやお菓子などに入れたりするのがおすすめです。
オートミールのカロリーと糖質
ダイエット中の主食として適しているとされているオートミール。そのカロリーや糖質をほかの食材と比較してみましょう。
カロリーの比較
100gあたりのカロリーは、それぞれ以下の通りです。
・オートミール
エネルギー量……380kcal
・白米
エネルギー量……358kcal
・玄米
エネルギー量……353kcal
・食パン
エネルギー量……260kcal
オートミールは100gあたりのカロリーが最も高くなっていますが、これは、オートミールが白米や玄米よりも脂質を多く含んでいるためです。しかし、オートミールはほかの穀物類と比べて一食分の適量が少ないため、一食分で換算するとオートミールの方が低カロリーと言えます。
詳しくは「1食の量」の項目で紹介します。
(参考:食品成分データベース)
糖質の比較
それぞれ100gあたりの糖質量は以下の通りです。
・オートミール
糖質量……59.7g
・白米
糖質量……77.1g
・玄米
糖質量……71.3g
・食パン
糖質量……44.3g
オートミールはタンパク質や食物繊維が豊富なため、糖質量は控えめ。一方で、食パンと比べるとオートミールの方がカロリーも糖質も高いことがわかりますが、これは、オートミールよりも食パンのほうが水分を多く含んでいるためです。
オートミール 20gのカロリーと糖質
オートミール20gのカロリーは76kcal、糖質は11.9gです。
オートミール 30gのカロリーと糖質
オートミール30gのカロリーは114kcal、糖質は17.9 gです。
オートミール 40gのカロリーと糖質
オートミール40gのカロリーは152kcal、糖質は23.8gです。
オートミール 50gのカロリーと糖質
オートミール50gのカロリーは190kcal、糖質は29.8gです。
オートミール一食分の適量は調理方法などによって変わります。調理する際は上記のカロリーと糖質に、調味料やほかの食材のカロリーと糖質が加わることを認識しておきましょう。
各メーカーのオートミールの栄養成分を比較
現在、オートミールは様々な会社から販売されています。ここではその栄養成分や特色を比べてみましょう。自分の目的や好みに合った製品を探してみてください。
日本食品製造 日食オーツ オートミール
1食当たりのカロリー…110kcal
1食当たりの糖質量…18.6g
1食当たりタンパク質量…4.1g
1食当たりの食物繊維量…2.9g
粒にわずかな厚みがあり、食べ応えがあるオートミールです。手作りグラノーラやクッキーの材料としても使うことができます。
(参考:日清食品製造合資会社│日食オーツ(クイッククッキング))
こめたつ オートミール 自然の蔵
1食当たりのカロリー…114kcal
1食当たりの糖質量…17.3g
1食当たりタンパク質量…3.9g
1食当たりの食物繊維量…3.0g
化学肥料や農薬を一切使用していない、有機栽培されたオーツ麦を原料にしたオートミールです。米のようなしっかりとした食感が楽しめるため、オートミール初心者の方でも美味しく食べられます。
マイプロテイン ロールド オーツ
1食当たりのカロリー…110kcall
1食当たりの糖質量…14.1g
1食当たりタンパク質量…3.7g
1食当たりの食物繊維量…2.7g
運動の際に摂取すると良いと言われている「複合炭水化物」を摂取することができるオートミールです。程よい硬さの食感が特徴で、プロテインと合わせて食べる調理方法も推奨されています。トレーニングを取り入れている方やスポーツをしている人におすすめのオートミールと言えるでしょう。
(参考:MYPROTEIN│ロールド オーツ(オートミール))
クエーカー オールドファッションオート
1食当たりのカロリー…113kcal
1食当たりの糖質量…17.3g
1食当たりタンパク質量…3.7g
1食当たりの食物繊維量…3.0g
粒が大きく、プチプチとした食感を楽しむことができるオートミールです。香りが強いため、牛乳などと合わせて調理することをおすすめします。
ケロッグ オートミール
1食当たりのカロリー…117kcal
1食当たりの糖質量…17.5g
1食当たりタンパク質量…4.1g
1食当たりの食物繊維量…3.0g
全粒オーツ麦100%使用で、無添加が特徴のオートミール。加熱することでより香ばしさが引き立つため、電子レンジなどで温めることで、より美味しく食べることができます。
(参考:ケロッグ│オートミール)
オートミールの食べ方
最後にオートミールの主な食べ方について紹介します。
1食の量
オートミールは1食あたり約30~50gを目安に摂取するのがおすすめです。ご飯1杯分がおよそ140gであるため少なく感じるかもしれませんが、オートミールは調理することで水分を吸収するため、満腹感を得られるはずです。
オートミール1食分のカロリーはおよそ114kcalと、ご飯お茶碗1杯分のカロリー236kcalと比較すると半分程度であるため、食べすぎなければダイエット効果も期待できるでしょう。
オートミールを主食として食べる場合
オートミールを主食としてご飯やパンと置き換えて3食食べる場合は、適量をしっかり守り、オートミールだけでは補えないビタミンなどの栄養素はほかの食材からしっかりと摂取するようにしましょう。健康に良いから、ダイエットをしているから、と言ってオートミールだけを摂っていては栄養バランスが崩れてしまう可能性があります。
オートミールの食べ方
調理前のオートミールは、乾燥していて硬く、味もほとんどないため、水や牛乳を入れて加熱してふやかし、味付けをしてから食べるのがおすすめです。
お粥やミルク粥、スイーツなどさまざまな食べ方がありますが、ここでは電子レンジで作る基本のミルク粥レシピを紹介します。
(参考:macaroni│簡単おいしい!オートミールの食べ方&人気のアレンジレシピ5選)
材料
オートミール 30g
牛乳 200ml
塩 少々
1.オートミール30gに牛乳200mlを加え、500W~600Wの電子レンジで2 分ほど加熱します。
2.全体がふやけたら、よく混ぜてください。お好みで塩を少し入れて味にアクセントをつけるのもおすすめです。
3.最後に、砂糖、ハチミツ、果物、ジャム、シロップ、などをトッピングし好みの味に仕上げましょう。
牛乳を水に変更し、和風だし、塩、醤油などの調味料で味付けすると和風のお粥になります。
糖質やカロリーが低く、ダイエットや減量に役立つオートミール。しかし、いくらヘルシーと言っても際限なく食べてもいいわけではありません。組み合わせる食材や食べる量に注意しながら、うまく活用しましょう。