美脚に憧れていても、脚痩せははなかなか効果を実感しにくいものです。この記事では、脚痩せが困難な理由から、脚痩せするために必要なこと、自宅でできるダイエット方法などを紹介します。美脚を目指して少しずつ努力を重ねていきましょう。
脚痩せが簡単にできないのには理由がある
実は、ダイエットにおいて部分痩せは不可能だとされています。なぜなら、体が脂肪をエネルギーに変換する反応は全身で均一に起こるため、一部分の脂肪のみを優先的に消費し、そのほかの部分を残しておくことはできないからです。
しかし、だからと言ってダイエットをすれば全身が均等に痩せていくというわけではありません。特に下半身は痩せにくいと言われていますが、これには筋肉と脂肪細胞という二つの要素が関係しています。
まず、上半身は下半身に比べ、筋肉よりも脂肪の割合が高いとされています。一方、全身を支える必要がある下半身は脂肪よりも筋肉の割合が高く、下半身に存在する「大臀筋」「大腿四頭筋」「ハムストリングス」だけでも全身の筋肉の50%を占めると言われるほどです。ダイエットを行うと脂肪が減少していくため、脂肪が多い上半身は痩せやすく、筋肉が多い下半身は痩せにくいのです。
また、私たちの体には、皮下や内臓に存在し、体内の余分なエネルギーを脂肪として蓄える「白色脂肪細胞」と、鎖骨付近や胸回りに存在し、脂肪を燃焼させてエネルギーを生み出す「褐色脂肪細胞」という2種類の脂肪細胞が存在しています。白色褐色細胞は、全身のあらゆる場所に分布していますが、特に下腹部、お尻、太もも、背中、腕の上部、内臓の周りなどに多いことがわかっています。痩せていても、太ももやお尻の脂肪が気になる人が多いのはこのためです。
以上のような理由により、下半身は脂肪が蓄積されやすく、ダイエットの効果も実感しにくいので、脚痩せに至る前にダイエットをやめてしまうという人もいるでしょう。
(参考:金沢医師会|脂肪細胞について、クラシエホールディングス 基礎代謝と筋肉量の関係!筋肉を増やすだけではだめ?|脂肪燃焼コラム)
ダイエットが無駄になる?脚痩せが遠のく3つの原因
先に説明したように、脚は全身の中でも特に痩せにくい箇所です。この段落では、脚痩せをさらに妨げてしまう原因を3つ紹介します。効率的に脚痩せをするためにも、心当たりのある方は改善していきましょう。
食べ過ぎ
多くの方がご存知のように、ダイエットに食べ過ぎは禁物。これは脚痩せについても同様です。カロリーの過剰摂取により、体脂肪はどんどん蓄積されていきますが、先に述べたように下半身には脂肪がつきやすいため、さらに脚痩せが困難になってしまいます。簡単に蓄積されてしまう体脂肪ですが、その増えた体脂肪を落とすことは簡単ではありません。
また、食べ過ぎにより体内に水分を多く取り込んでしまうと、脚がむくんで太くなってしまいます。
運動不足
人体は筋肉のポンプ作用によって全身に血液を行き渡らせています。しかし、運動不足の状態が続くと血流が悪くなり、血液中の水分が周囲の細胞に染み出すことで、脚がむくんで太くなってしまうのです。
また、運動不足によって筋肉が衰えると、基礎代謝が低下して、脂肪も蓄積されやすくなります。一度衰えた筋肉を元の状態まで回復させるのはなかなか難しく、コペンハーゲン大学健康加齢センターのマーティン・グラム氏によると、運動不足により一度筋肉が衰えてしまった場合、元の状態に戻るためには運動不足だった期間の3倍以上の時間が必要だとされています。
日常的に適度な運動をするよう心がけましょう。
(参考:大協薬品工業株式会社|健康一口メモ、国立研究開発法人 医療基盤・研究・栄養研究所 )
O脚やX脚
脚がO脚やX脚になっている方は、正常な脚の状態に比べて脚痩せしにくいとされています。その理由は、O脚やX脚になってしまう原因にあります。
脚が歪んでしまう原因は、脚が外側に流れる「ねじれ歩行」になっていることと、横座りや猫背などにより骨盤が歪んでいることの2つだと考えられています。
ねじれ歩行の場合、かかとから着地して足の指で地面を蹴る正しい歩き方ができていないため、負荷のかかる膝下の外側の筋肉ばかりが発達していきます。結果として脚が太く見えるだけでなく、運動をしても正しく筋肉を使うことができません。
