数多くの人気女優&タレントのヘアメイクを手掛け、各美容雑誌やTV&ラジオ出演の他、コスメブランドとコラボアイテムの発売、自身もコスメブランドをプロデュースするなど幅広く活躍するヘアメイクアーティスト河北裕介さん。第一線で活躍し、忙しい日々を送る河北さんが次の活動のステージに選んだのは、オンラインサロンでした。
河北さんの運営する「河北メイク塾」は、2019年11月のサロンオープン以来、会員数は一時3000名を突破。現在でもDMMオンラインサロン有料会員数1位に輝き続ける大人気サロンへと成長しました。(2020年1月時点)
なぜオンラインサロンを立ち上げ、これからどのような活動をしてくのか。河北さんから直接お話を伺いました。
時間と場所の制約を超えて「美」を伝えたい
――なぜオンラインサロンを始めようと思ったのでしょうか。
河北裕介(以下、河北):ここ4~5年、日本全国のメイクイベントに呼んで頂くことが多かったのですが、まだまだ行けていないところはたくさんあります。しかも、こういったイベントは、場所や時間が決まっているから行きたくても行けない人もいますよね。
僕たち夫婦は共働きで、子育てしながら仕事もしてるので時間をつくる大変さもわかる。でも、お子さんがいる人がメイクの勉強をしたいのにできない、楽しめない、なんて環境はつくりたくなかったんです。そこで動画にすれば、たくさんの人に見てもらえるかなという想いでオンラインサロンを始めようと思いました。メイクテクニックを学ぶには、本当は生で見て頂くのが一番だと思っているのですが、現代の技術なら動画でも対応できるかなって。
会員さんなら、わかってくれると思うのですが、オンラインサロンの中にはすごい数の動画上げているんですよ。ちょっとやりすぎ?って自分でも思うくらい(笑)。それくらいたくさん伝えたいことがあって、中には30分長回しで解説し続けるものもあります。
雑誌だと、写真だから平面で伝えるしかない部分が、動画ではブラシの動きや発色を立体的に伝えられますよね。そうすると、いろんな伝え方が考えられるんですよ。まだまだ手探りな部分もありますが、どうやったらもっとわかりやすくなるか、楽しんでもらえるかを常に考えています。動画制作チームはTV製作にも関わるトップクリエイターですし、これからもどんどん質のよい動画を上げていこうと思います。
「期待にどこまで応えられるか」は、自分への挑戦
――オンライサロンの第一期が始まって2か月ほど経ちましたが、どんなコンテンツを提供しているのでしょうか。
河北:正直、「もうこれ以上ない!」というくらい、自分のテクニックを公開しています(笑)。
例えば「眉毛の描き方」だけでも何本も動画がありますし、動画を見て学んだ会員さんから自分の眉毛メイクの写真を送ってもらって、添削もしました。他のメイクテクニックでも、たくさんの方に参考になるように、いろんな顔の形、目の形のスタッフに実践していて。もうこれ以上ないよってくらい惜しげもなくテクニックを公開しています。
―動画を拝見させて頂いたのですが、おっしゃるように各動画の細かな解説が印象的で、たとえそれでわからなくても会員さんを置いてきぼりにしないように呼び掛けているのでホスピタリティを感じました。会員さんと河北さんとの距離が近いですよね。
河北:眉毛の描き方ってみんな悩むから、そこはとことんやろうと思ったし、「会費を払ってでも僕に学ぼうと門を叩いてくれる人の期待に、どこまで応えられるのか」という、自分への挑戦でもあった。だから、撮影現場にいてもすき間時間にコメントを見たり、返事をしたりしていて、常にオンラインサロンのことは頭の中にある状態なんです。
その結果、みんなどんどんメイクが上手くなって「河北さん!最近周りの人になんだか可愛くなったねって言われました!」って報告してくれる人も出てきました。そういうときは、心の底から、やっててよかったな~と思いますね。
こんな風に、一方通行ではなく双方向で交流できるのがオンラインサロンの良いところですよね。みんながコメントくれるから、それを読んで「自分と同じことで悩んでいる人いるんだ」とか「なるほど、そういうことか」とか、そこで納得したりする。僕も質問の返事を返していますが、自然と会員さん同士でも交流も生まれていたりするので、すごく良いコミュニティだなと嬉しく思っています。
見て終わりではもったいない!自ら発信することで生まれる化学反応
