美容や健康・ダイエットを目的として 「半身浴」を取り入れている方は多いでしょう。単純に体の半分だけお湯に浸かれば半身浴と思われがちですが、半身浴の効果を最大限に発揮するためには、お湯の温度や入浴時間など、いくつかのポイントを意識する必要があるのです。
この記事では、半身浴をする際の注意点や全身浴との違い、おすすめグッズなどについて徹底解説します。
半身浴のやり方
まずは半身浴の正しいやり方について確認しておきましょう。
事前に水分を補給する
入浴の30-40分ほど前に、コップ一杯程度の水分を補給しておくことで、入浴中の発汗を促すことができます。また、半身浴は短時間でも大量に汗をかくため、入浴中にもこまめに水分を補給するようにしましょう。
タオルを準備する
半身浴をしている最中は、上半身が乾燥したり、寒く感じたりすることがあります。肩にタオルをかけるなどしてしっかり保温しておきましょう。最近では、半身浴専用のタオルも販売されているため、気になる方はぜひチェックしてみてください。
お湯の温度は38度
半身浴には、ややぬるめと感じる38℃前後の温度が適温とされています。ぬるめのお湯に半身だけ浸かることで温熱作用が穏やかになり、副交感神経が刺激されることで心身ともにリラックスした状態になるのです。
反対に、42℃以上のお湯で半身浴をすると交感神経が刺激されて緊張・興奮状態になってしまうため、リラックス効果を期待することができません。
(参考:TOKYO GAS ウチコト│半身浴vs全身浴どっちが良い? 効果と違いを徹底実験比較!【東京ガス都市生活研究所】)
お湯の量はみぞおちまで
半身浴をする際は、お腹のみぞおちまでを目安にして湯船にお湯を張りましょう。半身だけ湯船に浸かることで身体にかかる水圧が小さくなるほか、全身にゆっくりとお湯の熱が伝わるため、身体への負担を小さくすることができます。
半身浴の姿勢
入浴の際、つい背中をバスタブにくっつけ、頭をもたげてしまうという人も多いでしょう。しかし、この体勢では首に負担がかかって血流が悪くなってしまうため、半身浴の効果が半減してしまう可能性があります。半身浴中は、首をまっすぐに伸ばすよう心がけましょう。
入浴時間
半身浴の時間は、20分以上~30分程度が最適とされています。これは、入浴を始めてから効果的に汗をかくまでの時間が平均20分程度とされているためです。
とは言え、適度な発汗は身体が十分に温まっている証拠であるため、必ず20分以上入浴しなければならないということはありません。発汗の状態や体力には個人差があるため、自分の状態に合わせて半身浴の時間を調整しましょう。
入浴時の注意点
ここからは、半身浴を行う際の注意点について見ていきます。安全に半身浴を行うためにも、しっかり内容を確認しておきましょう。
食後すぐに入浴しない
食後は、消化のために胃腸が活発に活動しており、血液も胃腸に集中しています。そのため、この状態で半身浴をして全身の血液循環を促すと、胃腸の働きが悪くなり、消化不良を起こしてしまう場合があるのです。
食後に半身浴をする場合は、最低でも30分~1時間程度、可能であれば2時間は時間を置くよう気を付けましょう。
飲酒時には入浴しない
飲酒した状態で入浴すると、温熱作用によって一気にアルコールが全身に回ってしまいます。さらに、脳や心臓への血流が悪化し、脳貧血や不整脈、心臓発作などの症状を引き起こしてしまうこともあるため、飲酒した状態で半身浴を行うことは危険だと言えるでしょう。安全に半身浴を楽しむためにも、お酒を飲んだ直後の入浴やお酒を飲みながらの入浴は避けてください。
(参考:ココカラクラブ│飲酒後のお風呂は危険?入浴とアルコールの関係とは?)
