トレーニングをする人やアスリートに多く好まれてきたプロテインですが、最近では美容やダイエット目的で、プロテインを飲む人も増えてきました。
プロテインは、私たちの生活で不足しがちな栄養素を補給してくれるなど、さまざまな嬉しい効果があります。今回はそんなプロテインの持つ効果や、効果的な飲み方などについて解説します!
プロテインにはどのような効果があるの?
プロテインとは、日本語で「たんぱく質」を意味する言葉で、ギリシャ語で一番大切なものを意味する「プロテオス」が語源です。プロテイン(たんぱく質)は、その語源の通り、炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素の一つで、筋肉や内臓、ホルモン、酵素、免疫細胞などを作る役割を持ちます。
そして、私たちがお店でよく目にするプロテインは、たんぱく質を効率よく摂取できるように粉末状にし、飲みやすいように味を加えたもので、体内で不足したたんぱく質を補う効果があります。
日本では、お米やパンを中心に、炭水化物が多い食事になりやすく、たんぱく質を多く含む肉や魚、大豆類などを意識的に食べている人は、少ないのではないでしょうか。
そんな人は、プロテインを摂取することで、普段の食生活で不足しがちなたんぱく質を、低カロリーかつ効率よく摂取することができます。
プロテインの栄養・カロリー
プロテインは低カロリーというお話をしましたが、具体的に他の食品とどれだけカロリーが違うのか、比較してみましょう。ここではあるプロテインを1回飲んだときのたんぱく質・カロリー量を、他の食材と比較してみました。
このように、たんぱく質の含有量が多いとされる食品のほとんどと比較しても、プロテインのカロリーのほうが低いとわかります。そのほか、鮭やあじなどの魚類、ささみ、ブロッコリーなども非常に低カロリーなので、ダイエット中の食事では積極的に摂取していきたいですね。
また、「プロテインにはたんぱく質以外の栄養素は含まれているのか」という点も気になりますよね。商品によって大きく異なりますが、プロテインには次のようなミネラル、ビタミンを含む商品もあります。
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・葉酸
・ビタミンB12
・ナイアシン
・パントテン酸
・カルシウム
プロテインの役割
たんぱく質が不足すると、身体機能や骨格筋量が低下し、ケガや病気に弱い身体となってしまいます。
人体は、運動をしていない場合であっても、男性で60g/日、女性で50g/日のたんぱく質が必要だと言われており、これをすべて食事で摂取するとなると、鶏むね肉なら1日に300g以上食べなければなりません。さらに、日常的にスポーツ・トレーニングをしている場合は、体重1kgあたり1.5g〜2.0gのたんぱく質が必要になると言われています。
このように、食事だけで1日に必要なたんぱく質量を摂取するのはかなり大変であることに加え、カロリーオーバーの心配もあるでしょう。
そこで、普段の食事に加えて、プロテインを飲むことで、1日に必要なたんぱく質量を手軽に補えるというわけです。
筋肉への効果
日常生活で不足しがちなたんぱく質を手軽に補えるプロテイン。さらに、トレーニングをしている人にとっては、もう1つの嬉しい効果があります。それが、筋肉の成長を早めるというものです。
筋肉を肥大化させるために行うトレーニングの後は、筋肉(筋繊維)が破壊された状態になります。ここから筋肉が回復に向かうプロセスで、筋肉は成長するのです。特に運動後45分以内は、破壊された筋肉の回復作用が促進される「ゴールデンタイム」。このタイミングできちんとたんぱく質を摂取することで、効率よく筋肉を修復し育てることができるとされています。
シェイカーと水分があればすぐに飲むことができるプロテインは、ゴールデンタイム中のたんぱく質摂取にとても便利。トレーニングの効果をより高めたい人にとって、プロテインは強い味方になってくれるでしょう。
(参考:おいしさと健康 glico|プロテインで筋トレ効果アップ!仕組みやおすすめの摂取方法)
プロテインの種類は2つに分けられる
プロテインは、生物由来のたんぱく質から生成されています。また、どの生物から生成されたかで、大きく2種類に分けることができます。
動物性のプロテイン
プロテインの中で、特に多いのが動物性のプロテインです。ホエイプロテインとカゼインプロテインの2種類があり、どちらも牛乳から生成されています。
植物性のプロテイン
植物性プロテインは、大豆から生成されています。一般的に「ソイプロテイン」と呼ばれているのものは、この植物性プロテインのことです。
(参考:GronG|プロテインの基礎知識)
ホエイ・カゼイン・ソイプロテインの3種類の効果を比較
前述したように、プロテインは大きく分けて、動物性プロテインと植物性プロテインの2種類あり、さらに、ホエイプロテイン・カゼインプロテイン・ソイプロテインの3種類に分けられます。それぞれ特徴が違うので、体質や目的、好みに合わせて選ぶといいでしょう。
ホエイプロテインの効果