(参考:レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 メディキュット|美脚マガジン)
また、骨盤が歪んでいる場合は使う筋肉に偏りが出てしまい、負荷がかかる筋肉が凝り固まって血流が悪くなります。こうなると、脚がむくみやすくなるとともに、基礎代謝量も落ちるので、骨盤周辺であるお腹や太ももの内側に脂肪がつきやすくなってしまうのです。
脚痩せダイエットを効率的に行うために必要なこと
脚痩せするのは簡単なことではありません。しかし、脚痩せに効果的なコツを押さえておくことで、より効率的に脚痩せを目指すことができます。この段落では、脚痩せの近道となるコツを2つ紹介します。
老廃物を溜めないこと
老廃物とは、体が必要な栄養を吸収したあとに残った不必要な物質のことです。通常は尿や便として体外に排出されますが、代謝が低下したり血行が悪くなったりするとうまく排出されず、体内に蓄積されていきます。そして、この老廃物の蓄積こそが、むくみや冷え症の原因になるのです。
脚は、重力の影響によって全身の中でも特に老廃物が蓄積されやすいため、脚痩せを目指すなら体内に老廃物を溜めないことが大切です。
老廃物を排出するには運動が効果的ですが、筋肉が疲労するとかえって老廃物が溜まりやすくなってしまうので、急な運動や激しい運動は避けるようにしましょう。また、老廃物は便によって排出される割合が高く、便秘になると体内で老廃物が滞ってしまいます。そのため、普段から食物繊維が豊富に含まれるものを摂取して、便秘を予防しましょう。
リンパの流れを良くすること
脚がむくんで太くなっている場合は、リンパの流れを良くするのが効果的とされています。
人の身体には、血管と同じようにリンパ管が張り巡らされており、その中をゆっくりとリンパ液が流れています。このほか、リンパ節や扁桃、虫垂等を総称してリンパといい、細菌や異物が体内に入るのを防いだり、体内の老廃物を回収・運搬したりする役割を果たしています。そのため、リンパの流れをスムーズにすることで、体内に溜まった老廃物や余分な水分などが排出しやすくなり、足のむくみをスッキリさせることができるのです。
リンパの流れを良くするには、まず身体を温めることが大切です。例えば、入浴をシャワーだけですませず、しっかり湯船につかるようにすれば、筋肉がほぐれてリンパが流れやすくなるだけでなく、リラックス効果も期待できるでしょう。
また、体を温めるのと同じくらい、しっかり水分を摂ることも大切です。水分が不足すると血液がドロドロになるのと同じように、リンパの流れも滞りやすくなってしまうためです。
このほかにも、マッサージや運動などもリンパの流れを改善してくれます。これらについては、具体例とともにあとで詳しく説明します。
(参考:日本リンパケア研究協会)
脚痩せダイエットにおすすめ!自宅でできる簡単な方法
脚痩せは一朝一夕に達成できるものではありません。そのため、どんなに脚やせに効果がある方法があっても、継続できなければ意味がないのです。ここでは、自宅で簡単にできる脚痩せマッサージやエクササイズを紹介します。お風呂上がりや寝る前など、スキマ時間に取り組んでみましょう。
マッサージ
リンパの流れは重力の影響を受けやすいため、心臓から遠い位置にある足や指先などはリンパの流れが悪くなってしまいます。そのため、マッサージによって筋肉を刺激し、リンパの流れを良くしてあげましょう。
身体が良く温まり、筋肉もほぐれているお風呂上がりは、リンパ液が流れやすく、マッサージに最適なタイミングです。足先から心臓に向かって、リンパの流れを促すようにマッサージをしていきましょう。具体的には、以下の手順で行います。
1.足首をほぐす。
2.ふくらはぎを揉んでリンパ節のあるひざ裏に老廃物を流すイメージで手を滑らせる
3.太ももを揉んでリンパ節のある脚の付け根に老廃物を流すイメージで軽く指圧をする
4.1~3を10回程度繰り返す
マッサージを行うときは、皮膚が摩擦してダメージを受けないように、滑りを良くするボディクリームやマッサージオイルを必ず使用してください。
(参考:株式会社ヴェレダ・ジャパン お部屋でリンパマッサージ セルフでやってみる効果って?)
