腰が痛い、お腹がぽっこりして見える、そんな悩みを感じている方は多いはず。その原因は「反り腰」かもしれません。この記事では、反り腰とは何かを説明した上で、そのチェック方法や改善方法を紹介します。
反り腰とは何か
反り腰とはどういった状態のことを指すのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
特徴
反り腰とは、その言葉の通り腰が反った状態のこと。背骨は24個ありS字にカーブしていますが、その反り、とくに腰椎の部分の反りが通常よりも強く湾曲している状態です。
(参考:足立慶友整形外科│反り腰について)
反り腰と猫背の違い
反り腰は背骨の腰椎が反っている状態と紹介しましたが、猫背は背中の下側にある下位胸椎と呼ばれる部分や、首のすぐ下に位置する上位胸椎と呼ばれる部分が湾曲している場合が多いとされています。また、背中が丸い状態である猫背と腰の弯曲が強い反り腰が複合されている場合もあります。
(参考:医療法人 全医会 あいちせぼね病院│コラム | 姿勢2 ~猫背~)
反り腰が招く問題や症状
腰が反ったままの状態を放置してしまうと、腰に負担がかかるため慢性的な腰痛を引き起こす可能性があるほか、悪化すると椎間板ヘルニアなどの症状が生じる場合があります。また、骨盤が前傾することで歪みが生じ、血流が悪化します。これによって、足の冷えやむくみにつながる場合もあるのです。
また、反り腰は、内面だけでなく外面にも影響を及ぼします。腰が反っていることによって下腹が前に出る姿勢になってしまうため、太っていなくてもおなかがぽっこりして見えてしまうというデメリットがあります。
(参考:RENAISSANCE│腰痛やぽっこりおなかの原因!女性に多い反り腰の原因と改善方法)
反り腰になる原因
ここからは、反り腰になってしまう原因を見ていきましょう。
座り方が悪い
反り腰になってしまう原因は様々ですが、座り方による姿勢の歪みもそのひとつとして挙げられます。中でも、デスクワークや座学の授業などで日常的に座る機会が多い方が、反り腰に悩まされるケースが多いとされています。
椅子に座っている際に、上半身が前傾し腰に大きな負担がかかることで、慢性的に反り腰を引き起こしてしまうのです。
(参考:HeartMedicalGroup│腰痛を予防・改善する正しい座り方って?)
ヒールの高い靴を履いている
ヒールの高い靴を履く機会が多いという方もいるでしょう。実は、これも反り腰を引き起こしてしまう原因のひとつなのです。
ヒールを履くと、必然的に重心が爪先に集中しますが、過度な爪先重心は前傾姿勢を招く場合があるため、これによって身体が前に傾きます。身体が前に傾くと、姿勢を正すために腰が後ろに沿ってしまうのです。
(参考:足立慶友整形外科│反り腰について)
体型が変化した
妊娠や急激な体重増加など、体型が変化することで反り腰になってしまう場合もあります。おなか回りが大きくなると、その分の重みを支えるために、重心が前方に移動します。これによって、ただ立っているだけでも身体が前方に傾いてしまうのです。姿勢のバランスを正そうと腰が反ってしまうため、結果として反り腰を引き起こしてしまいます。
筋力・柔軟性の低下
反り腰になる原因の一つとして、運動不足や加齢などによる姿勢を保つために必要な筋力の衰えが挙げられます。
姿勢を保つために必要な筋肉とは、骨盤が前傾するのを防ぐ腹直筋などの腹部の筋肉や、背骨を支えている脊柱起立筋、骨盤を支えている腸腰筋などを指します。腰部と腹部の筋肉のバランスが崩れると相対的に反り腰を引き起こしてしまうのです。
(参考:TENTIAL│反り腰の原因って何なの?厄介な反り腰の原因について徹底解説)
反り腰を改善すると得られるメリット
反り腰を改善させることで、姿勢が良くなることはもちろん、肩こりや腰痛などの症状が改善されるほか、その後の予防にもつながります。また、骨盤や肋骨が正常な位置に整うため、呼吸がしやすくなり、寝つきが良くなることもメリットのひとつ。加えて、臓器の位置も正常に整い、消化活動の働きが活発になることで、代謝が向上し痩せやすい身体作りに役立つのです。
(参考:小美玉接骨院│反り腰)
反り腰のセルフチェック方法
自分が反り腰かどうかわからないという方は、以下のセルフチェック方法で確かめてみましょう。
1.壁に背を向け、素足で立ちます。
2.壁から踵を5cmほど離してまっすぐに立ちます。
3.頭、お尻、背中を壁にぴったりとくっつけ、壁と腰の間に手を入れてみましょう。
4.このとき、壁と腰の間に手がすっぽり入ると、骨盤が前傾して腰が反っている可能性があります。
また、布団に仰向けで寝た際、布団と腰の間に手がすっぽりと入る場合も、反り腰の可能性があります。ぜひ、自分のやりやすい方法でチェックしてみてください。
