私たちは生活している中で、階段の上り下りや入浴、はたまたカラオケなど、あらゆる場面でカロリーを消費しています。それらのカロリー消費量を正しく把握し、生活習慣を見直してみませんか?この記事では、カロリーの定義や種類、1日の消費量の目安について詳しく紹介します。
カロリーとは
私たちは、食事をして体内で消化活動が行われたり、勉強や仕事をする中で思考して脳を動かしたり、運動を行ったりする際にエネルギーが必要となります。このエネルギーの単位が「カロリー」です。 食品の中で、主にエネルギーとして活用されるのは、タンパク質、脂質、炭水化物の3大栄養素とされています。
(参考:TANITA│カロリーとは)
カロリーの消費方法は3種類ある
ここからは、カロリー消費の種類について見ていきましょう。
基礎代謝
「基礎代謝」とは、私たち人間が身体を安静にしている状態で、呼吸したり体温を維持したりと生命を維持するために必要なエネルギー量のこと。基礎代謝は、睡眠中や何もせず座っているだけのときにも消費されます。
(参考:Kracie│基礎代謝は上げられる?その方法とは?|脂肪燃焼コラム)
生活活動代謝
睡眠中でも消費される基礎代謝に対し「生活活動代謝」は、歩いたり家事をしたりといった日常生活での動作や、スポーツ、トレーニングなど、身体を動かすときに消費されるエネルギーのことです。
食事誘発性熱産生
私たち人間は食事をすると、身体の中で栄養素が分解されて、その一部が消費されますが、この際に発生するエネルギーが「食事誘発性熱産生」です。
1日のカロリー消費量の目安
代謝の種類について紹介しました。ここからは、その3種類によって消費されるカロリーの量をそれぞれ見ていきましょう。
基礎代謝による消費カロリー
基礎代謝量による消費カロリーは、自身の体重、身長、年齢、性別から「ハリス・ベネディクト方程式」という計算式を用いて計算することができます。その主な計算方法は以下の通りです。
男性: 13.397 × 体重kg + 4.799 x 身長cm – 5.677 × 年齢 + 88.362
女性: 9.247 × 体重kg + 3.098 x 身長cm – 4.33 × 年齢 + 447.593
例えば、「30歳の女性、身長158cm、体重53kg」の場合は1,313キロカロリー、「年齢30歳の男性、身長171cm、体重69kg」の場合は1,667キロカロリーとなります。自分の情報を当てはめて消費カロリーを算出してみましょう。
生活活動代謝による消費カロリー
生活活動代謝は、1日の消費エネルギーのおよそ20%~30%を占めるとされています。活動の強度や頻度によって個人差はありますが、生活活動代謝は以下の計算式で割り出すことができます。
(体重kg×30=1日の消費エネルギー量)×0.2~0.3
例えば、体重が60kgの人の場合、1800キロカロリーが1日の消費エネルギー量です。生活活動代謝はその20%~30%であるため、360~540キロカロリーとなります。
食事誘発性熱産生による消費カロリー
食事誘発性熱産生の消費カロリーは、摂取する栄養素によって違いがあります。
その主な消費カロリーは、タンパク質のみ摂取した時は30%、糖質のみの時は5~10%、脂質のみの時は5%。通常の食事の場合はそれらがバランスよく含まれていると仮定して、およそ10%消費されると言われています。
個人差はありますが、平均的な体型の成人男女の場合、主な食事誘発性熱産生の消費カロリーは女性で200kcal前後、男性で240kcal前後です。
運動や日常生活で消費されるカロリー
ここからは、実際に日常生活を送る中でどのくらいカロリーを消費しているのか細かく見ていきましょう。
ウォーキングの消費カロリー
1時間ウォーキングを行うと、消費されるカロリーはおよそ150~350kcal。しかし、歩く速度を時速2km速めると、30分ウォーキングを行うだけでも消費カロリーはおよそ1.7倍増すとされています。そのため、ウォーキングでダイエット効果を得るためには、速度やフォームを意識するのがおすすめです。
(参考:KONAMI SPORTS CLUB│ウォーキングダイエットの効果は? 消費カロリー、痩せるためのポイントを解説)
ランニングの消費カロリー
体重やペースによって異なりますが、1時間ランニングを行うと消費されるカロリーはおよそ420kcal~588kcalです。フルマラソンの場合は、男性の場合およそ4時間半で完走すると仮定して、その消費カロリーは約3,300kcal。女性の場合はおよそ5時間で完走すると仮定して、約2,360kcalです。
階段上り下りの消費カロリー
階段を上り下りすることで消費されるカロリーは10段で約1kcal。建物1階分あたり20段あると仮定して280段、往復で560段とすると消費カロリーは56kcalとなります。階段の上り下りは軽いランニングと同じレベルの運動強度で有酸素運動でもあるため、続けることで少しずつでもダイエット効果が期待できるでしょう。
(参考:CanCam.jp│やせ体質に近づける!日常生活の中でできる「階段ダイエット」がスゴイ!)