運動
脚痩せの基本とも言える運動。しかし、外での運動は天候に左右されるため、長続きさせるのは難しいでしょう。そこで、家の中で簡単にできる運動を3種類紹介します。
ワイドスクワット
最初に紹介するのは、脚を横に開くワイドスクワットです。通常のスクワットと違い、内ももを引き締めることができます。
1.つま先を外側に向け脚を広めに開く
2.背筋を伸ばして下腹部を意識する
3.息を吸い、股関節から動かすイメージで尻を下げる
4.息を吐き、内ももと尻を意識して尻を上げる
つま先立ちエクササイズ
次に紹介するのは、つま先立ちエクササイズです。ふくらはぎを引き締める効果が期待できます。
1.つま先を開いた状態でかかとをつけまっすぐ立つ
2.5本の指に体重をかけながらかかとを浮かせて10秒キープ
3.ゆっくりかかとを下ろす
O脚解消エクササイズ
最後に紹介するのは、O脚の人に最適のエクササイズです。これを繰り返すことでO脚が改善され、脚の筋肉を正しく使えるようになります。
1.仰向けに寝転び左右の足を組む
2.上にした方の足を、反対の足の脛の方から下にくぐらせるようにして絡ませる
3.この状態を左右10秒ずつキープする
そのほか、以下の記事でも脚痩せに効果的なエクササイズをご紹介していますので、参考にしてみてください。
姿勢や歩き方の改善
O脚やX脚は、立ち方・座り方・歩き方の3点に気をつけることで少しずつ矯正することが可能です。
立つときは、まず肩の力を抜いて下腹部に力を入れ、左右のお尻を真ん中に寄せるようなイメージでお尻をきゅっと引き締めることがポイントです。猫背にならないよう、耳の後ろ、肩、くるぶしが一直線になるように、真っ直ぐ立つことを意識しましょう。
(参考:ベネッセの介護相談室|介護予防セルフケア)
座るときは、前かがみになりながら、お尻を椅子の後方にグイッと引き、骨盤を立てるようなイメージで座りましょう。この姿勢を保ったまま、お腹が机に触れる位置まで椅子を移動させると姿勢を保ちやすくなります。
(参考:PRESIDENT Online 正しい座り方は、「背筋ピン」ではなく「お尻をグイッ」)
歩くときは、まず正しい姿勢で立ちます。そのまま、後ろの足の親指で地面をしっかり蹴り出すようして歩き出しましょう。前の足はかかとから着地させ、ゆっくりと前方に重心を移動させるようにしてください。
(参考:ベネッセの介護相談室|介護予防セルフケア)
歩き方や座り方のクセはなかなか治りにくいので、紹介したポイントを意識しながら、毎日少しずつ習慣づけていきましょう。
脚痩せダイエットで美脚に!簡単なマッサージと適度な運動がおすすめ
脚は全身の中でもシェイプアップが難しい箇所です。しかし、上記で紹介したマッサージや運動を継続すれば、リンパの流れもスムーズになり、脚痩せの効果が出やすくなるでしょう。また、今回紹介した内容以外にもダイエットに関する情報が知りたいという人は、DMMオンラインサロンが最適です。ダイエットに役立つコンテンツや専門的な情報が豊富なオンラインサロンが多数開設されていますので、ぜひチェックしてみましょう。