――河北さんのメイクテクニックが学べるだけでなく、会員同士で「交流」することも一つのコンテンツだと考えられているんですね。
河北:そうです。僕のメイクテクニックを動画で見て「はい、終わり」ではなく、それを人に言葉で伝えられるようになって初めて習得できたと言えると思っています。
だから、僕の動画を見て、自分はどう思ったのかきちんと反応してほしい。例えば「ここが難しくてできないんだけど、みなさんはどうやっていますか?」って聞いてみるとか、質問の答えがわかる人はそれに答えるとか。そうすると、答えた人の理解度は一歩深まるし、わからなかった人は僕とは違う角度から解説を聞くことができますよね。中には、基本的な質問をする人もいるかもしれませんが、そこも「チャンス」だと思って積極的に答えていって欲しい。
おかげさまで10代後半~50代前半までたくさんの方が参加してくれているので、悩みも考え方も違う様々な人たちと関わることができます。年代を超えて、メイクやコスメに夢中になれる仲間に出会えるって素敵だし、そこで生まれる化学反応って尊いものですよね。
だからこそ、受け身なだけでなく、自ら発信するということを大切にして欲しいと思います。
DMMオンラインサロン有料会員数NO.1 の秘密とは
――河北メイク塾は、有料オンラインサロンの中で会員数1位(2020年1月時点)となっいますが、その人気の秘密とはなんでしょうか。
河北:僕も含め、リアルにみんなが良いと思っているコスメを知れることかな。各媒体でタイアップ記事や広告を多く担当していますが、その中でも、僕は本当に自分が良いと思えるものを伝えたいというポリシーを持って仕事をしています。だから、なんでもかんでも褒めるのは、ちょっとクエスチョンがついちゃうんです。「本当にそう思ってるの?」って。同時に、ただ新作コスメを褒める人にもなりたくなくて、そうなると「みんなに勧めたいな」って思うものは結構限られてきてしまうんですよ。実際に、僕ほどいつも同じアイテムを推薦する人っていないと思います(笑)。でも、嘘をつきたくないから仕方ないよね。
雑誌は、いろんな制約のなかで成り立っているものだから、どうしても新作コスメの話が多くなるものです。でも、オンラインサロンはクローズなコミュニティで、制約もありませんからもっと自由に話をしています。本当ここでしか言えないことがたくさんあって(笑)。
――それは具体的にどんな話ですか?さわりだけでも…。
河北:絶対言えない(笑)! それが知りたかったらぜひ入会して(笑)。
僕はキャリアが長い分、知識も豊富だと思っているし、たくさんの女優さんやタレントさんのメイクを担当するなかで「本物」を見てきたし「本物」をつくってきた自信がある。今ってすごく情報過多な時代だけど、そんな僕が勧める情報だからこそ信じてくれる人も多いと思うんです。必ずしも新作がベストだとは思っていないし、みんなの手持ちのコスメで求めていることができることもあるから、そういうアドバイスもどんどんしています。
あと、僕が良いと思っていても人によっては感じ方が違いますよね。でも、会員同士での交流が盛んだったら「河北さんはこれを勧めていましたけど、私にはこれが合いました」とか、いろんな状況でそれぞれの「良い」情報を知ることができますよね。世の中にまだ出回っていない、濃くてマニアックな話が聞きたい人は満足してもらえるんじゃないかな。
全ての人が楽しめるオンラインサロンを目指して
――新刊では、会員さんからメイクモデルを起用したとお伺いしました。これは会員さんからすればとても夢がある話ですよね。今後は、どんなことを企画されているのでしょうか。
河北:今度、オフ会を開催するのですが、その時も会員の中からメイクモデルを選んで実際に僕がメイクします。こんな感じで、これからもどんどん会員のみなさんに直接メイクをしていきたいと思っています。あと、オンラインで繋がっている人と実際に会える場所ってなかなか面白いと思うので、今後もリアルイベントは継続していきたいですね。会員同士で積極的に交流してほしいのはもちろんですが、僕もみなさんに会いたいんですよ。この他にも、今は言えないけどやりたいことばかりなのでぜひ期待していてください!
「河北メイク塾」では、トップメイクアーティストである河北さんがこれまでのキャリアで築いてきた「本物」の知識とテクニックに加え、会員同士で交わされる生きたコスメ情報に出会う事ができます。また、リアルイベントの開催をはじめ、今後も様々な事が企画されているとのことで、ますます目が離せません。