数あるプロテインのなかで、もっとも有名なのがこのホエイプロテインです。ホエイとは、牛乳たんぱく質の一種で、ヨーグルトなどの上澄みにできる液体のことです。日本語では「乳清」と呼ばれています。ホエイにはたんぱく質だけでなく、ミネラルや水溶性ビタミンなどが含まれているのも特徴です。
体内への吸収速度が早いのが特徴で、トレーニング直後に飲むプロテインとして最適でしょう。
また、ホエイプロテインの製法には、プロテイン以外のビタミン、ミネラルを多く残したWPC製法と、たんぱく質含有率をできるだけ高めたWPI製法の2つがあります。後者のほうがお腹を崩しにくいなどのメリットがあるものの、価格はやや高めです。
(参考:おいしさと健康glico|ホエイ、カゼイン、ソイってなに?プロテインの種類について)
カゼインプロテインの効果
カゼインプロテインは、牛乳に含まれるカゼインから作られたプロテインのこと。カゼインは、牛乳たんぱく質の80%を占める不溶性の固形成分です。そのため、水溶性で吸収が早いのが特徴のホエイプロテインに対し、カゼインプロテインはゆっくりと身体に吸収されるという特徴があります。
腹持ちもよいため、間食や就寝時のたんぱく質補給におすすめです。
(参考:MORINAGA かんたん、わかる!プロテインの教科書|スタミナ抜群の「カゼイン」プロテインとは)
ソイプロテインの効果
大豆のたんぱく質成分から作られたソイプロテインは、カゼインプロテインと同様に、ゆっくりと消化・吸収されます。満腹感が持続しやすいだけでなく、大豆に含まれるイソフラボンのおかげで、肌荒れ・血流改善も期待できるのが特徴です。
ソイプロテインを健康維持や美容目的で飲んでいる人も多いようです。
プロテインの味・フレーバーの種類を紹介
最近では、フレーバーもさまざまなものが登場しているプロテイン。ここでは代表的なメーカーのプロテインを紹介します。
ザバス
明治から発売されているザバスシリーズは、国内メーカーのプロテインの中でも特に長い歴史があります。トップアスリート向けの「PRO」、増量・減量など、目的別にアスリートの身体づくりを支える「ATHLETE」、筋肉の成長などたくましい身体づくりを目的とした「BODY MAKE」、シェイプアップを目的とした「BODY SHAPE」の4種類が展開されています。
主なフレーバー
・バニラ
・グレープフルーツ
・バナナ
・ヨーグルト
・チョコレート
・ココア
・抹茶
・アセロラ
(参考:ZAVAS)
DNSプロテイン
国内メーカーのプロテインの中で、明治のザバスと並んで有名なのが「DNSプロテイン」です。ハイブランドの「SUPER FUNCTIONAL」、目的別に特化した「FUNCTIONAL」、たんぱく質以外の栄養素も付加した「BASIC」の3種類があります。
主なフレーバー
・チョコレート
・ヨーグルト
・フルーツミックス
・ストロベリー
・ビターチョコレート
・エナジードリンク風味
・ミルク
・プレーン
・カフェオレ
・抹茶
・レモン
・リッチバニラ
・いちごみるく
・バナナオレ
・トロピカルマンゴー
BASICを中心にかなり豊富な種類が展開されています。
(参考:DNS|ライバルに差をつけろ DNS サプリメントガイド)
be LEGEND(ビーレジェンド)
プロテインメーカーとしては比較的歴史の浅い、Real Style(リアルスタイル)が販売する「be LEGEND(ビーレジェンド)」。ホエイプロテインを中心に、幅広い種類が展開されています。
主なフレーバー
・ナチュラルフレーバー(ミルク風味)
・激うまチョコ風味
・そんなバナナ風味(バナナオレ風味)
・ベリベリベリー風味(ぶどうジュース風味)
・すっきリンゴ風味
・南国パイン風味
・キャラメル珈琲風味
・めろめろメロン風味
・一杯飲んどコーラ風味
・情熱のパッションフルーツ風味
ユニークなフレーバーの名称が面白いですね。
なかでも激うまチョコ風味は、他社製品と比べてすっきりと甘さがおいしいという評判も。コスパがいいプロテインなので、さまざまなフレーバーを試せるのもメリットです。
チャンピオン
海外メーカーのプロテインとして、ポピュラーなものが「チャンピオン」です。
フレーバーは、
・チョコレートブラウニー
・ストロベリーサンデー
の2種類のみですが、国内メーカーの製品と比べて安価で購入できるので、何よりもコスパ重視の方におすすめ。海外メーカーのプロテインは味が濃いと感じられることも多いため、人によっては推奨量よりも水を多めに入れ、味を薄めて飲むこともあるようです。
マイプロテイン
チャンピオンと並び、海外メーカーのプロテインとして有名なのが「マイプロテイン」です。2004年に誕生して以来、ヨーロッパではNo.1のブランドとして知られています。マイプロテインのすごさは、何と言ってもフレーバー種類の豊富さ。その数は30種類以上と、他のプロテインメーカーを圧倒するバリエーションを誇ります。
代表的な人気フレーバー
・ミルクティー
・ナチュラルチョコレート
・ストロベリークリーム
・モカ
・ピーチティー
・抹茶ラテ
・チョコレートブラウニー
・ブルベリーチーズケーキ
・ラテ
・ティラミス
パウダータイプ以外のプロテインも!