筋トレの消費カロリー
筋トレには様々な種類がありますが、トレーニング機器などを使用しない軽度な種目の場合、体重50kgの人が20分間スクワットを行うと86.62カロリー、20分間 HIIT(高強度インターバルトレーニング)を行うと138.6カロリー、20分間腕立て伏せを行うと65.83カロリー消費されます。
スクワットの場合はダンベルやバーベルを使用することで、同じ20分間の運動でも消費カロリーは103.95カロリーと高くなります。
筋トレを行う際は、正しいフォームで無理せず安全に行いましょう。
(参考:MORINAGA かんたん、わかる!プロテインの教科書│筋トレで消費できるカロリーはどれくらい?カロリー消費量を考えて運動する!)
水泳の消費カロリー
体重55kgの人が1時間平泳ぎを行った場合、消費されるカロリーは600kcal、クロールを行った場合は1000kcalと、水泳は高いダイエット効果が期待できる運動と言えるでしょう。水に入ることで、およそ1.3トンの水圧がかかるため、陸上での運動よりも身体に負荷をかけることができるのです。
(参考:常滑市温水プール│泳いでみませんか?)
水中ウォーキングの消費カロリー
体重60kgの人が水中ウォーキングを1時間行った場合、消費されるカロリーは283.5kcal。水中ウォーキングは身体にかかる水圧や抵抗に反して全身の筋肉を使うため、陸上で行うウォーキングよりも多くのカロリーを消費できます。
フラフープの消費カロリー
フラフープを10分間行うことで消費されるカロリーは70 kcal。フラフープは有酸素運動であり、全身を使って行うため、輪っかを回すウエスト部分や下半身の引き締めに効果が期待できるでしょう。
(参考:名和株式会社│消費カロリーはウォーキングや水泳にも匹敵!? たった10分のフラフープで効果的にダイエット)
入浴時の消費カロリー
入浴することで消費できるカロリーは10分間で40kcal。また、入浴のあと、体重が変動する場合がありますが、これは発汗などによって体内の水分量が変動しただけであり、体脂肪が減ったわけではないため注意しましょう。
(参考:オリーブオイルをひとまわし編集部│入浴の消費カロリーはどのくらい?ダイエット効果やお湯の温度を解説)
サウナの消費カロリー
サウナに入った際の消費カロリーは1時間で100〜150kcalです。基本的に、サウナは10分を3セット行うため1回分の時間はおよそ30分。そのため、一度に消費されるカロリーは50〜80kcalと言えるでしょう。
カラオケの消費カロリー
カラオケで1曲歌うと、消費されるカロリーは5kcal〜10kcal。お腹から大きな声を出して歌うことによって無意識に腹式呼吸が行われ、腹部の筋肉が使われるため効果的にカロリーが消費されるのです。
カロリー消費量を上げるためには
最後にカロリー消費を上げる方法を紹介します。
基礎代謝の上げ方
基礎代謝によって消費されるエネルギーは、身体全体のおよそ22%が筋肉のために使われています。そのため、基礎代謝を上げるには筋肉量を増やすことがおすすめです。無酸素運動やエクササイズを取り入れましょう。
生活活動代謝の上げ方
生活活動代謝を上げるには、まず生活習慣を見直してみることが重要です。起床後や睡眠前にストレッチをして身体に酸素を取り込みながら血行を促したり、エレベーターではなく階段を使うよう意識したり、通学や通勤の帰りは一駅分歩いたりと毎日継続しやすい方法で生活活動代謝量を増やしていきましょう。
(参考:Kracie│基礎代謝は上げられる?その方法とは?)
食事誘発性熱産生の上げ方
私たちの身体は、冷えると臓器の働きが鈍って代謝が低下してしまいます。そのため、身体が温まる食べ物を積極的に食べたり、バランスの取れた食事をよく噛んで食べたりと、身体の内側からアプローチすることで食事誘発性熱産生を上げましょう。
代謝を促すことで健康効果が期待できるほか、痩せやすい身体作りにも役立ちます。習慣的に身体を動かしたり、食事や水分の摂取方法を改善したりと、手軽に取り入れられる方法もあるため、自分の生活スタイルに合うものを取り入れてみましょう。