(参考:HONEY-STYLE│反り腰がぽっこりおなかの原因?自宅で簡単反り腰チェック)
反り腰の改善方法
ここからは、反り腰の具体的な改善方法を見ていきましょう。
日常生活で反り腰を改善する方法
正しい立ち方
立つときの正しい重心の位置は、くるぶしのおよそ1cm前、踵から土踏まずにかけてです。まずはこの重心の位置を覚えておきましょう。
1.膝を伸ばした状態で立ちます。このとき、足幅は握りこぶし一個分開けておきましょう。
2.顔を下に向けて、足元を見ましょう。このとき、肩の力を抜いて、足の甲を覗き込むようにします。
3.ゆっくりと顔を上げてください。
4.その状態をキープし、足の指が自由に動かせる位置まで重心を踵側へ移動させましょう。
(参考:ドイツ足の健康館│猫背など悪い姿勢を正す立ち方・歩き方。意外な靴との関係もご紹介)
正しい座り方
デスクワークが多い会社員や座学が基本の学生の場合、1日のおよそ8時間を座って過ごしていることになります。座る姿勢を正しく整えて、腰への負荷を減らしましょう。
1.椅子に座って、前後左右に揺れてみてください。椅子の背に触れている感覚が最もある部分が分かるでしょう。この骨が坐骨です。
2.この坐骨に均等に体重がかかるようにして座り、座りやすい位置に上半身を調整しましょう。この姿勢がいわゆる「骨盤が立っている」状態です。
(参考:EXGEL│デスクワークの腰痛原因は座り方にあった!正しい座り方のポイントは頭の位置に)
正しい歩き方
歩く際は体幹と骨盤を意識しましょう。これによって安定した姿勢で歩くことができるのです。
1.歩幅を小さめにとり、お尻から脚を出していくイメージで足を振り出しましょう。
2.踵で小石をつぶすイメージで足をおろし、土踏まずを意識して踏み込みます。このとき、踵だけで踏みおろさないよう気を付けてください。
また、胸を張ったり大股になったりしないよう気を付けましょう。有酸素トレーニングとして行う場合は効果的ですが、負荷が大きく、反り腰を引き起こしやすくなってしまいます。
(参考:NAOT│教えて、先生! 第2回「正しい姿勢、歩き方とは?」)
ストレッチで反り腰を改善する方法
ここでは、反り腰改善に役立つストレッチを紹介します。朝起きたときや寝る前などに取り入れてみてください。
1.床に仰向けで寝転がり、膝を曲げて腕を身体の横に置きましょう。
2.背中と床の隙間を埋めるように、背中を床に押し付けます。
3.お尻に力を入れて浮かせてください。
4.その状態で5秒間キープして元に戻します。
この動作を10回繰り返しましょう。
反り腰を改善するおすすめグッズ
クッション
骨盤を立てた座り方を意識していても、長時間維持することは難しいという方もいるでしょう。そんな方は、クッションを活用して座る環境を整えておくのがおすすめです。クッションは坐骨部を包み込むタイプのものや、座面で体圧を分散させるタイプのものなど豊富に種類があります。普段使っている椅子の形や、使用する人の体型などによって使い勝手が異なるため、実際に試してから購入すると良いでしょう。
(参考:EXCEL│デスクワークの腰痛原因は座り方にあった!正しい座り方のポイントは頭の位置に)
コルセット
コルセットとは、ご存知の方も多いと思いますが、腰椎や骨盤をサポートしてくれる腰専用ベルトです。スポーティアのコルセットは、特殊な弾性を持った支柱を内蔵しており、しっかりと腰をサポートしてくれます。伸縮素材を使っているため、つけ心地もフィット感も抜群で、メッシュ構造の薄型設計は、汗をよくかき蒸れがちになる夏場には特に嬉しいポイントです!
腰をしっかりと支え、姿勢を正すことにより、反り腰防止に役立ちます。
ベルト
姿勢矯正ベルトを活用することで骨盤をサポートするのもおすすめ。矯正ベルトは、人体力学に基づいた設計が施されており、骨盤の歪みを矯正し、解消の手助けをしてくれるのです。腹圧を高めることで腰椎の負担を軽減するものや、腰の反りを抑えて姿勢を支えるもの、骨盤を固定することで動作を支えるものなど目的によって様々な種類があるため、自分のお悩みに応じて合う製品を選びましょう。
筋トレで反り腰を改善する方法
反り腰はトレーニングでも改善が期待できます。最後に、場所や器具を使わずに手軽にできる「ドローイン」という種目を紹介します。
1.足を肩幅程度開いて立ち、へその下で手を組みます。
2.その状態をキープし、3秒ほど鼻からゆっくりと息を吸いましょう。
3.最後に口から長く息を吐きます。
この動作を1日に20~30回ほどやってみましょう。
反り腰は、そのままにしておくと腰痛やぽっこりお腹など様々な不調を引き起こしてしまいます。
ストレッチやトレーニングに加えてクッションなどのグッズでも改善が期待できるため、日々の生活に取り入れてみましょう。