プロテインは、シェイカーで水や豆乳などとまぜて飲む以外にも、さまざまな商品が発売されています。コンビニやスーパーなど手軽に手に入るので、外出先での摂取におすすめです。
ドリンク
粉末プロテインで有名な明治のザバスなどは、同じブランドでドリンクタイプのプロテインも販売しています。1本あたりに含まれるたんぱく質は10g前後、カロリーは80kcal前後と控えめで、後味がすっきりとしていて飲みやすいのが特徴です。
運動後だけでなく、ランチなどと一緒にたんぱく質を補給するのにもおすすめ。
ゼリー
ゼリータイプの商品は、1本あたりに含まれるタンパク質量は5g前後とそこまで多くはありませんが、ビタミン、ミネラルなども同時に摂取できる製品が多く販売されています。仕事で忙しいときや小腹を満たしたいときはもちろん、スポーツ時の手軽なエネルギー補給としても便利です。
また、森永製菓株式会社が販売する「inゼリー プロテイン15000」は、ゼリータイプでありながら、たんぱく質よりも吸収の早いたんぱく質ペプチドを15gも配合しています。手軽にたくさんのタンパク質を摂取したい人は、こちらの製品も試してみてください。
(商品リンク:inゼリー プロテイン15000)
プロテインバー
プロテインバーは、サクサクとした食感と甘い味が特徴で、お菓子感覚で楽しむことができます。食感や味はメーカーによってさまざまですが、チョコレート風味やグラノーラ味。ドリンク、ゼリーよりもカロリーは高めですが、ダイエット期間中でも罪悪感なく食べられます。
ヨーグルト
美容・健康効果の高いヨーグルトと、たんぱく質補給に向いているプロテイン。2つのいいところを1つにまとめたのが、「プロテインヨーグルト」です。ヨーグルトを食べる習慣のある人なら、普通のヨーグルトをプロテインヨーグルトに置きかえるだけで、日常の食事に自然とたんぱく質をプラスすることができます。
プロテインを飲むと太る?ダイエットに効果はある?
低カロリーで高タンパク質なことから、ダイエットに向いているとされるプロテインですが、飲み方を間違えると逆に太ってしまう可能性もあります。
プロテインを飲むと太ってしまう原因として、よくあるのが次のパターンです。
・プロテインの飲む頻度が多い
・プロテインを割る飲料のカロリーが高い
・プロテインの飲む頻度に対して、運動量が少ない
これからプロテインを飲もうと考えている人は、以上の点に気をつけましょう。さらに、プロテインと肥満の関係については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
効果的なプロテインの飲み方
飲むタイミング
プロテインで効果的に筋肉を付けたり、ダイエットしたりしたい人は、次のタイミングにプロテインを飲むといいでしょう。
(1)運動後のゴールデンタイム
冒頭でも触れたように、トレーニング後45分以内は、破壊された筋肉の回復作用が促進されるゴールデンタイムです。このタイミングでプロテインを飲むことで、トレーニングの効果をさらに高めることができます。
(2)起床時
起きてすぐというのは身体の栄養が枯渇した状態です。そのため、朝食はしっかり摂ってたんぱく質を補給したいところですが、時間がなくちゃんとご飯を食べられない人もいるでしょう。おろそかになりがちな朝食にプロテインをプラスすることで、たんぱく質を素早く補給できます。
(3)就寝前
人は寝ている間、成長ホルモンが分泌されて筋肉の成長が進みます。そこで、成長ホルモンの材料でもあるたんぱく質を補給することで、この働きを助けることができるのです。ただし、プロテインの消化は胃に負担がかかるので、就寝60分前を目安に飲むといいでしょう。
(参考:MORINAGA かんたん、わかる!プロテインの教科書|プロテインのエネルギー量はどれくらい?他の食品と比較してみよう)
プロテインは日本人に不足しがちなたんぱく質を、効率的に補ってくれるプロテイン。水に溶かして飲むだけでなく、お菓子やゼリータイプなど、種類も豊富です。自分のライフスタイルや体質、身体づくりの目的に合わせて、プロテインの種類・味を選んでみてください。