入浴前に足元からお湯をかける
浴槽に浸かる前は、心臓から遠い足元から徐々にお湯をかけて温度に慣らしておきましょう。
このとき、上半身からお湯をかけてしまうと、入浴中に冷えてしまいます。そのため、かけ湯をするのは下半身を中心に、お湯に浸かるところまでにしておくのがおすすめです。
半身浴の効果
半身浴を行うと、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは半身浴で期待できる効果や役割ついて紹介します。
むくみの改善
半身浴で汗をかくと、全身の毛穴から老廃物が排出されやすくなります。さらに、血流やリンパの流れも改善されるため、むくみを改善させる効果が期待できるでしょう。
(参考:アース製薬 お風呂なび│お風呂のギモン)
心臓や血管への負担を減らす
半身浴は、全身浴と比べてかかる水圧が低い分、身体への負担が小さいという特徴があります。そのため、心臓や肺が弱い方や、高血圧の方には半身浴がおすすめです。
また、バスタイムをじっくりと楽しみたいものの、全身浴ではすぐにのぼせてしまうという場合も、半身浴であれば身体に負担をかけすぎずリラックスした時間を過ごせるでしょう。
(参考:バスクリン│「半身浴」が体に良い理由)
半身浴にダイエット効果はある?
結論から言うと、半身浴を行うことでダイエット効果が期待できると言えます。これは、半身浴によって体温が上がると、血流の増加と同時に新陳代謝が高まり、カロリーの消費が促されるためです。
とは言え、一度半身浴をしたからといって、すぐに体重が落ちるわけではありません。ダイエット効果を高めたい場合には、定期的に半身浴を行うようにしましょう。
全身浴と半身浴はどっちが効果的?
全身浴と半身浴には、それぞれ違った効果があるため、どちらかがより効果的ということはありません。
全身浴は温熱効果が大きく、短い時間で効率よく身体を温めることができるほか、水圧の影響で血流が促進されるため、肩こりなどを和らげる効果が期待できるとされています。一方で、半身浴は身体への負担が少なく、温熱作用が穏やかでリラックスしやすいというメリットがあるため、自分が求める効果や体調に合わせて入浴方法を選ぶと良いでしょう。
(参考:アース製薬 お風呂なび│お風呂のギモン)
半身浴のおすすめアレンジ・グッズ
入浴剤やバスグッズを工夫することで、より半身浴の効果を高めることができます。最後におすすめのグッズを確認しておきましょう。
塩風呂
お風呂に天然塩を入れて浸かるだけの「塩風呂」は、手軽に取り入れることができる入浴のアレンジ方法です。塩の発汗作用が促されることで老廃物が排出されやすくなるほか、肩こりや腰痛の改善など効果が期待できます。効果的な入浴方法は以下の通りです。
1.浴槽に38〜40度のお湯をためます。
2.塩を30〜50g程度加え、全体を混ぜてください。
3.まず10分ほど入浴して身体を温めます。
4.一度、浴槽を出て身体を洗いましょう。
5.再びお湯に浸かり10分程度したら、最後にシャワーを浴びます。
塩は肌への浸透率が高く刺激を感じやすいため、皮膚に傷がある場合は控えてください。また、浴槽に塩分が残っていると金属部分が錆びてしまう可能性があるため、塩風呂を行った後は素早くお湯を抜いて、残った塩はシャワーで洗い流しましょう。
入浴剤
入浴剤には、身体を温める作用があるものや発汗作用があるもの、リラックス効果が期待できるもの、美容成分が配合されているものなど様々な種類があります。自分が求める効果に見合ったものを選べば、より充実したバスタイムになるでしょう。
椅子
半身浴をしてみたいものの、家族と住んでいるためお風呂はいつも全身浴になってしまうという方におすすめなのが半身浴専用のバスチェアです。このアイテムを使用することで、浴槽にたっぷりお湯を張っている場合でも、水の高さをへそから胸元あたりに調節することができます。通常のバスチェアと違って、浴槽に入れても浮かない仕様となっている点が嬉しいポイントです。
浴室暖房
半身浴を行う際は、浴室内を26℃~28℃前後に保つと、体内の新陳代謝が活発になるとされています。そのため、夏場以外の季節に半身浴をする場合は、浴室暖房を使用して浴室の温度を暖かく保つのが理想的です。
美容と健康に嬉しい効果が期待できる半身浴は、健康的な生活を送るための体質作りをサポートしてくれます。また、入浴剤やバスグッズを自分好みに工夫することで、リラックスできる時間を過ごすことができるでしょう。この記事で紹介した注意点や入浴時間の目安を守って、安全に半身浴を楽しんでみてください。